ナレッジワーカーとは?意味や代表的な職種・必要なスキルを解説

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ナレッジワーカーとは、知識や情報を活かしてサービスに付加価値を提供する労働者のことを指します。テクノロジーの急速な発展により、近年さらに必要性が高まっている人材です。本記事では、そんなナレッジワーカーについて、意味や代表的な職種など詳しく解説していきます。

ナレッジワーカーとは?

ナレッジワーカーという言葉は、マネジメント理論で知られるピーター・ドラッカーが生み出しました。

「ナレッジ(知識)」と「ワーカー(労働者)」を組み合わせた造語であり、日本語では「知識労働者」と訳されます。

ナレッジワーカーの意味

「知識労働者」といわれてもピンとこない方も多いでしょう。

これは、単純作業・単純労働ではなく、自身の知識を活用することで新たな付加価値を生み出す労働者を指します。

与えられた仕事をただこなすだけでなく、既存の問題を発見、解決したり、新たな視点を加えたりといったプラスアルファの価値を創造します。

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ナレッジワーカーの関連語

ナレッジワーカーへの理解度を上げるためには、関連語との関係や違いについて認識することが大切です。

用語の意味をしっかりと認識し、正しく使い分けるようにしましょう。

ナレッジワーカーの類義語

ナレッジワーカーの類義語としてはホワイトカラーがあり、オフィスにて頭脳労働をする人々を指します。

ホワイトワーカーの一部がナレッジワーカーという位置づけです。

ホワイトカラーが担う仕事は広く、デスクワーク全般であり、中にはマニュアル通りの業務遂行も含みます。

一方のナレッジワーカーは、デスクワークの中でも専門知識や経験を活かし、新たに何かを生み出すことが求められます。

ナレッジワーカーの対義語

ナレッジワーカーの対義語はマニュアルワーカーです。

専門的な知識や経験をもとに新たな付加価値を生み出すナレッジワーカーに対し、マニュアルワーカーはマニュアルに沿って業務をおこない、生産性と作業効率の向上を目指します。

高度経済成長期の日本においては、工場勤務などで決められた手順に基づき作業を進めるマニュアルワーカーの存在が重要でした。

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ナレッジワーカーが注目されている背景

ナレッジワーカーが注目されている背景には、世界的に資本主義が中心となってきたことが挙げられます。

他にもいくつかの要因がありますので見ていきましょう。

VUCA時代の突入

現在はVUCAの時代といわれています。

VUCAとは、Volatility(変動性)、Uncertainty(不確実性)、Complexity(複雑性)、Ambiguity(曖昧性)の頭文字を取った造語です。

社会やビジネスにとって未来の予測が難しくなる状況を意味しています。

VUCAの時代においては、決められたことをただこなすだけでは企業は生き残れません。

課題発見力や解決力、自力でやっていく能力を身につける必要性があり、そのためにはナレッジワーカーの力が今まで以上に必要となっています。

テクノロジーの急速な発展

近年はAIやRPA、IOTといったテクノロジーの進化が目覚ましいです。

工場などの生産現場では自動化により人がおこなう単純作業はどんどん減少し、ホワイトカラーの仕事についてもボタン一つで計算が自動でされるなど、効率化が進んでいます。

このようなテクノロジーの急速な発展により、人がする仕事はより付加価値の高いものである必要性が増しています。

「もしドラ」の流行

ナレッジワーカーという言葉が広まるきっかけを作ったのは、岩崎夏海氏の小説『もし高校野球の女子マネージャーがドラッカーの「マネジメント」を読んだら』(通称「もしドラ」)の流行です。

「もしドラ」の流行により、「マネジメント」が以前よりも身近なものとなり、あわせて、ドラッカーが提唱していたナレッジワーカーも注目されるようになりました。

ナレッジワーカーの代表的な職種

ナレッジワーカーの代表的な職種は下記の5つです。

  • ITエンジニア
  • データサイエンティスト
  • コンサルタント
  • webマーケター
  • 金融ディーラー

それでは、ナレッジワーカーの代表的な職種についてみていきましょう。

ITエンジニア

ITエンジニアはコンピュータやソフトウェア技術を活かし、ITシステムの提供をする職種です。

今までの知識や経験を活用し、どうシステム構築をすることが有効か、お客様の要望を反映させる最適なシステムはどのようなものかなどを推敲します。

ITエンジニアには、プログラミングの知識はもちろん、論理的思考力やコミュニケーション能力などが必要となります。

データサイエンティスト

データサイエンティストは、膨大なデータをもとに解析・分析し、データをビジネスに活用する道筋を提案する職種です。

AIが広がっていったとしても、AIですべてが解決できるわけではありません。

現場と一体となり、AIを活用しながらデータから改善を提案し、成果を上げることが求められます。

データサイエンティストには一般的なビジネススキルのほか、データを理解・検証するスキルや課題発見能力などが必要です。

コンサルタント

コンサルタントは企業や行政機関などの問題解決を提案する職種です。

コンサルタントの種類は広く、経営戦略を担当する経営コンサルタント、システム開発の導入などを担当するITコンサルタント、人事制度を担当する人事コンサルタントなどがあります。

コンサルタントには各分野における専門知識や情報収集能力、思考力、問題解決能力、他にも幅広いスキルが求められます。

webマーケター

webマーケターはweb上の顧客に対し、商品を売る仕組みを考える職種です。

効率的に多くの製品やサービスが売れるように、市場調査や製品の企画、宣伝手法の選定などをおこないます。

インターネット市場が大幅に広まった現在においては、現場のみならず、webから情報収集し、展開していく流れが大きくなっています。

webマーケターには論理的思考力やデジタル・ITスキル、コミュニケーション能力などが必要です。

金融ディーラー

金融ディーラーとは、顧客から預かった株や債券、為替などを運用し、利益を出す職種です。

時々刻々と変化する相場の動きを読みながら、適切なタイミングで多額の資金を動かし、利益を求めていきます。

腕次第では莫大な利益を得ることができますが、大きなリスクを抱える、プレッシャーの大きい仕事です。

金融ディーラーには、高度な金融知識や精神的な強さ、分析力などが求められます。

ナレッジワーカーに必要なスキルとは?

「ナレッジワーカー」という明確な職種も資格もありません。

しかし、ナレッジワーカーの仕事をするには、下記のようなある程度のスキルセットが必要です。

  • 情報収集能力
  • 思考力
  • 発想力
  • 分析力
  • コミュニケーション能力
  • 情報発信能力

ナレッジワーカーに必要なスキルについてみていきましょう。

情報収集能力

ナレッジワーカーには豊富な知識が必要です。

また、自身が知らない点についても、必要に応じて正確な情報を揃えなければなりません。

情報の点と点をつなぎ合わせ、最適解を導き出すためには、情報収集能力が大切となります。

たとえ自分の不得意ジャンルでも、瞬時に情報を探す手段を見つけ出す情報収集能力が求められます。

思考力

思考力は他のいろいろなスキルにもつながる、ナレッジワーカーとしてもとても重要なスキルです。

ナレッジワーカーは与えられた仕事をただこなすだけでなく、「もっと効率的にできないか」「この仕事の目的は何なのか」を考え、持っている知識を上手く活用しなければなりません。

思考力が備わっていることで、課題に対するアプローチやさまざまな分析や検討をおこなえるようになります。

発想力

豊富な知識を持っていることも大切ですが、知識を活かした新しい発想や施策、斬新なアイデアこそがナレッジワーカーには求められます。

ビッグデータから自分ならではの着眼点で課題を発見したり、新商品のアイデアを創出したりするのは、ナレッジワーカーならではといえるでしょう。

既存の考えやマニュアルに沿うのではなく、ゼロベースで物事を考えていける発想力が必要です。

分析力

ナレッジワーカーには、必要な情報を取捨選択し、正しく分析する力が求められます。

正しい情報を集めたうえで、課題解決に向けて情報を精査し、整理していく労働はナレッジワーカーの代表的な業務ともいえます。

日頃から情報収集先や方法についてアンテナを立てつつ、いかに情報を上手く活用できるかを考え続ける姿勢が大切です。

コミュニケーション能力

ナレッジワーカーとして活躍するには、一人の力では不可能です。

課題解決や情報交換などにおいて、同じ会社の仲間や関係先とも上手く交流していく必要があります。

日頃から良好な人間関係を構築しつつ、自分の考えをきちんと伝え、相手の話を聞き出すコミュニケーション能力が求められます。

情報発信能力

ナレッジワーカーとしては、情報を収集するだけでなく、正しくそして強く発信する力も大切です。

自身が「伝えた」ことと、「伝わった」ことは同じではありません。

情報発信能力が備わっていることで、相手に対して自分の伝えたいことを正確に伝えることができるでしょう。

無駄な手間を生んだり、誤解を生じさせたりしないためにも、情報発信能力は必要です。

ナレッジワーカー育成のポイント

ナレッジワーカーを育成する際に押さえるべきポイントは、下記の3つです。

  • 意欲のある社員に課題を与える
  • 多様性のある風土を構築する
  • 専門のチームを編成する

ナレッジワーカーを育成するポイントについて解説していきます。

意欲のある社員に課題を与える

ナレッジワーカーとして成長するには、適度な課題に対して自ら考え、解決していく過程が重要です。

意欲のある社員に対しては、積極的に教育したり、課題を与えたりすることでスキルアップを図れます。

自己啓発制度や書籍などを活用し、意欲のある社員が成長できる環境を整えましょう。

多様性のある風土を構築する

多様性が認められていない会社では、マニュアル通りの仕事となりがちで、新しいアイデアを拒んでしまう傾向にあります。

グループワークや打ち合わせにおいても、新たな意見を拒否するのではなく、受け入れるような環境を構築することが必要です。

他の社員の意見を素直に受け入れる風土があることで、今まで考えつかなかったようなアイデアも生まれてくるでしょう。

専門のチームを編成する

ナレッジワーカーを育成するうえでは、専門のチームを編成するとよいです。

具体的には、ナレッジワーカーで構成されるチームを作り、育成したい社員を一緒に仕事をさせます。

同じ目的のもとに、スキルや能力が高い社員が切磋琢磨して一緒に仕事をしていくと、お互いの良いところを吸収し、成長できるでしょう。

ナレッジワーカーが目指すこれからの働き方

VUCA時代である現在において、ナレッジワーカーの存在は企業にとって大きなものとなり得ます。

ナレッジワーカーは、下記のような働き方を実現できるでしょう。

  • 時間や場所に縛られない
  • 雇用形態に縛られない
  • 業界の垣根を超える

それでは、ひとつずつ見ていきましょう。

時間や場所に縛られない

ナレッジワーカーは、時間や場所に縛られずに働くことで、さまざまな情報や知識を得ていきます。

日常生活の何気ないことからヒントを得て、それを仕事に活かすことができれば、周囲の人では想像もしなかったアイデアが生まれるかもしれません。

固定概念にとらわれず、柔軟な思考力で物事を見られるナレッジワーカーは、従来の働き方とは違う方法を選択しても成功へと近づけるはずです。

雇用形態に縛られない

雇用形態に縛られず、柔軟な働き方をおこなえば、社内だけでなく社外からもさまざまな情報や知識を得られます。

集めた情報や知識を分析すれば、革新的なアイデアが生まれる可能性もあるでしょう。

正社員だけでなく、派遣社員や業務委託、副業など現在では幅広い働き方が存在します。

柔軟性の高い働き方で社内に新たな風を吹かせるのも、ナレッジワーカーの役割です。

業界の垣根を超える

ナレッジワーカーはさまざまな業種の人たちと交流する働き方を目指すべきです。

ひとつの業界にとらわれると、狭い視野でしか考えられない場合もありますが、業界の垣根を超えるような働き方をおこなえば、広い視野や価値観で物事を見られます。

幅広い業界の企業から情報や知識を得て、それをもとにアイデアを出せば、現在の業界における革命的な商品やサービスが生まれるかもれません。

自分が得た知識をもとに新たな付加価値を生み出す労働者を指すナレッジワーカーにおいて、既存の問題を発見したり、解決したりするには上記のような働き方を目指しましょう。

ナレッジワーカーの意味や必要性を押さえておこう

この記事では、ナレッジワーカーとは何か、代表的な業種や必要なスキルを紹介しました。

ナレッジワーカーとは、ピーター・ドラッカーが考案した言葉で、ナレッジ(知識)とワーカー(労働者)を組み合わせた言葉です。

自分自身で考え、従来の問題を解決すべく働くナレッジワーカーは、変化が激しい現代のビジネス社会において重要性が高まっています。

ナレッジワーカーになるには、情報収集能力・思考力・発想力・分析力・コミュニケーション能力・情報発信能力が重要なスキルとなります。

会社の成長や業務効率化に貢献できるナレッジワーカーの育成を実践していきましょう。

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