SECIモデルとは?基本的な考え方やマネジメントへの活用方法を徹底解説

記事更新日:2022/10/11

ナレッジマネジメントツール

ナレッジ共有のイメージとSECIモデルの文字

ナレッジマネジメントは、業務の効率化などに活用され重要度が高まっています。その枠組みとして有名なのがSECIモデルです。本記事では、SECIモデルとはどのようなフレームワークなのか、基本的な考え方やマネジメントへの活用方法を徹底解説します。

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SECIモデルについて

ナレッジマネジメントを実施するうえで、代表的なフレームワークとして扱われているのがSECIモデルです。ここではSECIモデルやナレッジマネジメントの詳細を解説します。

そもそもSECIモデルとは

SECI(セキ)モデルとは、ナレッジマネジメントの基礎理論です。共同化(Socializaiton)、表出化(Externalization)、連結化(Combination)、内面化(Internalization)の頭文字を取って名付けられています。

SECIモデルの特徴は、ナレッジの蓄積・管理です。先述した4つのプロセスで知識の変換を図りながら、ナレッジを継続的に収集し、企業資産として管理することを目的にしています。

SECIモデルとナレッジマネジメント

SECIモデルと関連性の高い言葉として挙げられるのが、ナレッジマネジメントです。ここでは、言葉の意味やSECIモデルとの関係を確認していきます。

ナレッジマネジメントとは

ナレッジマネジメントとは、個人の持つ知識・ノウハウを組織全体で共有し、活用するための経営管理手法です。社員が業務を通じて得た知的財産を集約することで、新たな価値を創造し、企業競争力を強化する狙いがあります。

SECIモデルとナレッジマネジメントの関係

ナレッジマネジメントは知識を集約し、活用しやすい形式に変換することで、集団への情報共有を図る経営手法です。一方、SECIモデルは、知識の変換プロセスの際に活用する枠組みです。

つまり、ナレッジマネジメントにとって、SECIモデルは個々の知識を体系化するための手段のひとつといえます。

SECIモデルに関する2つの概念

SECIモデルを語るうえで欠かせないのが、暗黙知・形式知と呼ばれる2つの知識タイプです。それぞれの意味を確認していきましょう。

暗黙知

暗黙知とは、個人の経験や感覚によって形成された主観的な知識です。社員個人が業務を通じて得たノウハウや知恵、勘などが暗黙知に該当します。言語化できていない知識であることから、他者への説明や伝達が難しい点が特徴です。

形式知

形式知とは、さまざまな表現を通じて明示できる客観的な知識です。業務レポートやマニュアルなどが、形式知に該当します。口頭、文章、図形、数式などを用いて、個人のナレッジを第三者に共有できる特徴を持つ知識形態です。

SECIモデルの活用プロセス

ここでは、SECIモデルの活用プロセスである、共同化・表出化・連結化・内面化についてそれぞれ解説します。

S.共同化(Socializaiton)

共同化(Socializaiton)は、共同体験によって知識を移すプロセスです。具体的にはベテラン社員が若手社員と一緒に作業することで、ベテラン社員の仕事のやり方や考え方を肌で感じてもらうプロセスが該当します。

共同化の段階では、まだ知識を言語化しません。暗黙知を暗黙知のまま他者へ移転させるフェーズが共同化プロセスです。

E.表出化(Externalization)

表出化(Externalization)は、暗黙知を形式知へと変換するプロセスです。具体的には言語やビジュアルを用いて、マニュアルや動画などの媒体に情報を整理し、第三者が見ても内容を理解・再現できる状態を作り出します。

C.連結化(Combination)

連結化(Combination)は、形式知を組み合わせて新たな価値を創造するプロセスです。たとえば、部署間でバラバラに作成したマニュアルを統合し、より網羅性の高いマニュアルへと仕上げることなどが挙げられます。

I.内面化(Internalization)

内面化(Internalization)は、個人が新たな暗黙知を手に入れるプロセスです。ここまでのプロセスで得た形式知を実践することで、新たな気付きやノウハウが得られます。

たとえば、連結化プロセスで作成されたマニュアルを読み、実際の業務に活かすことで「ここはアプローチを変えるともっと生産性が高まるな」といった暗黙知が生まれていくのです。

内面化のプロセスで得た新たな暗黙知は、次のSECIサイクルを通じて形式知へと変換されていきます。

SECIモデルのプロセスを行う場

SECIモデルの効果的な実施には、各プロセスに適した場の用意が求められます。ここからは、それぞれに適した場を確認していきましょう。

共同化の場(Originating Ba)

共同化の場(Originating Ba)は、社員同士のコミュニケーションが交わされる場を指します。一例は次のとおりです。

  • 昼食中や休憩中の雑談
  • 社内SNSでの情報交換
  • 経営層が社内を見て回り社員と雑談

共同化の場では、気軽に会話できるシチュエーションを意図的に作り出すことが重要とされています。何気ない会話の中で発見・気づきが生まれることで、効果的な共同化プロセスが図れるのです。

表出化の場(Dialoguing Ba)

表出化の場(Dialoguing Ba)は、暗黙知を形式知としてまとめる場を指します。具体的な場は以下のとおりです。

  • 1on1
  • ディベート
  • 全社ミーティング
  • マニュアル作成

共同化の場と異なるのは、明確な目的を持って場が開かれる点です。議題に対して意見を出し合い、暗黙知を形式知に転換するための対話が中心となります。

連結化の場(Systemizing Ba)

連結化の場(Systemizing Ba)は、形式知を集約・管理するための場を指します。主な連結化の場をみていきましょう。

  • 社内Wiki
  • 社内SNS
  • ナレッジマネジメントツール

最近ではIT技術の進歩によって、形式知の整理・結合はインターネット上で運用するのが一般的です。クラウドサービスやナレッジマネジメント専用ツールを活用することで、不特定多数の社員がアクセスしやすい環境づくりを目指しましょう。

内面化の場(Exercising Ba)

内面化の場(Exercising Ba)は、社員それぞれが形式知を自分自身のものにする場です。デスクワークやフィールドワークといった通常業務の中で形式知を実践し、知識の習得を図ります。

形式知は反復して実践されることで、新たな暗黙知を生み出します。ここで生まれた暗黙知は再びSECIモデルの「共同化」プロセスへと進み、より洗練された形式知へと変化していくのです。

SECIモデルが抱えている課題

メリットが多いSECIモデルではありますが、運用面には4つの課題があることを覚えておきましょう。

  • 全体での運用が難しい
  • 積極的な人材ばかりではない
  • 必要な労力に個人差がある
  • ゴールの定義が明確でない

それぞれ詳しく解説していきます。

全体での運用が難しい

形式知が共有された場合でも、部署単位という閉鎖的な環境下に留まりやすく、なかなか横断的な共有にまで至らないケースも見受けられます。

これは職種・組織の違いによる価値観の壁や、部署単位で利用ツールやフォーマットが異なるという連携の壁などが原因です。全社的な運用を進めるには、形式知の自分ごと化や社内フォーマットの統一といった取り組みが求められます。

積極的な人材ばかりではない

高度な暗黙知を持つベテラン社員の中には、長年の努力で身につけたノウハウを共有することに消極的な人間も存在します。ノウハウの共有がベテラン社員にどのようなメリットをもたらすのかが、イメージできないためです。

この課題を解消するためには、形式知を共有したいと思える環境づくりが大切です。具体的には、業務負荷を軽減する取り組みや、評価制度の見直し、形式知の提供に対するインセンティブなどが考えられるでしょう。

必要な労力に個人差がある

知識の変換は、すべての社員が同じ時間で実行できるわけではありません。特に暗黙知の表面化、形式知の内面化などの工程は、人によって時間のかかるケースもあるでしょう。

そのため、各工程に第三者が介入し、表面化や内面化をサポートする仕組みを構築するなど、サイクルを止めない工夫が必要となります。

ゴールの定義が明確でない

SECIモデルは継続的な取り組みであるため、知識の高度化に終わりがありません。そのため、明確なゴールの定義が困難という側面があります。

だからこそ、SECIモデルには節目が重要です。マイルストーンによる中間目標を設けて振り返りの機会を作り、活動実施者の成果を適切に評価する体制づくりを心がけましょう。

SECIモデル実践時のポイント

SECIモデルを実践する際のポイントは、主に人材面とツール面の2点です。それぞれのポイントを詳しくみていきましょう。

優秀な人材が重要になる

SECIモデルには、形式知のベースとなる暗黙知を持つ人材の活用が重要です。具体的には、ベテラン社員が該当します。

ベテラン社員と若手社員の共同体験の場を設けたり、ベテラン社員の暗黙知をどのように形式知へと変換するのか考えたりするのは、比較的容易な作業です。それ以上に神経を配る必要があるのは、ベテラン社員の積極的な参加をうながす体制づくりだといえます。

ベテラン社員のコツやノウハウといった暗黙知があってのSECIモデルなので、彼らに快く協力してもらえるように、事前説明の徹底やインセンティブ制度の導入などを検討しておきましょう。

役立つツールを活用する

SECIモデルの連結化をスムーズに進めるには、専用ツールの活用が効果的です。形式知に変換した内容を投稿・統合・連携できる機能を持ったツールを導入し、効率よく連結化を進めていきましょう。

ここでは、ナレッジマネジメントの運用によく使われるツールを4つ紹介します。

Excel

マイクロソフト社が提供するExcelは、Microsoft Office製品の代表的なツールのひとつです。その汎用性の高さから幅広いシーンで利用されており、多くのユーザーにとって馴染み深いツールといえるでしょう。

しかし、汎用性が高い反面、ナレッジマネジメントを試みるうえでは管理が複雑化しやすい点がデメリットです。検索機能や情報共有システムの構築には専門知識が求められるため、管理者の手間も少なくありません。

社内SNS

社内SNSは、社内で情報を発信・交換するためのツールです。ビジネスチャットツールが代表例で、メールより気軽にやり取りできるメリットがあります。

社内SNSはコミュニケーションの特徴から、フロー型とストック型という2つのタイプに分かれます。フロー型はタイムラインを重視し、リアルな会話感覚でコミュニケーションを取れるのが特徴です。対話の活性化が期待できるため、共同化や表出化の場として適しています。

対してストック型はプロジェクト管理を重視し、進捗や成果の共有に優れているのが特徴です。第三者への開示を前提としているため、連結化の場として適しています。ツールによって特徴や機能が異なるため、自社の用途に適したツールを検討してみるとよいでしょう。

社内ポータルサイト

社内ポータルサイトは、自社で利用する内部情報サイトです。事業部ごとに点在するナレッジを集約し、優れた検索性で必要な情報に素早くアクセスできる特徴を持っています。

情報の一元管理や階層別での知識の連結化などで、幅広い形式知を共有できるのも社内ポータルサイトのメリットです。社員によるサイトの利用が活性化するほど、ナレッジマネジメントの効果も高まるでしょう。

グループウェア

グループウェアは、業務効率化を目的に複数の機能を搭載したツールです。スケジュール管理、ワークフロー管理、ドキュメントの共有など、業務に関連する情報共有に適しています。

グループウェアは社内SNSや社内ポータルの機能を搭載しているものも多く、オールインワンとしての一面を持っています。自社にナレッジマネジメントツールが1つも導入されていない場合は、グループウェアの導入を検討してみてもよいでしょう。

SECIモデルの事例

ここではSECIモデルの実践例として、3つの事例を紹介します。

国土交通省の事例

国土交通省は、防災の対応力を強化する目的でSECIモデルを導入しています。マニュアルでは基本部分しかカバーできておらず、個人のスキルや判断力に依存する部分が多かったことから、知識の伝承プロセスの設計が急務となっていました。

そこで国土交通省は、暗黙知の抽出・構造化・再構成を通じて形式知に変換し、検索性の高いツールによってノウハウの集積・共有を測ることにしたのです。これによってシチュエーション単位での具体的な対応方法を共有できるようになり、経験の少ない職員へ効果的な教育が可能となりました。

NTT東日本(東日本電信電話株式会社)の事例

NTT東日本の法人営業本部では、「開智」という独自コンセプトのもと、オフィスとイントラネットの環境整備によるSECIモデルの実践に取り組んでいます。

具体的には、SECIモデルの場をデザインする目的で、オフィスに4つの場を用意しています。

  1. ベース・ゾーン:フリーアドレス制の作業スペース
  2. クリエイティブ・ゾーン:開放的な雰囲気の会議室
  3. コンセントレーション・ゾーン:パーテーションで区切られた個別ブース
  4. リフレッシュ・ゾーン:インフォーマルな交流を目的としたリラクゼーションスペース

さらに、イントラネットでは全社員に個人ホームページを付与し、知識の格納場所を次のように用意しました。

  1. マイホーム:個人情報が書かれた自己紹介ページ
  2. 私の書斎:通常業務で使う日報や提案書などの記録スペース
  3. セカンドハウス:業務履歴・資格・プロジェクト事例などの実績スペース
  4. リゾートハウス:趣味や家族などのプライベートゾーンの公開スペース

これらの取り組みによって、NTT東日本はコミュニケーションの機会を拡張し、知識を変換するためのサイクルを活性化させています。

富士フイルムビジネスイノベーション株式会社(旧:富士ゼロックス)の事例

富士フイルムビジネスイノベーションでは、「全員設計」というコンセプトのもと、知識共有システムと全員設計ルームの導入によるSECIモデルの実践に取り組んでいます。

製品開発では、エンジニアリングチェーンにおける工程分担により、意見を反映するために製品の開発プロセスの通過を待つ必要がありました。この問題の解消を目的として採用されたのが、初期段階から全員が関与する「全員設計」というコンセプトと、オンライン上にノウハウを集約した知識共有システムです。

  1. 全員設計ルームでの相互交流(共同化)
  2. 社員の体験知をシステムにインプット(表出化)
  3. 上司がベストプラクティスを選別(連結化)
  4. ベストプラクティスを現場に適応(内面化)

上記のスパイラルによって、同社は知識の創造と蓄積を進め、業務の効率化を実現しています。

エーザイ株式会社の事例

エーザイでは、企業理念であるヒューマン・ヘルスケアの実現プロセスとして、SECIモデルを採用しています。

  1. 社員の体験を通じて得た知識の共有
  2. 対話・内省による暗黙知の概念化
  3. 関連知識の集約・連結によるモデル化
  4. 社員の実践による暗黙知の生成

なかでも同社は共同化の領域に注力しており、患者の憂慮を自分ごと化し、気持ちに共感することを大切にしています。この憂慮に対して、解決策を議論し、企業活動の中で暗黙知の生成と形式知の体系化を続けることで、患者のベネフィット向上に繋げているのです。

SECIモデルとは企業を成長させるために重要なフレームワーク

SECIモデルは、共同化・表出化・連結化・内面化の4つのプロセスで構成されるナレッジマネジメントの基礎理論です。個人が持つ知識やノウハウを他者に伝わるようデータ化し、他の社員へ共有することで会社全体の生産性向上や業務効率化を図ります。

SECIモデルの実践においては、社内にどのような情報交換・共有の場を設けるのかがポイントです。社内SNSやポータルサイト、またはグループウェアなどを活用して、ナレッジの蓄積や共有をうながしていきましょう。

自社のさらなる成長のために、ぜひSECIモデルの導入をご検討ください。

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