【解説】ナレッジ共有とは?実践するメリットや成功のポイント
ビジネスにおいて価値のある知識やノウハウを組織レベルで共有していくナレッジ共有。ナレッジ共有を実践することで、組織全体の生産性向上や売上アップが期待できます。本記事では、そんなナレッジ共有について、メリットや成功のためのポイントなど詳しく解説していきます。
目次
ナレッジ共有とは?
ナレッジ共有とは、組織やチーム内で、知識・情報を共有することを指します。個々のメンバーが持つ専門的な知識やスキルや経験、失敗からの学びなどを共有し、組織全体の能力を向上させることを目的としています。
ナレッジの共有は、組織やチームの成長やイノベーションに不可欠であり、効果的なコミュニケーションや協力、および学習の環境を作り出すでしょう。このプロセスは、コミュニケーションプラットフォーム、ノウハウの共有やフィードバックなどのさまざまな方法で実現可能です。
このことから、ナレッジ共有は効果的なビジネス戦略の一環として、組織やチームの成功に欠かせないといえるでしょう。
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ナレッジの種類
ナレッジの種類は主に「暗黙知」「形式知」の2つに分けられます。それぞれ違った特徴があるため、ナレッジ共有の効果を高めるためにも、しっかりと確認していきましょう。
暗黙知
「暗黙知」とは、言葉にできない形で個人が持つ知識や経験、スキルや洞察力などのことを指します。これらは直感や体験、実践によって習得されることが多く、外部には容易に共有されることがありません。
形式的なトレーニングや学習では習得できない知識やスキルであり、人間の知識習得の重要な側面を持っています。たとえば、スポーツ選手が持つ技術や感覚、芸術家が持つ創造性や表現力、プロジェクトマネージャーが持つ問題解決スキルなどです。
暗黙知は、個人の内面に存在するため、言葉による説明やドキュメンテーションによって外部に共有することが難しい場合があります。しかし、個人間のコミュニケーションや経験の共有、メンターシップやロールモデルとなる人物との交流などを活用すれば共有も可能です。
また、暗黙知は個人の貴重な資産であり、組織やチームの成長やイノベーションに貢献することができるため、ナレッジマネジメント戦略においては、暗黙知の共有にも重点を置く必要があるでしょう。
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形式知
「形式知」とは、言葉や数式、マニュアルやプロセスなど、明示的に記述・文書化された知識のことを指します。これらは外部に共有しやすく、通常は専門家によって書かれた書籍や論文、記事やビジネスプロセスなどに表現されます。
形式知は明示的で共有しやすいため、効率的な学習や知識共有に有効です。また、法律文書や規制、規則などの形式的な要件を満たすために必要な知識も含まれています。
具体的には、新しいテクノロジーや製品、法律や規制の変更など、組織やチームに必要な知識を提供するために使用されるものであり、業務プロセスや手順の標準化にも役立つでしょう。
ただし、形式知を現実の状況に直接適用する際は、適切な文脈を考慮しなければなりません。したがって、形式知の適用には実践的な経験や洞察力が必要な場合があることも覚えておきましょう。
ナレッジ共有の必要性
ナレッジ共有は、組織やチームの成長に不可欠な要素であるといえます。
なぜなら、ナレッジ共有によって、組織やチームのメンバーはお互いに知識やスキルを共有し、より広い視野を持つことができるからです。その結果、組織の成長やイノベーションに必要な専門知識や洞察力の獲得につながるでしょう。
またナレッジ共有は、重複作業を防ぐためにも役立ちます。同じ問題に取り組むチームメンバーがお互いに情報を共有することで重複作業を避け、業務の効率性を高められるでしょう。
さらに、あるメンバーが組織を離れた場合でも、その持っていた知識やスキルの損失を防ぐだけでなく、組織のレジリエンスを高めることも期待できます。このように、ナレッジ共有は組織やチームにとって不可欠な要素であり、ビジネスの成功に直結する重要なプラクティスといえるのです。
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ナレッジ共有を実践するメリット
ナレッジ共有を実践するメリットは5つあります。
- 社員のスキルアップ
- 業務の効率化
- 社内へのナレッジ蓄積
- 教育コストの削減
- 他部署とのコミュニケーション強化
各メリットについて、詳しく見ていきましょう。
社員のスキルアップ
ナレッジ共有を実践するメリットの一つとして、社員のスキルアップが期待できる点です。
ナレッジ共有によって、社員は他の社員から新しい知識やスキルを学べるため、社員のスキルレベルが向上し、仕事の効率性や品質が高まると同時に自己成長を促せます。
また、ナレッジ共有は、社員同士がコミュニケーションを取るきっかけにもなります。情報共有や知識交換を通じて、社員同士がコミュニケーションを深め、チームワークや協調性の向上が望めるでしょう。
さらに、異なるバックグラウンドや経験を持つ社員同士が情報を共有することで、新しいアイデアや視点が生まれる可能性があるという点も忘れてはなりません。。
このようにナレッジ共有は、社員のスキルアップにとって重要な役割を果たします。ナレッジ共有を通じて社員の能力向上や成長を促し、組織全体のパフォーマンス向上につなげられるでしょう。
業務の効率化
業務効率の向上が望めることも、ナレッジ共有のメリットです。
過去に解決した問題や得られた知見を共有すれば、同じ問題に直面した際に素早くかつ正確な対応が可能です。そのため、同じような問題に対して再び手間をかける必要がなくなることから、業務の生産性が向上し、労働時間やコストを削減が期待できます。
また、ナレッジ共有によって情報や知識の一元化が可能です。業務に必要な情報が分散していると、その情報を探すための時間が無駄になりかねません。しかし、ナレッジ共有によって情報を一元化すれば、必要な情報に素早くアクセスできるため、業務の効率化が実現できるでしょう。
他にも、ナレッジを共有すると、業務のスムーズな引き継ぎにもつながるといったメリットがあります。業務の担当者が異動した場合でも、過去の情報や知識を共有しておくことで、引き継ぎの手間や時間を削減可能です。その結果、業務の中断や停滞を防ぎ、ビジネスの継続性を確保できるでしょう。
以上のようにナレッジ共有は、業務の効率化にとって重要な役割を果たします。業務の生産性を向上させ、コスト削減やビジネスの継続性を確保できるため、組織全体のパフォーマンス向上につなげられるでしょう。
社内へのナレッジ蓄積
ナレッジ共有を実践することによって、組織内におけるナレッジの蓄積が促進されます。個人が持つ知識や情報は組織の中で共有することで、その価値を最大限に引き出せるでしょう。
ナレッジの蓄積がされると、成功例や失敗例、あるいは新たな知見や技術など、組織が持つ価値ある情報が一箇所にまとまります。結果的に組織が持つ知識や情報の可視化が実現し、情報が流出するリスクを減らせるでしょう。
また、ナレッジの蓄積は、新しい従業員のオンボーディングにも役立ちます。新しい従業員が入社した際には、組織内の知識や情報を習得するための教育プログラムを提供する必要がありますが、ナレッジの蓄積があれば、効率的かつ迅速な教育が可能です。
このことから、ナレッジ共有は組織内におけるナレッジの蓄積を促進し、組織の持つ知識や情報の価値を最大限に引き出すことができるでしょう。
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教育コストの削減
ナレッジ共有を実践は、教育コストを削減につながります。
従業員が持つ知識や情報を共有することにより、新しい従業員が習得すべき知識やスキルを迅速かつ効率的に獲得可能です。組織内で共有される知識や情報は、実際の業務に即したものであるため、新しい従業員が実践的なスキルを身につけたり、必要な教育プログラムを作ったりすることもできるでしょう。
また、ナレッジ共有によって、新しい従業員が習得すべき知識やスキルの把握も可能です。従業員が持つ知識や情報を共有すれば、組織内のどの部署やプロジェクトでどのような知識やスキルが必要かが分かります。結果、新しい従業員に必要な教育プログラムを効果的かつ的確に作成でき、教育コストの削減につながるでしょう。
他部署とのコミュニケーション強化
ナレッジ共有の実践によって、組織内での他部署とのコミュニケーションが強化されます。各部署で持つ知識や情報が共有されると組織内での情報共有が促進され、コミュニケーションがスムーズになるでしょう。
また、異なる部署間で情報や知識を共有すると、他部署に対する理解や協力意識が高まり、組織全体の業務効率向上が期待できます。共有された情報に基づいて他部署と協力して問題を解決できるため、業務上の課題や問題をより迅速かつ効率的に解決できるでしょう。
他にも、ナレッジ共有を通じて異なる部署の従業員同士が交流する機会が増えることもメリットの一つです。組織内の横のつながりの強化により、部署間のコラボレーションが促進され、新たなアイデアや知識の取得、組織全体のイノベーションの促進が期待できるでしょう。
このことから、ナレッジ共有は、異なる部署間でのコミュニケーション強化が可能だといえます。
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ナレッジ共有における4つの手法・タイプ
ナレッジ共有における4つの手法・タイプは下記のように分けられます。それぞれ違った特徴があるので、詳しく見ていきましょう。
- 社内成功事例の共有
- 専門知識の共有
- 知的資産の共有
- 顧客情報の共有
1.社内成功事例の共有
「社内成功事例の共有」とは、組織内で達成された成功事例やノウハウを共有する手法のことです。この手法では、成功したプロジェクトや業務において「どのようなアプローチが有効だったのか」「どういった経緯で問題が発生したのか」「どのように解決したのか」といった成功の秘訣や失敗談などを共有します。
社内成功事例の共有は、組織内の知識共有を促進するだけでなく、従業員のモチベーションや自信の向上にもつながるでしょう。成功事例を共有することで、他の従業員が同じような問題に遭遇した場合にも、成功した経験に基づいて対処できます。
社内成功事例の共有は、さまざまな形式でおこなうことが可能です。具体的には、社内報や会議、勉強会やメールマガジンなどの利用が挙げられます。また、社内ポータルサイトや共有ドライブなどを活用すれば、従業員が自由にアクセスできる形で共有することも可能です。
このように、社内成功事例の知識共有を促進するとともに、従業員のモチベーションや自信の向上にもつながる重要な手法です。成功事例を共有することで、従業員がより効率的に業務をおこない、組織全体における業務効率の向上が期待できます。
2.専門知識の共有
ナレッジ共有における「専門知識の共有」とは、専門的な知識を持っている社員から、その知識を必要とする他の社員への共有を指します。専門知識は、経験に裏打ちされた実践的な知識や、専門的な資格によって習得した理論的な知識など、多様な形態があるでしょう。
専門知識の共有を実践することで、社員同士での学習や相互補完が促進され、チーム全体の能力向上と業務の効率化が図れます。また、専門知識を持つ社員が退職した場合でも、その知識が失われることを防ぐ効果も期待できるでしょう。
具体的な専門知識の共有の手法としては「社内勉強会や研修」「専門書や論文の共有」「先輩社員と後輩社員のマッチング」「OJT(On-Job-Training)」などが挙げられます。各手法を利用すると、専門知識を持つ社員からの直接的な指導やアドバイスを受けられる機会を増やすことにつながるでしょう。
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3.知的資産の共有
ナレッジ共有における「知的資産の共有」とは、企業内に蓄積された特許や技術、顧客データなど、知的財産としての価値を持つ情報や資源を共有することです。これらの知的資産は、企業が競争力を維持し成長するために不可欠な資源であり、その価値は企業内で共有されかつ最大限に活用される必要があります。
各部署やチーム間で知的資産の共有を実践すれば、企業全体での戦略的な意思決定が可能になるでしょう。また、知的資産の管理方法についての共通理解を深められ、知的資産の保護や管理の方法についての共通基盤が確立されます。これにより、知的財産の管理におけるリスクを低減できるでしょう。
具体的な共有の手法としては「社内データベースの構築」「情報共有システムの導入」「社員に対する知的財産に関する教育」「特許や商標に関する情報の共有」「技術の共有」などがあります。
4.顧客情報の共有
ナレッジ共有における「顧客情報の共有」とは、企業が顧客情報を社内で共有し、その知識を蓄積することです。顧客情報は顧客の嗜好や要望、クレームや問い合わせなど、さまざまなものがあります。
顧客情報を共有することで、社員は顧客のニーズや課題を深く理解し、より的確なアプローチができるようになるでしょう。また、同じ顧客と取引している社員同士で情報を共有すれば、一人ひとりが持つ情報を統合し、さらに良質な顧客サービスが提供できるようになります。
ただし、顧客情報はプライバシーに関わる重要な情報であるため、適切なセキュリティ対策を講じ、情報漏洩や不正アクセスの防止につとめましょう。
ナレッジ共有が失敗してしまうケース
ナレッジ共有が失敗してしまうケースとは、主に4つ挙げられます。
- ナレッジが蓄積されない
- ナレッジの共有の仕方がわからない
- ナレッジ共有のためのツールが浸透しない
- ナレッジを見つけにくい
各ケースについて、詳しく見ていきましょう。
ナレッジが蓄積されない
ナレッジ共有が失敗するケースとして、ナレッジが蓄積されないことが挙げられます。
ナレッジが蓄積されないのは、情報共有に意識が向かず、個人的なスキルや技能に偏重してしまうのが原因です。また、情報を共有する文化が浸透しておらず、共有が難しい状況にある場合も考えられます。
さらに、ナレッジ共有の手法が不適切であったり、情報の収集や整理に手間がかかりすぎてしまう場合も、ナレッジが蓄積されない原因となるでしょう。
ナレッジが蓄積されないと、社員が業務上の問題に対して過去の解決策を参照できなくなるため、同じミスを繰り返したり、業務効率が悪化したりすることが考えられます。そのため、ナレッジ共有を実践する際には、情報共有の重要性を認識し、適切な手法を選ぶことが必要です。
ナレッジの共有の仕方がわからない
ナレッジ共有が失敗してしまうケースの1つに「ナレッジの共有の仕方がわからない」というものがあります。
従業員が既に持っている知識やスキルを共有したいと思っても、どのように共有したら良いのかがわからなければ、共有されないまま知識が失われてしまう可能性は否めません。
この問題を解決するためには、ナレッジ共有の方法や手段を明確にすることが必要です。たとえば、社内Wikiやフォルダ、SNSなどの共有ツールを活用すると、従業員が持つ知識やスキルを簡単に共有でき、手法の習得も可能になります。
ナレッジの共有方法がわからないという問題は、ナレッジ共有をおこなううえで重要な課題の1つです。企業は従業員が持つ知識やスキルを最大限に生かすために、ナレッジ共有の手法を整備し、従業員が積極的にナレッジを共有できる環境を整える必要があります。
ナレッジ共有のためのツールが浸透しない
ナレッジ共有のためには適切なツールを用いることが重要ですが、ツールの使い方が十分に浸透していない場合にはナレッジ共有は失敗してしまいます。
たとえば、社内で共有するためのチャットツールやドキュメント管理ツールを導入しても、社員たちがその使い方を理解していないと、情報が共有されないままとなるでしょう。
このことから、社員たちには、適切なトレーニングや教育を提供することが必要です。ツールの使用が苦手な社員がいる場合には、ナレッジを共有するための手法のマニュアルを作成するなど、適切なサポートを提供しなければなりません。
ツールの利便性や使い勝手を改善することで、社員たちも自然と情報を共有するようになるでしょう。
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ナレッジを見つけにくい
ナレッジ共有が失敗してしまうケースの1つに「ナレッジを見つけにくい」といった問題があります。
ナレッジが蓄積されていても、それを見つけられなければ価値を発揮できません。この課題は、ナレッジの整理や分類が適切におこなわれていない場合や、検索機能が充実していない場合に発生します。
たとえば、ナレッジを保存するためのツールが複数存在していると、どのツールに保存されたかを探さねばなりません。また、タグやキーワードなどが適切に設定されていなければ、ナレッジを見つけることが難しくなります。
このようにナレッジを見つけにくい状態が続くと、ナレッジ共有の意義が失われてしまいます。そのため、適切な整理や分類、検索機能の充実などをおこない、ナレッジの見つけやすさを向上させることが必要です。
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ナレッジ共有を成功させるために必要なポイント
ナレッジ共有を成功させるために必要なポイントは5つあります。
- ナレッジ共有の担当者を決めておく
- ナレッジ共有の実施範囲を決める
- 社員に導入目的を共有する
- ナレッジ共有が促進する環境を作る
- ナレッジ共有ツールを導入する
各ポイントについて、詳しく確認しておきましょう。
ナレッジ共有の担当者を決めておく
ナレッジ共有を成功させるためには、担当者を決めておくことが重要です。担当者がいることで、ナレッジ共有に対する責任を明確にでき、収集・整理・共有を効率的におこなえるため、組織全体でのナレッジ共有の促進につながります。担当者がナレッジ共有の推進に積極的な姿勢で取り組むことで、他の社員に対して積極的にナレッジ共有を促せるでしょう。
さらに、担当者はナレッジ共有に関するルールやプロセスを策定し、実施状況を定期的に評価することで、継続的に改善ができます。
ナレッジ共有の実施範囲を決める
ナレッジ共有を成功させるためには、共有の実施範囲を決めることが重要です。
具体的には「対象となる部署・社員」「共有する内容・手法」などを明確にする必要があります。これらを決めることで、共有される情報が絞り込まれ、生産性の向上やクオリティアップが期待できるでしょう。また、範囲が明確になっていることで、共有の担当者が情報を収集しやすくなり、共有に関するコミュニケーションも円滑に進みます。
したがってナレッジ共有を成功させるためには、実施範囲を明確にすることが重要です。
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社員に導入目的を共有する
社員に対してナレッジ共有の導入目的を明確に伝えることが大切です。ナレッジ共有がなぜ必要で、どのようなメリットがあるかを理解してもらえば、社員の積極的な協力が期待できます。
また、ナレッジ共有が組織の目標達成にどのように貢献するかを示すことで、社員のモチベーションを上げられるでしょう。その際は、社員からのフィードバックを積極的に受け入れ、改善につなげることも忘れてはいけません。
ナレッジ共有が促進する環境を作る
ナレッジ共有を促進する環境を作ることは、非常に重要な要素です。そのためには、いくつかのポイントを考慮する必要があります。
まずは、ナレッジ共有をおこなうためのインフラやシステムを整備しましょう。社内で利用されるツールやシステムを活用し、情報の共有がスムーズにおこなえるようにすることが重要です。
次に、社員同士のコミュニケーションを活発にする策を立てましょう。その結果、社内のコミュニケーションが活性化し、ナレッジの共有が促進されます。
さらに、社員がナレッジ共有に積極的に参加できるような環境を整えることも大切です。具体的には、ナレッジ共有についての意識を高める研修や、勉強会を定期的に開催するなどが挙げられます。また、ナレッジ共有をおこなった社員には適切な評価や報酬を与えれば、積極的な参加を促せるでしょう。
このように、各取り組みによって、社員が自発的にナレッジの共有ができるような環境を整えられ、企業の生産性向上につなげられるでしょう。
ナレッジ共有ツールを導入する
ナレッジ共有を成功させるためには、適切なツールを導入することが重要です。ツールを導入すれば、社員が簡単かつ迅速にナレッジを共有できる環境を整備できます。
具体的には、社内SNSやチャットツール、ドキュメント管理システムなどがあります。こういったツールを選定するためには、会社の業務内容や規模に合わせたものを選ばなければなりません。また、ツールの使い方や使い勝手がわかりやすいようにトレーニングやユーザーガイドの提供も重要です。
他にも、ツールの運用を定期的に見直し、改善することも忘れてはいけません。ツールの導入に加えて、適切なナレッジの整理や分類方法もきちんと定めて実行しましょう。ツールによっては、ナレッジの整理や検索を支援する機能があるため、活用するのも1つの方法です。
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おすすめのナレッジ共有ツール6選
おすすめのナレッジ共有ツール6選を紹介します。各ツールごとに特徴が違うため、自社の目的にあったツールの導入を検討しましょう。
1.NotePM
「NotePM」は、チームでのナレッジ共有を目的としたオンラインツールです。ノート共有機能があり、チーム内で簡単に情報を共有できます。
また、変更履歴も自動的に管理され、誤って削除した情報を復元することや、画像や動画、PDFファイルのアップロードも可能です。
提供元 | 株式会社プロジェクト・モード |
初期費用 | 無料 |
料金プラン |
|
導入企業数 | 7,000社(※2023年03月時点) |
機能・特長 | 画像編集機能、検索機能が強い |
URL | 公式サイト |
2.Docbase
「Docbase」は、簡単な操作でドキュメントを作成・共有し、チームメンバー同士のコミュニケーションを促進します。
検索機能が充実しており、必要な情報を素早く見つけることが可能です。他にも、スマートフォンアプリの提供もあるため、外出先でもドキュメントの閲覧・編集ができることも特徴の一つです。
提供元 | 株式会社クレイ |
初期費用 | 無料 |
料金プラン |
※1,000人以上は要問い合わせ |
導入企業数 | 登録実績10,000社(※2023年03月時点) |
機能・特長 | 同時編集機能、検索機能、文章作成、Markdownに対応など |
URL | 公式サイト |
3.Qast
「Qast」は、スクリーンショットや動画を撮影して、簡単にドキュメントを作成・共有することができます。高機能な検索も可能なため、必要な情報をすばやく見つけることができます。
さらに、同ツールでもスマートフォンアプリを提供しており、外出が多い方でも手軽にドキュメントの確認などが可能です。
提供元 | any株式会社 |
初期費用 | 要問い合わせ |
料金プラン | 「スタンダードプラン」「エンタープライズプラン」の2種 料金は要問い合わせ |
導入企業数 | 4,000社以上(※2023年03月時点) |
機能・特長 | モバイル対応、権限設定が柔軟、添付ファイル内の検索など |
URL | 公式サイト |
4.kintone
「kintone」は、簡単にデータベースを作成でき、情報の共有や管理が可能です。また、チームメンバー同士でコミュニケーションを取りながら、プロジェクトの進捗管理やタスクの割り当てもおこなえます。
カスタマイズ性が高く、多様な業界・業種で利用できるため、ビジネスの生産性を向上させるのに役立つでしょう。
提供元 | サイボウズ株式会社 |
初期費用 | 無料 |
料金プラン |
|
導入企業数 | 20,000社(※2023年03月時点) |
機能・特長 | モバイル対応、全文検索、日中英3ヶ国語に対応など |
URL | 公式サイト |
5.COCOMITE
「COCOMITE」は、クラウド型のナレッジ共有ツールです。検索機能が充実しており、簡単に必要な情報を見つけることができるため、業務効率の向上につながるでしょう。
また、マルチデバイスにも対応可能なので、機能も豊富で企業のニーズに合わせて最適なシステムを構築でき、多様な業界・業種での利用が可能です。
提供元 | コニカミノルタ株式会社 |
初期費用 | 初期登録料:71,500円 |
料金プラン |
|
導入企業数 | 要問い合わせ |
機能・特長 | フォルダ別にアクセス権限の設定ができる、ファイルやフォルダーの共有リンク取得可能、PDFへの出力も対応など |
URL | 公式サイト |
6.KnowledgeSh@re
「KnowledgeSh@re」は、社内のノウハウや情報を一元管理し、必要な情報を迅速に共有できます。対話機能やコメント共有機能など、情報の共有度合いを可視化する機能が充実しています。
スマートフォンからも利用可能で、情報共有のフローをスムーズに進められるでしょう。
提供元 | 株式会社富士通ラーニングメディア |
初期費用 | 11万円(税込) |
料金プラン |
|
機能・特長 | 既存マニュアルの活用可能、直観的に操作できる、動画の埋め込みOKなど |
URL | 公式サイト |
ナレッジ共有の重要性を押さえておこう
ナレッジ共有は、企業にとって重要な活動です。
ナレッジを共有することで、社員間の情報共有が促進され、チーム間のコミュニケーション強化につながります。さらに、成功事例や専門知識、知的資産や顧客情報など、企業にとって重要な情報が蓄積されていくでしょう。
このように、ナレッジ共有は企業の成長に役立ちますが、適切に運用するためには、その重要性を押さえておくことが必要です。
ナレッジ共有を自社に導入する際は、ナレッジ共有の担当者を決め、ナレッジ共有の実施範囲を決めましょう。事前に社員へ導入目的を共有し、ナレッジ共有を促進する環境を構築するのも大切です。
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