ナレッジマネジメントOSS8選!無料で始める方法や有料版との違いを解説

最終更新日時:2023/04/26

ナレッジマネジメントツール

OSSのナレッジマネジメント

効率良く社内のナレッジ共有を行うには、OSS(オープンソースソフトウェア)がおすすめです。本記事では、おすすめのナレッジマネジメントツールを8つ紹介します。また無料で始める方法や有料版との違いを解説するので、導入時の参考にしてください。

ナレッジマネジメントとは

ナレッジマネジメントとは、ナレッジと呼ばれる従業員が持つ知識やスキルを会社全体で共有や活用する手法です。

従来ほとんどの企業では終身雇用制度が根付いており、従業員の持つナレッジは自然に継承されていくものだと認識されていました。しかし現在の日本は、「雇用形態の多様化」や「転職の一般化」など、働き方が大きく変化しています。

たとえばテレワークによる従業員同士のコミュニケーションが減少したり、ナレッジを継承する前に優秀な人材が転職してしまったりすることがあります。このように、ナレッジを自然に継承していくことが難しくなったのです。

そのため、ナレッジの継承をより短期化に仕組み化するべく、ナレッジマネジメントという概念が重要視されつつあります。

【解説】ナレッジマネジメントとは?注目される背景や手法・具体例を紹介

ナレッジマネジメントを実施するメリット

ナレッジマネジメントを実施するメリットとしては、以下の5つが挙げられます。

  • 業務効率化につながる
  • 社内の人材育成を活発化できる
  • 属人化の防止につながる
  • 社内ナレッジをアップデートできる
  • 社内の連携強化につながる

ナレッジをいち早く共有することで、全従業員のナレッジ活用が迅速に行えます。たとえば成果に結びつく資料の作成方法をナレッジとして共有すれば、他の従業員も真似でき新人教育などにも役立ちます。

また、ナレッジをすぐに共有することで属人化の防止も可能です。ナレッジをすぐに共有する仕組みが構築できれば、共有しないまま退職や転職するといった事態を回避できます。部門を横断したナレッジの共有により、社内全体の連携強化にもつながるでしょう。

企業がナレッジを蓄積する重要性とは?効果的な方法やよくある失敗を解説

【解説】ナレッジとは?ビジネスにおける正しい意味や使い方・類義語を紹介

OSS(オープンソースソフトウェア)とは

OSS(オープンソースソフトウェア)とは、ソースコードが無償で公開されており誰でも利用・改変・再配布が可能なソフトウェアです。

ソースコードとは「設計図」のようなもので、OSSのソースコードを見ながら仕組みの勉強や改変を行い、自社にあわせたソフトウェアの開発ができます。

OSSは広範な領域で活用される

OSSは幅広い領域で活用されています。

  • OS
  • アプリケーション
  • CMS
  • セキュリティ
  • ビッグデータの収集や解析

たとえばOSは「Linux」という代表的なOSSがあり、スマートフォンの「Android」もLinuxから派生しています。Webサイト制作によく用いられる「WordPress」にもOSSが活用されています。

またプログラミング言語の「Java」「PHP」「Python」などもOSSとして提供されているなど、OSSの活用領域は非常に幅広いです。

OSSで頻繁に使用する用語

ナレッジマネジメントにOSSを活用する際、頻繁に使用する用語を以下の表にまとめました。

用語意味
Markdown(マークダウン)特定のルールや記号を使った文章の書き方。デジタル文書を分かりやすくするために活用される。

(例)強調したいテキストを「**」で囲むと、テキストが太字で表示されるなど

Git/GitHub(ギット/ギットハブ)ソースコードのバージョンを管理するツール。ソースコードを、「いつ」「誰が」「どの部分を」書き換えたかが把握できる。
WYSIWYG(ウィジウィグ)編集中に仕上がりをプレビュー確認できる機能。最終的な仕上がりを、リアルタイムで確認しながら編集できる。
Bootstrap(ブートストラップ)HTML/CSSやJavaScriptで構成されたWebフレームワーク。Web制作でよく使われるスタイルやパーツがテンプレートのように提供されているため、工数削減につながる。

ナレッジマネジメントにおすすめのOSSツール8選

ここでは、ナレッジマネジメントにおすすめのOSSツールを8つ紹介します。自社に必要な機能を事前に確認して、導入検討の際の参考にしてください。

1.GROWI

GROWIは、Markdown・WYSIWYG・Bootstrapなどのフレームワークに対応しているOSSツールです。ファイルのアップロードは編集画面にファイルをドロップするだけなので、簡単な操作が特徴です。ページごとにコメント機能を使ってスレッド表示できるため、チーム内のコミュニケーション活性化にも役立ちます。

提供元株式会社WESEEK
初期費用無料
料金プラン無料
機能・特徴Markdown、シンプルなアセット管理、強力なGUIによる図表編集、3種のキーマップ、絵文字入力、テーマの変更、チームに合わせたカスタマイズ、高速な検索、強力な認証機構・グループ管理、オープンWiki、コメント機能でコミュニケーション活性化など
URL公式サイト

2.Knowledge

Knowledgeは、ダウンロードしたファイルを設置するだけで簡単にセットアップできる情報共有サービスです。パソコン・タブレット・スマートフォンでの表示に対応しているため、各デバイスで操作できます。Markdownにも対応しており、編集も簡単な点が特徴です。

提供元GitHub, Inc.
初期費用無料
料金プラン無料
機能・特徴簡単セットアップ、モバイル対応、Markdown、キーワード検索、メール・デスクトップ通知、添付ファイル、ソーシャルなど
URL公式サイト

3.DokuWiki

DokuWikiは、使いやすさや汎用性の高さが強みのOSSです。情報の管理だけでなく、簡単なバックアップや個人的なメモや手帳の代わりの利用など幅広い活用が特徴です。すべての変更履歴が保存されるため、不正防止や変更内容の把握にも役立つでしょう。

提供元Andreas Gohr
初期費用無料
料金プラン無料
機能・特徴簡単インストール、アクセス制御リスト内蔵、拡張機能、50以上の言語対応、デバイス非依存など
URL公式サイト

4.Crowi

Crowiは、Markdownに対応した知識共有ツールです。編集や共有が簡単に行えるよう、シンプルで分かりやすいデザインが採用されています。またタイムライン機能を活用すれば、チームのコミュニケーション活性化にも役立つでしょう。

提供元GitHub, Inc.
初期費用無料
料金プラン

Free:無料

■年払い

  • Team:無料
  • Enterprise:無料

※初年度(12か月間)以降は価格が変更される場合あり

■月払い

  • Team:無料
  • Enterprise:無料
機能・特徴簡単編集、簡単共有、マークダウン対応、タイムライン、リストビューなど
URL公式サイト

5.waliki

walikiは、Djangoで作成されたOSSのため拡張性に優れています。BootstrapとCodeMirrorをもとにしたUIが採用されているため、操作しやすい点も特徴です。リアルタイムでの同時編集やプラグインの追加も可能なため、自社に適したシステムの構築ができます。

提供元GitHub, Inc.
初期費用要問い合わせ
料金プラン

Free:無料

■年払い

  • Team:無料
  • Enterprise:無料

※初年度(12か月間)以降は価格が変更される場合あり

■月払い

  • Team:無料
  • Enterprise:無料
機能・特徴コンテンツ転送、バージョン管理、同時編集、プラグイン、reStructuredText・Markdownのサポートなど
URL公式サイト

6.Outline

Outlineは自社管理とクラウドタイプが選べるOSSで、豊富な機能が搭載されている点は強みです。自社管理のOSSは、プランによって無料で利用できます。クラウドタイプは、有料であるもののソースコードをインストールする必要がないため、よりスムーズな導入を目指す企業におすすめです。

提供元General Outline, Inc.
初期費用要問い合わせ
料金プラン

■Self-Managed

  • Community Edition:無料
  • Enterprise:$4/月/ユーザー

■Cloud

  • 1~10ユーザー:$10/月
  • 11~100ユーザー:$79/月
  • 101~200ユーザー:249/月
機能・特徴Markdown対応のドキュメント、Slack連携、検索、共同作業、セキュリティ・権限、外部ツール連携、13言語対応、カスタマイズ可能など
URL公式サイト

7.MediaWiki

MediaWikiは、多言語に対応したOSSです。Wikipediaにも採用されているOSSで、何万件ものWebサイトで使用されています。無料で利用ができ信頼性も高く、豊富な拡張機能やカスタマイズ性の高さも魅力です。

提供元ウィキメディア財団
初期費用無料
料金プラン無料
機能・特徴拡張機能、よくある質問、多言語対応、カスタマイズ可能、知識の収集・整理など
URL公式サイト

8.Pukiwiki

Pukiwikiは、自由にページ編集できるCMSの一つです。Pukiwikiにおける作業はインターネット上で行えるため、誰でも簡単な操作で編集できます。またプラグインを活用すれば、機能を拡張することもできるため自社にあわせた活用が可能です。

提供元PukiWiki Development Team
初期費用無料
料金プラン無料
機能・特徴編集、凍結解除、履歴、添付、リロードなど
URL公式サイト

ナレッジマネジメントにOSSツールを導入するメリット

ここからは、ナレッジマネジメントにOSSツールを導入するメリットについて紹介していきます。

  • 時間的コストの削減につながる
  • 自由度が高くカスタマイズができる
  • 低コストで導入できる

それぞれ詳しく解説します。

時間的コストの削減できる

OSSツールを活用することで、ナレッジマネジメントシステムを初めから構築する必要がありません。システム構築にかかる時間的コストを削減し、スムーズな導入が可能です。

またナレッジマネジメントにツールを導入すれば、情報検索の高速化も可能です。紙の資料でナレッジが管理されている場合、すべてに目を通すため時間と手間がかかります。しかしツールであれば検索機能が備わっているため、キーワードなどで特定のナレッジをすぐに探せます。

自由度が高くカスタマイズができる

OSSはツール上で不具合が発生した場合に、ソースコードの修正・編集といった作業を自由にできるので、カスタマイズしやすいのが大きなメリットです。また、システム間での連携や開発なども行えます。

低コストで導入できる

ほとんどのOSSは無料で提供されているので、ナレッジマネジメントツールを利用するのと比べて低コストで導入〜運用ができます。また、ライセンス管理やリプレース費用も基本的には無料です。

できるだけ費用をかけずにナレッジマネジメントをしていきたいと考えている方にとてもおすすめです。

ナレッジマネジメントにOSSツールを導入するデメリット

複数もメリットがある反面、ナレッジマネジメントにOSSツールを導入することによるデメリットもあります。ここでは、OSSツールの2つのデメリットについて紹介していきます。

  • 導入が失敗してしまうリスクがある
  • 運用に適した人材が必要になる

それぞれ確認していきましょう。

導入が失敗してしまうリスクがある

OSSツールを自社の仕様に変更しても、従業員の活用が定着しないなどの導入失敗のリスクがあります。OSSツールの活用が定着しなければ、仕様変更にかかった時間や人件費が無駄になってしまいます。

また導入時に従業員へツール導入の目的や理由が共有されていなければ、ツールを活用することに難色を示す従業員も出てくるでしょう。そのため、導入前にツール導入の目的を共有したり、活用方法のマニュアル配布をしたりなどの対策が必要です。

運用に適した人材が必要になる

OSSの改変には専門知識がいるため、社内に適した人材がいなければ人材育成や外部からの人材採用などが必要です。

また、ツールにはバグやエラーが発生することもあります。バグやエラーが発生したときに即座に対応できる人材や、定期的なメンテナンスが行える人材も確保しなければなりません。

【2023年最新】ナレッジマネジメントツールおすすめ20選を徹底比較!

ナレッジマネジメントツールを無料で導入するには

OSSであれば費用を抑えてナレッジマネジメントツールを開発することができますが、費用をかけずにツールを導入する方法としては、無料トライアルや無料プランがあるツールの活用もおすすめです。

種類やプランによって費用がかからないツールがあり、無料トライアルとして数日間無料で利用できます。

しかし、費用がかからない場合は、人数制限や機能制限がかけられているので、使用感や機能などを確かめた上で必要に応じて有料プランに切り替えるようにしましょう。

無料のおすすめナレッジマネジメントツール8選!個人向けや有料版との違い

ナレッジマネジメントはツールの上手な活用が大事

ナレッジマネジメントは、効率的なナレッジの共有や人材育成の活性化など、さまざまなメリットをもたらします。特に働き方改革の促進が進む中で、ナレッジマネジメントの重要性も高まりつつあります。

効率的にナレッジマネジメントを行う際には、ツールの活用がおすすめです。OSSツールは無償で利用でき、自社に最適なツールを構築できます。ナレッジマネジメントにOSSツールを活用し、適切なナレッジマネジメントを目指してください。

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ビズクロ編集部
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