メルマガの到達率を上げるには?改善方法と平均到達率を紹介
メール配信において重要な指標となる到達率。到達率は、相手の受信ボックスに届いたメールの割合を示す指標のため、到達率が低い場合には配信方法を改善することが必要です。そこで本記事では、そんなメール配信の到達率について、下がる原因や改善方法を徹底解説していきます。
目次
メール配信で重要な指標となる到達率とは?
到達率とは、顧客の受信ボックスにどれだけメールが届いたかを示す割合のことです。メールを送信したからといっても、すべて相手に届いているとは限りません。
一斉送信や大量配信をすると、受信者のメールボックスに到達するまでに、迷惑メールに振り分けられたり、メールサーバーに拒否されたりすることもあります。
メールが相手に届かないと内容の確認ができず、業務に支障を来す可能性も否めません。ビジネスチャンスの損失を防ぐためにも、メール到達率をできるだけ向上させましょう。
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メルマガ配信で目標にしたい到達率の平均目安
メルマガ配信で目標にしたい到達率の平均目安は、到達率を100%に近付けることが大切です。ただし、実際には100%の到達率を維持するのは難しいため、目安として90~100%程度を目指します。平均到達率の計算方法は以下の通りです。
到達数÷配信総数×100=到達率
たとえば、1,000件のメールを送信し、配信総数が700件だった場合の到達率は「700件÷1,000件=70%」です。一方、1,000件送信して900件が顧客に届いていれば、「900件÷1,000件=90%」となります。
自社のケースに当てはめて計算した結果、到達率が90%を下回っている状況であれば、早急に対策を考えましょう。
メール配信の到達率を改善する7つの対策方法
メール配信の到達率を改善する7つの対策方法を紹介します。効率的なメールマーケティングを行うためには、メールの到着率を可能な限り向上させることが大切です。どの方法が適しているか考えながら、到達率の向上を目指しましょう。
1.送信ドメイン認証を実践する
送信ドメイン認証を実践することが大切になります。送信ドメイン認証とは、送信元が詐称されていないかを判断するためのシステムです。送信ドメイン認証を実施することで、信頼できるサーバーであることを証明できるようになるため、メールの到達率が上がります。
一方、送信ドメイン認証を受けていない場合は、プロバイダによって「なりすましの可能性がある」と判断され、メールが届かなくなる可能性があります。
なお、具体的な送信ドメイン認証の種類は以下の通りです。
- SPF:IPアドレスを事前に登録し、受信時に照合することで安全性を確認する方法
- DKIM:送信時に電子署名を添付し、受信時に確認することで、なりすましや改ざんリスクをチェックする方法
- DMARC:認証に失敗した場合のアクションを事前に設定し、受信メールの取り扱い方を判断する方法
送信ドメイン認証は比較的簡単に設定でき、セキュリティ対策として基本的かつ有効な方法です。メールの到達率を向上させるためにも、「SPF」「DKIM」「DMARC」のすべてを導入しましょう。
2.エラーメールアドレスを取り除く
エラーメールアドレスを取り除くことが大切です。エラーメールは、何らかの理由によりメールを送信できなかったときに届くメールのことです。エラーメールが発生する要因は多岐にわたります。
【送信エラーとなる要因】
- スパムメールと判定された
- メールのサイズがオーバーしている
- メールボックスの容量が足りない
- 存在しないメールアドレスが登録されている など
届くことのないメールを何度も繰り返し送信すると、サーバーにスパムメールだと判断されることもあるため注意しましょう。一度スパム認定された場合、同一のIPアドレスからのメールはすべて拒否される恐れがあります。
特に、存在しないメールアドレスに送信してしまうことで、エラーメールが発生するケースが多くなっています。そのため、エラーメールの宛先を確認しながら、定期的に登録先を整理しましょう。
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3.複数のIPアドレスから配信する
複数のIPアドレスから配信するようにしましょう。一日に何通ものメールを送らなければならないときは、いくつかのIPアドレスに分けるのも方法のひとつです。たとえば、朝・昼・晩で使用するアドレスを変更する、5つのIPアドレスを保有し1回毎に別のIPアドレスから送信するといった方法があります。
IPアドレスを分ける理由は、同一のIPアドレスで何度もメールを送ると、スパムに認定されるリスクが高まるためです。
万が一、スパム判定を受けてブラックリストに登録されると、メールを正常に送信できなくなったり、IPアドレスを変更せざるを得なくなったりする可能性があります。スパムと判定されないようにするためには、スパムが行うような行動を避けるしかありません。
なお、利用しているアドレスがブラックリストに載っているかどうかを調べることもできます。代表的なサービスは、「Spamhaus」や「SpamCop」などです。メールが届かないなどの不具合を感じている方は、自身のIPアドレスが登録されていないかどうか確認しましょう。
4.スパムトラップのアドレスを避ける
スパムトラップのアドレスを避けるようにしましょう。スパムトラップとは、使用されていないダミーのメールアドレスを用意し、迷惑メールを特定するための方法です。
使用していないはずのダミーアドレスにメールを送ってしまうと、スパムと判定されブラックリストに追加されます。スパムトラップの種類は以下の通りです。
【スパムトラップの種類】
- プリスティントラップ:IPSが故意的に作成したメールアドレス。Webサイトからでしか取得できないため、送信者が不正な方法で入手したと判断される。
- リサイクルトラップ:使用されなくなったメールアドレスやドメインをスパムトラップとして使用する方法。
- 入力ミスのあるメール:「gmail」が「gmal」となっていたり「.com」が「.can」となっていたりするメールアドレス。故意的の場合とそうでない場合がある。
スパムトラップが送信先として登録されると、誤ってメールを送ってしまう確率が高まります。
特に、不正な方法で入手した宛先アドレスは、スパムトラップが紛れ込んでいるリスクが高いといわれています。メール到達率の向上や、購読者を増やすためだとしても、不正な方法を利用するのは避けましょう。
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5.購読者に適したメールを配信する
購読者に適したメールを配信することを意識しましょう。メールマガジンの購読者を増やすためには、読者のニーズを把握することが大切です。
自身に関係がないメールが送られてきていると感じると、迷惑メールとして報告される可能性があります。
迷惑メールとして報告されスパム判定が下されれば、メールを送信できなくなり、到達率の低下を招きます。迷惑メールと認定されるメールの特徴は以下の通りです。
- 件名が長すぎる
- 日本語がおかしい
- 内容が薄い
- 誤字脱字が多い
- ターゲット層と内容がずれている
- 怪しいサイトに誘導するURLが記載されている
メールの到達率を上げたいという気持ちが強くなることで、読者がいらないと思うようなメールまで送ってしまうケースが考えられます。しかし、読者が離れてしまっては本末転倒です。購読者が読みたくなるようなメールを心がけましょう。
6.信頼できるメール配信システムを利用する
信頼できるメール配信システムを利用するようにします。メールの到達率を上げるためには、メール配信システムや、信頼できる会社の選定も重要です。
メール配信システムの中には共有サーバーを使用しているものがあり、サーバーの共有先が迷惑メールを送っている場合、自身も被害を受ける可能性があるためです。
具体的には、スパムと判定されメールを送れなくなったり、ブラックリストに追加されたりするといったデメリットが発生します。
なお、メール配信システムとは、効率的にメール配信をするためのサービスです。サービスを利用することで、メール配信の際に起こる以下のような課題を解決できます。
- メールの送信に時間がかかる
- メールが届かない
- 一斉送信できない
- メルマガの開封率が低い
- 到達率が向上しない
メール配信システムのサービスを選ぶ際は、料金だけでなくセキュリティ対策の内容やサポート体制も確認しましょう。
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7.配信停止の方法を明記する
配信停止の方法を明記することも大切です。配信停止のやり方が書かれていない、あるいは、工程が多い場合は迷惑メールとして報告されるリスクが上がります。
読者にとっては、迷惑メールに分類してしまえばもう受信ボックスには届かなくなるため、面倒な工程を経て配信停止するよりも手軽です。
しかし、配信者にとっては、迷惑メールとして報告される数が増えれば増えるほど、IPレピュテーションが下がりスパム判定される可能性が高まります。
そのため、正式な手続きで配信を停止してもらえるよう、本文の末尾に分かりやすく配信停止のためのリンクを設置するなどをして対策しましょう。
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メール配信の到達率が下がってしまう原因
メール配信の到達率が下がってしまう原因を2つ紹介します。メール配信の到達率を上げたいと考えている場合は、原因を解明し問題点を取り除く必要があります。
- ISPによって到達率は左右される
- IPレピュテーションの基準とは?
ISPによって到達率は左右される
ISPによって到達率は左右されることがあります。ISP(Internet Service Provider)とは、回線を通してインターネットに接続する「接続事業者」のことです。ISPを経由しなければインターネットを利用することはできません。
ISPは、安定的なサービスを提供するため、IPアドレスの評価である「IPレピュテーション」を導入しています。IPアドレスの評判に基づいて、通信を許可をするか拒否するかを決める方法です。
IPレピュテーションのスコアが低いと、迷惑メールやスパムと判定されるリスクが上がったり、メールの到達率が悪くなったりする恐れがあります。そのため、スコアをできるだけ高く維持することが大切です。
IPレピュテーションの基準
ISPは、IPアドレスの過去の行動を調査することで、IPレピュテーションを判定しています。IPレピュテーションを下げる要因となるケースの一例は以下の通りです。
- 送信ドメイン認証を設定していない
- 同一のIPアドレスから大量のメールを配信している
- スパムトラックにメールを送信してしまった
- 実際に迷惑メールを送ったことがある
- 迷惑メールの報告数が多い
- データ量やサイズが適切でない
IPレピュテーションの評価基準は公開されていませんが、上記のようなケースではIPレピュテーションのスコアリングが落ちやすいといわれています。そのため、自身の配信しているメルマガが該当しないか、一度よく確認する必要があります。
なお、自身のIPレピュテーションはインターネット上で確認可能です。以下のようなサービスを活用しましょう。
サービス名 | 運営企業/国 |
SenderScore | Validity, Inc./アメリカ |
TalosIntelligence | Cisco Systems, Inc./アメリカ |
TrustedSource | McAfee Co., Ltd. /アメリカ |
Postmaster Tools | Google LLC/アメリカ |
どのサイトも世界の大手企業が運営しているため、比較的安心して利用できます。IPレピュテーションを定期的にチェックし、スコアの向上を目指しましょう。
メール配信システムの配信成功率と到達率の違い
メール配信システムの配信成功率と到達率の違いがあります。メールマーケティングの際は、メール配信システムの利用が望ましいでしょう。大量のメール配信を高速でできるようになったり、到達率が向上したりするというメリットがあります。
ただし、利用するメール配信システムを選ぶ際は、「到達率と配信成功率は異なる」という点に注意が必要です。到達率は受信ボックスに届く確率であるのに対し、配信成功率はサーバーに受け入れられた確率を意味します。
サーバーで受け入れられても、その後受信ボックスには届かなかったというケースもあるため、通常配信成功率よりも到達率の方が低くなります。配信成功率のみをアピールしているサービスや、「配信成功率=到達率」と捉えているサービスは避けるのが無難です。
また、配信成功率や到達率だけでなく、「サービスの内容」「サポート対応」「セキュリティ体制」なども比較しておきたいポイントといえます。
万が一のトラブルが発生した際に、どの程度サポートしてもらえるか、IPアドレスは複数使用できるかなどを細かく確認したうえで、自社のスタイルに合ったサービスを選びましょう。
メール配信の到達率を改善して効果をUPさせよう
到達率を向上させるためには、IPレピュテーションのスコアを上げる必要があります。「送信ドメイン認証を設定する」「購読者に適したメールを配信する」「信頼できるメール配信システムを利用する」などをして、IPアドレスの信用度を高めることが大切です。
メール到達率の低下は、ビジネスチャンスの損失につながるため、到達率90~100%を目指しましょう。7つの対策方法を具体的に記載した本記事も、ぜひ参考にしてみてください。
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