議事録とは?目的や必要性・書き方のポイント、作成する流れを解説
会議内容を正確に記録する議事録は、見やすく、わかりやすいことが重要です。本記事では、議事録はなぜ重要なのか、役割や目的などから解説します。あわせて、質の高い議事録作成のための書き方のポイントや注意点、作成の流れについても解説します。
目次
議事録の役割とは?
議事録は、会議や議論の内容を正確に記録し、後日参照するための重要な文書です。
具体的には、いつ、誰が、どのようなテーマ(議題)を話し合ったのか、あるいは、誰からどのような情報共有があったのかを記した上で、判断が必要な議論に関しては、最終的にどのような決定がなされたのかを記録します。
そのため、議事録は、会議における報告や決定事項の履歴として残り、透明性を保つための重要なツールになるのです。
アジェンダ・レジュメとの違いとは?
議事録、アジェンダ、レジュメは、すべて会議に関連する文書を指す言葉ですが、それぞれ異なる目的と役割を持っています。
アジェンダは、ビジネスシーンにおいて「予定・議題」といった意味で使用される言葉です。会議の流れや議題をまとめた文書を示し、会議の目的や議題の事前周知、会議のスムーズな進行などを目的として作成されます。アジェンダは、主に会議前に参加者に向けて配布されるものであり、会議自体の内容をまとめた議事録とは、大きく役割が異なります。
一方のレジュメは、「要約」の意味を持ち、会議に出席する参加者(発表者)が、発表する内容をまとめた文書を指します。レジュメは、発表者が、いわゆる“カンペ”として見るために用意することもあれば、高い密度での議論を目的に、参加者に事前に配布される資料として作成されることもあります。
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議事録の書き方は主に2種類
議事録の書き方やフォーマットは、主に会議の目的や規模、組織の文化によって異なります。ここでは、一般的な会話形式と要約形式の2つの書き方について、詳しくみていきましょう。
会話形式
会話形式の議事録は、会議での発言をそのまま記録する形式です。時系列で会話が記録されるため、後に閲覧した際にも、誰が、どのような議論を展開し、決定に至ったのかの詳細を把握することができます。
会話形式の議事録は、特に重要な決定を伴う会議や、後で詳細な議論の内容を確認する必要がある場合に有効です。ただし、作成に大きな手間を要することから、会議後の議事録の共有にも時間がかかるといったデメリットがあります。
要約形式
要約形式の議事録は、会議での議論内容や決定事項を要約して記録する書き方です。
要約形式では、具体的な発言者の名前や発言内容よりも、議論の要点と決定事項に焦点が当てられます。要点が端的にまとめられた議事録となることから、会議の流れと結果が、容易に把握でき、作成者の負担も少ないのが特徴です。
ただし、作成者が議論の内容を十分に理解していないと、重要な発言が記録されていなかったり、齟齬が生じるような内容でまとめられてしまっていたりするリスクもある点に注意が必要です。
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議事録を作成する目的・必要性
議事録は、会議の内容を記録し、その情報を共有・保存するための重要なツールです。では、なぜ共有や保存が必要なのか、その理由を確認しておきましょう。
タスクを管理するため
議事録には、会議で決定した「誰が、何を、いつまでに行う」といったタスクが記録されるため、会議後に、自分のすべきことを再確認するためのメモとして活用することができます。そのため、タスクの抜け漏れ防止につながるのです。
発言や責任の所在を明確にするため
議事録は、社内の会議に限らず、クライアントや取引先との会議の場においても作成されます。
議事録の作成による発言者と発言の内容、そして、責任の所在の明確化は、認識の相違を排除し、「言った言わない」のトラブルを未然に防止する役割をはたします。また、社内においても責任者が明らかになることで、「担当者がわからない」といった混乱を避けられるでしょう。
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会議内容を共有するため
議事録は、会議参加者の振り返り資料としてだけでなく、会議に参加できなかったメンバーに情報共有するためのツールとしても活用されます。
情報の伝達不足は、組織内の認識に食い違いを生じさせるだけでなく、プロジェクトの変更や修正といった重要な決定事項が伝わらなければ、重大なミスやトラブルが起きてしまうこともあります。議事録によって、会議の参加者だけでなく、関係者にも漏れなく情報が連携されることでコミュニケーションロスを防ぐことが可能になるのです。
次回の会議をスムーズに進めるため
議事録は、次回の会議をスムーズに進めるためにも必要です。
前回の会議での議論や決定事項を参照することで、密度の高い、建設的な議論を進めることができます。また、会議で決定されたタスクの進捗状況を確認するためにも、議事録は重要な役割をはたします。
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議事録に記載すべき項目
議事録に記載すべき項目は、会議の種類や目的、会社のルールなどにより異なりますが、基本の記載事項として、以下の項目は必ず記載されることが多いでしょう。
- 作成日/作成者
- 会議名
- 開催日時/場所
- 参加者
- 議題
- 決定事項
- 次回の会議予定
上記のほか、アクションプランとしてタスクとその担当者を記載する場合もあります。
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見やすい議事録の書き方
議事録は、会議を欠席した人が閲覧することも含めて、見やすく、理解しやすい内容で書くことが重要です。見やすい議事録の書き方について説明します。
発言者を明確にする
会議で「誰が何を言ったのか」、発言者とその内容を明確に記載することで、後日発生する誤解や混乱を防ぐことができます。また、発言者の記載により、議事録がより具体的で詳細な事実の記録になります。
見やすいように箇条書きでまとめる
要約形式の議事録では、長々とした文章での記載を避け、なるべく箇条書きでまとめるよう意識しましょう。読み手が内容を理解しやすくなり、重要な情報を見逃すリスクを軽減できます。
結論ファーストで記載する
議事録の各項目を「結論ファースト」で記載することも重要です。つまり、各項目の最初にその結論や決定事項を記載し、次にその結論に至った議論や理由を記載します。これにより、読み手はすぐに結論を把握することができ、全体の理解が深まります。
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議事録のフォーマットを統一する
議事録のフォーマットを統一することで、「見慣れたフォーマット」による、情報伝達の効率化と理解の促進といった効果が期待できます。これは読み手が、どこに何が記載されているかを、すぐに把握することができるからです。
また、フォーマットの統一は、議事録作成の効率化にもつながるでしょう。
議事録を作成する流れ
次に、議事録を作成する際の流れについても、確認しておきましょう。
会議前に準備しておくこと
会議のアジェンダを確認し、事前に議論のポイントを把握しておきます。次に、記録に必要なツール(筆記用具、ノート、パソコン、録音機器など)を整え、使用可能な状態にしておきます。また、会議中に離席することのないようトイレを済ませておくのも大切です。
会議中はメモを取る
会議中のメモは、議事録作成の基本となります。特に、質問や異論、発言者、決定事項は聞き逃すことのないよう注意してください。できれば、ICレコーダーなどで録音しておくと安心でしょう。その際、録音を確認する際の手間を省くため、重要な発言の時間をメモしておくと便利です。
会議メモを議事録のフォーマットに落とし込む
会議後のメモ整理は、質の高い議事録作成の鍵となります。メモを元に、決定事項、議論の経緯、異論や合意点を整理し、議事録のフォーマットに落とし込んでいきます。
要点をまとめる際は、5W1H(いつ・どこで・だれが・何を・なぜ・どのように)の文章フレームワークを意識し、記載する情報に取りこぼしがないよう気をつけましょう。
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議事録を提出・共有する
完成した議事録は、参加者や関連部署へ速やかに配布し、会議の内容や決定事項を共有します。提出・共有の方法は、会社によってさまざまですが、書類による回覧のほか、近年は、PDFファイルによるメールやチャットを介した共有などが一般的です。
ただし、議事録は会議の発言をまとめた文書としての真実性が重要となります。提出・共有の過程で第三者による改さんや変更といった手が加えられることのない方法で共有するようにしましょう。
書き方のコツや注意点に留意し質の高い議事録を作成しよう
議事録は、会議の内容を正確に記録するのはもちろんのこと、5W1Hを意識して、要点を簡潔に書くなど、読み手の理解を促すコツや工夫が必要です。
また、文章のまとめ方や書き方だけでなく、議事録のフォーマットを統一するなど、視覚的な工夫も質の高い議事録の作成・運用へとつながります。ぜひ、ここでご紹介したポイントを参考にし、トラブル防止やスムーズな情報共有にながる議事録を作成しましょう。
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