WBSとは?ガントチャートとの違いや作り方・メリットをわかりやすく解説!

最終更新日時:2023/09/28

プロジェクト管理ツール

WBSとは

プロジェクトを開始する段階で作成されるWBSですが、作成するメリットや作成方法などを理解できていない方も多いのではないでしょうか。WBSはプロジェクトの成功に欠かせない存在で、理解を深めておくことが非常に大切です。この記事では、WBSの意味や作成方法、メリットなどについて紹介していくので参考にしてみてください。

プロジェクト管理に必要なWBSとは?

WBS(Work Breakdown Structure)とは、プロジェクトにおけるタスクを細かく分解して細分化し、一覧表で表す手法のことです。

プロジェクトを進める上で、「どのようにスケジュールを組んだらいいか」「プロジェクトの達成にどの程度リソースが必要なのか」などがWBSによって正確に把握できます。

そのため、WBSはプロジェクト管理の基本であり、スケジュールを作成する上で必須と言えるでしょう。

WBSを導入する目的

WBSの目的はプロジェクトを進める上で必要となるタスク・作業を明確化です。

プロジェクトを管理する上での基礎となり、WBSをもとにして担当者やスケジュールなどを決められます。また、タスクの抜け漏れや遅延などが発生するリスクを最小限に抑えることも可能です。

WBSの種類

WBSは構造化する際の基準によって大きく2つの種類に分けられます。ここからは種類ごとの特徴や違いなどについて紹介していきます。

プロセス型の作業分解構造

プロセス型の作業分解構造とは、各作業フェーズや階層などからタスクを細分化し構造化する手法で、タスクを詳細に定義できる点がメリットです。

一般的に、成果物の完成がゴールに設定されていない不透明性のある中長期のプロジェクトに適しています。

成果物型の作業分解構造

成果物型の作業分解構造とは、成果物の作成完了から逆算してタスクを分解して順序立ててツリー構造を構築する手法です。成果物を基準とするため、プロジェクト像を把握しやすい点がメリットです。

そのため、成果物の品質や完成がゴールに設定されているプロジェクトに適しています。

ガントチャートとは

ガントチャートとは、プロジェクトの進捗管理をおこなう際に用いられるスケジュール表のことです。進行表や工程表などと呼ばれるケースもあります。

プロジェクトの工数やタスク、スケジュールなどを管理し、メンバー全体の進捗や作業状況を可視化できる点が特徴です。

ガントチャートとは何?意味やプロジェクト管理におけるメリット・デメリット

WBSとガントチャートの違い

WBSはプロジェクトのタスクや作業内容を細分化し、タスクの項目ごとの関連性を可視化できる表のことです。

対して、ガントチャートはプロジェクトのスケジュールを管理するための手法で、進捗やマイルストーンなどを詳細に把握できます。

そのため、WBSはタスクを詳細に洗い出した表であり、ガントチャートはタスクごとのスケジュールや進捗を管理するために用いる表である点に違いがあります。

なお、ガントチャートを作成する上ではWBSが必要となるため、それぞれは密接に関係していると言えるでしょう。

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WBSのメリット

WBSを用いることで、プロジェクトはよりスムーズに管理できます。ここでは、WBSを作成する利点について解説していきます。

担当業務を把握できてタスク漏れを防げる

WBSでは、タスクを細分化するため、プロジェクトに必要な作業の見落としや漏れが防げます。これによってプロジェクト全体を把握することができるので、トラブルやリスクを未然に発見できるのが利点です。

また、プロジェクトメンバーそれぞれが担当業務を把握しやすくなり、タスクの関連性も可視化でき、メンバーの業務重複の防止にもつながるでしょう。

管理や運用がしやすい

WBSは、タスクを順に細分化していくというシンプルな手法で作成するため、管理や運用もそれに沿ってシンプルにおこなうことができます。

さらに、自社のプロジェクトに合わせたテンプレートの作成もできるので、誰が担当者になっても運用しやすいという利点もあります。

正確なスケジュールを作成できる

タスクの洗い出しが不十分な状態では、抜け漏れや想定以上に時間がかかってしまうなどのトラブルに発展するリスクがあります。

しかし、WBSによってタスクを詳細に洗い出すことによって、精度の高いガントチャートを作成することができ、正確なスケジュールを組むことができます。

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WBSを作成する手順

ここでは、実際にWBSを作成するための手順について紹介します。WBSの基本的な作成に慣れてきたら、自社のテンプレートに落とし込むこともできますので、試してみてください。

必要な作業を洗い出す

WBSを作成するにあたってまずやるべきことは、必要な作業の洗い出しです。プロジェクト完了までに発生するタスクなどを漏れなく洗い出したあとは大枠で分解して細分化していきましょう。

なお、作業を洗い出す際には抽象度が高いとその後のWBS作成に向けた動きが難しくなります、そのため、作業の洗い出しはなるべく具体的に進めていきましょう。

作業の順序を整理する

次に、細分化された作業タスクの順序を整理します。このとき、タスク間の依存関係を明確にしておくことも重要なポイントです。

まず最初に着手すべき作業など、タスクに優先順位をつけて整理することで、よりスムーズにプロジェクトを進めることができるでしょう。

作業の構造や期日を設定する

タスクの整理をしたあとは、作業タスクを構造化します。時系列に並べ、関連する作業などを踏まえて整理していきましょう。これによって、プロジェクト全体が見渡せるようになるので、作業の重複や漏れも発見しやすくなります。

なお、プロジェクトを進める上では計画していなかったトラブルや新たなタスクが生まれる可能性もあるため、期日はある程度余裕を作っておきましょう。

作業に担当者を割り振る

次にすべきことは、細分化し整理されたそれぞれのタスクへの担当者の割り振りです。作業に担当者を割り振るときに注意すべき点として、担当者が複数いると責任の所在がわからなくなることがあるので、基本的には1タスクに1人の担当者を割り振るのがよいでしょう。

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WBSを作成する際の注意点

ここからはWBSを作成する際の注意点について紹介していきます。

不明確なタスクを作らない

タスクを洗い出す際にはできるだけ不明確なタスクを作らない様に注意しましょう。不明確なタスクができてしまうと、工数を見積もることができなくなり、作業量や工数など想定と現実にギャップが生まれてしまいます。

そのため、現場担当者へヒアリングしたり、不明確なタスクを段階的に細分化したりするなどの工夫をしてWBSを作成する様にしましょう。

また、不明確なタスクについてはプロジェクトを進めていく上で期日などを明確にするなどの工夫も大切です。

WBSのテンプレートを活用する

プロジェクトを進める上でタスクを細分化して構造化する作業は非常に重要ではあるものの、WBSはあくまでもプロジェクトをスムーズに進めるための手段です。

WBSの作成に時間をかけすぎるのは本来の目的とは異なるため、作成時間を短縮するためにも最適なテンプレートを活用する様にしましょう。

また、WBSのテンプレート機能やガントチャート機能が搭載されている、プロジェクト管理ツールの活用もおすすめです。

WBSの作成に役立つツール

ここでは、WBSの作成に役立つツールを紹介します。自社の状況に合わせて導入を検討してください。

Asana

Asanaは、情報収集や進捗確認などの時間がかかる作業を効率化できるツールです。業務に必要な情報やコミュニケーションなどをタスク単位で紐付けし、仕事や人の可視性や生産性の向上が図れます。

また、自社の目標に対して、自分のタスクがどのように結びついているのかが把握できるので、より自発的になり、仕事へのモチベーションにもつながるでしょう。

提供元Asana, Inc.
初期費用要問い合わせ
料金プラン
  • Basic:無料
  • Premium:1,200円(税抜)/月、1ユーザーあたり(年間払い)
  • Business:2,700円(税抜)/月、1ユーザーあたり(年間払い)
  • Enterprise:要問い合わせ
導入実績世界190カ国100万以上のチーム
機能・特徴ワークフロービルダー、アプリとの連携、オートメーション、タイムライン、レポート、ワークロード、ボード、ゴール、デスクトップアプリとモバイルアプリなど
URL公式サイト

Redmine

Redmineは、プロジェクト全体やタスクごとの進捗状況をチームで共有し、進行するサポートをしてくれます。タスクの進捗確認ができたり、メンバーと共同のメモが作成できる機能など、プロジェクトをスムーズにおこなえる機能を搭載しています。

オープンソースのツールなので、まず試してみたいというときにもおすすめです。

提供元ファーエンドテクノロジー株式会社
初期費用無料
料金プラン無料
機能・特徴チケット、ガントチャート、Wiki、リポジトリ、ニュースなど
URL公式サイト

Backlog

Backlogは、ひとつのプラットフォームからプロジェクトチームメンバー全員の作業状況が共有できるツールです。誰にでも直感的に使えるデザインで、シンプルな機能が搭載されているため、業務のコラボレーションを促進してくれます。

また、どのプランを選んでも、まずは30日間無料で試すことができるので、実際の操作性なども確認が可能な点もメリットです。

提供元株式会社ヌーラボ
初期費用無料
料金プラン
  • スタータープラン:2,970円(税込)/月
  • スタンダードプラン:17,600円(税込)/月
  • プレミアムプラン:29,700円(税込)/月
  • プラチナプラン:82,500円(税込)/月
機能・特徴プロジェクト管理、課題管理、バグ管理システム、バージョン管理など
URL公式サイト

CrowdLog

CrowdLogは、直感的に簡単に操作できて、細やかに工数管理をサポートしてくれる、工数管理に特化したツールです。半自動で簡単に工数入力ができたり、リアルタイムでの集計分析など、工程管理に必要な機能が豊富に備わっているのが魅力です。

提供元株式会社クラウドワークス
初期費用要問い合わせ
料金プラン
  • ベーシックプラン:要問い合わせ
  • プレミアプラン:要問い合わせ
導入実績650社以上
機能・特徴工数管理、プロジェクト管理、ガントチャートとの連動、レポート、多言語対応、管理機能、外部連携など
URL公式サイト

Smartsheet

Smartsheetは、組織の業務向上をサポートしてくれるツールです。強力なひとつのプラットフォームを使用して、チームでプロジェクトを自動化し、プログラムを拡大できるうえ、数人での同時編集やレポート作成など、共同作業にも柔軟に対応しています。

提供元Smartsheet Inc.
初期費用要問い合わせ
料金プラン
  • 無料:無料
  • プロ:984円/月
  • ビジネス:3,543円/月
  • エンタープライズ:要問い合わせ
機能・特徴チームでの共同作業、ワークフローの自動化、コンテンツ管理、大規模なプロセス管理、安全なリクエスト管理、統合、合理化されたビジネスアプリ、ガバナンスの管理など
URL公式サイト

WBSとはプロジェクト管理を手助けする手法のひとつ

WBSは、作業を分解して構造化するプロジェクト管理の手法のひとつであり、タスクを細分化しプロジェクトの全体像が把握できます。

なお、より高精度のWBSを作成したい方には、専門のツールを活用してみることもおすすめです。自社の状況や目的をかんがみて、WBSを取り入れてみてください。

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ビズクロ編集部
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