タスクフォースとは?メリット・デメリットとプロジェクトチームとの違いを解説

最終更新日時:2023/02/15

タスク管理ツール

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ビジネスシーンで耳にするタスクフォース。大手企業や政府が取り入れ、課題解決に役立てていますが、タスクフォースとはそもそも何でしょうか。本記事では、タスクフォースとは何か?編成の目的やメリット・デメリット、プロジェクトチームとの違い等とあわせて詳しく解説します。

タスクフォースとは?

タスクフォースとは、ある目標や目的を達成するために構成された限定的なチームで、社内の各部署から社員を選抜した組織のことです。

軍事用語として用いられることが多かったタスクフォースですが、現在はビジネスシーンにおいても、緊急性の高い課題解決や企画開発などのシーンで導入されるようになりました。

プロジェクトチームとの違い

タスクフォースと似ている言葉にプロジェクトチームがありますが、異なる点は課題解決に要する期間が違うことです。

タスクフォースは迅速に解決すべき課題を取り上げるため、いかに短い期間で解決に導くかがポイントです。一方でプロジェクトチームは、課題の検証や解決を繰り返していきながら、いかに成果につなげていくかが重要なので長期的に取り組む姿勢が求められます。

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タスクフォースの目的

ビジネスシーンに用いられるタスクフォースは、緊急の課題を解決するために限定で構成されるチームです。

社内の各部署から選抜していきますが、ときには社外の専門家を招くケースもあります。課題が解決したタイミングでタスクフォースは解散となり普段の業務に戻ります。

タスクフォースのメリット

タスクフォースに取り組む企業が増えていますが、取り組むとどのようなメリットがあるのかを紹介します。

リソースを十分に獲得できる

タスクフォースは目的が明確で短期的に取り組むため、必要な人材・経費・情報などのリソースを確保しやすい利点があります。

緊急性の高い課題を迅速に解決していくことが必要です。各部署から専門性の高い知識やスキルを持った人材を集めることが可能なので、すぐに課題解決に導く体制を構築できます。

スキルが高いメンバーが集まる

短い期間で課題解決をするためには、プロフェッショナルなチーム作りが必要不可欠です。知識や経験豊富な社員を集めることができるのは、タスクフォースの大きなメリットでしょう。

一般的に業務のプロセスごとに部署を細分化し、その領域の作業を得意とする社員を配置し仕事を進めていきます。しかし、部署を超えてプロジェクトに取り組む点はタスクフォースならではの取り組みと言えます。

スキル・組織力の向上が期待できる

タスクフォースでは、各部署のプロフェッショナルな社員たちが集結し、さまざまな視点で意見を出しあいます。そのため、普段では生まれないアイデアを創造することもあるでしょう。

複数の社員がプロジェクトを進行していくので、リーダーのチーム統括力や他部署との情報共有・連携といったスキルアップにも期待ができます。社員一人ひとりのスキルが向上することで、組織力の強化にもつながるので企業にとっても大きなメリットです。

企業課題の解決にもつながる

タスクフォースは、企業で不祥事が起きたケースだけでなく業務・組織改革にも有効です。多くの企業が導入後に業務改革の実現や生産性を高めることに成功しています。

例えば、経済関連の知識・スキルが高い社員でチームを組むことで、有望な人材にナレッジの共有や育成を行うことができます。そのため、組織力の強化や顧客からの問い合わせ対応力アップにも効果的です。

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タスクフォースのデメリット

スピーディーに課題解決をできるだけでなく、組織改革にも有効なタスクフォースですがデメリットもあります。

ノウハウの蓄積が困難

さまざまな部署のプロフェッショナルが集結するタスクフォースは、アイデアを生み出しやすいメリットがありますが、チーム構成期間が短いためプロジェクトで行なった戦略や実績の共有が難しいです。

プロジェクト内で生まれた新たなアイデアや知識を会社の資産としていくためにも、どのように記録するかが課題としてあげられます。

メンバーの選出方法が不明確

チーム構成は重要なポイントですが、明確な基準が定められていないので人材の選定が難しい側面もあります。高い知識やスキルを持った社員を招集することは重要ですが、プロジェクトの課題解決をする対応力に優れているかといった見極めも必要です。

またプロジェクト進行中にサポート体制が構築されていないと、人材のリソース不足といった問題点が出てきてしまうので注意しましょう。

メンバー間の対立が起きやすい

チームに選出される方法が不明確だと、チーム内で対立が起きてしまう可能性があります。ほかにも、普段から一緒に業務をしない社員同士が集まるので意見の食い違いが起こりやすかったり、課題解決がスピーディーに進まなかったりする場合もあるので注意が必要です。

通常業務に影響を及ぼす可能性がある

タスクフォームに招集された社員は、普段の業務と同時進行でプロジェクトにも取り組んでいるので、通常業務にリソースを充てられないことも考えられます。

プロジェクトを優先しすぎてしまい、普段の業務に手がまわらなくなってしまうと部署内での評価に影響を及ぼしてしまうので社員が不利益にならない配慮が必要です。

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タスクフォースの作り方

タスクフォースの効果を高めていくためにも、具体的な作り方を確認しておきましょう。

1.タスクの明確化

課題解決に導く際に、目的がぶれないようにするためにもタスクを明確化しておきましょう。まずはチーム構成後にプロジェクトのゴールを決め、目的達成に必要なタスクとスケジュールを決定しておくことがポイントです。

2.メンバー・リーダーの選出・選定

緊急性の高い課題に取り組める知識やスキルを持った社員とリーダーの選出をします。とくにリーダーの選定は重要で、チーム連携を強化できるマネジメント力に優れているかを念頭におき判断することがポイントです。

チーム構成後は、メンバーのタスク遂行に必要な権限を与えて迅速な対応ができるようにしておきましょう。

3.タスク・スケジュールの共有

普段一緒に業務に携わることがない社員が集まるので、タスクやスケジュールなどの情報共有は、通常の部署内で行うよりも積極的に行なっていく必要があります。

情報共有が上手くされていないと、目的意識が統一されないので課題解決に遅れが生じてしまうからです。

チーム力を強化するためにも、プロジェクトの目的やタスク、スケジュールなどの情報を明確にしておきましょう。

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4.活動の方向性決定

チーム構成の直後は、コミュニケーションが上手くとれないことも考えられるためプロジェクトでどのような活動を行なっていくか方向性を決めておくことも重要です。

スムーズに連携をするためにも、タスクの具体的な内容を明確にしていく必要が求められます。

5.施策の実行

会社のイメージダウンに関わる課題に取り組むこともありますが、現状を真摯に受けとめスピード感を持って取り組む体制が求められます。

またプロジェクトの進行中に小さな課題が生まれてくる可能性もあるので、柔軟に対応できるよう人材やリソースを予め準備しておくことが必要です。

6.監視・観察

プロジェクトが成果につながっているか、他の課題が生まれていないかなどを監視・観察してPDCAを回していきましょう。

プロジェクトの精査を高めるだけでなく他の施策にも活かすことも可能なので、生産性の向上にも期待できます。

またプロジェクトの進捗状況や社会の反応を確認しておかなければ、会社のイメージダウンや株価の下落といった状況を招くことも考えられます。マイナスイメージを回避するためにも、客観的な目線での監視・観察をしていくことが重要です。

7.振り返り・ノウハウの共有

プロジェクトを成果につなげていくためにも、タスクの振り返りや施策で得たノウハウの共有をしていくことは今後にも役立ちます。

実施した内容の詳細を残しておくことで、次に問題が発生した場合にスムーズな対応ができるので、業務の効率化や企業のイメージアップになるでしょう。

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成功しやすいタスクフォースの特徴

ここでは、タスクフォースの導入に成功しやすい特徴を確認します。

リーダーによる適切なメンバー管理ができている

リーダーの適切なチーム管理は、タスクフォースを成功に導くことができます。またチーム管理に優れたスキルを持っているリーダーは、KPT法を用いて社員を統括していることが多いです。

具体的には、Keep(継続)Problem(問題改善の抽出)Try(実行)といったプロセスです。さらに社員を適材適所に配置することで、社員一人ひとりのパフォーマンスを向上できます。

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成功体験を積み重ねている

タスクフォースが上手くいっている企業は、小さなタスクの成功体験を重ねているのでプロジェクトのゴール達成にも導きやすい傾向があります。

まずは小さなタスクで成功するために、チーム内の目的意識を統一しチーム力向上をしていきましょう。

ルール・ガイドラインが定まっている

プロジェクトの目的達成に向けて、どのような方向性で進んでいくのか意見を出し合うことが重要です。しかし社員の考えやアイデアが出やすい雰囲気にしておかなければイノベーションの創出はできません。

社員が意見を出しやすい環境を整えていくために、プロジェクト内でのコミュニケーションルールを掲げておくのがポイントです。

ステークホルダーへの効果的なPRができている

ステークホルダーに自社のプロジェクトを上手くPRできると、企業の取り組みへの印象アップにつながります。

課題解決までの取り組みが社会全体で評価されると、国内はもちろん世界各国からも認知されるでしょう。その結果、企業のブランドイメージを定着させることができます。

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タスクフォースの事例

ここではタスクフォースに取り組んだ企業の事例を紹介します。具体的なプロジェクトの内容を参考にしてみてください。

日本マクドナルド株式会社

マクドナルドはサービスの品質向上を目的にタスクフォースを構築し、顧客からの問い合わせ対応を見直しました。

例えば問い合わせへの対応プロセスの課題抽出を行い、最適かつスピーディーな対応力と品質を高めるアイデアを出し合ってサービスの見直しを実施することができました。

株式会社ウェルクス

ウェルクスは全社員に会社の課題を自分ごとにして取り組んでほしいといった背景から、11部署のプロフェッショナルが集結し、社内のコミュニケーション向上を目的としたプロジェクトを開始しました。

ウェルクスのタスクフォースは、企業理念・戦略に特化したチームや運動の活動を増進したチームなど、複数のチームに細分化されている点が特徴的です。

味の素株式会社

味の素は高齢社会に着目し、「食と健康の課題解決」を導くための業務プロセスを会社全体に浸透させることを目的にタスクフォースを立ち上げました。

社員一人ひとりのパフォーマンスを最大限発揮することで、仕事に対する意欲の向上や企業への愛着心につながり、エンゲージメント向上にも期待しています。

総務省

総務省は、さまざまな目的に合わせてタスクフォースを構築し活動しています。最近の事例では「スイッチング円滑化」というタスクフォースで顧客が携帯電話の乗り換えを柔軟にすることを目的にして取り組んでいます。

他にも、サイバーセキュリティの強化を目的としたチームも構築されています。

タスクフォースを編成し課題の早期解決に努めよう

タスクフォースは課題解決を導くだけでなく、社員一人ひとりのパフォーマンスやリーダのマネジメント力の向上にも期待ができ、企業の生産性向上にもつながります。

さらに、取り組んだプロジェクトの実績やアイデアなどを記録しておくことで、他の施策でも活かすことができるので会社にとって大きなメリットです。

タスクフォースを成功に導くためにも、本記事で紹介した作り方や成功事例を参考に取り組んでみてください。

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