SMS送信の仕組みとは?ビジネスシーンでの活用例やメリット、注意点を解説
携帯電話・スマホの電話番号でメッセージを送受信する「SMS送信」。開封率・到達率の高さ、効率的な情報発信ができることなどから、ビジネス市場での利用が拡大しています。本記事では、SMS送信の仕組み、ビジネスシーンでの活用例、そのメリットや注意点などを解説します。
目次
SMSとは?
SMS(ショート・メッセージ・サービス)とは、携帯電話番号を利用してメッセージを送受信するサービスです。
一度に送信できる文字数が短く、以前は全角70文字以内であることが一般的でした。しかし、2019年には全角670文字まで送信できるようになりました。
インターネットを介さずに携帯電話の回線を通じて通信が完結することから、Webサービスにおける個人認証(SMS認証)に使われることの多いサービスです。
▷SMSマーケティングとは?活用事例やメリット・デメリット、成功させるポイント
SMS送信とMMSの違い
MMS(マルチメディア・メッセージング・サービス)とは、通信会社独自のメールアドレスを使用してメッセージを送信するサービスです。
SMSとは異なり、文字だけでなく画像や音声、動画などのファイルを送信できるほか、チャット形式でのやり取りも可能であることから、ビジネスやプライベートで幅広く利用されています。
2024年9月時点では、このサービスに対応している通信事業者はKDDI、ソフトバンク、Y!mobileの3社です。
SMS送信の仕組み
SMSは、電話回線交換ネットワークを使用してメッセージを送信するサービスで、インターネットを通して通信を行うメールとは異なり、災害時でも安定した通信を実現しやすい点が大きな強みです。
また、SMSには「片方向型」と「双方向型」という2種類の通信方式があります。片方向型は送信者から受信者へ一方的にメッセージを送る仕組みであり、双方向型は送信者と受信者が互いメッセージをやり取りできる仕組みです。
SMS送信の活用例
SMS送信は、さまざまなビジネスシーンで活用されています。具体的な活用例について詳しく紹介します。
顧客へのお知らせ
SMSは、顧客へ迅速かつ確実にお知らせを送る手段として広く活用されています。
例えば、荷物の到着連絡や予約のリマインド、来店後のお礼やイベント・セミナーに関する追加情報など、重要な情報をタイムリーに伝えることに適しています。また、メールよりも開封率が高いため、電話が通じない状況で確実に連絡する手段として採用する企業も多いようです。
本人確認
SMS認証は、本人確認の手段として広く利用されています。
最も一般的なのは、ユーザーの電話番号に認証コードを送信し、それを入力することで、正しい本人であることを確認する手法です。
この方法は、シンプルながらセキュリティが高く、不正アクセスを防ぐために極めて効果的であるため、銀行やオンラインサービスなど、厳格な本人確認が求められる場面で広く活用されています。
メッセージの一斉送信
SMSの一斉送信を活用すれば、キャンペーンのお知らせや緊急連絡を、多数の顧客に向けて同時に届けることが可能です。メッセージを送信するための時間を大幅に削減でき、業務の効率化に有効でしょう。
メッセージの一斉送信はメールでも可能ですが、メールアドレスは変更されやすいという難点があります。一方、電話番号はメールアドレスと比べて変更されにくく、確実にメッセージを届けることができるのです。
災害時の安否確認・情報共有
災害時の緊急連絡において、SMSは非常に有効な手段です。電波状況が不安定な場合であっても、ごく少ない回線負担でメッセージを送受信できるため、緊急時における信頼性が高い連絡手段とされています。
また、地震や津波などへの避難指示を即座に共有する用途としても、多くの自治体で採用されています。
SMS送信を利用するメリット
SMS送信にはさまざまなメリットがあります。具体的な利点について詳しく解説します。
メッセージの開封率・到達率が高い
SMSは他の連絡手段と比べ、非常に高い開封率・到達率を持っています。
まず、携帯電話・スマホに標準搭載された機能であるため、専用アプリをインストールする必要がありません。また、電話番号だけで簡単にやり取りができ、プッシュ通知機能により確認されやすいといった特徴から「確実にメッセージを届ける」という目的において非常に優れたサービスの一つと認識されています。
BCP対策の一環になる
SMS送信は、電話と同じ回線交換ネットワーク通信を使用しているため、災害時にも利用しやすいことからBCP対策(災害時や緊急時の連絡手段)の一環になります。
「災害等でインターネット回線が不安定な状況でも影響を受けない」というSMSの特性は、企業や自治体における危機管理対策において、重要な役割を果たすでしょう。低コストで導入できるうえに日常的な連絡にも使えるため、費用対効果が高い点も見逃せません。
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SMS送信を利用する際の注意点
SMS送信には多くのメリットがありますが、一定の注意点もあります。具体的な注意事項について、以下に詳しく解説します。
特定電子メール法の対象になる
SMS送信は「特定電子メール法」の対象となるため、企業がSMS送信を行う際には、法律に準拠した手続きを踏む必要があります。
特定電子メール法は迷惑メールの防止を目的としており、企業が広告メールを送る際には、必ずユーザーから同意を得るためのチェック欄と、登録解除の方法をメールに明記した設定欄を設けることを規定しています。
もし違反をすれば罰則を科されるリスクがあるため、導入の際には十分注意しましょう。
[参考 : e-Gov法令検索「特定電子メールの送信の適正化等に関する法律」]
SMS送信サービスの接続方式を確認する
SMS送信サービスには「国内直収接続」と「国際網接続」の2つの接続方式があり、それぞれの特徴を理解しておく必要があります。
国内直収接続は、日本国内の携帯キャリアと直接接続する方式であり、安定した通信と高い到達率が大きなメリットです。一方で、国際網接続は海外のゲートウェイを経由するため、コストが抑えられる反面、到達率や速度が劣る傾向があります。
どちらが自社に適しているかを確認し、最適なサービスを選択するようにしましょう。
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利用制限・送信費用がかかることを理解する
SMS送信には、いくつかの利用制限や費用区分が存在します。
まず、送信できるのはテキストのみであり、全角670文字(半角1,530文字)が上限となっています。また、画像や写真の送信はできず、サービスによっては1日に200件までといった制限が設けられています。
さらに、SMSは受信が無料である代わりに送信には費用がかかり、1〜70文字のメッセージは約3円のコストがかかります。文字数の増加にそって3円ずつ加算され、最大文字数である670文字では約33円ほどのコストが発生します。
これらの特徴を理解し、導入前にコストを見積っておくことをおすすめします。
▷SMS送信にかかる料金はいくら?個人・法人の料金や安く抑える秘訣を紹介
SMS送信の仕組みを理解し効率的な情報発信を実現させよう
SMS送信はシンプルかつ高い到達率を誇る、便利なコミュニケーション手段です。仕組みや活用法、注意点をしっかり理解して使用することで、企業における効率的なコミュニケーション手段の一つとなるでしょう。SMSを賢く利用して、さらなるビジネスの成長に役立ててください。
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