ホームページの維持にかかる費用と内訳|維持費を抑えるための秘訣も紹介
ホームページを運用するための「維持費」は、自社管理するか業者に依頼するかで費用に差が出ます。想定外の出費を抑えるためにも、ホームページ開設前に相場を確認しましょう。本記事では、ホームページの維持にかかる費用相場を、費用を抑える秘訣とあわせて解説します。
目次
ホームページの維持費とは?
ホームページは公開して終わりではなく、維持するために費用が発生します。
維持費には、大きく分けて維持費・管理費・更新費・販促費の4種類があり、ホームページの目的に応じて必要なものは異なります。
維持費はホームページを最低限維持するためにかかる費用で、ホームページの運用にあたって必ず支払うものです。また、管理費はホームページ運用にまつわるさまざまなリスク対策をするためにかかるもので、ホームページを安全に運用するために欠かせません。
情報発信のためにホームページを更新する際は、更新費もかかります。ホームページに名刺のような役割を求める方は、維持費・管理費・更新費の3つが必要です。
ホームページを通じて集客を行いたい場合は、さらに販促費もかかります。販促費はホームページの集客にかかる費用です。代表的なものとしては、広告費用やSEO対策費用などが挙げられるでしょう。
ホームページの維持費の内訳
ここでは、ホームページの維持費の内訳を詳しく見ていきましょう。
維持費:レンタルサーバー料金
ホームページを公開するためには、インターネット上に場所を用意する必要があります。その場所のことをサーバーといい、自社で購入するか借りるかしなければなりません。
サーバーを用意する際は、レンタルがおすすめです。レンタルサーバーなら、機器の設置や管理を自社で行う必要がなく、ホームページの開設をスムーズに進められます。
レンタルサーバー料金は安いところなら月額数百円、高いところだと月額数万円かかります。料金の安いところは個人向けに作られている場合が多いため、法人で使用する場合は法人向けかのチェックも必要です。
初めてホームページを制作する場合は、月額1,000〜3,000円程度のところを選ぶとよいでしょう。
維持費:ドメイン料金
ドメインは、インターネット上における住所にあたります。住所がなければホームページにアクセスできないため、ドメイン料金も必ずかかる費用です。
ドメインには以下のようなものがあります。
ドメイン | 意味 | 取得費用相場 |
.co.jp | 日本の会社 | 1,500円程度〜 |
.jp | 日本 | 500円程度〜 |
.com | 商用 | 1円〜 |
ドメインは、専門業者のほかにレンタルサーバーの提供会社がオプションとして提供している場合もあります。レンタルサーバーの契約特典として無料もしくは割引価格でドメインを手に入れられるので、コストを抑えたい方におすすめです。また、サーバーとドメインの紐付け作業が楽になり、契約・請求もひとつにまとめられます。
維持費:SSL化費用
SSLとは、インターネット上のデータを暗号化して送受信する仕組みのことです。インターネット上でやりとりする情報が外部から見えてしまうことを防ぎ、情報の漏洩を防ぎます。ホームページに訪問するユーザーの個人情報を守るためにもSSLは欠かせません。
SSLには複数の種類があり、用途や費用相場は以下の通りです。
認証タイプ | 利用用途 | 相場 |
ドメイン認証 | 低コストでセキュリティを強化する | 0〜4万円程度 |
企業認証 |
| 4〜8万円程度 |
EV認証 |
| 5〜20万円程度 |
初めてホームページを制作する場合は、ドメイン認証を利用するのがおすすめです。ただし、ホームページ上でユーザーの個人情報を扱う場合は企業認証以上のものを選びましょう。
EV認証を受けたホームページは、ブラウザのアドレスバーが緑色で表示されるため、ユーザーにひと目で安全性を伝えられます。フィッシング詐欺などの偽サイト対策も可能なので、決済情報を含めた個人情報を扱う場合に適しています。
管理費:障害対応費
障害対応費は、ホームページ上で発生したバグや不具合などの障害への対応を外部に委託する際に発生する費用を指します。
ホームページの運用には、バグや不具合は付きものです。具体的には、文字化けやデザインの崩れといった表示に関するバグや、404エラーなどでページが表示されない、フォームの送信エラーといった障害が挙げられます。
これらの障害はWeb制作に関する知識やスキルがないと対応することが難しいため、社内に対応できる人材がいない場合はWeb制作会社への外注が必要です。
管理費:セキュリティ対策費
ホームページを運用する際、さまざまなセキュリティリスクが発生します。具体的には、情報漏洩・偽サイトによるフィッシング詐欺・ウイルス・無差別攻撃・ページの書き換えなどが挙げられるでしょう。
これらのリスクからホームページを守るためには、適切なセキュリティ対策を行うことが大切です。レンタルサーバー会社が提供しているセキュリティ対策を利用したり、情報漏洩などの万が一に備えてサイバー保険に加入したりするといいでしょう。
管理費:CMSなどの更新費用
CMSとは、HTMLやCSSなどのWeb制作知識がなくてもホームページの作成・更新ができるシステムのことです。ブラウザ上で文字や画像を入力するだけで、CMSが自動的にページを生成します。
セキュリティリスクを減らすため、CMSで使用しているデザインテーマや拡張機能であるプラグインなどは定期的に更新が必要です。CMSの更新は自社でもできますが、更新に伴うバグや不具合に自社で対応できない場合はWeb制作会社に依頼しましょう。
CMSの更新をWeb制作会社に依頼する場合、1回あたり5,000〜1万円程度かかるのが相場です。中には月額制のサポートを提供している会社もあり、月5,000~10万円程度でCMSの更新を含めたホームページの管理を行ってくれます。
更新費:新しいコンテンツの制作費用
ホームページは作成して終わりではなく、必要に応じて新しいコンテンツを追加する必要があります。
CMSのテーマを大きくカスタマイズしていたり導線設計をする場合は、Web制作会社に依頼した方が安心です。制作会社によっては、月5,000~10万円程度の月額制のサポートにコンテンツの制作が含まれている場合もあるので確認しましょう。
単発で依頼する場合は、1回あたり数千円から数万円かかります。ページ全体をまとめて請け負う場合と、テキスト・バナー・画像・デザインなど作業別に費用が分けられている場合があるので注意しましょう。
▷ホームページ作成にかかる費用相場とは?費用の早見表や安く抑えるポイント
販促費:アクセス解析費用
アクセス解析とは、ホームページに訪れるユーザーの属性や行動などを分析することです。具体的には、訪問ユーザーの検索キーワード、アクセスの多いページや時間帯などを解析します。アクセス解析を行うことでホームページの効果検証ができ、改善すべき課題を見つけることが可能です。
アクセス解析には、無料のツールもありますが、有料ツールの方がより詳しい分析が行えます。PDCAサイクルを回して成果を高めたい場合は、有料のアクセス解析ツールを導入しましょう。
販促費:広告費用
ホームページへの集客を増やす方法の1つとして、広告運用が挙げられます。広告は自社に興味がありそうなターゲットに直接アプローチでき、出稿してすぐに効果を感じられるのがメリットです。また、クリック率やコンバージョン率などの計測も可能なため、効果検証を行いながら運用できるでしょう。
Web集客に使える広告には、以下のようなものが挙げられます。
- リスティング広告
- ディスプレイ(バナー)広告
- SNS広告
- 動画広告
どの広告を利用するかは、商材やターゲット層、目的などによって異なるため、自社の運用方法に合ったものを選びましょう。
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販促費:SEO対策費用
ホームページを公開しても、検索結果の上位に表示されなければユーザーには訪問してもらえません。そのため、ホームページへの集客を増やすにはSEO対策が必須です。
SEOとは検索エンジン最適化のことで、検索結果の上位に自社のホームページが表示されるようにする施策を指します。SEO対策を行うには専門的な知識が必要となるので、自社に専門の担当者がいない場合は外部に委託するのが一般的です。
委託する際の料金形態には、成果報酬型と月額固定型の2種類があります。
成果報酬型は、キーワード検索で上位に表示されたら請求が発生するタイプです。1位表示の場合に最も費用が高くなり、順位が下がるほど費用も下がります。また、競合の数が多く、上位表示の難易度が高いほど単価は上がります。
成果報酬型は上位表示されるまで料金が発生しないため、かけたコストが無駄になるリスクを減らせます。ただし、上位表示が難しいキーワードで上位に表示された場合、一気に費用が高額になってしまうのがデメリットです。
月額固定型では、毎月固定の料金を支払います。成果報酬型よりもサポートが手厚く、SEO対策を完全に委託するのではなくコンサルティングを受けるイメージです。SEO会社から受けた提案を元に、自社でも作業をするのでSEOに関する知識も得られます。
月額固定型は毎月一定の金額を支払うため、高い成果が出ても費用が上がらないのがメリットです。ただし、ホームページが上位に表示されなくても同じ金額を支払う必要があるので、成果が出なければかけた費用が無駄になってしまいます。
▷SEO対策のやり方とは?初心者でもわかる上位表示させる秘訣
ホームページの維持にかかる費用相場
ホームページの維持には、どのくらいの費用がかかるのでしょうか。ここでは、ホームページの維持にかかる費用相場について解説します。
自社ですべての管理・運用をする場合
自社ですべての管理・運用を行う場合、外部に委託する費用は発生しないため、維持費のみがかかります。具体的にかかる費用は以下の通りです。
費用内訳 | 月額費用 |
サーバー維持費 | 数百〜3,000円程度 |
ドメイン維持費 | 数百〜1,000円程度 |
SSL維持費 | 無料〜5,000円程度 |
専門業者に管理・運用の一部を依頼する場合
最低限の障害対応やセキュリティ対策など、専門業者に管理・運用の一部を依頼する場合にかかる費用は以下の通りです。
費用内訳 | 月額費用 |
サーバー維持費 | 数百〜3,000円程度 |
ドメイン維持費 | 数百〜1,000円程度 |
SSL維持費 | 無料〜5,000円程度 |
外注費 | 5,000〜2万円程度 |
専門業者にほぼすべての管理・運用を依頼する場合
更新や新規コンテンツの更新も含めたほぼすべての管理・運用を専門業者に依頼する場合、かかる費用は以下の通りです。
費用内訳 | 月額費用 |
サーバー維持費 | 数百〜3,000円程度 |
ドメイン維持費 | 数百〜1,000円程度 |
SSL維持費 | 無料〜5,000円程度 |
外注費 | 2〜5万円程度 |
集客アップを目指す管理・運用を依頼する場合
広告運用やアクセス解析など、集客アップを目指す施策も行う場合、さらに費用は高くなります。集客アップを目指す管理・運用を専門業者に依頼する場合にかかる費用は以下の通りです。
費用内訳 | 月額費用 |
サーバー維持費 | 数百〜3,000円程度 |
ドメイン維持費 | 数百〜1,000円程度 |
SSL維持費 | 無料〜5,000円程度 |
外注費 | 5万円〜 |
▷ホームページ作成にかかる費用相場とは?費用の早見表や安く抑えるポイント
ホームページの維持費を抑えるための秘訣
ホームページの維持費を抑えるためには、自社で対応できるものとできないものを明確にすることが大切です。ここからは、ホームページの維持費を抑えるためのポイントを紹介します。。
サーバー・ドメインは自社で契約する
サーバー・ドメインは自社で契約するようにしましょう。設定や運用を依頼する場合でも、契約は自社で行うのが賢明です。
制作会社によっては、制作会社が契約しているサーバーでホームページを運用し、維持管理費と更新作業費をまとめている場合があります。この場合、維持管理費の支払いをやめるとホームページが表示されなくなってしまうことがあるでしょう。
また、ホームページの管理を他の会社に乗り換えるのが難しくなり、サーバー移転のための追加料金が発生してしまうこともあります。このような事態を防ぐため、サーバー・ドメインは自社で契約することをおすすめします。
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更新頻度にあわせて料金プランを決める
ホームページの更新費用は、月額払いと都度払いの2種類です。月額払いは更新回数に関わらず毎月同じ料金が発生するため、一切更新していない月も同じ費用を払う必要があります。
更新頻度が高い場合は月額払いの方がコストを抑えられますが、更新が月に1度あるかないか程度の場合は都度払いの方が安く済むでしょう。そのため、更新頻度にあった料金プランを選ぶことが大切です。
また、同じサービスを依頼する場合でも、制作会社によって費用は異なります。複数の制作会社の料金を相見積もりで比較し、最適な制作会社に依頼しましょう。
自社で管理・運用できる環境にする
ホームページを自社で管理・運用できるようになれば、外部の制作会社に支払う管理費や更新費を抑えられます。例えば、文章や写真、画像の差し替えといった簡単な作業であれば自社で賄えるようになるかもしれません。複雑な更新が発生したときのみ依頼すればよいので、月額費用を支払う必要がなくなるでしょう。
自社で管理・運用できる環境にするには、ホームページの制作を依頼する際にWordPressなどのCMSで制作してもらうように依頼するのがおすすめです。WordPressで制作してもらえば、専門知識がなくても感覚的にコンテンツの更新が行えます。
ホームページ維持費の相場から自社に合う方法を見つけよう
ホームページの運用には、さまざまな維持費がかかります。自社で管理するか業者に依頼するかでもかかる費用は大きく変わるので、目的に合った運用を行うことが大切です。今回の記事を参考に、ホームページの維持にかかる費用を理解し、適切な制作方法を見つけましょう。
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