会計システムとは?機能や選び方・メリットとデメリットを解説!
取引内容の記帳や財務諸表の作成など、企業の会計業務は多く、担当者の負担も大きいものです。そんな会計業務の負担減や効率化を目的に導入を検討する企業が増えている会計システムについて、システムの特徴や機能、メリットやデメリットをご紹介します。
目次
会計システムとは?
会計システムとは、仕訳・支払管理・帳票や決算書の作成などの会計業務を効率化できるシステムです。
会計システムは大きく分けて、パソコンや社内サーバーにインストールするインストール型とクラウド上でサービスを利用するクラウド型の2つの種類があります。
いずれのシステムも手作業で行う入力業務を最小限に抑えたり、システム間のデータ連携を自動化したりすることで人的なミスの発生リスクを軽減しながら業務の効率化が図れることから、多くの企業において導入されています。
クラウド型・インストール型の会計システムの違い
会計システムの代表的な種類である「クラウド型」と「インストール型」について、特徴や違いを詳しく見ていきましょう。
これまでは、ローカル環境で使用するインストール型の会計システムが主流でしたが、近年は、働き方が変化したこともあり、クラウド型会計システムの導入や移行を進める企業も増えています。
クラウド型 | インストール型 | |
特徴 | クラウド上にサーバーが設置されているため、インターネットを経由して利用する | システムを自社サーバーや端末にインストールして利用する |
メリット |
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費用感 | 初期費用は比較的安い反面、月額もしくは年額の定額料金が発生し続ける | 初期費用がやや高額になる反面、1度インストールしてしまえば、ランニングコストを抑えられる |
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会計システムの種類・役割
会計システムといっても企業の経理・財務関連の業務は多岐に渡ることから、特定の業務に特化したもの、複数の機能を備えたものなど、その種類や役割はさまざまです。
ここでは以下の3種類の会計システムについて説明します。
- 財務会計システム
- 管理会計システム
- 債務・支払管理システム
財務会計システム
財務会計システムは、主に、売上や費用、資産や負債などの金銭的な取引を記録し、それらをもとに損益計算書や貸借対照表といった財務諸表を作成する機能を持つシステムです。
財務会計は、株主や取引先をはじめとした利害関係者や税務署に提供する財務諸表を作成するための、いわば社外向けの会計業務です。
財務会計によって算出された数値は、経営判断や事業計画の重要な基準であり、会計業務そのものの基盤となることから、財務会計システムが、一般的な会計システムを指す場合もあります。
管理会計システム
管理会計システムは、企業の経営者やマネージャー層が、戦略的な意思決定を適切に行うために、経営状況を把握・管理するための機能を備えたシステムです。
具体的には、予実管理・セグメント管理・経営分析・レポート作成などの機能があり、財務情報だけでなく、非財務情報を含めた経営状況を管理できる点が特徴です。
法令により財務諸表の公表が義務付けられている財務会計とは違い、管理会計は、社内向けの会計業務であることから、管理会計システムを導入する企業は、財務会計システムに比べて少ない傾向にあります。
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債務・支払管理システム
債務・支払管理システムは、取引先ごとの支払手形や買掛金といった債務を管理し、支払が遅延しないようにするためのシステムです。支払予定管理・振込データの作成・支払消込・支払分析などの機能が搭載されています。
財務会計システムでも債務の金額を確認することは可能ですが、基本的には、組織全体の債務情報の把握に重点が置かれているため、取引先ごと金額や支払い期限など、詳細までは管理できないことがほとんどです。
そのため、主に多くの取引先を持つ企業は、複雑な債務・支払情報を一元化し、効率的に管理するため、債務・支払管理システムを導入しています。
会計システムを導入することにより得られるメリット
続いて、会計システムを導入することで得られる3つのメリットについても見ていきましょう。
会計業務の効率化が望める
会計システムの自動仕訳機能や、銀行口座・クレジットカードの取引データを自動取込できる機能は、会計業務を効率化し、手作業の手間と負担を軽減します。
会計業務は、決算書類や税務申告書類など作成しなければならない書類のほか、領収書や請求書など取り扱う書類が非常に多いのが特徴です。すべての書類作成やシステムへの入力を手作業で行うとなれば、時間がかかるだけでなく、作業量の増加に応じて、人的なミスも発生しやすくなってしまうでしょう。
会計システムには、販売管理システムと連携して、請求書や領収書、そのほか、財務諸表なども自動作成する機能を備えているものもあります。そのため、手入力の手間を最小限に抑え、効率的な会計業務が実現します。
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人為的なミスの防止
会計業務をすべて手作業で行うとなれば、転記作業などで起こる入力ミスや入力漏れはどうしても避けられません。
会計システムは、データを1か所入力するだけで関連項目にも自動転記されたり、残高の合わないデータが入力された際には、アラート表示で知らせてくれるなど、手入力や確認作業をサポートしてくれる機能が充実しています。
そのため、会計業務における人為的なミスを防止・減少させ、再度データを入力し直すといった手間の削減にもつながるでしょう。
税制改正に自動で対応してくれる
クラウド型の会計システムでは、税制度の法改正が施行された際に、ベンダーにより自動でシステムアップデートが実行されます。アップデートによるシステム変更は、リアルタイムですぐさま反映されるため、法改正の影響による大きな負担を強いられることなく、常に法令を遵守した会計業務が行えるでしょう。
一方、インストール型の場合は、自社で手動でのアップデート操作が必要となることが多いため、注意が必要です。
会計システム導入時に注意したいデメリット
会計システムには、導入時に注意したいデメリットもあります。
ここでは、主な4つのデメリットについて、詳しくお伝えします。
社内に定着するまで負担がかかる
会計システムは、高度な専門知識がなくても会計業務が行える利点がある反面、システムの操作にはある程度のITリテラシーが求められます。
特に、操作画面が複雑で、直感的な操作ができないシステムを導入してしまうと、社内にシステムが定着するまでの間や、新入社員への説明などで、常に時間や手間を取られることになります。システムを選ぶ際は、機能だけでなく、操作性も重要な比較ポイントとして、できる限り、幅広い社員の意見を踏まえた上で検討すると良いでしょう。
職場環境の影響を受けやすい
例えば、クラウド型の会計システムを利用するには、安定したインターネット環境の整備が必要です。また、会計業務の一部を税理士や会計事務所に委託している場合、委託先が対応可能かどうかも考慮しなければなりません。
職場環境によっては導入したいシステムが利用できない可能性もあるため、職場環境と条件が適しているかを事前に確認することが大切です。
セキュリティリスクへの不安が生まれる
クラウド型の会計システムは、インターネット環境があれば時間や場所に関係なく利用できるという利便性の高さが魅力な一方で、セキュリティリスクが高まるといった懸念も生まれます。
例えば、セキュリティ環境が異なるオフィス外の場所からのアクセスは、情報漏えいや端末の盗難といった事故が発生するリスクが高まることになるでしょう。
そのため、利用に関するルールづくりはもちろんのこと、情報管理を疎かにしないセキュリティ教育により社員一人ひとりの意識を向上させなければなりません。
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システムに対応していない項目がある
多くの会計システムには自動仕訳の機能が標準搭載されていますが、仕訳できる項目はシステムの種類によって異なります。例えば、ネットバンキングやクレジットカードによる取引は自動仕訳に対応できますが、現金取引や紙の手形取引については手入力が必要です。
会計システムを導入したとしても、すべての作業が自動化できるわけではない点を理解しておきましょう。
会計システムを選ぶポイント
会計システムの導入前に確認しておきたいポイントは以下の3つです。
- 導入目的に沿った機能
- アカウントを共有できる人数
- 法改正への迅速な対応
導入目的に沿った機能
会計システムによって搭載されている機能は異なり、会計業務全般をシステム化できる多機能なタイプから、特定の業界や業務に特化した機能が豊富なものもあります。そのため、自社の導入目的に合った機能が搭載されているかを必ず確認しましょう。
導入目的が会計業務の効率化であれば自動仕訳や自動転記などの機能が搭載されているもの、経営状況の把握・管理であれば経営分析やレポートなどの機能が搭載されている会計ソフトがおすすめです。
また、導入や運用に際して不安がある場合は、サポート体制が充実しているシステムを導入するとよいでしょう。自社の導入目的を明確にしたうえで、目的と搭載機能がマッチしているものを選ぶことが大切です。
アカウントを共有できる人数
会計システムは、経理財務部門のメンバーだけでなく、搭載する機能によっては、経営層やマネージャー層を含めた多くのメンバーが使用するシステムです。
クラウド型の会計システムの料金体系は、ユーザー数無制限の定額制、もしくは、1ユーザーごとの従量課金制が採用されているため、使用可能人数は、費用の比較や妥当性を見極める上でも重要なポイントとなります。1つのアカウントで共有できる人数は、必ず確認しましょう。
法改正への迅速な対応
法改正に対応しないまま会計業務を行うと、意図せず違法行為を行ってしまう可能性があります。
クラウド型の会計システムは、法改正の実行時にベンダー側が自動でアップデートしてくれるため、法改正時にも安心して使用を継続することができ、担当者が慌てて法改正の詳細を把握する必要もありません。
一方のインストール型は、アップデート作業は自社で手動で行うケースがほとんどです。バージョンアップやアップデートに追加料金が発生することもあるため、事前に確認しておきましょう。
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おすすめの会計システム5製品
最後におすすめの会計システムを5つ紹介します。
1.弥生会計オンライン
弥生会計オンラインは、簿記の知識がなくても日付や金額などの最小限のデータ入力のみで簡単に会計業務が行える会計システムです。
決算書の作成もたった3ステップで完了。経理業務を自動化してくれる機能が豊富に搭載されているため、経理業務の作業時間を最大で90%削減することも可能です。
提供元 | 弥生株式会社 |
初期費用 | 要問い合わせ |
料金プラン | セルフプラン:28,600円(税込)/年 ベーシックプラン:38,720円(税込)/年 |
導入実績 | 280万ユーザー以上 |
機能・特徴 | 決算書の作成、仕訳・記帳の自動化、経営状況の見える化、税理士・会計事務所連携、金融機関連携、店舗効率化・POSレジ連携、請求書連携、スマホアプリ、インボイス制度・電子帳簿保存法対応など |
URL | 公式サイト |
2.freee会計
freee会計は、中小企業から中堅・大企業まで、企業規模に合わせたプランが提供されている会計システムです。帳簿・決算書の作成や請求業務にも対応しており、経営に関する数字をリアルタイムで可視化。インボイス制度に完全対応している点も魅力です。
提供元 | freee株式会社 |
初期費用 | 無料 |
料金プラン | 20名以下の法人向け ■年払い
■月払い
21名以上の法人向け ■年払い
■月払い
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機能・特徴 | 毎日の記帳、見積・納品・請求書作成、売掛金管理、買掛金管理、経営分析、資金繰り管理、予実管理、決算業務、経費精算、取引先管理、ワークフロー、内部統制・IPO準備、電子帳簿保存など |
URL | 公式サイト |
3.勘定奉行クラウド
勘定奉行クラウドは、取引入力から管理会計帳票を含む各種帳票の作成、決算関連書類の作成、消費税管理まで、会計業務を包括的に、かつ簡単に行うための充実した機能を標準搭載したシステムです。
そのほか、証憑書類のOCR機能による自動読み取りや外貨管理など、豊富な拡張オプション、さらにシリーズ製品との連携は、目的に応じた業務効率化や自動化をさらに拡大してくれます。
提供元 | 株式会社オービックビジネスコンサルタント |
初期費用 |
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料金プラン | ■月額
■年額
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機能・特徴 | 取引入力・自動起票、会計帳票・分析帳票・管理会計帳票、決算・消費税申告/納税、奉行製品連携、API&CSV連携など |
URL | 公式サイト |
4.ジョブカン会計
ジョブカン会計は、電子帳簿保存法改正に対応した会計システムです。複数名での同時操作が可能で、他のジョブカンサービスと連携しての利用もできます。キーボードで入力・エンターキーで次の項目へ進むなど、基本的な操作はキーボードのみで行える操作性の高さも魅力です。
提供元 | 株式会社Donuts |
初期費用 | 無料 |
料金プラン |
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導入実績 | シリーズ累計20万社以上 |
機能・特徴 | 対応帳簿、仕訳・記帳、レポート・集計、各種連携、決算書作成、税率対応、権限管理・承認機能、履歴管理機能、内部統制機能など |
URL | 公式サイト |
5.Plaza-i 総合会計
Plaza-i 総合会計は、20年以上にわたって日本企業のニーズに合わせたカスタマイズ開発を行っているERP(企業資源計画)システムです。会計モジュール・基幹モジュール・共通モジュールの3つから構成されており、自動仕訳・経費精算・債務管理など、さまざまな会計業務にも対応しています。
導入時には、導入サポートや活用ノウハウといったユーザーズガイドが提供されるため、初めての導入でも安心でしょう。
提供元 | 株式会社ビジネス・アソシエイツ |
初期費用 | 要問い合わせ |
料金プラン | 要問い合わせ |
機能・特徴 | 多通貨対応、バイリンガル対応、複数会社処理、複数会計基準対応、整合性の取れた共有データ、豊富な管理コードによる分析など |
URL | 公式サイト |
会計システムで会計業務の効率化を図ろう
会計システムでは、仕訳や各種書類の作成などを自動化・効率化してくれるため、会計業務にかかる時間や負担の大幅な削減が期待できます。人為的ミスの削減にもつながるため、会計業務における正確性も担保できる点が魅力です。自社に最適なシステムを導入し、会計業務の効率化を図りましょう。
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