予算管理システム導入のメリット・デメリットをそれぞれ徹底解説!
予算管理システムの導入を検討している企業は、メリットだけでなくデメリットも知っておくことで最適なシステム選びに役立てることができます。この記事では、予算管理システムの導入に際して、知っておきたいメリットとデメリットの他に、主な機能や選ぶ時に注意するポイント、おすすめのシステム9選をご紹介します。
目次
予算管理に必須!予算管理システムの概要
予算管理システムとは、予算の作成や予実の比較、進捗管理、分析などを行うためのシステムです。会社を安定的に運営していく上で欠かせない予算管理は、従来のエクセルのみを用いたやり方では効率が悪く、多くの工数がかかっていたことが課題でした。
手作業で行うことによる業務効率の低下や入力ミス、さらにはモニタリングや分析が不十分な場合、予算管理が失敗に終わるケースも少なくありません。予算管理システムを導入すれば、精度を高めつつより効率よく予算管理が行えるようになるでしょう。
また、インターネット環境があればどこからでもアクセス可能なクラウド型予算管理システムは、BCP対策にもなります。災害や予期せぬトラブルが発生した時にも、被害を最小限に抑えながら持続的に事業を継続できる体制が構築できます。
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予算管理システムの資料をまとめて請求>>予算管理システムの主な機能とは
ここでは、予算管理システムの主な機能を5つ紹介します。
(1)予算計画の策定や予算編成
予算計画の策定や予算編成は、経営層からの目標値と現場の状況をすり合わせて、通期・半期・四半期・月次毎などに作成する必要があります。
エクセルで作成する場合は、データを取りまとめる必要があるため予算管理担当者の負担が大きく、作成までに時間がかかりタイムラグが発生するという欠点がありました。
しかし、データを一元管理できる予算管理システムであれば、各担当者がシステムに直接入力し他データをリアルタイムでチェックできます。また、会計ソフトや原価管理システムといったほかのシステムと連携できるので、再度データ入力をすることなく作業を効率化できるのです。
(2)予算と実績の比較・再編成
予算管理システムを導入すると、データ入力後即時反映されるため予算と実績の比較が、リアルタイムでチェックできます。
そのため、予算の再編成もスピーディに行え、PDCAサイクルを繰り返すことで予算管理の質が高まるでしょう。予算の再編成はデータベースを変更すると一括変更できるので、エクセルに比べ手間を最小限に抑えられます。
(3)予算計画のシミュレーション・予測立て
予算計画の策定時にシミュレーション機能を使うと、総合予算(損益予算・資金予算・資本予算)がどのような結果になるのかといった予測立てができるようになります。
予算目標は高すぎても低すぎても意味がないので、達成可能かつできるだけ高い目標値を設定しなければいけません。シミュレーションを繰り返すことで、実現可能な予算編成を組むことができるのです。
(4)各部門の人件費の把握
予算管理において各部門の人件費を把握することは、適切な事業活動を遂行する上で極めて重要になります。人件費の誤差が発生することで、利益率や生産性が変動してしまうからです。
人件費は基本給以外にも各種手当がつくので従業員ごとに変動し、一人ひとり正確に把握するのは非常に困難です。予算管理システムと人事システムを連携すればこの問題を解消でき、より正確な人件費を把握することで最適な予算編成が可能となります。
(5)予実管理の結果に基づく評価
予実管理の結果に基づく評価により、目標達成のための改善策がみえてきます。リアルタイムで最新データをチェックできる予算管理システムは、大きな差異が発生した場合に素早く発見・対処できるのもポイントです。
エクセルでの管理の場合、こまめにデータをチェックしないと問題の発見が遅れますが、アラート機能付きの予算管理システムであればタイムリーに異常や問題が発見できます。
予算管理システムを導入する5つのメリット
ここでは、実際に予算管理システムを導入した場合のメリットを5つ紹介します。エクセルなどから予算管理システムへの移行を検討している人はぜひ参考にしてください。
(1)予算編成・予実管理作業の効率化
主な機能でも説明した通り、予算計画の策定や予算編成機能がついているので、作業効率の大幅なアップが期待できます。
予算編成および予算管理で一番手間がかかるのは、データ収集ではないでしょうか。とくに、各部門から過去の実績データを集め、予算管理担当者がエクセルなどに打ち込むのはかなりの手間です。
予算管理システムは、各部門や各拠点のデータを集約し自動で統合できるので、担当者の負担軽減だけでなく、正確性やスピードの向上にもつながります。
(2)明確な目標共有によるモチベーションアップ
予算管理システムを使えば、従来のように作成した予算管理表を紙などでアウトプットして共有する必要がなくなります。予算管理システムはデータを入力するだけで自動的にビジュアル化できる機能がついているので、わざわざグラフを作成する必要がありません。
また、目標達成率が一目でわかるグラフなどをシステム上で共有することで、進捗状況がより明確になり、社員のモチベーションアップにもつながります。
(3)経営陣による迅速な経営判断
経営において重要なのは、イレギュラーな事象が発生した時にいかに素早く対応できるかです。予算管理システムにおけるリアルタイムでのデータチェック機能は、経営陣による迅速な経営判断に役立ちます。
予算管理システムは進捗管理機能がついているものもあるので、現場がどのように動いているかもリアルタイムで把握可能です。素早い意思決定と、適切なアクションが可能になる点も予算管理システムの導入メリットといえるでしょう。
(4)予算シミュレーションの利用
予算管理システムで予算シミュレーション機能を利用するメリットは、複数のパターンを比較検討できるところです。エクセルでも簡単なシミュレーションはできますが、作業工数が多く予算管理システムよりも精度が劣る場合がほとんどでしょう。
予算管理システムのシミュレーションを活用することにより、経営課題や部署ごとに抱えている問題点の把握が可能になります。
(5)来季の予算データへのアドバイス
予算管理システムには、過去のデータから来季の予算データへのアドバイス機能がついているものがあります。この機能を活用すると、達成率や項目を分析し最適な目標値のアドバイスをしてくれるのです。
また、予算管理・実行・アドバイス・改善のPDCAサイクルを繰り返すことで、予算管理の質が向上し、業績アップも期待できるでしょう。
予算管理システムの障害になる3つのデメリット
予算管理システムの導入には多くのメリットがありますが、システムの選び方によっては逆にデメリットとなることもあります。ここでは、予算管理システムの障害になりうる3つのデメリットを紹介しますので、導入前に必ずチェックしましょう。
(1)導入コストが高額
予算管理システムの導入を検討している企業が躊躇してしまうのは、導入コストが高額であるという理由ではないでしょうか。近年主流のクラウド型システムの費用は月々数千円〜数万円程度ですが、機能やユーザー数などによってコストは異なります。
企業規模や予算管理に関わる人件費や手間などを勘案し、費用対効果をシミュレーションして導入するかどうかを検討する必要があるでしょう。
(2)自社会計ソフトと連携できるかどうかの確認の手間
導入した予算管理システムが既存の会計ソフトや人事システムに連携できないと、予算管理の効率が上がらないおそれがあります。自社で利用しているソフトが大手メーカであればすぐ確認できますが、独自システムの場合には確認や検証に時間がかかるかもしれません。
見積もり時に連携可能かどうか確認する手間や時間が発生しますが、将来的な導入効果に大きな差が生まれるため必ず確認するようにしましょう。
(3)予算管理システムの利用に際しての研修・マニュアル作り
予算管理システムの利用に際し、研修およびマニュアル作成が必要になります。予算管理システムには正確なデータを入力しなければならないため、社員へわかりやすい操作方法や入力のルールを周知しなければいけません。
使い慣れたエクセルと操作が似ているタイプのシステムを選ぶと、研修やマニュアルの手間が減り定着までの時間が短縮できます。
予算管理システムの選び方は?注意すべき8つのポイント
ここでは、自社にあった予算管理システムの選び方について、注意すべき8つのポイントを紹介しながら解説します。
(1)自社システムとの連携が可能かどうか
予算管理システムと連携すると便利なシステムは以下の通りです。
- 会計システム
- 人事システム
- 原価管理システム
これらを連携できるとデータ入力の手間が省け、予算管理の精度が上がるのでなるべく連携可能なものを選びましょう。システムと連携できない場合は、エクセルデータが取り込める予算管理システムを選ぶと入力せずに済みます。
(2)会計基準は自社に適合しているか
予算管理システムの会計基準と自社が採用している基準が適合しているかチェックしましょう。会計基準とは決算に必要な財務諸表を作成する際のルールのことで、日本で認められているのは以下の4種類です。
- 日本会計基準
- 米国会計基準
- 国際会計基準
- J-IFRS
一般的に予算管理は財務諸表と同じ形式で作成します。会計基準が適合していないと計上方法が異なり、決算期の作業工数が増える可能性があるので注意しましょう。
(3)自社が利用したい経営指標が搭載されているか
企業毎にKPIとなる分析したい指標が異なるので、自社が利用している経営指標が搭載されているかチェックしましょう。
経営指標は収益性・生産性・成長性・安全性の4つに大別できますが、KPIとなる指標はさらに細分化され、企業規模や業種によって最適なものを設定する必要があります。
経営指標の分析は経営状態を把握する上で重要なので、自社に適した指標分析が搭載されている予算管理システムを選びましょう。
(4)前期以前のデータを取り込めるか
予算管理システムを選ぶ際に、前期以前のデータを取り込めるかどうかというのもポイントです。予算管理は、前期のデータを元にすることで目標達成率の高いものが作成でき、実績データが多ければ多いほど予算管理の精度が向上していきます。
また、過去のデータを一つひとつ入力していくのは効率が悪いので、エクセルやCSVで一括アップロードできるものがおすすめです。
(5)シミュレーションの精度とパターンの豊富さは適切か
シミュレーションを繰り返すことで予算管理の質が上がるので、精度とパターンの豊富さが自社に適しているかよく見極めましょう。
予算管理システムのシミュレーションは各サービスによって異なります。導入前にツールの機能一覧で確認するのも手段の一つではありますが、トライアル期間に実際に試してみるのもおすすめです。
(6)現場スタッフが操作しやすいUIか
予算管理システムへの入力は現場スタッフが行う場合が多いので、初めてでも操作しやすいUIかどうかもシステム選びの基準となります。予算管理システムのパフォーマンスを最大限に引き出すには、迅速で正しいデータ入力が重要です。
操作性が悪いと入力ミスや、そもそも面倒で作業を後回しにしてしまうケースも想定されます。操作性については実際に利用してみないとわからないことが多いので、無料期間中に試用して確認してみましょう。
(7)導入コンサルは経験豊富か
エクセル管理などから予算管理システムへスムーズに移行するには、経験豊富な導入コンサルが必要となります。初期設定から自社で対応すれば導入コンサルを利用する必要はありませんが、その場合、システムの機能をすべて理解した上で自社にあった設定をする必要があります。
その点、コンサルを利用すれば導入から定着までがスムーズに行える可能性が高まります。提供する会社によってコンサル内容は異なるので、どのような方法でサポートしてくれるのか事前にチェックしましょう。
(8)通貨・言語は自社に合っているか
予算管理システムによって対応している通貨や言語が異なるので、自社にあっているものを選びましょう。
日本語や日本円以外に対応しているシステムもありますが、英語・米ドルのみの対応というケースも多く見受けられます。国内や米国以外の国とも取引している企業は、事前にどこの国の言語や通貨に対応しているか問い合わせが必要です。
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予算管理システムの資料をまとめて請求>>おすすめの予算管理システム9選を紹介
ここでは、効率的に予算管理が行えるシステムを9つ紹介しますので、導入を検討している人はぜひ参考にしてください。
DIGGLE
DIGGLEは、DIGGLE株式会社が提供する予実管理クラウドです。
最新のデータをクラウドで一元管理できるのに加え、予実をリアルタイムに分析できます。経営判断のスピード向上に効果的なシステムです。
提供元 | DIGGLE株式会社 |
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初期費用 | 要問い合わせ |
料金プラン |
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機能・特徴 | 予実差異分析、部門別P/L、見込み管理、KPIモニタリング、予算・実績データの突合、配賦、ローリングフォーキャスト、シングルサインオンなど |
URL | 公式サイト |
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DIGGLEの資料請求はこちら>>BizForecast
BizForecastは、プライマル株式会社が提供する3年連続シェアNo.1(2019年〜2021年、同社HPより)の予算・実績管理ソフトウェアです。
BizForecastシリーズは予算管理の他にも人事評価やBI(ビジネスインテリジェンス)など5つのソリューションを展開しているので、営業管理以外にも幅広く対応できます。
提供元 | プライマル株式会社 |
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初期費用 | 要問い合わせ |
料金プラン |
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機能・特徴 | 収集進捗管理・ワークフロー・エビデンス管理・各種固定帳票出力・精算表仕訳入力・WEB版・エクセルインポート/エクスポート・外部システム連携・多言語対応等 |
URL | 公式サイト |
iFUSION
iFUSIONは、株式会社インプレスが提供するエクセル業務の効率化を目的とした、運用サポートシステムです。
エクセル作業は内容によってコストや時間がかかりますが、このシステムを導入すると作業や手間のかかる部分が自動化できます。また、企業規模や運用方法にあわせてオンプレミス型かクラウド型の選択が可能です。
提供元 | 株式会社インプレス |
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初期費用 | 要問い合わせ |
料金プラン | 要問い合わせ |
機能・特徴 | エクセル活用・データベース化・承認機能・履歴管理・データ分析・進捗管理・エラーチェック・権限設定・操作ログ・セキュリティ等 |
URL | 公式サイト |
Workday Adaptive Planning
Workday Adaptive Planningは、Workday, Inc.が提供するプランニングプラットフォームです。各企業独自のカスタマイズはもちろん、ビジネスの成長に合わせてシステムをアップデートできるのも特徴の一つです。
提供元 | Workday, Inc. |
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初期費用 | 要問い合わせ |
料金プラン | 要問い合わせ |
機能・特徴 | データの自動統合・データ分析・機械学習の活用・直感的なインターフェース・ビジュアルダッシュボード・セキュリティ・カスタマイズ等 |
URL | 公式サイト |
bixid
bixidは、株式会社YKプランニングが提供する経営支援サービスで、予算管理やKPI管理ができます。サポートサービスが充実しており、0円から始められるので、ツールの導入が初めての企業にもおすすめです。
提供元 | 株式会社YKプランニング |
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初期費用 | ・通常 0円 ・オプション 初期導入サポート 71,500円(税込) |
料金プラン | ・スポットサービス 1,100円(税込)/1社 ・レギュラーサービス(月額制) フリー 0円 ライト 660円(税込)/月、1社 シミュレーション 5,390円(税込)/月、1社 プランニング 10,780円(税込)/月、1社 bixider 10,780円(税込)/月、1社 ※別途オプションサービスあり |
導入実績 | 10,000社以上 |
機能・特徴 | アカウント作成無制限・基本帳票・財務診断・簡易5ヵ年シミュレーション・チャット・KPI管理・企業診断・モニタリング機能・各種シミュレーション・カスタマーサービス等 |
URL | 公式サイト |
Board
Board Internationalが提供するBoardは、一つのプラットフォームであらゆるビジネスニーズに対応するサービスを提供しています。営業部門においては、販売管理・インセンティブ体系の計画・複数種類の高度分析機能が役立ちます。
提供元 | Board International |
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初期費用 | 要問い合わせ |
料金プラン | 要問い合わせ |
導入実績 | 3,000社以上 |
機能・特徴 | 販売分析・CRM統合機能・データ予測・KPI管理・インセンティブ報酬の管理・レポート作成・経営管理・高度分析・データ精査・多言語対応等 |
URL | 公式サイト |
YoJiTSU
YoJiTSUは、創業から30年以上にわたってビジネスソフトを開発してきた株式会社シスプラが提供する、クラウド型の予算管理システムです。通常は時間がかかる予算作成も約5分で簡単に作成できるなどの特徴があります。
提供元 | 株式会社シスプラ |
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初期費用 | 要問い合わせ |
料金プラン | 5,500円/月 |
機能・特徴 | 予算作成・予算見直し・売上細分化・摘要分析・資金繰り予定表・月次報告書・クラウド型・比較グラフ自動生成・100種の帳票・無料お試し期間あり等 |
URL | 公式サイト |
CCH Tagetik
CCH Tagetikは、オランダに本社を構えるWolters Kluwer N.V.が提供するビジネス支援ツールです。主に財務・法務・税務・ヘルスケアを対象に開発されたツールで、世界中のさまざまな企業で利用されています。
提供元 | Wolters Kluwer N.V. |
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初期費用 | 要問い合わせ |
料金プラン | 要問い合わせ |
機能・特徴 | 予算編成・予算管理・連結管理・レポーティング・情報開示・収益性分析・明細管理・法廷レポーティング等 |
URL | 公式サイト |
Jedox
Jedoxは、株式会社KSKアナリティクスが提供する自由度の高い管理プラットフォームです。インターフェースはスプレッドシートなので新しく操作を覚える必要がなく、定着までの時間がほかのツールに比べ短い傾向があります。
提供元 | 株式会社KSKアナリティクス |
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初期費用 | 要問い合わせ |
料金プラン | サブスク型(年間契約) ※料金は要問い合わせ |
機能・特徴 | データベース内蔵型・自動配賦機能・データ連携・データ加工・スケジュール・権限設定・データドリブン経営の実現・変更履歴対応等 |
URL | 公式サイト |
メリットを把握して自社に合った予算管理システムを
予算管理システムの導入により、これまで予算管理に費やしてきた時間を大幅に削減可能です。予算管理システムは、従来のエクセルでの予算管理よりもメリットが多いといわれていますが、選び方を間違えるとデメリットと感じる部分が出てきます。
予算管理システムを最大限に活用するためには、メリットとデメリットを把握し、企業に適したシステム導入が重要です。
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