予算管理の具体的な業務や必要なスキルとは?企業における重要性も解説

記事更新日:2022/10/13

予算管理システム

予算管理のイラストイメージ

経営に欠かせない業務として予算管理の漠然としたイメージはあるものの、具体的に何をしたらよいのかについては、把握できていない方もいるかもしれません。そこでここでは予算管理が企業においてなぜ不可欠なのか、その重要性と必要なスキル、具体的な業務内容について解説していきます。

予算管理の重要性とは?

企業が成長を続けるためには、利益を出す必要があります。そのため、利益を出すことは、企業の目的であり目標となるでしょう。

予算管理とは、その目標を売上予算、利益予算などの数値で明確に設定し、経営管理を行うマネジメントの一つとされています。また、予算管理には、月次単位などで予算目標と実績の状況を把握し、計画通りに実行されていない場合は、課題を追求して対応策を講じるといったマネジメント業務も含まれます。

日々の営業活動の指標となるだけでなく、企業の経営状況を的確に把握する意味でも、予算管理は非常に高い重要性を持つ業務と言えるのです。

「目標」以外にもある予算管理の役割

予算管理は、営業活動の目標となるだけではありません。

そのほかにも、さまざまな場面で経営判断にかかわる重要な指標として活用されています。

(1)資金調達の目安になる

企業が事業活動を発展させていくにあたっては、予算計画を立てるなかで資金が足りなくなることもあります。その場合、多くは金融機関に融資を依頼することになるでしょう。

しかし、適切な計画もなしに多額の借入を実行してしまうと、後々の返済額の負担が大きくなりすぎて、逆に事業が立ち行かなくなってしまうこともあり得ます。そのため、予算管理は「必要最低限」の適切な資金調達を行う上での目安ともなります。

(2)利益を出すための改善点を見つけることができる

利益を出すには、単に売上を伸ばせばよいと言うわけではありません。もちろん、売上に比例して利益も上がるのは事実ですが、同時に大切なのが、売上に対する利益の割合を示す利益率です。

一般的に利益は、「売上(収益)」から、「経費(売上にかかった費用)」を差し引いて算出します。予算管理では、売上予算のほか、このような経費予算も管理するため、利益率をさらに上げるため、改善点や施策を見出すための指標としても役立ちます。

予算管理の具体的な業務

予算管理の業務は非常に多岐にわたります。予算計画を立てる際には、最初に組織全体の目標となる数値を決め、そこから各部署に細分化していく必要があるでしょう。

また予算を確定するまでの過程では、各部署の現状や市況の変化などから修正していく必要性も出てきます。この作業を何回か繰り返して予算が作成されます。

それぞれを詳しく見ていきましょう。

(1)会社全体の利益目標の策定

まず予算計画は、会社全体で獲得すべき利益予算の策定から始まります。この利益予算の目標は、前年や前期の営業利益や経常利益を参考に経営層が決めることがほとんどです。

例えば、建設業だが、所有する不動産を貸オフィスとして運用しており家賃収入があるなど、本業以外の収益がある会社では、営業利益に企業活動全体のなかで得た利益を加えた経常利益を目標とするケースもあるでしょう。

しかし近年では、そのような営業外収益のある会社においても、「営業活動の成績」である、営業利益を予算管理の目標とすることが増えています。

(2)費用を予算として分類する

次に利益を上げるために必要になるであろう費用、つまり、経費をそれぞれの項目に分けて見積もっていきます。

営業活動を行う上では多くの費用が発生しますが、全体の予算計画の際には、大まかに人件費、減価償却費、その他費用に分類してそれぞれの予算を策定していきます。

#1: 人件費

まずは、経費の中でも占める割合が大きく、変動性の低い固定費として見積もりがしやすい人件費の予算策定から行います。

人件費の予算は、部署のマネージャーによる人員計画をもとに、基本給のほか各種手当なども加味した上で策定します。そのため予算案は人事部や経理部などが作成する場合もあるでしょう。

#2: 減価償却費

減価償却とは、固定資産の購入費を、購入した際に一気に計上するのではなく耐用年数で分割して計上する会計処理のことを指します。

この減価償却費については、主に経理部門にて管理する「固定資産リスト」に、次期購入予定の固定資産情報を各部門ごとでアップデートしてもらい予算案を作成します。

#3: その他費用

人件費や減価償却費のほか、オフィスの賃料や水道光熱費、通信費などの固定費もあります。また、原材料費、仕入原価、販売手数料、外注費など製造や販売にかかる費用は、売上に比例して増減するため、変動費と呼ばれます。これら変動費も売上予算から逆算して、予算計画を立案します。

(3)売上予算と販管費予算の策定

過去の実績をもとに利益予算を達成するための売上予算を検討します。また、売上予算を策定する際には、市場動向や資材調達コストの状況など、ビジネス環境の変化を考慮しつつ、計画しなければなりません。

売上予算を立てる際には、商品・サービスの販売や管理に発生する販売管理費の予算化を同時に行うのが一般的です。

(4)部門ごとの予算を集計する

各部門ごとに作成した予算案を合算し、会社全体の予算として取りまとめていきます。このような取りまとめの業務は、経理部門が担うこともあれば、予算計画立案のために特別に編成されたチームで進めることもあるでしょう。

(5)利益予算との差額を調整する

取りまとめた予算と利益予算に差異がないかを確認します。売上予算が利益予算を達成できない計画になっているなどの差異が生じている場合は、予算を再検討する必要があります。

非現実的として利益予算の見直しをする可能性もありますが、多くの場合、売上予算の増加もしくは費用(経費)削減による予算の修正をすることになるでしょう。

予算管理担当者に必要なスキル

予算管理には、会計に関する知識はもちろんのこと、それ以外にも必要とされるスキルがあります。

ここでは代表的な4つのスキルを詳しく解説します。

(1)会計知識

予算管理者は、損益計算書や賃借対照表、部門ごとの予算報告書の内容を理解する最低限の会計知識が必要です。

また、会計知識だけでなく市場動向の理解や固定費・変動費の妥当性など、予算が適切であるかどうかを判断するためのマネジメントとしての知識もある程度習得しておかなければなりません。

(2)俯瞰的判断力

利益は、自社の営業活動だけでなく、競合他社の状況や消費者の需要、天候、国内外の情勢など、さまざまな要因の影響を受けます。なかには、自社でのコントロールが不可能な外的要因も含まれるでしょう。

そのため、会社全体の状況を見極める能力のほか、複合的な要素を俯瞰的に分析して判断する能力が求められます。このような俯瞰的な判断力は、予算計画が予定通りに進まなかった際の課題解決の際にも役立つでしょう。

(3)コミュニケーションスキル

予算計画を立案する過程においては、経営層のほか、各部門と密にコミュニケーションをとることになります。特に経営層が掲げる利益予算と各部署での売上予算の調整においては、難航を極めることも珍しくはありません。

しかし、ここで対立の構図ができてしまうと調整に時間がかかり予算の実行にも影響を及ぼしかねません。各部署と密にかつ円満にコミュニケーションを取りつつ、交渉を進めることのできるコミュニケーションスキルが求められるのです。

(4)予算管理システムの操作スキル

予算管理を効率的かつスピーディに行うために、システムを導入する企業も増加しています。このようなシステムを活用するのであれば、ある程度のITリテラシーも必要になるでしょう。

ちなみに予算管理システムには、実績などのデータから予算計画をサポートしてくれるプランニング機能や、予算計画のシミュレーション機能、実績をリアルタイムで分析してくれる機能などが搭載されています。

予算管理で失敗しないためのポイント

予算管理の失敗は、誤った経営管理や経営判断にもつながってしまいます。そのため、失敗しないための準備を整えた上で取り掛かる必要があるでしょう。

最後に、事前に把握しておきたい、失敗回避のポイントをお伝えします。

予算目標は現実に見合った実現可能な数値にする

過去の実績や市場動向を考慮せず、理想のみで立てた非現実的な予算は、適切な経営管理ができないだけでなく、従業員のモチベーションも低下させてしまいます。予算は、「企業が成長できる目標」かつ「現実的に実現可能な数値」であることが大切です。

必ず該当する業務担当者の意見を反映する

予算の決定権は経営層やマネージャー層にあるとはいえ、予算目標の達成に向け、実際に営業活動や業務を遂行するのは現場の社員です。

そのため、現場の声や状況を一切反映しないような予算計画は、非現実的な数値目標になりやすいだけでなく、社員の不満や反発を増幅させてしまう結果になりかねません。

そのような状況で立てられた予算は、結果として目標達成も困難になるでしょう。必ず業務担当者の意見や現場の状況を鑑みた上で、目標を立てるようにしてください。

システム導入により効率化を図る

予算管理は、その重要度から計画、進捗管理、分析までをていねい、かつ慎重に行う必要があり、企業規模によっては、かなりの手間と時間を要する業務となります。

予算管理は、重要なコア業務とはいえ、そのほかの業務に手がつけられないほどの負担となってしまうようでは、生産性は確保できません。そのようなケースでは、システム導入をすることで、負担を軽減し、効率化と生産性の向上を図ることも検討しましょう。

予算管理業務を理解して適切な経営に活かすこと

予算管理は、的確な経営判断をするための一つの指標であり、社員とっては、日々の目標やモチベーションとなる数値です。

そのため、現実離れした目標で達成する気にすらならない、進捗状況が共有されずモチベーションにならないといった管理の仕方では、予算管理を実行する意味すらなくなってしまうでしょう。

ここでご紹介した役割や注意点を認識した上で、ぜひ適切な予算管理を実現してください。

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