業務改善コンサルティングとは?活用メリットや依頼費用の相場を解説

最終更新日時:2022/08/05

業務効率化・業務改善

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企業が成長するために必要な業務改善ですが、自社で行う場合は割ける時間や関連する知識が無いということもあるでしょう。そのような場合は、業務改善コンサルティングを利用してみてはいかがでしょうか。本記事で詳しく解説しているので検討する際の参考にしてください。

業務改善コンサルティングとは

業務改善コンサルティングとは、クライアント企業の業務プロセスやコストを分析し、改善方法を提案するサービスです。業務改善に精通したプロのコンサルタントが、客観的な視点から企業の課題や問題を発見し、解決策を提案します。

業務改善とは

企業活動が進んでいくと、自社の文化やノウハウが成長していく一方で、社内の人間では気づけない無駄や、時代に合わない企業風土も生じてきます。具体的には次のようなケースです。

  1. 昔から使っている管理システムをアップデートすることなく使い続けている
  2. ある事業分野で高い実績を出してきたため、その分野に固執し、新たな市場へと目を向けることがない
  3. デジタルトランスフォーメーション(DX)が求められているにもかかわらず、昔ながらの営業スタイルや製造スタイルを貫いている
  4. 業務手順が社員によって異なるため、業務自体が非効率であったり、新入社員へのノウハウ共有がうまくいかなかったりする

業務改善とは、こうした問題の構造をとらえ、どこにその原因があるのかを見える化し、是正することです。

サービス内容

サービス提供者(サプライヤー)によって得意とする分野は異なりますが、一般的に業務改善サービスの内容は次のとおりです。

  • 業務プロセスの可視化
  • 業務課題の発見・特定
  • 原因分析
  • 改善計画のプランニング
  • 効果測定と改善活動
  • コスト削減
  • ITツール・システム導入

それぞれ詳しく解説します。

業務プロセスの可視化

実際の業務がどのようなプロセスを経ておこなわれているかを、フローチャートなどの形で可視化する作業です。

フローチャートとは、業務の流れを示す地図のようなものであり、業務プロセスのどの部分に改善が必要なのかを可視化するのに役立ちます。また、業務プロセス全体の問題や、改善後の形などがイメージしやすくなります。

業務課題の発見・特定

業務プロセスの可視化と併せて現場へのヒアリングをおこない、業務課題を発見・特定します。企業の思い込みや忖度を排除し、客観的な意見や業務改善コンサルタントの知識と経験に基づく知見が提供されます。

原因分析

特定した問題に対する原因や発生要因を分析する作業です。一般的に、可視化した問題のボトルネックにあたる部分から優先的に検討します。

原因分析では、ロジックツリーやバリューチェーン分析を用いるのが基本です。問題を細分化し、グループ分けしていくことで、改善の必要な部分を明らかにしていきます。

改善計画のプランニング

原因分析が終われば、各問題に対する改善策を検討して改善計画を作成します。短期で解決する問題もあれば、中長期的に取り組むべき改善活動も存在するため、長期的な視点に立った改善計画案が必要です。

効果測定と改善活動

改善案を作成したあとは、実際に社内で改善活動を展開できるようにマニュアルを用意します。こうした書類作成業務も、コンサルティングサービスの一部に含まれています。

業務改善を図るうえで「一般化」は重要な要素です。一部の社員だけでなく、会社全体に広がりを見せていくことが、業務改善の最大化に繋がります。まずは小規模な活動で効果を確認し、段階を追って全体へ波及させるのが確実かつ効果的なアプローチ方法です。

実際に改善活動に取り組んだあとは、モニタリングと効果測定をおこないます。効果測定の結果から、更なる改善策を立てていくのです。

コスト削減

業務改善の一環として欠かせないポイントが、コスト削減です。業務で発生する無駄をできるだけカットし、効率化と共にコスト削減案を提案するのが業務改善コンサルティングの役割といえます。

コスト削減のアプローチとしては、固定費の削減や契約書類の電子化、クラウド会計ソフトの導入といったものが挙げられます。企業が気づいていない無駄を発見し、具体的なコスト削減案を提示するのが業務改善コンサルティングの仕事です。

ITツール・システム導入

業務改善の一環として、効率化が期待できるITツールやシステムの導入をコンサルティング会社が提案・サポートすることもあります。

DX化の推進を受けて、業務システムの更新やデジタル化を求める企業も少なくありません。業務の自動化を進めるため、CRM(顧客関係管理)ツールやSFA(営業支援システム)の導入を提案するケースも見受けられます。

業務改善コンサルティングが必要な理由

業務改善コンサルティングは、決して少ない費用ではありません。そのため、多くの企業では、まず自社のリソースを活用した業務改善を検討します。しかし、通常業務と並行して改善活動に取り組むことは、社員にとって大きな負担となり、本業に支障をきたす可能性もあるのです。

現在はまさにスピードの時代です。競合他社に負けないためには、自社のリソースだけに頼らず、外部の視点・専門性を取り入れた効率的な活動が求められます。そうした背景からも、短期で結果が出やすい業務改善コンサルティングの活用を検討しておきたいものです。

業務改善コンサルティングに依頼するメリット

業務改善コンサルティングの必要性について理解したものの、利用によって得られる具体的なメリットを知りたい方もいるのではないでしょうか。

そこでここからは、業務改善コンサルティングに依頼するメリットを4つ紹介します。

新たな業務改善ノウハウの習得

業務改善にはノウハウがあります。専門的な知識の乏しい自社の社員が業務改善に取り組んでも、期待した成果が得られる可能性は少ないでしょう。

業務改善のコンサルタントと共に改善活動に取り組めば、最新のノウハウや改善アプローチなどを学べるため、社員の成長に繋がります。また、問題に対する考え方や対処法に関するアドバイスを受けられることから、業務改善の知識が社内に蓄積されていきます。

社内では気づけない問題点の発見

業務改善の難しい点は、会社内部からの視点では見えづらい課題を明らかにすることです。

外部の目を入れることにより、社内の人間では気づけなかった問題点を発見できる可能性があります。業務改善を外部委託することは、そうした見えにくい問題点を可視化するための投資とも捉えられるでしょう。

人材育成の時短

業務改善では、当たり前と思っている日常業務から問題点を見つけ出すスキルが必要です。また、急激な業務改革は社内から反発を受けることもあるため、柔軟な調整能力が求められます。いずれも、一朝一夕で身につくスキルではありません。

業務改善プロジェクトのリーダーはプロのコンサルタントに任せ、チームメンバーとして自社の社員を配置すれば、OJTの形でスキルを効率的に学習できるでしょう。

専門知識に基づいた的確なサポート

専門家によるサポートが得られると、分析や対策の考案にかかる時間を短縮できるようになります。

改善活動には、問題の発見・改善案の構築・社内調整・改善案の実施といった数々の難所があり、それを乗り越えるには豊富な経験と知識が必要です。社内リソースに依存していると、一つひとつの改善活動に手間どり、思うような成果が得られない可能性があります。

競合他社よりもスピーディーに業務改善を図るためにも、専門家によるツボを押さえた業務改善活動を試みましょう。

業務改善コンサルティングの費用相場

業務改善コンサルティングの費用は、「定額報酬制」「時間制」「成果報酬制」といったように、各サプライヤーの料金体系に基づいて算出されます。

費用の一例として、士業や専門家による短時間のスポットコンサルであれば、1時間3万円程度です。小売業のオペレーション改善を対象とした業務改善コンサルティングで、交通費等を除いて1日(約6時間)あたり15万円かかったケースも存在します。

プロジェクト単位では、半年以上のまとまった契約期間を設定するケースも珍しくありません。月に1回会社で業務に従事してもらう場合、半年あたり100万円程度かかることもあります。コンサルタントの人数や活動頻度が増えれば、半年で200〜300万円程度の費用が発生することもあるでしょう。

コンサルティング費用が変動する要素としては、コンサルタントの時間単価、サービスの提供方法、案件の難易度などが挙げられます。一般的に、クライアント企業が大企業の場合だと、中小企業と比べて費用が高くなる傾向があります。これは、事業規模が大きくなるほど分析やコミュニケーションにかかる工数が増えるためです。

業務改善コンサルティング会社の選び方

いざコンサルティング会社に業務改善を依頼しようとしてみても、どのように会社を選べばいいのか悩んでしまう方もいるのではないでしょうか。

そこでここからは、業務改善コンサルティング会社を選ぶ際に押さえておきたいポイントを紹介していきます。

専門知識のある会社か

まず、自社のニーズを満たせる十分な専門知識やスキルを有しているか、確認が必要です。コンサルティング会社によって、得意分野はさまざまです。そのため、知名度の高いコンサルティング会社という理由だけで企業を選定してしまうと、後悔する可能性があります。

コンサルティング会社を選ぶ際には、自社の属する業界事情に精通した人材がいるかどうかを事前にチェックしておきましょう。

会社の事例や実績を見る

コンサルティング会社が過去にどのような案件に取り組み、どのような実績を残してきたか、事前にチェックしておくと安心です。事前に調査しておくことで、コンサルティング会社に依頼した際の成果が具体的にイメージできます。

実績情報は、会社のホームページや問い合わせによって収集可能です。チェックしておきたいポイントをあらかじめ決めておけば、効率的な調査が実現できるでしょう。

複数の会社を比較して検討する

評価項目を表にまとめ、各社への調査で得られた情報を整理していきます。コンサルティング費用や条件なども、それぞれ表に記入していきましょう。

表にまとめたら、候補のコンサルティング会社を比較していきます。調査項目の中から、優先項目、採用基準などを決めておき、最も基準を満たす企業を選ぶとよいでしょう。

担当者の能力を把握する

業務改善コンサルティングの質は、担当者の能力に左右されます。コンサルティング会社には独自のノウハウが蓄積されていますが、それを上手に活用して依頼者のニーズに合った行動ができるかどうかは、担当者の力量次第です。

したがって、できるだけ早い段階で、自社の案件を担当するコンサルタントの能力チェックをおこないましょう。

基本的には、コミュニケーション能力と、業務改善に関する経験・知識が豊富であるかを確認します。自社の依頼内容と類似している過去の案件などがあれば、そのときの改善アプローチをヒアリングしてみてもよいでしょう。

企業成長には業務改善コンサルティングの検討も必要

近年は、先行き不透明で変化の激しい時代となっています。業務改善の知識やノウハウが乏しい状態で業務改善に取り組んでも、効果的に改善が図れないケースもあるでしょう。業務改善コンサルティングであれば、業務改善のプロが企業の業務課題を特定し、適切な改善案を提示してくれます。

専門知識に基づいた的確なサポートを受けられるだけでなく、業務改善のノウハウを社員が吸収する機会を得られるため、自社の人材育成を促進するメリットもあります。自社に適したコンサルティング企業へ業務改善を依頼し、効率的な組織強化を図っていきましょう。

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