ロジカルシンキングとは?意味や鍛え方・構成要素を簡単に解説

2023/07/26 2023/07/26

業務効率化・業務改善

ロジカルシンキングとは

ビジネスパーソンに必要なスキル、「ロジカルシンキング」。既に多くの企業でロジカルシンキングの習得が推進されていますが、ロジカルシンキングとはどのような意味を持つスキルなのでしょうか。本記事では、ロジカルシンキングの意味や鍛え方・構成要素を簡単に解説します。

ロジカルシンキングの意味とは?

ロジカルシンキングとはすなわち「論理的思考」です。問題解決や意思決定の過程で情報を体系的に整理し、事実や証拠に基づいて合理的で論理的な判断を下す思考法を指します。ビジネスの世界では特に重要視されるスキルであり、プロジェクトマネジメントや戦略策定、マーケティング、財務分析など多岐にわたる領域で活用されています。

情報が錯綜する現代社会において、ロジカルシンキングは膨大な情報を整理し、的確な判断を下すための思考法です。

クリティカルシンキング・ラテラルシンキングとの違いとは?

ロジカルシンキングのほかに、「クリティカルシンキング」「ラテラルシンキング」という思考法があります。二つの思考法について紹介していきます。

クリティカルシンキングとは

クリティカルシンキングは、情報の信憑性を評価し、問題を深く理解するために用いられます。この思考法では、情報や論点を批判的に分析するのが特徴です。「それは真実なのか」という疑念の目を向けることで、情報源の信頼性や事実と意見の区別などを厳密に検討できます。

ロジカルシンキングによって導いた答えに対しクリティカルシンキングを用いれば、第三者視点で真実性を確かめられるでしょう。

ラテラルシンキングとは

ラテラルシンキングは「横に広がる」思考ともいわれます。異なる視点やアプローチから問題を検討し、創造的なアイデアを生み出す思考法です。

ラテラルシンキングでは、多面的で常識にとらわれない考え方をします。ロジカルシンキングでは結論が一つだった事柄でも、ラテラルシンキングで検討すれば複数の答えが出ることもあるでしょう。直感や創造性を活用して問題解決に取り組むため、一見関連性が低い情報からも新たな洞察を引き出す可能性があります。

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ロジカルシンキングの構成要素

ロジカルシンキングは大きく6つの要素で構成されています。

筋が通っている

ロジカルシンキングでは、ある結論に至るまでの思考の流れに一貫性を持つことが求められます。事実から適切な推論を行った結果、導かれる結論が論理的に繋がっていることが重要です。

プレゼンや商談などのシーンでは、筋が通った説明ができるかがポイントになります。一貫性がなく論理的に繋がらない話では、相手を納得させられないため注意しましょう。

思考に歪みがない

先入観やバイアス、不適切な一般化による思考の歪みを避けることが重要です。これらの歪みは思考の質を低下させ、不適切な結論を出す可能性があります。固定観念を破り、歪みのない思考で判断するのがロジカルシンキングの基本です。

合理的である

ロジカルシンキングでは、情報を冷静に評価し、事実と証拠に基づいて合理的な判断を下すことが求められます。無駄のなさや現実的な意思決定は、合理性を示す例です。合理的であれば取捨選択や適材適所への理解が深まり、コストを最小限に抑えられるでしょう。

物事を分解して考えられる

複雑な問題や状況を管理しやすいよう小さく分解する能力も、ロジカルシンキングには必要です。これにより、問題の全体像を把握しつつ、各部分を詳細に分析し、解決策を見つけることが可能となります。

物事の関連性を理解できる

物事の間に存在する関連性やパターンを認識し、理解する能力も重要です。ロジカルシンキングにおいては、関連する事実や情報を適切に結びつけ、全体の脈絡や原因の性質を把握するのに役立ちます。

適切な言葉を使える

ロジカルシンキングの成果を他人に伝える際には、適切な言葉を用いる能力が必要です。明確で分かりやすい言葉を用いることで、自身の思考を他者に理解させ、共有することが可能となります。数字を含めて言葉にできると、より効果的でしょう。

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ロジカルシンキングを鍛えるメリット

ロジカルシンキングを鍛えることは、個人の能力向上はもちろん、組織全体のパフォーマンス向上にも寄与します。以下に、その主なメリットを説明します。

分析力が向上する

ロジカルシンキングを鍛えると、情報を適切に分類・整理し、本質やパターンを見抜く分析力が向上します。論理的で客観性のある思考が身につくと、物事を冷静かつ正確に把握でき、複雑な問題や状況でも効率的に対処できます。

問題解決能力が向上する

問題を鋭く分析できると、解決策へと導くための問題解決能力が向上します。より効果的な対策を立案・実行でき、問題解決の速度や質が高まるでしょう。ロジカルシンキングを強化すれば、トラブルやクレーム対応能力アップが期待できるといえます。

コミュニケーション能力が向上する

ロジカルシンキングは、他人との意見交換やディスカッションにおいても有用です。他人の意見を論理的に理解し、自身の意見を明確に伝えられるようになります。適した言葉と道理にかなったやり取りで、円滑なコミュニケーションを実現するでしょう。

生産性が向上する

ロジカルシンキングを鍛えることで、作業の優先順位付けやリソースの最適な配分など、より効率的な仕事の進め方が可能となります。

合理的な考え方が身につくことから、無駄のない能率的な計画・プロセスを組めるようになるのです。これにより、同じ時間内により多くの成果を出すことができ、生産性が向上します。

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ロジカルシンキングの手法

ロジカルシンキングの手法として、以下の3つの方法が一般的に用いられます。

  • 演繹法
  • 帰納法
  • 弁証法

それぞれの方法には特長と利用シーンがあり、状況に応じて適切な手法を選択することが求められます。

演繹法

演繹法は、一般的なルールや法則から結論を推理する方法です。新たな事実を導き出したいときや、論理的な答えを示すのにも役立ちます。

例えば、「全ての人間は死ぬ」という法則をもとに「私は人間なので、私も死ぬ」との推理結果に至るのが演繹法に当たります。

帰納法

帰納法は、複数の事例から結論を導き出す推理の方法です。いくつかの事例における共通点をもとにして、解決策や方向性を決めます。科学的な仮説を立てる際などにも有用です。

帰納法を使った例では、「これまで見たすべての白鳥は白い」、よって「全ての白鳥は白い」という推論になります。これまで見た白鳥の「白い」という共通点から、答えを推理しているのです。

弁証法

弁証法は、ある命題とその反対の命題(反論)を対立させることで、新たな視点や理論を導き出す推理の方法です。異なる視点からの理解を深め、より高度な結論を導く際に有効な手法とされています。議論やディスカッションでもよく用いられるでしょう。

「環境保護」を命題とした場合、対立案には「経済発展」や「工業化」などが挙げられます。相対する双方をうまく統合するにはどうすればよいか、追求していくのが弁証法のやり方です。

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ロジカルシンキングに役立つ代表的なフレームワーク

ロジカルシンキングを支えるためのフレームワークは数多くあります。以下にその代表的なものを紹介します。

ピラミッドストラクチャー

ピラミッドストラクチャーは、主張や結論を頂点とし、それを裏付ける理由や根拠を三角形になるよう下に並べるフレームワークです。ロジカルシンキングにおける帰納法に沿って用いられ、複数の理由や確証から結論を導きます。

一番大事なポイントを先に伝え、あとで主張をサポートする要素を詳しく説明することで、理解を深めることが可能です。主張に対する根拠を可視化でき、課題の解消にも役立つフレームワークでしょう。

ロジックツリー

ロジックツリーは、問題や課題をより小さく分解し、それぞれの要素がどのように関連しているのかを視覚的に示すフレームワークです。根元の問題から枝分かれする形で細かい要素を列挙・整理し、複雑な問題も解決手順を一つひとつ明確にします。

ロジックツリーには3つの種類があり、「要素分解ツリー」「原因究明ツリー」「問題解決ツリー」に分けられます。各概要は以下のとおりです。

種類概要
要素分解ツリー問題を「全体」としたあと、「部分」に分解して整理する手法
原因究明ツリー問題の原因を突き止めるため、問題と課題を質と量の観点から探る手法
問題解決ツリー目的達成に必要なことを見極めるため、目的を質と量の観点から探る手法

ロジックツリーとは?種類別の作り方や具体例・活用するメリットを解説

MECE

MECE(ミーシー)は、「相互排他的(Mutually Exclusive)」と「総体的に包括的(Collectively Exhaustive)」の頭文字を取ったフレームワークです。「互いに重複しない」「総じて漏れがない」ことを意味しており、文字通りの効果を発揮します。

MECEに基づくと、重複なく全体を網羅した分析が可能です。情報を分類・整理する際に有用で、全体像の理解や問題解決のための具体的なアクションプラン作りに活用されます。

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ロジカルシンキングの鍛え方

ロジカルシンキングは、一定の努力と実践を通じて向上するスキルです。以下に、その鍛え方をいくつか紹介します。

ロジカルシンキングを意識的に行う

日々の生活や仕事の中で、意識的にロジカルシンキングを行うことが重要です。自分の意見や行動の背後にある理由を理解したうえで、それが論理的に成り立つのかどうかを自己評価する習慣をつけましょう。

自分のなかで肯定派・否定派の意見を出し合う「セルフディベート」も、ロジカルシンキングを鍛えるのに役立ちます。日常で疑問に感じたことや、実際にあった議題をもとにしてもよいでしょう。それぞれの立場から検討することで、客観的な考えを磨く訓練になるのです。

仮説を立てて、立証するための根拠を収集・提示するといった作業も有効となります。根拠に対する事実確認を徹底するなど、正確な情報にこだわって結論を導き出しましょう。意識的にロジカルシンキングを実践し、習慣化することが大切です。

フェルミ推定を活用する

フェルミ推定は、確定的な情報がない状況で大まかな推定値を導き出す技術であり、具体的な数値を使用して問題を理解するロジカルシンキングの一面を鍛えるために有用です。

フェルミ推定では、正確な計算力を鍛えるためではなく、論理的思考の組み立てや数値を使った説明力の向上を目的としています。フェルミ推定を身につけてロジカルシンキングに取り入れれば、あらゆる提案時の説得性を強化できるでしょう。

ゼロベース思考を取り入れる

ゼロベース思考とは、既存の知識や先入観にとらわれず、初めての問題として取り組む思考法です。新たな視点から問題を見つめ、解決策を見つける能力を高めます。物事への先入観、決めつけた考え方を改めるのに有効です。

ゼロベース思考が身につくと、革新的なアイデアや問題解決策を閃きやすくなります。バイアスがかかっていない状態であるほど客観視でき、多面的な思考ができるためです。

固定観念にとらわれてしまうと、「〇〇は××である」という結論ありきの思考になります。柔軟な発想ができる状態とはいえず、閉塞的な考え方になってしまうでしょう。ロジカルシンキングの要素となる、歪みのない思考や分解した考察には当てはまりません。

ゼロベース思考の実践でバイアスによる歪みを取り除き、答えや根拠を決めつけずに分解して考えましょう。

書籍から学ぶ

ロジカルシンキングに関する書籍は数多く出版されており、読み込むことで理論を学び、例題を通じて理解を深めることができます。書籍は自分のペースで学べるため、スキルを確実に身につけるための有効な手段です。

ロジカルシンキング関連の名著としては下記の3つがあげられます。

  • 「世界一やさしい問題解決の授業―自分で考え、行動する力が身につく」
  • 「マッキンゼー流 入社1年目ロジカルシンキングの教科書」
  • 「考える技術・書く技術―問題解決力を伸ばすピラミッド原則―」

いずれもロジカルシンキングの入門書として手に取りやすい書籍です。基礎知識の構築はもちろん、具体例を使った解説などもありロジカルシンキングのイロハを学ぶのに適しているでしょう。

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ロジカルシンキングを積極的に鍛えよう

ロジカルシンキングは、ビジネスだけでなく日常生活においても役立つ能力です。基本となる3つの手法やフレームワークを取り入れ、自身のロジカルシンキング能力を高めていきましょう。

急に身につくものではないため、日々のトレーニングで着実に強化していってください。その結果、より質の高い意思決定が可能となり、自身の成長にも寄与するでしょう。

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