YWTとは?振り返りのフレームワークの活用事例やKPT法との違いを解説

記事更新日:2022/05/24

業務効率化・業務改善

YWTを実践するチーム

YWTとは、株式会社日本能率コンサルティングによって提唱されている新しい振り返りのフレームワークです。しかし、具体的に何をすればよいか?KPT法との違いがわからない方も多いのではないでしょうか。本記事では、前述の質問に加え具体的な説明と目的、具体的に実践した企業の実践例を紹介します。

「YWT」とは振り返りに最適なフレームワーク

経験したことを振り返り、悪い点だけでなく良い点も確認できるため、今後も継続した方がよいポイントを把握できます。YWTは3つの頭文字から構成されているため、具体的な内容について1つずつ解説します。

  • Y:やったこと
  • W:わかったこと
  • T:次にやること

Yは「やったこと」

やったことでは、これまでの取り組みを具体的に書き出します。日常の中から大小関わらず個人の努力・工夫・発見などを振り返ることで、計画と現状の実態を把握できます。課題点だけでなく良かった点も書き出し、今後に活かすための振り返りを行わなければなりません。

ただ、やったことでは実際に取り組んだ事実のみを挙げ、予定していた取り組みでも実際に実行できていないものは加えないようにしましょう。

Wは「わかったこと」

わかったことでは、自分の考えたことや気づきを書き出します。人の価値観はそれぞれであるため、同じ目標に向けた取り組みでも、さまざまな視点からの気づきを得られる可能性があります。

ただ、わかったことは取り組みに対しての気づきが重要で、取り組みの表面的な事実を書き出すだけでは、やったことと変わりありません。したがって、わかったことでは個人が内省を深めることを意識するとよいでしょう。

Tは「次にやること」

次にやることでは、やったことやわかったことをもとに今後の計画を立てます。良い点は継続し、悪い点には改善を検討することが重要です。

やったことが失敗・成功のどちらでも、わかったことがあれは次にやることに活かせます。また、YWTの参加者がやりたいことも具体的に挙げることで、会社側の目標とすり合わせることも可能です。

また、YWTは一度行うだけでなく何度も継続して繰り返すことが、経験からの学びや今後の取り組みに影響を与えます。

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YWTのフレームワークを取り入れる3つの目的

YWTのフレームワークは多くの企業で導入されつつあります。では、YWTの導入にはどのような目的があるのでしょうか。以下の3つの目的について解説していきます。

  • 経験についての振り返り
  • 敬虔の客観的な分析
  • 社員とのコミュニケーション

(1)経験についての振り返り

YWTでは、経験に関する内容をメインとして振り返ります。過去の経験から学びを得ることで、目標と現状のギャップや変化を把握できます。

YWTを進める中で、個人の内省が深まるだけでなく、チームや組織全体の経験からも学びを得られるため、今後新たなプロジェクトを始動させる際にも経験を活かせるのです。

(2)経験の客観的な分析

YWTでは課題点だけでなく良い点までを思い出しながら書き出すため、業務や取り組みを客観的に整理できます。

プロジェクトのメンバー全員がYWTで振り返りを行うことで、さまざまな視点からの課題点を発見することも可能です。また、メンバーそれぞれがどのような考えを持っているかの確認にもなります。

(3)社員とのコミュニケーション

YWTは個人で行うだけでなくその内容をメンバーと共有するため、意見交換の機会が増え、社員同士のコミュニケーションが活性化します。個人で抱えていた課題もチーム全員で共有すれば、解決へ向けた案や取り組みが進みやすくなるでしょう。

また、社員同士のコミュニケーションが活発な組織は、情報共有がスムーズになり、業務効率化や生産性の向上も期待できます。

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YWTとKPT法の違いとは

YWTと混同されやすいものに「KPT法」が挙げられます。以下で、KPT法の概要やYWTとの違いなどについて解説します。

KPT法とは

KPTは「Keep」「Problem」「Try」の頭文字をとっており、振り返りのフレームワークという点ではYWTと変わりありません。KPTのそれぞれの内容は以下の通りです。

  • Keep:良い点。今後も継続して行うこと
  • Problem:課題点。改善しなければならないこと
  • Try:次に取り組むべきこと。課題に対する改善案など

YWTとKPTの違い

では、YWTとKPTの違いは、フレームワークを実践する目的と得られるメリットです。KPT法は問題解決という目的に優れており、YWTは振り返りという目的に対して有効です。

ここからはそれぞれのメリットを踏まえて詳細を解説していきます。

#1: KPTは問題解決に優れている

KPT法では良い点よりも課題点が重視される傾向があるため、問題解決に優れているといえます。KPT法は実際の経験ではなく、具体的な課題点を挙げていく作業です。具体的な課題が明確になっているからこそ、次に取り組むべきこともスムーズに導き出すことができます。

したがって、KPTは定期的に行うだけでなく、課題が発見された時点での実施も重要です。ただ、課題解決に優れている反面、課題解決に気を取られ継続すべき点が注視されないといった問題も抱えています。

#2: YWTは経験の振り返りに有効である

YWTでは良い点・課題点を挙げる以前に、実際に行った取り組みやそこから得た学びを挙げる作業であるため、経験そのものの振り返りに効果的です。

また、取り組みや学びそのものを書き出しチームで共有するため、個人では気づけない良い点・悪い点を、チーム全体で導き出せる可能性もあります。そして、課題が判明した際に、「なぜこのような結果に至ったのか」というきっかけや流れを想起しやすいといえます。

このように、YWTは経験そのものの振り返りに有効であることから、チーム全体での実施だけでなく、個人でもこまめに行うことがおすすめです。

YWT活用の具体的な進め方

YWT活用の進め方について、具体的な3ステップで解説します。

(1)取り組んだことを客観的に書いていく

取り組んだ事実のみを、できる限り具体的に書き出していきましょう。ただ、YWTが実施される当日のみでは、行った取り組みをすべて思い出すことが困難なため、定期的にメモしておくことがおすすめです。

取り組みに対して、個人的に何か考えを持つこともあるかもしれませんが、Yの時点では主観を含めず客観的な意見を書き出せるよう意識しましょう。

(2)経験を通じて考えたことを書く

取り組みや経験から、どのような学び・気づきがあり、個人的にはどのような考えを持ったのか書き出しましょう。あくまで自分が感じたことを素直に書き出せばよいため、具体的な課題点や改善案まで検討しなくても問題ありません。

ただ、表面的な事実を並べてしまうと、Y(やったこと)と内容が似てしまうため、自分が考えたこと・感じたことを意識することが重要です。

(3)良かったことを継続・悪かった点を改善するアイデアを書く

やったこと・わかったことの2つをもとに、良かった点や課題点が見つかるはずです。良かった点はどのように継続するか、悪かった点はどのように改善すればよいかなど、次の取り組みに活かせるアイデアを書き出しましょう。

アイデアはより具体的なものであるほど、会社と社員の意見のすり合わせにつながる可能性があります。

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YWTを実践した具体事例3選

YWTを実施した企業も増えつつあります。実際にYWTを実践した事例を3つご紹介します。

(1)GMOアドマーケティング

GMOアドマーケティングでは、参加人数5人でGoogleスプレッドシートを利用したYWTを実施しました。

取り組み1つひとつをリストアップするため、取り組み内容を忘れず、必ず思い出すことができたようです。また、YWTで振り返る流れが自然であることから、難しく感じることなくスムーズに書き出せたといいます。

(2)Zenn

Zennで行うYWTはそれぞれを書き出す時間が各90秒と短い時間で設定されており、これを毎日繰り返し実施しています。実施はチーム全体で行いますが、YWTの内容は個人個人に任せているそうです。

このようなYWTを実施することで、以下のようなメリットがあるといいます。

  • 個人のアウトプット力が高まる
  • その日の取り組みを確実に記録できる
  • 会社が活用するデータが増える

また、YWTの新しいやり方が増えることで、新しい気づきや学びへとつながることも期待しているそうです。

(3)エン・ジャパン

エン・ジャパンでは、以前までKPTを行っていましたが、「課題に目を向ける=ネガティブな作業」という印象があったため、YWTに切り替えました。YWTでは、経験そのものを振り返り、経験を学びや変化のきっかけとすることを目的とし、ポジティブな振り返りを意識したそうです。

また、YWTを実施する際、上司が意見を押し付けることがないよう注意し、論理性に欠ける内容に対してはフィードバックをするなどの工夫がされました。

YWTを活用してチームを活性化させることが重要

YWTでは、経験を振り返ることで、新たな気づきや学びを得られます。また、YWTを定期的に実施すれば、社員同士のコミュニケーションが増え、チームの活性化につながります。

課題点や改善案にとらわれることなく、感じたことを素直に書き出すことで、今後の取り組みに活かせるでしょう。

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