フットインザドアテクニックとは?効果や活用方法・注意点を解説

最終更新日時:2023/12/13

業務効率化・業務改善

フットインザドアテクニック

心理学を用いた交渉術の1つに、「フットインザドア」という手法があります。日常生活やビジネスなどで幅広く活用されている交渉術ですが、詳しく知らない方も多いでしょう。今回は、フットインザドアとはどのようなテクニックなのか、効果や活用方法を解説します。

この記事の要約

・フットインザドアテクニックとは、はじめの要求を小さくし、徐々に要求のレベルを上げて本来の要求を承諾させること
・フットインザドアの逆は、ドアインザテクニックのこと
・フットインザドアの具体的な例として、資料請求や商品の無料サンプルなどがあげられる

フットインザドアテクニックの目的とは?

フットインザドアテクニックの目的は、小さな要求から始めて徐々に要求のレベルを上げることで、最終的に本来の大きな要求を承諾させることです。このテクニックは一貫性の原理と呼ばれる心理傾向に基づいています。

人は一度承諾した立場を維持したいと考えるため、最初の小さな要求に承諾したあとは、より大きな要求にも承諾しやすくなるのです。

手始めとして相手に小さな要求を承諾させ、その後段階的に要求を大きくすることによって、最終的に本命の要求に承諾してもらえる確率が高まります。このテクニックの名前は、訪問販売のセールスマンが玄関のドアに足先を挟み込み、話を聞いてもらう様子に由来しています。

フットインザドアテクニックは、ビジネスの世界だけでなく、日常生活やさまざまな交渉の場面で有効な方法として知られています。ただし、このテクニックを使用する際には、相手に対する敬意と信頼を保ちながら適切に交渉することが重要です。

【フットインザドアの逆】ドアインザフェイスとの違いとは

フットインザドアとドアインザフェイスの主な違いは、要求の提示方法にあります。フットインザドアテクニックでは、まず小さな要求から始め、徐々に要求のレベルを上げていきます。これによって、相手は大きな要求にも承諾しやすくなります。

一方、ドアインザフェイステクニックでは、最初に過大な要求を提示し、相手に一旦断らせたあと、より小さな本来の要求に切り替えます。これによって、相手はスケールダウンして見える本来の要求をより受け入れやすくなります​​​​​​​​​​。

簡単にいえば、フットインザドアは「小から大へ」というアプローチであり、「段階的要請法」とも呼ばれます。ドアインザフェイスは対照的に、「大から小へ」というアプローチで、「譲歩的要請法」として知られています。

フットインザドアは相手を徐々に慣れさせる方法であり、ドアインザフェイスは最初に断らせることで、あとの要求を受け入れやすくさせるという心理を利用しているのです。

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フットインザドアを使うことで得られる効果

ここからは、フットインザドアを利用することによって得られる効果について紹介していきます。

営業・交渉の成功率が高まる

フットインザドアテクニックによって最初の小さな要求に対する承諾を得ることができれば、その後の大きな要求に対しても承諾を得やすくなります。たとえば、最初に無料で試してもらい、その後少しずつ金額を上げていくことで、最終的に高額な商品やサービスの購入につなげることができるでしょう。

また、人間には、自分の立場に対して一貫した姿勢を保ちたいという心理が働くため、一度小さな要求に承諾した人は、その後の大きな要求に対しても承諾しやすくなる傾向があります。一貫性を重視する性格の人に対しては、このテクニックが特に効果的であるとされています。また、相手が納得した金額で取引を成立させやすくなるのも、フットインザドアの利点でしょう。​

ここまでの説明からもわかるように、フットインザドアは、営業マンにとって重要なスキルです。このテクニックを意識的に、または無意識的に使うことで、商談の成功率を高めることができます。一度小さな要求に対する承諾を得ると、その後の大きな要求に対しても承諾を得られやすくなるため、営業や交渉において非常に有効な手法なのです。

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相手に不快感を与えにくい

フットインザドアテクニックを適切に活用すれば、相手に不快感を与えるリスクを低減することができます。

ただし、テクニックを活用したとしても、マニュアル化したスクリプト通りに話すと相手に不快感を与える可能性があるため、柔軟に交渉を進める心構えが大切です​​。また、露骨に使いすぎると「押しが強い」と思われたり、「長々とセールスをされて困る」と感じる相手もいるため、相手の様子を見極め、場合によってはすぐに引き下がることも考えましょう。

フットインザドアを使う際は、基本を押さえて誘導尋問は避け、適切な時間内で終えることが重要です。話の飛躍を避けて、バランスを取りながら交渉を進めることで、相手が不快に感じるリスクを減らすことができます​​​​。

ビジネスにおけるフットインザドアの活用例

ビジネスにおけるフットインザドアテクニックは、営業やマーケティングで効果的に利用されます。

無料サンプル・試用期間

この手法では、いきなり商品やサービスの購入や契約を迫るのではなく、まずは無料サンプルやお試し期間を提供して顧客に商品やサービスを試してもらいます。支払いが発生しないため顧客は手を出しやすく、一度承諾したあとには「承諾の立場を保ちたい」という一貫性の原理が働き、正式な契約に結びつきやすくなります。

サンプルやお試し期間によって商品やサービスの使い勝手を確認できるため、顧客にとっても安心して最終的な契約に進むことができる利点があります​​。

また、フットインザドアの手法では、最初の小さな要求を「フロントエンド」、本来の大きな要求を「バックエンド」と呼称することがあるので、覚えておくとよいでしょう。

資料請求・メルマガ登録

フットインザドアテクニックをビジネスで活用する一例として、資料請求やメールマガジンの登録があります。この戦略では、まず「無料ですから資料請求・登録だけでも」という小さな要求を顧客に提示し、その過程で割引やキャンペーンなどの有益な情報を提供します。そうして顧客の関心を引き、最終的に商品の購入を促すアクションを行うのです。

資料請求やメルマガ登録といった比較的小規模な初期のコミットメントを通じて、顧客を段階的により大きなコミットメントへと誘導することは、フットインザドアテクニックの典型的な活用法です。

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フットインザドアを使用する際の注意点

フットインザドアテクニックを使用する際には、相手の感情を尊重し、適切なバランスを保つことが重要です。

初めの要求を小さくしすぎない

フットインザドアテクニックを使用する際の重要な注意点の1つが、最初の要求を適切な大きさに保つことです。

たとえば、最終的に3,000円の商品を購入してもらうことを目指している場合、初めに100円の商品の購入をお願いしてしまうと、最終的な金額との差が大きすぎるため、交渉の成功率が低くなる可能性があります。要求の差が大きくなりすぎないよう、最初の要求を過度に小さくせず、場面に応じて調整する必要があるのです。

段階的に大きな要求をする

フットインザドアテクニックを使用する際の重要なポイントの2つ目は、段階的に要求を大きくしていくことです。たとえば「1,000円」の要求から始めて「2,000円」に移り、最終的に「5,000円」をお願いするなど、要求を小分けにすると成功の確率が高まります。

ただし、あまりに多くの段階を提示すると、相手が不自然さを感じたり、疑念を抱いたりする可能性があるため、要求を過度に繰り返すことは避けるべきでしょう。

相手の反応や状況に合わせて要求を調節し、適切なタイミングで要求のレベルを上げることが、フットインザドアテクニックの成功の鍵となるのです。​

アンダーマイニング効果に注意する

フットインザドアテクニックを使用する際には、アンダーマイニング効果に注意することも重要です。

アンダーマイニング効果とは、内的な達成感や満足感を得るために行われていた行為に報酬などの外部刺激が加わることによって、目的が「報酬をもらうこと」にすり替わり、本来の内的な動機が失われることを指します。たとえば、使命感や社会貢献のためにボランティア活動を行っていた人が、報酬を受け取ったことで、その活動が「報酬を得るため」のものになり、本来の使命感や楽しみが失われることなどが挙げられます​​​​。

フットインザドアテクニックを活用する際には、このアンダーマイニング効果を避けるために、報酬や外部からの刺激に依存しすぎず、相手の内発的な動機づけを尊重することが重要です。

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フットインザドアテクニックはビジネスの交渉に活かせる

ビジネスシーンで有効な交渉術の1つ、フットインザドアテクニックを解説しました。

小さな要求の承諾を通じて、最終的に大きな要求に対する承諾を得やすくするフットインザドアですが、使用する際は、初めの要求を適切な大きさに保ち、段階を設けすぎないことなどの注意点もあります。ここでご紹介したポイントを念頭に置き、適切な状況でフットインザドアテクニックを活用することで、ビジネスシーンにおける成果を高めることができるでしょう。

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