チャットボット広告とは?導入するメリットや種類・仕組み、事例を紹介

最終更新日時:2024/01/31

チャットボット

チャットボット広告とは

顧客対応やマーケティングツールとして注目されるチャットボットから、「チャットボット広告」という新たなジャンルが登場しました。本記事では、チャットボット広告の概要や導入メリット、種類などを解説します。具体的な導入事例も紹介していますので、ぜひ参考にしてみてください。

この記事の要約

・チャットボット広告とはユーザーとの対話の中で商品やサービスを紹介する広告手法
・チャットボット広告には、会話型、選択型、キーワード型の3つの種類がある
・コンバージョン率の向上やリターゲティングにつながるなどのメリットがある

"対話”を通じた宣伝「チャットボット広告」とは?

チャットボット広告は、チャットボットを駆使してユーザーとの対話を行い、商品やサービスを紹介する新たな広告手法です。

従来のバナー広告やランディングページなどの広告は、一方通行でユーザーに対して商品やサービスを紹介する形式でした。一方で、チャットボット広告はユーザーとチャット形式で対話しながら、ユーザーのニーズに合った商品やサービスを紹介できます。

また、データ収集も同時に行えるため、収集した情報をもとに広告の最適化を図ることも可能です。

チャットボット広告の種類と仕組み

チャットボット広告には、大きく分けて以下の3種類があります。

  • 会話型
  • 選択型
  • キーワード型

それぞれの特徴を詳しく解説します。

会話型

会話型チャットボット広告はAI型チャットボットを活用して、まるで人間と会話しているかのような自然な流れで商品・サービスを紹介できます。ユーザーが質問やコメントをすると、チャットボットが内容に合わせて答えを返したり、製品についての情報を提供したりすることが特徴です。

自然なやり取りによって、ユーザーは自分のペースで情報を得られ、商品やサービスへの興味を自然に高められます。会話型のチャットボット広告は、ユーザー体験を重視する広告戦略の中心となっています。

選択型

選択型チャットボット広告ではシナリオ型チャットボットを活用しており、ユーザーは提示された選択肢から答えを選ぶことで情報を得られます。ボタンやリストといった形式で選択肢が提供され、ユーザーはそれをクリックするだけで次の情報へ進めることが特徴です。

これにより、ユーザーは簡単かつ迅速に自分に合った商品やサービスを見つけることができ、広告体験がスムーズかつ効率的になります。選択型は、特に明確な選択肢を提供することで、ユーザーの意思決定を支援する広告戦略です。

キーワード型

キーワード型チャットボット広告では辞書型チャットボットを活用し、ユーザーが入力したキーワードをもとに情報を提供します。ユーザーが特定の単語やフレーズを入力すると、チャットボットに登録された辞書から商品やサービスについての情報を瞬時に表示できます。

キーワード型のチャットボット広告は、ユーザーが求めている情報を直接的に提供するため、効率的でターゲットに合ったコミュニケーションが可能です。キーワード型はユーザーのニーズに迅速に応え、関連性の高い情報を提供することで顧客満足度を高める広告手法です。

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チャットボット広告を展開する媒体の種類

チャットボット広告は、いくつかの媒体で展開できます。

ここからは、チャットボット広告を展開する媒体の種類を5つ紹介します。

LINE広告

LINE広告は、日本で広く利用されているメッセージアプリ「LINE」上で展開される広告サービスです。

日常的にLINEを使用しているユーザーが多いため、広告は自然な形で日々の会話の流れの中に溶け込みます。友達とのチャット感覚で企業のチャットボットと対話ができるため、親しみやすく、気軽に情報収集や商品の購入が行える点が特長です。

LINE広告は、利便性と高いユーザー接触率を活かしたマーケティング戦略として注目されています。

Facebook広告

Facebook広告は、世界最大級のSNSである「Facebook」上で展開される広告サービスです。

Facebookでは、他社のSNSのように匿名ではなくユーザーの本名で登録されているため、個人情報に基づいてより正確なアプローチが可能です。ユーザーが興味を持ちそうなコンテンツを提供し、質問に即座に応答することで、エンゲージメントを高められます。

Instagram広告

Instagram広告は、ビジュアルに強いSNS「Instagram」上で展開される広告サービスです。

Instagramは写真や映像による視覚的なアプローチを得意としており、魅力的な画像や動画を通じてユーザーの興味・関心を惹きつけられます。チャットボット機能を組み合わせることで、ユーザーはリアルタイムでの問い合わせや情報取得が可能です。

Instagram広告は、ビジュアルコンテンツを用いたコミュニケーションでユーザーとの繋がりを深め、ブランドイメージを高める強力な手段となります。

X(旧Twitter)広告

X(旧Twitter)広告は、迅速な情報発信・交換が特徴のSNS「X(旧Twitter)」で展開される広告サービスです。

X(旧Twitter)は短いメッセージで情報が伝わるため、ユーザーは瞬時に情報を得られ、必要に応じてすぐに反応することが可能です。匿名性が高く、個人情報をもとに正確なアプローチは難しいですが、投稿を拡散してもらうこともできるので幅広い層にアプローチできます。

X(旧Twitter)広告は、即時性と大規模なリーチを活かし、ブランドの認知度向上や瞬間的なキャンペーンの展開に効果的です。

ディスプレイ広告

ディスプレイ広告は、ウェブページ上に表示されるビジュアル広告で、視覚的魅力によってユーザーの興味を惹きつけます。

ユーザーが広告をクリックするとチャットボットが起動し、質問に答えたり情報を提供したりすることが可能です。このように、ディスプレイ広告とチャットボットの組み合わせは、視覚的な訴求とパーソナライズされた対話を通じてユーザーの関心を深め、より深いエンゲージメントを促します。

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チャットボット広告を導入するメリット

ここからは、チャットボット広告を導入する4つのメリットを紹介します。

ユーザーニーズに応じた訴求ができる

チャットボット広告は、ユーザーの質問や反応に合わせて情報を提供するため、一方通行の広告とは違い個々のニーズに合わせた訴求が可能です。ユーザーに関連性の高い情報を与えることができ、企業は商品やサービスの魅力をより効果的に伝えられます。

また、スマートフォンは一度に見られる情報が限られているため、ランディングページなどの広告は情報収集に時間がかかる場合があります。しかし、チャットボット広告であれば対話から情報が得られるため、モバイルユーザーにも強い点がメリットです。

一人ひとりに合わせたコミュニケーションはユーザーの満足度を高め、長期的な顧客関係を築く基盤となります。

コンバージョン率の向上につながる

チャットボット広告はユーザーとの対話を通じて興味・関心を惹き、購買意欲が高いユーザーを適切なランディングページに誘導できるため、コンバージョン率の向上に大きく寄与します。

ユーザーが情報を求める際に即座に対応できるため、購買意欲が高まっている瞬間にランディングページに誘導し、自然な流れで購入へと導けるでしょう。

また、個々のニーズに合わせた情報提供は、ユーザーの決断を後押しし、効果的な広告展開を実現します。

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リターゲティングができる

チャットボット広告は、ユーザーとの対話から得られたデータを活用し、以前に関心を示した商品やサービスについて再度アプローチを行う「リターゲティング」が可能です。これにより、一度訪問したが購入に至らなかったユーザーに対して、再度興味を持ってもらう機会が得られます。

リターゲティングは、ユーザーの関心を再燃させ、見込み顧客を実際の顧客として獲得する強力な手段です。個々のユーザーの行動に基づいたリターゲティングは、広告の再訪率とコンバージョン率の向上を実現します。

広告費用を最適化できる

チャットボット広告は、高いエンゲージメントと効率性により、広告費用の最適化に大きく貢献します。チャットボットは24時間365日稼働し、人的リソースを必要とせずにユーザーの問い合わせに対応するため、コスト効率が高くなります。

また、従来の広告は広範囲のユーザーに対してアプローチをして、一部のユーザーから反応を得られるのが一般的でした。しかし、チャットボット広告はユーザーとの対話により広告のターゲティングをより精密に行い、関心が高いユーザーにのみ焦点を当てられるため、広告予算の無駄を削減できます。

このように、チャットボット広告は限られた予算内で最大の効果を発揮するための戦略的な選択肢といえます。

チャットボットの会話デザインとは?UXを設計するコツやデザインのポイントについて

チャットボット広告を活用した事例

チャットボット広告は、さまざまな企業で導入されています。

ここでは、3つの企業に絞ってチャットボット広告の導入事例を紹介します。

UcarPAC株式会社

中古車買取事業を展開するUcarPAC株式会社は、チャットボット広告を活用して顧客サービスの向上と販売促進を実現しました。

同社のチャットボットは、LINEによるやり取りでの査定申し込みが可能で、ユーザーのニーズに合わせた情報を提供します。また、プッシュ通知によって売却の検討から実際の売却までの長期間も顧客が離脱することなく、申し込みが増加している要因の一つになっていると考えられます。

さらに、チャットボットのシナリオも改善し、車種名や年式をチャットボットに伝えて対象車種の売却実績が表示されるようになったことで、CVRが17%から20%まで向上しました。

参照元:Penglue「業界の常識を覆す話題の車買取サービス『ユーカーパック』は、新たな獲得チャネルとしてPenglueを活用

株式会社パソナ

人材派遣事業を展開する株式会社パソナは、チャットボットを導入して、人材派遣サービスにおける顧客対応の効率化と満足度向上を実現しました。

同社のチャットボットは、ユーザーの仕事探しにおける希望職種や条件などをストレスなくヒアリングして、個々のニーズに合った情報を提供します。結果的にパーソナライズされたPUSH配信が可能になり、CVR200%超改善を実現。

また、ユーザーの興味や関心度が高い会話を設計できるよう工夫し、気軽にサポートが受けられるようにチャットボットサービスが提供されていることも特徴です。

参照元:zeals「GeekOutで転職潜在層を引き上げ、CVR200%超改善したチャットコマースの実力とは?

株式会社ウィルオブ・コンストラクション(旧:C4株式会社)

建設技術者に特化した人材サービスを展開する株式会社ウィルオブ・コンストラクション(旧:C4株式会社)は、リード顧客の獲得に成功しました。

同社では、ランディングページへ誘導するFacebook広告ではなくメッセンジャー誘導広告を打ち出し、ユーザーと双方向のコミュニケーションを図りながらサービスの紹介や問い合わせ対応を行いました。

結果として、通常のFacebook広告と比べてCVRが2.2倍と大幅に改善。リード獲得単価削減は68%まで成功しています。

参照元:株式会社アイトリガー「チャットボット広告「Penglue(ペングル)」の導入事例

チャットボットの導入事例15選|導入時のポイントや成功する方法・メリットを解説

チャットボット広告をビジネスに取り入れよう

ビジネスの世界は常に進化しており、チャットボット広告はその最前線にあります。この革新的なツールは、顧客との対話を通じて個別のニーズに応え、よりパーソナライズされた顧客体験を提供することが可能です。

チャットボット広告の導入は、コンバージョン率の向上、リターゲティングの効果、そして広告費用の最適化など、数多くのメリットがあります。パーソナライズされた対話を通じて顧客に寄り添い、ビジネスをさらに促進させていきましょう。

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ビズクロ編集部
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