CRMを活用した「アドレサブル広告」とは?活用方法や対応媒体を解説
アドレサブル広告とは、CRMシステムで収集した顧客データを活用して宣伝ができる方法です。費用対効果が高く、自社顧客に効果的なアプローチができます。本記事ではアドレサブル広告の概要や利用するメリットとデメリット、活用方法と対応している媒体について解説しています。
目次
CRMを活用した「アドレサブル広告」とは
アドレサブル広告とは、個人を特定して配信できる広告です。
アドレサブル広告の「アドレサブル」は、アドレスで個人を呼び出せるという意味があります。CRMを導入している場合、CRMに蓄積された顧客データから個人やグループを抽出が可能です。
顧客データを用いて特定のユーザーにアピールする手法
アドレサブル広告は、企業が所持している顧客データから個人やグループなどを抽出し、特定の相手にのみ広告を配信する手法です。
CRMが導入されていれば、CRMに蓄積された膨大な顧客データを参考にできるため、より細かい条件でターゲットを絞り込めるでしょう。
アドレサブル広告は自社の顧客データをもとに特定の相手を絞り込むため、自社の顧客データを基盤とした集客が可能です。そのため、リピーターの獲得や休眠顧客の掘り起こしに期待ができます。
アドレサブル広告を活用するメリット
アドレサブル広告を活用する3つのメリットを紹介します。
(1)自社データを利用するので費用対効果が高い
アドレサブル広告を配信する際、すでにCRMに蓄積された顧客データをもとにするため、新たに情報収集する必要がありません。そのため、情報収集にかかるコストを抑えられるでしょう。
また、アドレサブル広告は一部もしくは特定の相手にのみ広告を配信します。つまり、効果の期待できる顧客に対してのみアプローチできるので、費用対効果が高くなります。
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(2)Cookieの影響を受けづらい
Cookieは、一時的にブラウザに保管されるインターネット上のユーザー行動情報です。Cookieを活用すれば、一度Webサイトに訪問したユーザーに対して広告を配信できるなどのメリットがあります。
しかし、近年ではセキュリティの観点からCookieの取扱いが制限されたため、ユーザーの識別が以前より困難になりました。そのため、広告を配信できる機会も減少傾向にあります。
ただ、アドレサブル広告はCookieに頼ることなく、自社が所持する顧客データをもとに個人を特定しているため、Cookieの影響を受けません。
また、Cookieのように期限を過ぎると情報が削除されるということもないため、アドレサブル広告は半永久的に広告の配信が可能です。
(3)行動履歴を元に顧客に最適な広告を提供できる
CRMには顧客の属性をはじめ、商品・サービスの購入履歴やサイト上の行動履歴が保存されています。このような行動履歴の情報を活用することで、特定の顧客に最適な広告を配信できるようになるでしょう。
例えば、半年に一回の頻度で商品を購入していることが分かった場合、次回の購入日を予測し、予測した購入日に合わせたタイミングで広告を配信できます。顧客にとって商品を購入したいと思っているタイミングで広告が表示されれば、スムーズな購入につながるでしょう。
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アドレサブル広告のデメリット
アドレサブル広告には2つのデメリットがあります。
(1)顧客データが少ない企業は利用できない
アドレサブル広告はCRMに蓄積された豊富な顧客データから、ターゲットとなる顧客を抽出し、最適な広告を配信します。
しかし、元々活用できる顧客データが少なければ、顧客の属性や趣味趣向、ニーズなどを把握することが難しく、適切な絞り込みもできないでしょう。
そのため、アドレサブル広告を配信する場合は、広告配信の前に十分な顧客データを収集する必要があります。
(2)データ分析の手間がかかる
アドレサブル広告は、CRMに顧客データが蓄積されていれば、すぐに実施できるわけではありません。どのような広告を誰に配信すればよいのかを明確にするには、顧客データをもとにしたデータ分析が必要となります。
ただ、顧客データの分析には「顧客情報の洗い出し」「顧客のセグメント分け」「優良顧客の抽出」などがあり手間がかかります。そのため、効果的なアドレサブル広告を配信するまでには時間がかかる可能性があるのです。
また、顧客データの分析ノウハウがなければ、どのように分析を進めてよいかが分からないというケースもみられます。したがって、アドレサブル広告を実施する場合は、顧客データの分析を可能とする社内体制の構築・整備が大切です。
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アドレサブル広告の活用方法
アドレサブル広告の具体的な活用方法を2つ紹介します。
(1)既存顧客へキャンペーンの展開
アドレサブル広告を活用した、既存顧客向けのキャンペーン展開です。既存顧客向けのお得なキャンペーンを広告で知らせることで、過去に購入した商品のリピート購入促進や、新商品の購入による休眠顧客の掘り起こしが期待できます。
このようにアドレサブル広告では、顧客データから特定のターゲットを抽出するため、特定の相手へ商品のキャンペーン広告を配信するなど、ピンポイントでのアプローチが可能です。そのため、成果につながりやすく、費用対効果の高い広告配信となるでしょう。
(2)新規顧客へのアプローチ
アドレサブル広告を活用した優良顧客と似ている新規顧客へのアプローチでも活用できます。アドレサブル広告は、顧客データをもとに特定の相手に広告を配信する手法なので、新規顧客へのアプローチは難しいと考えてる方も多くいます。
しかし、CRMに蓄積された顧客データをもとに優良顧客の特性や傾向を分析できれば、新規顧客へのアプローチが可能です。
また優良顧客と似た特徴の新規顧客をピックアップしてアプローチすることで、新規顧客を獲得することが期待できます。すでに優良顧客化した成功例を参考にアプローチできるため、高い効果が望めます。
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アドレサブル広告に対応している媒体
アドレサブル広告に対応している5つの広告媒体を紹介します。
(1)Google広告
Google広告でアドレサブル広告に対応しているのは「Googleカスタマーマッチ広告」です。電話番号・メールアドレス・住所などの顧客情報をもとに、特定のユーザーへ広告を配信できます。
広告の配信先は、Google検索広告・Googleディスプレイ広告・Googleショッピング広告・Gmail広告・YouTube広告など幅広く、ユーザーの行動に合わせて最適な配信先を選べる点が特徴です。
Googleは、利用者が最も多い検索エンジンです。そのため、ターゲットとなる顧客も検索やメールなど、さまざまな形でGoogleを利用しており、同時に複数のアプローチもできます。
(2)Yahoo!ディスプレイ広告
Yahoo!ディスプレイ広告は、顧客のメールアドレスから、Yahoo!が持つ顧客情報とマッチングしながら、特定のユーザーへ広告を配信します。ユーザーの検索キーワードやWeb上の行動履歴に合わせた広告配信も可能です。
広告の配信先は、Yahoo!が提供するサービスのほか、クックパッドやAII Aboutなどのパートナーサイトも挙げられます。
(3)Twitter広告
Twitter広告は、「テイラードオーディエンス」というサービスを活用してアドレサブル広告を出稿します。ユーザーがTwitterに登録しているメールアドレスやユーザー名などの情報をもとに、ターゲティングを行えます。
プロモアカウントやプロモツイートによって広告配信が可能です。プロモアカウントやプロモツイートは、Twitterユーザーがリツイート・共有によって2次拡散してくれる可能性も高いため、広告配信だけでは得られなかった効果も期待できるでしょう。
(4)Facebookカスタムオーディエンス
Facebookカスタムオーディエンスは、Facebookに登録された電話番号・メールアドレス・住所などの情報をもとにターゲティングを行います。
Facebookの特徴は、実名登録が推奨されていることもあり、各ユーザーがプライベートに関する情報を発信することが多いため、個人の趣味趣向を捉えやすい点です。
そのため、精度の高いターゲティングが可能となり、アドレサブル広告として効果につながりやすいといえます。
(5)Instagram広告
Instagram広告は、Facebookカスタムオーディエンスと同じで、登録されている電話番号・メールアドレスなどの情報からターゲティングを行います。ただ、Facebookと異なる点は、画像や動画などの視覚的なアプローチに向いていることです。
また、SNSとしての人気が高いため、利用しているユーザーも多く、アドレサブル広告の出稿によって高い効果が期待できます。広告の配信先としては、投稿・ストーリー・発見タブなどが挙げられます。
▷CRM活用の成功事例8選を紹介!活用ポイントや導入時の注意点を解説
CRMデータを活用してアドレサブル広告を活用しましょう!
CRMシステムは、各企業で導入が進んでいます。CRMは情報を蓄積するだけでなく、特定のターゲットに配信できるアドレサブル広告へのデータ活用を行うことで、活用の幅が増えるでしょう。
また、アドレサブル広告は、リピーターの獲得や休眠顧客の掘り起こしだけでなく、新規顧客獲得も期待できます。アドレサブル広告を活用し、売上拡大や優良顧客獲得を目指しましょう。
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