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CRM(顧客管理システム)の導入費用や月額費用の相場は?タイプ別に解説

2022/12/23 2022/12/30

CRM(顧客管理システム)

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CRM(顧客管理システム)の導入費用や月額費用は、CRMのタイプによって異なります。本記事では、クラウド型、オンプレミス型、オリジナルCRMを構築した際の3タイプに分けて費用相場を紹介します。ぜひ予算立てにご活用ください。

CRM(顧客管理システム)とは?

CRMとはCustomer Relationship Managementの略であり、日本語に訳すと「顧客関係管理」です。

本来CRMは顧客との関係を管理することで利益を産む経営手法を指し、もともとは1990年代のアメリカで誕生しました。顧客情報を収集・統合・分析することで、それぞれの顧客により適した商品・サービスの提案を目指すのが目的です。

本来はあくまで経営手法ですが、最近はより限定されたCRMを実現するシステムやツール、施策という意味で用いられています。多様化した顧客ニーズを正確に把握・分析できる手法として、現在では国内外のさまざまな企業で注目を集めているのです。

CRM(顧客関係管理)とは?機能や重要性など基本知識をわかりやすく解説

CRMの役割や機能

CRMによって搭載されている機能は異なりますが、主な機能と役割には、以下の4つが挙げられます。

  • 顧客管理
  • データ分析
  • プロモーション
  • 業務の効率化やサポート

顧客管理とは顧客情報を集めて整理することであり、集まった大量の情報をもとに行われるのが、データ分析やプロモーションなどのマーケティングです。

特にプロモーションの幅は広く、メールの自動配信やキャンペーンの管理、SNSとの連携など、多くの機能を兼ね備えたCRMツールも少なくありません。

さらに一部のCRMでは、営業進捗や問い合わせの管理、ファイル共有など、業務の効率化やサポートに関わる機能も搭載されています。

CRMの機能一覧!導入してできることをわかりやすく解説!

クラウド型CRM費用の相場/平均

クラウド型CRMとはインターネット上で利用できるCRMシステムです。すべてがオンラインで完結し、発行されたアカウントでログインすればスマホやパソコンなどさまざまなデバイスから利用できます。

クラウド型CRMにかかる費用の相場・平均の目安は以下の通りです。

  • 導入初期費用:0~5万円程度
  • 月額費用:1人あたり500~1,000円程度

クラウド型は自社でシステムを構築する必要がないため、導入費用を抑えられるのが特徴です。テレワークやフレックスタイムを推進したい企業、多くの社員に業務用端末を貸している企業などに適しています。

それぞれの項目の内容について、詳しく確認していきましょう。

(1)導入初期費用

クラウド型CRMの導入初期費用の相場・平均は0~5万円程度です。導入初期費用とは、主に以下の3つの費用の総額を指します。

  • 現状調査費
  • プラン構成費
  • システム導入費

現状調査費とは、CRMの提供元が現状のシステムや顧客管理の方法、既に得ているデータを調べるための費用、プラン構成費とはCRMの提供元に活用法・目的などを相談するための費用です。

システム導入費とは、CRMのシステムやツールそのものの値段であり、導入初期費用の中で最も高くなるのが一般的です。

しかし、クラウド型CRMの場合はインターネット上でサービスが完結しており、システムやツールを購入する必要がありません。そのため導入初期費用も他のCRMと比べて安く、より気軽に導入できます。

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(2)月額費用

クラウド型CRMの月額費用とはシステム利用料を指します。月額費用の相場・平均は、1人あたり500~1,000円程度です。

ただし、これはあくまで1人あたりの金額であり、実際に払う月額費用を算出する際は利用人数分でカウントしなければなりません。例えば、1人あたり月額1,000円のクラウド型CRMを10人で利用すれば、実際に払う月額費用は1万円になります。

また、クラウド型CRMには月契約や年契約といった契約形態があります。月契約というと月ごとの更新という印象を受けますが、実は月ごとに更新できる製品はそれほど多くありません。月契約であっても数カ月~数年の最低利用期間が設けられており、導入の際には十分な検討が必要です。

年契約を結ぶと月額費用が安くなる製品が多いので、費用を抑えたい場合は長期契約も検討するとよいでしょう。

(3)オプション費用

クラウド型CRMのオプション費用とは、月額費用にプラスされるものであり、主に以下の2つの費用の総額を指します。

  • 機能オプション費
  • サポート費

機能オプション費とは、CRMの基本システムに機能を追加する費用であり、サポート費とは運用アドバイスやトラブル対応、マーケティングコンサルティングなどの費用です。

どちらも種類が多く、また必ずしもかかるものではないため、相場や平均といったものはありません。

クラウド型CRMは基本の月額費用だけならば低コストで利用できますが、オプション費用がかさむと予算を超えてしまうことがあります。

導入を検討する際は月額費用だけでなく、オプション費用も計算して比較することが肝要です。

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オンプレミス型CRM費用の相場/平均

オンプレミス型CRMとは、ソフトウェアとして販売されているCRMであり、自社で構築したサーバーにインストールすることで使用できるようになります。

自社サーバーを利用するため、カスタマイズがしやすくセキュリティ性能も高く、インターネット環境も必要ありません。

自社でサーバーを用意しなければならないため初期費用は高くなりやすい傾向にありますが、そのぶんランニングコストが抑えられます。

ただし、導入や運用にはある程度のIT知識が求められるほか、社外で利用することはできません。ITに強い人材がいる企業や社内でのみCRMを利用する企業、高額な初期費用を出す余裕のある企業などに適しています。

オンプレミス型CRMにかかる費用の相場・平均の目安は以下の通りです。

  • ライセンス発行:1人あたり2~10万円程度
  • サーバー設置:5万円程度
  • パッケージ:5~10万円程度
  • 年間の保守費用:5~30万円程度

オンプレミス型CRMの費用は、導入する会社の規模や環境によって大きく異なります。上記の金額はあくまで目安として参考にするにとどめ、その都度見積もりをとることが必要です。ここでは、それぞれの項目の内容について、詳しく確認します。

(1)ライセンス発行

オンプレミス型CRMのライセンスとはシステムを利用する権利を指し、発行費用の相場・平均は1人当たり2~10万円程度が目安です。

ただし、ここでご紹介しているのはあくまで1人あたりの金額であり、実際に払うライセンス発行費を算出する際は利用人数分でカウントしなければなりません。

例えば、1人あたり5万円のライセンスを10人分発行すると、実際に払う費用は50万円になります。

システムを利用できる期間によって月間・年間・永続などの種類がある他、バージョンアップにライセンスが必要な製品もあります。

(2)サーバー設置

オンプレミス型CRMを導入する際には自社でサーバーを用意する必要があります。サーバーの購入費用の相場・平均は5万円前後です。

一度購入すれば自社の資産にできますが、数年おきに交換する必要があるため、ある程度のランニングコストは覚悟しておきましょう。また、サーバールームの空調設備を整えるために追加で費用が発生する場合もあります。

(3)パッケージ

オンプレミス型CRMのパッケージとはシステムそのものであり、購入したパッケージを自社のサーバーにインストールし、ライセンスを取得してはじめて利用が可能になります。

パッケージの購入費用の相場・平均は5~10万円程度です。

(4)年間の保守費用

オンプレミス型CRMで利用する自社サーバーは、定期的な管理・メンテナンスを必要とします。年間の保守費用とはサーバーの管理・メンテナンス費を指し、相場・平均は5~30万円程度が目安です。

なお、この費用がかかるのは外部に依頼した場合のみです。自社スタッフが管理・メンテナンスを行えば基本的に費用はかかりません。

ただし、オンプレミス型CRMの保守は相当なIT知識を必要とします。それほどのスタッフを探すのは難しく、また雇うには相応の給与が求められるでしょう。該当のスタッフが離職するリスクなども考えると、外部に依頼するのが無難です。

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オリジナルCRMを構築した場合の費用相場/平均

オリジナルのCRMを外部に依頼すれば、自社に最適の使いやすいCRMが期待できます。ただし、オリジナルCRMはフルカスタマイズであり、ゼロからシステムを構築しなければなりません。

他のCRMと比べて時間や手間、費用がかかることは覚悟しておきましょう。使いやすさを最重要と考える企業、市販されていない特殊な機能を求める企業に適しています。

オリジナルCRMにかかる費用の工程別の相場・平均の目安は以下の通りです。

  • 仕様要件:20~25万円程度
  • システム開発:60~75万円程度
  • テスト・改修費用:15~25万円程度

オリジナルCRMは依頼する会社の要望に沿って構築されるものであり、機能や利用人数、製作会社が提示するプランなどによって費用が大きく異なります。

上述の相場・平均はあくまで参考にとどめ、複数会社の見積もりを比較して検討することが大切です。ここでは、それぞれの工程の内容について解説します。

(1)仕様要件

オリジナルCRMを構築する最初の工程であり、依頼する会社の目的や課題、利用人数などに基づいた企画書を作る段階です。

仕様とは、システムの詳しい設計、要件とはシステムに欠かせない機能や性能を指します。製作会社とよく話しあい、納得のいく企画書を練り上げるのがおすすめです。

仕様要件の工程にかかる期間は、1人で作業して5日程度と考えられます。1人あたりの日当を4~5万円程度と仮定すると、かかる費用の相場・平均は20~25万円程度です。

(2)システム開発

オリジナルCRMを構築する2番目の工程であり、決定した仕様要件に基づいて実際に機能やレイアウトなどの開発を行う段階です。

開発にかかる期間は、1人で作業して15日程度と考えられます。1人あたりの日当を4~5万円程度と仮定すると、かかる費用の相場・平均は60~75万円程度になります。

(3)テスト・改修費用

オリジナルCRMを構築する3番目の工程であり、開発が終わったシステムをテストし、問題があれば改修する段階です。

テスト・改修の工程にかかる期間は、1人で作業して5日程度と考えられます。1人あたりの日当を3万円程度と仮定すると、かかる費用の相場・平均は15万円程度です。

ただし、この相場・平均はあくまでシステムのテストのみの金額です。問題を改修するためには追加の費用がかかる場合が多いので、ある程度の余裕は持たせておきましょう。

タイプ別!年間のCRM費用相場比較表

それぞれのCRMの費用相場を年間で比較すると、どのような特徴が見えてくるのでしょうか。クラウド型・オンプレミス型・オリジナル、それぞれのCRMの費用相場は以下の通りです。

CRMのタイプ初年度翌年度
クラウド型CRM6~17万円程度6~12万円程度
オンプレミス型CRM35~135万円程度5~30万円程度
オリジナルCRM95~125万円程度5~30万円程度

※利用人数を10人と仮定して算出した場合

初年度の年間費用については、やはりサーバー費用のかからないクラウド型CRMが抜きんでて安い傾向にあります。

翌年度以降の年間費用については、クラウド型CRMで月額費用がかかるのに対して、オンプレミス型CRM・オリジナルCRMは主に年間の保守費用しかかかりません。

利用人数が多ければ多いほどクラウド型CRMの年間費用は上がり、オンプレミス型CRM・オリジナルCRMとの差が生まれます。

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CRMの費用対効果の考え方

CRMにおける費用対効果とは、「導入したことでどれほどの利益があがったか」を指します。CRMを導入することで期待されるベネフィットは、主に以下の2つです。

  • 売上の向上
  • 業務の効率化

売上の向上について費用対効果をはかる場合は、施策ごとにCRM導入前後の数値を比べる必要があります。また業務効率化についての費用対効果を測る場合は、CRMの導入で行われなくなった業務を最低賃金で計算します。

例えば、顧客情報を入力する必要がなくなった場合、入力にかかっていた時間に最低賃金をかけることで利益が求められます。

ただし、多くの利益があがっていても、費用がそれを上回るようでは意味がありません。費用対効果を考える際は、CRMの初期費用はもちろん、ランニングコストについてもしっかりと把握したうえで比較する必要があります。

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自社に適したCRMを適切な費用で導入しよう

CRMにはクラウド型・オンプレミス型・オリジナルの3タイプがあり、初期費用やランニングコストが異なります。

クラウド型CRMは自社のサーバーを必要とせず、初期費用がほとんどかかりません。ただし、ランニングコストとして毎月の利用料がかかります。

一方、オンプレミス型CRM・オリジナルCRMはシステム開発が必要となるため初期費用が高くなりますが、構築後のランニングコストはほぼ年間の保守費用のみとなります。

実際にCRMの導入を検討する際は、会社の規模・環境・要望とそれぞれのタイプの特徴・費用を比較して、最も適した製品を選ぶことが大切です。

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