電子契約と電子署名・電子サインの違いとは?正しい意味や役割を解説

記事更新日:2022/10/18

電子契約システム

電子契約書に署名するイメージ

テレワークの時代になり、業務を効率化できる電子契約が普及しています。ビジネスパーソンとしては、電子契約についてしっかり理解したいところです。本記事では、電子契約の仕組みや、電子署名と電子サインの違いなどを解説します。双方の違いや特性を理解し、使いこなしていきましょう。

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そもそも電子契約とは?正しい意味を解説

電子契約は、いまやビジネスシーンや日常生活で必要不可欠なものとなりつつあります。労働者や外部スタッフとの雇用契約締結や請負契約の締結、申込書の電子化、不動産契約など、すでに多くの人が電子契約を経験しているでしょう。

ここではまず、電子契約と電子署名の意味や、紙の契約書との違いなどを解説していきます。

電子契約と電子署名の正しい意味とは?

「電子契約」は、従来は紙面上で行っていた契約を、電子データ上で行う契約方式です。紙の契約書には印鑑を押印したり署名捺印をしたりしますが、電子契約では代わりに電子署名を行います。

双方が合意した内容の書面を電子データにし、電子署名とタイムスタンプなどの仕組みを使って、印鑑の代わりとします。クラウド上、サーバー上などに契約書の電子データを保管しておき、契約の証拠とするのです。

電子契約の法的効力について不安を覚える方もいるかもしれませんが、契約書は紙である必要はなく、電子契約は法的に有効とされています。

「電子署名」は電子契約を結ぶ際、電子データ化された契約書に付与する署名のことです。契約書を締結した本人が行い、かつ内容が改ざんされていないことの証明となります。電子契約は、電子署名によって法的に効果を発揮するのです。

電子署名には、暗号や電子証明などのセキュリティ技術が施されているため、なりすましや改ざんを防止することができます。

電子契約と紙の契約書の違い

ここでは、電子契約と紙の契約書にはどのような違いがあるのか、項目別にご紹介します。

書類の媒体形式

電子契約は、電子契約サービスなどを利用し、PDFなどの電子データをインターネット上で作成します。システム上またはオンライン上でやりとりするため、出力は不要です。一方、紙の契約書はパソコンや手書きなどで紙の書類を作成・出力し、製本が必要な場合もあります。

署名と締結日時証明の方法

電子契約は、電子署名を付与し、作成日時はタイムスタンプによって証明されます。紙の契約書は、印鑑や割印などを文書に押印し、直筆の署名を行います。契約書内に、日時も記入します。

契約のプロセス

電子契約は、押印や申請はすべてインターネット上で行い、電子データの受け渡しで完了します。一方、紙の契約書は、自社と取引先で同じ内容の契約書を2部用意し、原本を郵送か持参して受け渡しを行います。

収入印紙の有無

収入印紙とは、印紙税法で定められた課税対象の文書にかかる印紙税を支払うための証票のことです。電子契約の場合は、契約書を紙の文書に出力しないため印紙税がかかりません。

一方で、紙の契約書の場合、取り交わす契約内容や金額によって、印紙税が課税されるかどうかが決まります。詳細は、国税庁のホームページで確認できます。

[出典:国税庁「No.7140 印紙税額の一覧表(その1)第1号文書から第4号文書まで」]

保管方法

電子契約は、自社で管理しているサーバーや外部サーバー、クラウドストレージに電子データとして保管します。紙の契約書の場合には、厳重に管理されたキャビネットや倉庫などに原本を保管します。

電子署名の役割は電子契約の法的効力を示すこと

契約書はトラブルを未然に防ぐための証明として交わされますが、トラブル発生時に契約書に法的根拠を持たせるためには「本人が内容を確認した」「改ざんされていない」という2点が重要です。

従来の紙の契約書では、同じ契約書を2枚作成し両方に署名と押印をすることで、非改ざん性を保証します。他方、電子契約では電子署名で法的根拠を担保しています。

電子署名の非改ざん性については、「電子署名及び認証業務に関する法律(以下、電子署名法)」に明記されています。電子署名法では、適切な電子署名が行われていることで電子契約が成立したとみなされます。

[出典:e-Gov 電子署名及び認証業務に関する法律]

電子契約と電子署名・電子サインの違い

電子契約と電子署名、電子サインは似たような印象を受けますが、違いはどこにあるのでしょうか。ここでは、それぞれの違いについて詳しく解説します。

電子契約と電子署名の違い

電子契約は、電子データ上で契約をやり取りして成立させる契約です。電子署名は、電子契約に付与し、非改ざん性を証明する役割を持つ情報を指します。

電子契約に法的根拠をもたせるための手段が電子署名であり、電子契約と電子署名は役割が違います。

電子署名と電子サインの違い

ここまで、電子契約や電子署名について解説してきましたが、契約に際して使う自著の方法には、電子サインというものもあります。以下では、電子署名と電子サインの違いについて解説します。

電子サインとは

電子サインとは、電子契約をする上で契約への同意や承認の意思表示、本人であることの確認を行うための手段です。日常生活の中にも浸透している身近な手法といえるでしょう。

例えば、オンラインショッピングでIDとパスワードを設定することも電子サインの一種です。実際の店舗でサービスを受ける際に、電子文書にタブレット端末を使ってタッチペンで署名するという行為も、電子サインのひとつです。

電子署名と電子サインの違いを比較

電子署名は電子サインの一種です。電子サインのうち、より法的効力が高く、本人性・非改ざん性が厳格な手法によって担保されているものが電子署名ということになります。「安全性と法的効力」「契約にかかる時間」の面から、両者の違いを比較していきましょう。

・安全性と法的効力

第三者機関の電子認証局が認証した電子証明書を使うのが、電子署名です。手間のかかる厳格な本人証明方法であるため、安全性と法的効力がともに高いのが特徴です。

電子サインの記録は第三者機関を介しませんが、法的に有効です。2020年7月、電子証明書のない電子サインでも法的に有効だとする見解を政府が出しています。

ただし、電子署名と比較すると法的効力が弱いため、実印や会社代表者の登録印が必要となる場面では電子サインの使用は適していません。

・契約にかかる時間

電子署名は、電子証明書の発行が必要です。電子認証局によって、電子証明書発行の所要時間は異なります。電子認証局に事前登録を行っても、発行に数週間かかってしまうケースも少なくありません。利用する場合は、余裕をもってスケジュールを組みましょう。

電子サインは、比較的短時間で一連の処理が終わる点が大きなメリットです。電子サインを利用すると手続きのスピードが上がり、契約にかかる時間を短縮できます。見積書のやり取りなど、日常的に行われる取引に向いているといえるでしょう。

電子署名の方式は2つ

電子署名には、「当事者型電子署名」と「立会人型電子署名」という2つの方式があります。

当事者型電子署名は厳格に本人確認できるメリットがあり、立会人型電子署名は主に電子メールなどを利用した方式なので導入しやすいのが特徴です。ここでは、電子署名の2つの方式について詳しく見ていきましょう。

当事者型電子署名

当事者型電子署名は、電子認証局で確認された、契約する当人の電子証明書を使用します。自治体に実印登録をして、印鑑証明書を発行してもらうなどの手続きが必要になります。電子署名法に厳格に則っているため、法的効力が高いのが特徴です。

個人でも、電子証明書を使う場面はあります。インターネット経由で確定申告ができるe-Taxを使用する際にマイナンバーカードを用意した経験がある方には馴染みがあるかもしれません。マイナンバーカードには、公的な個人認証サービス「署名用電子証明書」が格納されているのです。

企業間で当事者型電子署名を利用した場合の流れ

  1. 自社と契約先の担当者が、当事者型電子署名を行うことを承諾し、利用する電子契約サービスを確認します。当事者型電子署名は契約先も電子証明書発行を行う必要があるので、契約先の理解と協力が不可欠です。
  2. 自社と契約先の押印者が、電子認証局に電子証明書発行を申請します。電子認証局が本人確認を行います。
  3. 電子認証局から契約先と自社のそれぞれに電子証明書が発行されます。
  4. 自社の担当者が電子契約サービスに契約書の電子データをアップします。
  5. 契約先の担当者が契約書の電子データを確認します。
  6. 自社と契約先の押印者が、電子署名を電子契約サービスにアップし、契約を行います。

当事者型電子署名のメリット・デメリット

当事者型電子署名の主なメリットとデメリットは次の2点です。

<メリット>

  • 電子署名法に準拠しており、管理印章規定や押印権限が厳しい企業のコンプライアンスにも対応可能
  • 確実な本人確認により、行政手続きや登記でも利用されている

<デメリット>

  • 自社だけではなく、契約先にも手間と費用がかかる
  • 契約を行う前に電子認証局から電子証明書を受け取る必要があるため、時間がかかる

立会人型電子署名

立会人型電子署名は、事業者型電子署名とも呼ばれ、電子契約サービス会社のシステム上で本人認証を行う方法です。電子メールやSMSを登録したり、電子契約サービスシステムの利用履歴があれば利用可能です。当事者型電子署名に比べ手間がかからないことから、電子契約サービスの普及をけん引しています。

立会人型電子署名を利用する際、契約のやり取りや契約文書には、契約を行う当事者の電子証明書ではなく、電子契約サービスの事業者の電子証明書を使います。立会人型と呼ばれているのは、契約に立ち会う電子契約サービス事業者の電子証明書が利用されているからです。

企業間で立会人型電子署名を利用した場合の流れ

  1. 自社と契約先の担当者が、利用する電子契約サービスを確認します。
  2. 自社の担当者が電子契約サービスに契約書の電子データをアップします。
  3. 自社と契約先の担当者に、電子契約サービス会社から認証のための電子メールが送信されます。
  4. 自社と契約先の担当者が、電子メール内のインターネットアドレス(URL)から電子契約サービス内にログインし文書を確認します。
  5. 自社と契約先の担当者が同意ボタンを押す、または電子サインを行うなどにより契約に同意することで、電子契約が完了します。

立会人型電子署名のメリット・デメリット

立会人型電子署名のメリットとデメリットは次の通りです。

<メリット>

  • 契約先の手間が少なく簡素な手順で、比較的早く契約作業を進められる

<デメリット>

  • 電子メール経由での認証となり、権限管理が煩雑になる可能性がある
  • コンプライアンス上の理由で、企業によっては利用できない場合がある

電子署名が信頼される理由

電子署名は電子契約の信頼性を高めるために、電子証明書とタイムスタンプを用いて非改ざん性を担保しています。申請した本人を厳格に確認し、電子証明書を発行しているのが、電子認証局です。

電子認証局とは

電子署名法では、「電子署名が本人のものであると証明することを目的とした認証業務を行う者は、一定の基準を満たせば主務大臣の認定を受けることができる」としています。

認証業務を行うためには、国が定めている要件に準じた業務内容を行い、義務を果たす必要があるのです。電子データ上での本人性の確認と同一性の証明を行う電子認証局は、電子契約の普及を推進する上では欠かせません。

「特定認証業務」の認定を受け、外部の厳しい監査の受け入れや、万全な状態に保たれたセキュリティ体制を持つ機関は、「認定認証事業者」と呼ばれます。電子署名を行う際に電子証明書を申請する機関を選ぶ指針のひとつです。

[出典:e-Gov 電子署名及び認証業務に関する法律]

電子証明書の非改ざん性とは

電子認定局が発行する電子証明書は、本人の信頼性を証明するものです。電子署名を利用して電子契約を行った際、電子文書は特定の計算方法により、ユニークな値である「ハッシュ値」として数値化します。

電子証明書が発行される際に同時に付与された秘密鍵で、ハッシュ値を暗号化し、電子署名データとしています。暗号化できるのは秘密鍵を持つ本人のみです。本人しか扱えない電子証明書と、電子文書固有のハッシュ値を合わせて使用し、非改ざん性を高めているのです。

電子契約と電子署名・電子サインの違いを正しく理解

電子契約と電子署名、電子サインは似た言葉ですが、内容は異なります。電子契約は、電子データ上で行われる契約手続きのことであり、電子署名は、第三者機関を介した電子証明書を付与して行う本人証明です。また、電子サインは、主に電子メールやSMSを利用して行われる、電子データ上の本人証明となります。

電子契約を検討中なら、契約内容や頻度、契約先の方針などを考慮し、電子署名と電子サインのどちらが業務に適しているか確認しましょう。業務効率化のためにも、電子契約の導入がおすすめです。

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