基幹システムとは?メリットや主な機能・種類の一覧をわかりやすく解説

最終更新日時:2023/05/17

ERP(基幹システム)

基幹システムとは

企業の根幹となる業務システムを指す基幹システム。しかし、基幹システムとは具体的にどのようなシステムなのか、まだ知らない方も多いでしょう。そこで本記事では、そんな基幹システムについて、主な機能から導入するメリットまで詳しく解説していきます。

基幹システムとは?

基幹システムとは、企業の基幹となる業務を管理するシステムのことです。販売管理・財務会計・給与計算などが基幹システムと呼ばれ、企業活動をする中で欠かせない業務です。

アパレル業界のように在庫を持つ業種であれば、在庫管理も基幹業務に含まれ、在庫管理システムも基幹システムのひとつとなっています。

基幹業務が滞ると企業活動にも支障が出るため、業務を管理する基幹システムには安定性や正確性が必要です。基幹システムを導入することで、業務効率が向上するため工数の人的ミスの削減にも繋がるでしょう。

ERPとの違い

基幹システムと似たものに、ERP(Enterprise Resource Planning)があります。ERPは、企業の持つ経営資源を一元管理し、有効活用するためのシステムです。複数のシステムをひとつに統合し、どの部門からでも同じデータを閲覧できる点が特徴です。

一方で基幹システムは、業務プロセスごとに構築されており、販売管理システム・財務会計管理システムなど、それぞれが独立して稼働します。

たとえば基幹システムを活用する場合、販売状況を確認する際と財務状況を確認する際では、別々のシステムを閲覧する必要があります。しかしERPでは、複数のシステムが統合されているため、ひとつのシステムで販売状況と財務状況の両方を確認することが可能です。

ERPとは?意味や基幹システムとの違いを簡単にわかりやすく解説

情報系システムとの違い

情報系システムは、業務に使用するものの企業の基幹業務には関連しないシステムです。情報系システムがなくても基幹業務を行えますが、あれば業務の効率が向上します。

以下のようなものが、情報系システムの一例です。

  • グループウェア
  • チャットツール
  • メールシステム
  • スケジュール管理システム
  • 文書管理システム

情報系システムがトラブルを起こした場合でも、基幹システムと比べると基幹業務に与える影響は大きくありません。

基幹システムの主な機能・種類の一覧

ここでは、基幹システムとして挙げられる主な種類・機能を紹介します。

販売管理システム

販売管理システムは、商品・サービスの販売状況や在庫を管理するシステムです。受注管理システムや在庫管理システムと連携することで、いつ・どこで・誰が・何を・いくらで・いくつ販売したかを記録します。

また、商品・サービスの内容によっては後日請求する場合もあるため、「請求が済んでいるか」「入金・回収は済んでいるか」など幅広く管理します。

購買管理システム

購買管理システムは、仕入に関する情報や在庫状況を管理するシステムです。社内で使用する事務用品や消耗品など、経費に関わる購買活動も管理します。

ただし購買管理システムは、販売管理システムの一部でもあるため企業によっては販売管理システムと統合されているケースもあります。

受注管理システム

受注管理システムは、商品やサービスの受注と発送状況を管理するシステムです。顧客から受け取った注文伝票をもとに必要なデータを読み取り、受注処理を行うまでの流れを自動化できます。

在庫管理システムや販売管理システムなどと連携して活用されるケースも多いです。

財務会計システム

財務会計システムは、企業活動に関わるお金の動きを管理するシステムです。企業によっては、会計システムや経理システムと呼ばれることもあります。

ほとんどの財務会計システムでは、数値や必要なデータを入力するだけで財務諸表を自動で作成してくれる機能が搭載されています。また財務会計システムによっては、経営状況を明確にするレポートの自動生成も可能です。

財務会計システムは業種を問わず必要になるため、多くの企業で採用されています。

在庫管理システム

在庫管理システムは、在庫数や在庫のある商品の種類など、在庫状況を管理するシステムです。システムの種類によっては、製造日や賞味期限を管理できるものもあります。「商品が足りない」「在庫が余り過ぎている」などの問題を回避することが可能です。

勤怠管理システム

勤怠管理システムは、出退勤時間や残業時間など従業員の労働状況を管理するシステムです。有給休暇の申請・労働時間の集計・シフトの作成など、勤怠管理に役立つ機能が搭載されています。

テレワークをはじめとする働き方の多様化が進んでいる現代において、従業員の労働状況を正確に把握するため、勤怠管理システムを導入する企業が増えつつあります。

生産管理システム

生産管理システムは、仕入・原価・生産・納期など生産関連の管理を行うシステムで、主に製造業で利用されています。生産管理システムの中には、生産フローを管理する機能が搭載されているものもあります。また、在庫管理システムと連携すれば、在庫登録までの自動化が可能です。

基幹システムを活用するメリット

業務の効率化に便利な基幹システムですが、活用にはどのようなメリットがあるのでしょうか。ここでは、基幹システムを活用するメリットを3つ紹介します。

業務効率の向上

基幹システムを活用することで、人が行う業務工数を削減できるため、業務効率の向上が期待できます。システムによって自動化された業務は、人が行う場合と比べて速く処理が可能です。そのため、短い時間でより多くの業務処理が行えます。

また自動化された業務は登録された業務プロセスで処理されるため、人的ミスの削減にもつながります。このように基幹システムの活用は業務処理の速度と精度を高めるため、業務効率を向上させることができるでしょう。

業務標準化の促進

基幹システムの活用は、業務標準化の促進にもつながります。

業務プロセスを明確にして自動化の業務をシステムに登録するため、常に同じ手順で業務を進めることが可能です。そのため、人によってやり方が異なり業務品質にバラつきが出るといった問題を防げます。

また、基幹システムに登録された業務プロセスはいつでも確認できるため、属人化の防止にもつながります。ノウハウや知識の属人化を防止できると、従業員のスキル向上にも期待できるでしょう。

意思決定のスピード向上

基幹システムでは、各業務の情報が可視化され瞬時に必要な情報を取得できるため、意思決定のスピード向上にもつながります。たとえば、基幹システムを使うことでどこにいても各店舗の売上状況をリアルタイムで把握できます。

また基幹システムを連携して活用すれば、企業活動における情報の一元管理が可能です。1つのシステムを通じて網羅的に情報を確認・把握できるため、必要な情報の抽出も迅速に行えるでしょう。

基幹システムの構築・導入方法

メリットが多い基幹システムですが、構築や導入はどのように進めればよいのでしょうか。ここでは、基幹システムの構築・導入方法を5つのフェーズに分けて紹介します。

  • 企画・導入目的の明確化
  • システムの要件定義・選定
  • システムの実装・試験導入
  • システムの運用・保守
  • 費用対効果の分析・検証

企画・導入目的の明確化

基幹システムの導入目的を明確化しましょう。導入目的を明確にすることで、どの業務に基幹システムを導入すべきかが分かりやすくなります。

たとえば、従業員の勤怠管理や給与計算にかかるコストの削減が目的であれば、「勤怠管理システム」と「給与計算システム」を連携して活用すべきです。また、明確化させた目的をもとに、どの業務範囲に基幹システムを導入するかをあわせて検討してください。

目的に適していないシステムの導入は、目的を達成できないだけでなく業務効率を低下させてしまうリスクがあります。

システムの要件定義・選定

次に、「導入するシステムに、どのような機能を求めるか」「どのシステムが最適か」など、システムの要件定義を選定します。そのためには、事前に現状の業務プロセスを洗い出すことが大切です。現状の業務プロセスに不要な業務や非効率な部分があれば、業務プロセスそのものを見直しましょう。

また、「どの業務を効率化させたいか」や「どのような機能が欲しいか」について、従業員にヒアリングすることもおすすめです。現場の意見を取り入れることで、システム導入後も効果的な活用が期待できます。

システムの実装・試験導入

基幹システムの導入目的を明確化しシステムの要件定義・選定まで終わったら、実装に移ります。追加したい機能があれば、実装の段階で完了させましょう。

また試験的にシステムを導入し、不具合やトラブルが発生しないかの確認が大切です。もしもシステムに不具合・トラブルが発生する場合は修正を繰り返し、導入後にトラブルが発生しないよう対策してください。

システムの運用・保守

システムは導入して終わりではなく、継続的な運用と定期的な保守点検が必要です。

システムの活用を定着させるには、運用方法の研修やマニュアルの作成、従業員の教育が求められます。また導入後に発生したエラーも、修正対応しなければなりません。

導入後もシステムの効果を最大化できるよう、適切な運用・保守を行ってください。

費用対効果の分析・検証

システムは導入後の運用・保守が欠かせないと同時に、費用対効果の分析と検証も大切です。システム導入前後の業務時間を比較することで、どの程度の効果が得られているかを把握できます。

また、基幹システムの費用対効果を定期的に分析・検証し、何度も改善を繰り返すことで自社に最適なシステムへと強化できます。そのため基幹システムの導入後は、費用対効果の分析・検証が必要です。

基幹システムを導入する際の選び方・選定ポイント

ここでは、基幹システムを導入する際の選び方・選定ポイントを紹介します。

  • システム形態
  • 目的に合った機能
  • 操作性・利便性
  • カスタマイズ性
  • セキュリティレベル
  • サポート体制

自社でどの基幹システムにすべきか選定に迷った時の参考にしてください。

システム形態

基幹システムは、主に「オンプレミス型」と「クラウド型」の2種類に分類されます。

オンプレミス型は、社内のサーバーにパッケージをインストールして利用します。インストール後は必要な機能を社内で追加できるため、カスタマイズ性に優れている点が特徴です。また、インターネット環境を使わずに利用できるため、高いセキュリティ性を誇ります。

クラウド型は、インターネットを通じてクラウド上にあるシステムを利用します。インターネット環境さえあれば場所を問わず利用できるため、テレワークを実施している企業や複数の拠点がある企業におすすめです。また、オンプレミス型に比べて初期費用を抑えられる点も魅力です。

それぞれの特徴を理解したうえで、自社に最適なシステム形態を選ぶとよいでしょう。

目的に合った機能

システムを導入する目的と、搭載されている機能が適しているかを確認してください。

目的にあった機能を選定するには、事前にどのような機能が必要かを社内ですべて洗い出しておくことが重要です。必要な機能をピックアップして、条件に合うシステムを選定しましょう。

操作性・利便性

従業員にとって、操作性・利便性に優れたシステムを選定しましょう。操作性が悪いと、定着まで時間がかかる可能性があります。また、テレワークの従業員が多いにもかかわらず、システムの利用が社内に限定されれば意味がありません。

基幹システムの定着や積極的な活用を促進するためにも、操作性・利便性の高いシステムを選びましょう。その際、無料プランや無料トライアルを利用して現場の従業員に意見や感想を求めることがおすすめです。本格導入前から操作に慣れることができるため、導入後もスムーズな活用が期待できます。

カスタマイズ性

初期費用を抑え自社に最適なシステムへ調整するには、カスタマイズ性の高さも確認してください。カスタマイズ性の高いシステムであれば、導入時は必要最低限の機能だけで初期費用を抑え、導入後に必要な機能を追加できます。

また企業の成長や事業縮小など、企業規模が変化する可能性にも対応できます。カスタマイズ性に優れたシステムは、規模に合わせたカスタマイズができ、高い費用対効果を維持したままのシステム運用が可能です。

セキュリティレベル

基幹システムでは機密情報や個人情報などを多く取り扱います。そのため、セキュリティ性の高いシステムの選定が大切です。

セキュリティレベルの高さは、基幹システムを提供する企業のホームページを確認してください。特に、「通信データの暗号化」「第三者機関による認証マーク」「バックアップ体制」などの確認がおすすめです。

サポート体制

基幹システムを導入・活用しても、「どのような手順で導入すればよいか分からない」「適切な運用方法を知らない」などの課題が生じる場合もあります。そのため、導入・活用に関するサポート体制が整っているベンダーを選ぶことが大切です。

提供会社によっては企業にヒアリングを行い、各企業に合わせて最適な機能を提案してくれる導入サポートなどがあります。またシステムは、導入後に不具合を起こす可能性も考えられます。社内で対応できなければ、基幹システムが稼働せず業務に支障をきたすケースもあるでしょう。そのため、導入後もシステムの不具合やトラブルに対応してくれるベンダーがおすすめです。

基幹システムを導入した企業の事例

ここでは、実際に基幹システムを導入した企業の事例を3つ紹介します。企業によって基幹システムを導入する目的は異なります。自社の導入目的を洗い出す時の参考にしてください。

ANAシステムズ株式会社

ANAシステムズ株式会社は、ANAが使う航空座席予約端末の運用や保守を行う会社です。

同社は、「売上計上や発注のタイミング」「見積もりの承認基準」などが属人化し、部門によって業務プロセスが統一されていないという課題がありました。そこで、業務プロセスの改善と統一化を目的として、基幹システムの導入に踏み切ったのです。

同社では現在の業務プロセスにシステムをカスタマイズするのではなく、導入するシステムに合わせて業務プロセスを最適化するという方法をとりました。その結果、各部門では新しい業務プロセスが浸透し、同社ならではの業務システムを構築しています。

NTTファイナンス株式会社

NTTファイナンス株式会社は、NTTグループの金融中核会社です。同社は、事業拡大にともなう膨大な決算業務が課題でした。そこで業務効率化と品質向上を目的として、基幹システムを導入しています。

導入したシステムでは、伝票起票から決算書作成・納税までの業務を自動化し、大幅な業務の効率化に成功しました。また、システム導入にともない業務プロセスが可視化して業務が標準化されたため、当初の課題であった業務品質の維持や向上にも成功しています。

さらに、業務効率が改善したことで従業員の労働時間が短縮され、働き方改革の推進にも繋がっています。

富士通セミコンダクター株式会社

富士通セミコンダクター株式会社は、システムメモリ製品やファウンドリーサービスを提供する会社です。

同社ではホストコンピュータを導入していましたが、機能が複雑になり過ぎて企業構造の変化に対応できないという課題を抱えていました。そこで、システム運用の体制見直しも兼ねて、基幹システムの導入に踏み切りました。

同社は導入したシステムに合わせて、業務プロセスの最適化・標準化を行いました。結果として業務の標準化が実現しただけでなく、少人数でのシステム運用も可能になっています。

基幹システムで業務の効率化・標準化を図ろう

基幹システムとは、企業の基幹となる業務を管理するためのシステムです。基幹システムの導入によって円滑な管理や業務効率化が期待できます。ただし、企業によって基幹システムの種類は異なり、自社に適したシステムを導入することが大切です。

本記事を参考に最適な基幹システムを検討・導入し、業務の効率化や標準化を目指してください。

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ビズクロ編集部
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