ファクタリングと債権譲渡登記の違い・関係とは?必要性やメリット・デメリット

2024/05/16 2024/05/16

ファクタリング・資金調達

ファクタリングと債権譲渡登記の違い

資金調達方法の1つである「ファクタリング」。ファクタリングを利用する際に債権譲渡登記を求められる場合がありますが、ファクタリングと債権譲渡登記にはどのような関係があるのでしょうか。本記事では、ファクタリングと債権譲渡登記の違いや関係を、債権譲渡登記の必要性と併せて解説します。

ファクタリングとは?

ファクタリングとは、企業が持つ売掛金を現金化する金融サービスです。企業が商品やサービスを提供した対価である売掛金をファクタリング会社に売却すると、本来の支払い期日を待たずに資金を手にすることができます。

特に資金繰りに課題を持つ中小企業にとって、現金の流れをスムーズにし、経営を安定させる手段として有効です。

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債権譲渡登記とは?

債権譲渡登記とは、ある企業が持つ債権を他の企業や個人に対して正式に譲渡する際に行う登記のことです。

この登記を行うことで、該当債権の移転が第三者に対しても効力を持つようになります。例えば、企業が資金調達のために自社の売掛金を金融機関などに譲渡する場合、債権譲渡登記を行うことで、その取引の正当性や安全性が確保されるのです。

ファクタリングと債権譲渡登記の違い・関係とは?

ファクタリングと債権譲渡登記はどのように異なり、また、どのように関連しているのでしょうか?これら2つの違いと関係について紹介していきます。

目的の違い

ファクタリングと債権譲渡登記は、それぞれ異なる目的を持っています。

ファクタリングは主に資金調達を目的に行われ、利用者が売掛金をファクタリング会社に譲渡することで、売掛金の実際の支払日よりも前に資金を入手することができます。ただし、この際に利用者が受け取るのはファクタリングの利用料などを差し引いた金額になることに注意が必要です。

一方の債権譲渡登記の目的は、債権が譲渡された事実を公的に証明することです。この債権譲渡登記は、法人の資金調達手段の多様化を背景に創設された制度です。売掛金などの債権の譲渡を債権譲渡登記所に登記することで、債務者以外の第三者に対して権利を主張できるようになります。

つまり、同一の債権に対して二者以上が権利を主張した場合、債権譲渡登記の内容に従って、どちらが優先しているかを判断できるのです。

対象となる債権の違い

ファクタリングで対象となる債権と、債権譲渡登記の対象となる債権には明確な違いが存在します。

ファクタリングでは、主に売掛金や受取手形といった、商取引から発生する債権が対象です。これらの確定債権をファクタリング会社に売却することで、企業は即座に現金を手に入れることができます。

債権譲渡登記のほうは確定債権に限定されず、売掛金のほか、ローンや貸付金、運送料や新郎報酬など、さまざまな形の債権の登記を行うことができます。

契約形態の違い

ファクタリングは実際に債権の売買を行うため契約が必須ですが、債権譲渡登記は情報を記録する手続きであり、契約ではありません。

ファクタリングの契約には、債権の売り手である利用者とファクタリング会社の2社間契約と、債務側の企業を含めた3社間契約のいずれかを選択することができます。また、ファクタリングにおいては、利用者に償還請求権がない契約が原則であり、債権が回収できなかった場合のリスクはファクタリング会社が負います。

受け取れる金額の違い

ファクタリングと債権譲渡においては、受け取れる金額についても大きな違いがあります。

ファクタリングでは、売掛金をファクタリング会社に売却した企業は、売掛金の額面から一定の手数料や利息を差し引いた金額を前払いで受け取ることができます。この金額は通常、売掛金の額面の70%から90%の範囲内です。

債権譲渡登記は取引そのものではないため、譲渡先との金銭のやり取りは発生しません。債権譲渡登記は債権の法的な移転を記録するものであり、登記費用がかかります。

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ファクタリングにおける債権譲渡登記の必要性

ここでは、ファクタリング取引において債権譲渡登記が重要な理由を解説します。

二重譲渡を防げる

ファクタリング取引において債権譲渡登記を利用する大きなメリットとして、二重譲渡の防止が挙げられます。

ファクタリングによって売掛金が譲渡される際、債権譲渡登記を行うことで、その債権が既にファクタリング会社に譲渡されていることが公的に記録されます。これにより、同一の債権が複数のファクタリング会社や金融機関に譲渡されることがなくなるのです。

法的証拠になる

ファクタリング取引において、債権譲渡登記は重要な法的証拠となります。登記があることで、譲渡された債権が誰のものであるかが法的に明確になるのです。そのため、万が一紛争が生じた場合、債権譲渡登記が確かな証拠として機能します。

例えば、売掛先の企業が倒産するなどの状況が発生した際、ファクタリング会社は裁判所に損害賠償請求を訴えることになります。この際、法的根拠として債権譲渡登記を活用できるのです。

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ファクタリング利用者が債権譲渡登記をするメリット

ファクタリングを利用する際に債権譲渡登記を行うことには、以下のようにさまざまなメリットがあります。

  • 売掛先にファクタリングで売掛金を現金化することを通知することなく、ファクタリング会社からの信用を得られる
  • 手数料が割安になることがある
  • ファクタリングの審査を通過しやすくなる

ファクタリング利用者が債権譲渡登記をするデメリット

ファクタリング利用者が債権譲渡登記を行うメリットは多いですが、一方で多くのデメリットがあることを理解しておきましょう。

登記費用が発生する

債権譲渡登記を行う際には登録免許税が発生します。この費用は登記を行う数によって異なり、具体的には、1件の債権の個数が5,000個以下の場合は7,500円、1件の債権の個数が5,000個を超える場合は1万5,000円です。登記を司法書士に依頼する場合には相応の報酬が発生する点も押さえておきましょう。

また、債権譲渡登記のプロセスには時間がかかる場合があり、その結果として資金の入金速度が遅くなる可能性があります。例えば、即日入金可能なケースでは債権譲渡登記を行わない場合が多く、債権譲渡登記を行う場合はこのような迅速な入金は望めないのです。この点は特に資金繰りに敏感な中小企業にとっては大きなデメリットとなることがあります。

売掛先に知られる可能性が高まる

債権譲渡登記は公的な記録であるため、誰でも閲覧可能な状態になります。法的には債権の譲渡を売掛先に通知する必要はありませんが、登記情報が公開されているため、売掛先が自らの売掛債権に関する情報を確認すれば、債権が譲渡された事実を知ることができるのです。

ファクタリングの事実が売掛先に知られたことによって売掛先との関係が影響を受ける可能性があるでしょう。

金融機関の融資に影響が出る可能性がある

債権譲渡登記を行うことで、企業が受けられる金融機関からの融資に影響が出る可能性があります。

債権譲渡登記が行われると、その企業の資産の一部が譲渡されたことが公的に記録されます。これにより、金融機関がその企業の信用状態を評価する際、既に一部の資産が担保や保証として利用されていると判断することがあるのです。

結果として、新たな融資を受ける際の信用評価に影響が及び、融資条件が厳しくなることや、融資そのものが難しくなる可能性があります。

個人事業主は利用できない

債権譲渡登記は法人向けの手続きであるため、個人事業主はこの制度を利用することができません。

債権譲渡登記は、企業間の取引における債権の譲渡を公的に記録し、取引の安全性を高めるものです。ただし、この制度は個人事業主の売掛金には適用されないため、個人事業主が売掛金を譲渡したい場合はほかの方法を検討する必要があります。

個人事業主がファクタリングを利用する際には、債権譲渡登記が不要なサービスを選ぶか、個人向けの金融ソリューションを探すことが一般的です。

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債権譲渡登記の申請方法

債権譲渡登記の申請方法は、法務省の公式HP上で下記のように記載されています。

申請書を作成し,登記すべき事項等を記録した電磁的記録媒体(CD-R又はCD-RW)を添付して,東京法務局民事行政部債権登録課に提出してください。

[引用元:法務省「債権譲渡登記の申請」]

ファクタリングにおける債権譲渡登記の必要性を理解しよう

ファクタリング取引における債権譲渡登記は、法的な安全性を高めるために重要です。債権譲渡登記を行うことで、二重譲渡の防止や法的な紛争時の証拠提供が可能となり、ファクタリングの審査に通りやすくなるなどのメリットがあります。ファクタリングにおける債権譲渡登記の必要性をしっかり理解し、ファクタリング利用時のリスク軽減および経営基盤の強化に役立てましょう。

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