人材マネジメントとは?人事管理における重要性や成果を最大化する手法

記事更新日:2022/06/15

人事管理システム

人材マネジメント

人材マネジメントは企業を経営する上で欠かせない施策であり、活用方法によって業績が大きく左右されることもある重要な仕組みです。そこで本記事では、人材マネジメントにおける3つのメリットと具体的な手法について紹介していきます。さらに、成功させるための戦略・ポイントなども詳しく解説していきます。

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人材マネジメントとは?

人材マネジメントとは、企業が掲げる理念や経営目標を達成するために人材を有効活用し、従業員と企業のパフォーマンスを最大化させる仕組みのことです。具体的には、採用・教育・評価・報酬などの制度などが対象です。

社会情勢やビジネス環境が大きく変化する中で、社内の限りある人的リソースを最大限に活用することがこれまで以上に重要になってきています。

企業業績の拡大に貢献するような適切な人材を採用して育て、公平・公正な評価によって従業員のモチベーションを高め、適材適所で人員を配置することで、組織力を強化することが人材マネジメントの要諦です。

人材マネジメントの重要性と企業の課題

ここでは、企業が直面している社会課題やビジネス課題から見た、人材マネジメントの重要性を解説します。

慢性的な人材不足

少子高齢化の影響から労働人口が減少傾向にある日本では、慢性的な人材不足に陥っている企業も少なくありません。

限られた人材リソースを有効に活用するためには、従業員の生産性の向上が求められます。そのため、生産性が高く自律的に働くことができる人材の育成を目指した人材マネジメントの重要性が高まっているのです。

日々変化する人材像

従来、企業は終身雇用の前提のもと、幅広い知識やスキルを備える「ゼネラリスト」の養成に力を入れてきたという背景があります。

しかし、消費者のニーズが多様化し、テクノロジーが進化を続ける現代の企業においては、その背景が覆されつつあります。現在のビジネスシーンでは、より高度な専門スキルや知識を備える「スペシャリスト」が求められてきているのです。

時代とともに企業が必要とする人材像が変化してきたことから、「スペシャリスト」を採用・育成するという側面においても、人材マネジメントが注目されています。

多様化する働き方

「働き方改革」が推進されている近年においては、ワークライフバランスを重視して職場を選ぶ求職者も増加傾向にあります。また、在宅ワークや副業など、新しい働き方も浸透しつつあります。

企業が多様化する働き方・労働観を尊重することは、従業員のモチベーション維持や生産性の向上にもつながります。

社内体制や評価体制を整備することで柔軟な働き方を可能にすることは、多様な人材の確保と活躍を後押しします。そのためにも企業はこれまでの人材管理のあり方を見直し、新しい働き方に対応した取り組みを推進していく必要があるのです。

人材マネジメントを構成する基本要素

人材マネジメントの具体的な内容とは、どのようなものなのでしょうか。ここでは、人材マネジメントに欠かせない6つの基本要素を紹介します。

採用

自社の経営戦略を振り返り、必要な人材像を明確に定めた上で、自社にとって必要な人材を外部から雇い入れます。

適切な人材を採用できれば、企業としての競争力が向上し、市場における優位性も高まるでしょう。また、組織全体の貢献意欲の向上を期待できるというメリットもあります。

評価

従業員の働きに見合った正しい評価を行います。制度の構築にあたっては、以下の点が重要です。

  • 客観的な評価ができる
  • 職種や役職ごとに、納得度の高い評価制度を定める

公正・公平で適切な評価制度を整えることで、従業員のさらなるモチベーションアップも期待できます。

育成

従業員の能力を高め、適材適所に配置するために必要な育成計画を作成・推進します。

具体的な例は、以下の通りです。

  • 入社時の新人研修
  • 現場でノウハウを学ぶOJT
  • 専門スキルを高めるための研修・セミナー
  • 資格取得を目指す勉強会

従業員は、教育を通じてスキルアップを目指せるだけでなく、成長実感を得られることでモチベーション向上にもつながります。

報酬

各従業員の業務内容や能力に見合った、適切な報酬が支払われるシステムを構築します。固定給とは別に、目標の達成度合いに応じて支給するインセンティブも含めて検討する必要があるでしょう。

評価との整合性も考慮しながら、成果が正しく反映されるような報酬制度を整えることが重要です。適切な報酬の仕組みを定めることで、従業員一人ひとりの労働意欲の向上やパフォーマンスの最大化も期待できます。

配置

従業員の適性に応じた部署異動や、職種転換・出向などを行います。従業員のスキルやモチベーションを向上させるためにも、定期的に配置を見直し、個人の能力が最大限に発揮できる配属先を見つけることが大切です。

適材適所に人材を配置することで、組織全体の生産性の向上にもつながります。

福利厚生

従業員の満足度に直結しやすい福利厚生制度を整えることも重要です。仕組みを構築する際は、以下の点を実施すると良いでしょう。

  • 従業員からのヒアリング
  • 他社制度との比較

福利厚生の充実は、従業員のワークライフバランスの向上にもつながります。それによってパフォーマンスアップに加えて、優秀な人材の採用や既存従業員の定着率向上も期待できます。

人材マネジメントを推進する3つのメリット

人材マネジメントを推進することで、企業が得られる主なメリットを3つ紹介します。

1.企業全体の成長

メリットのひとつ目は、企業全体の成長を促すことです。人材マネジメントを推進することにより、以下のような効果が期待できます。

  • 組織力の底上げにつながる
  • 企業目標にアプローチするための選択肢が増える
  • 企業が目指すべき方向に進んでいくために必要となるキーパーソンを確保できる
  • 企業の将来を見通す力が備わる

結果として、従業員と企業が理念を共有してお互いに成長しながら進んでいくことは、企業全体の持続的な発展につながっていくのです。

2.従業員のエンゲージメント上昇

従業員のエンゲージメント上昇を目指せる点も、メリットのひとつです。人材マネジメントを通して従業員は、企業経営を担う上層部の思考や、現在の経営目標を正確に把握できます。

また、自らの労働環境をより良いものに改善するための提案を行うことで、現状に対して抱えている不満や悩みを解消するチャンスを得ることが可能です。

人材マネジメントによって経営トップ層と従業員の相互理解が深まることで、エンゲージメントも上昇します。エンゲージメントが高まれば、従業員は企業目標の達成や、企業利益の拡大に対しても力を発揮してくれるでしょう。

3.自律型人材の育成

上司などから受ける指示を待つことなく、自らで判断して行動できる従業員のことを「自律型人材」と呼びます。この自律型人材を育成できる点も、人材マネジメントを推進するメリットです。

人材マネジメントによって企業ビジョンを正しく理解し、適材適所に配置された従業員は、能力を存分に発揮できます。成功体験を重ねることで、従業員はあらゆる課題に対する最適解を導き出すための知識や自信を蓄積することが可能です。

そうして自律型人材へと成長できた従業員は、新たな課題やリスクに初期段階で気づき、迅速かつ適切に対処することができるようになります。また、常に現状の改善を意識しながら業務を行うため、ほかの従業員に対しても良い刺激を与えることになるのです。

このような好循環は、職場全体のさらなる活性化にもつながるでしょう。

人材マネジメントの成功を最大化する6つの手法・プロセス

ここでは、人材マネジメントの成功を最大化するためのプロセスを、6つのステップに分けて解説します。

  • STEP1:企業の課題を明確にする
  • STEP2:課題解決に必要な人材像を再構築する
  • STEP3:社内の人材状況と不足要件を比較する
  • STEP4:不足要件への対処法を計画する
  • STEP5:社内で情報共有する
  • STEP6:計画を実行してフィードバックを行う

STEP1:企業の課題を明確にする

まずは企業が抱える課題を洗い出し、明確化します。

具体的な課題の例としては、以下のようなものが挙げられます。

  • 売上目標を達成するための営業力が不足している
  • 商圏を拡大したいが、事業を任せられるリーダーがいない
  • 多くの人材が退職してしまい、満足な人材育成ができていない
  • 労働環境に対する不満から、従業員のモチベーションが低下している

STEP2:課題解決に必要な人材像を再構築する

次に、洗い出した課題を解決するために必要となる人材像を設定します。「どのような人物ならば課題解決できるか」と、具体的に想像できる文章に落とし込みましょう。

文章にする際は、具体的な数字やスキル・知識・マインドを取り込み、誰が読んでも同じような人物像を想定できるような状態にしておくことがポイントです。

STEP3:社内の人材状況と不足要件を比較する

自社にとって必要な人材像を定めた後は、現実の人材状況との比較を行いましょう。場合によっては、自社に該当する人材がいないというケースもあり得ます。また、多くの要件が一致するものの、一部のみ不足している、という従業員が候補にあがる可能性もあります。

不足している部分については、従業員個人が持つポテンシャルや研修・教育によって補えるものなのか、または個人のスキルや企業側で補うことが難しい要素なのかを明確にすることが大切です。

STEP4:不足要件への対処法を計画する

次に、明確化した不足要件への対処方法を検討します。

具体的には、以下のような点が挙げられます。

  • 社員研修による教育
  • キャリア採用の実施
  • 関連資格やスキルの取得推進制度を整える
  • 報酬・福利厚生の見直し

適切な手法を定めたら、予算や日程を細かく考えていきます。

STEP5:社内で情報共有する

立てた計画を社内で共有することも、忘れてはならない重要なポイントです。

一部の経営層や人事だけが詳細を把握しているだけでは意味がなく、現場の協力がなければ効果的な人材マネジメントの実施につながりません。

詳細な計画を決定した後は、各部署とコミュニケーションを図り、情報を周知・共有しておくことが大切です。

STEP6:計画を実行してフィードバックを行う

計画を実行した後は必ずフィードバックを行い、反省点や改善点を洗い出しましょう。

  • 適切な手法だったか
  • 計画に無理な点はなかったか
  • 必要な人材像に変化はないか

以上の点について評価と分析を行い、より精度の高い人材マネジメントにつなげることが大切です。

人材マネジメントを成功させるための戦略・ポイント

人材マネジメントを成功させるための戦略やポイントについて、押さえておくべき点を5つ紹介します。

企業のビジョンと一貫性を持たせる

人材マネジメントのプランの方向性と企業の経営戦略との間にギャップが生じている場合、従業員は会社に対して疑問を抱き、企業側も期待するような効果を得られないおそれがあります。

例えば、短期的な経営戦略に「売上の130%増」を掲げているにもかかわらず、「経費削減」を目的とした人材教育を進めるケースでは、経営戦略と人材マネジメントの方向性がずれている状態と言えるでしょう。

企業のビジョンと一貫性を持たせることが、人材マネジメントを成功に導くポイントです。

社員一人ひとりが目標設定をする

社員自らに目標を設定させることも、大切なポイントです。上司などから与えられた目標に比べ、自分自身が設定した目標のほうが目標達成のモチベーションは高まります。

また、企業にとっても、社員自身が設定した目標と結果にどの程度の「ズレ」があるのか、客観的に把握しやすくなるというメリットがあります。

臨機応変に変化させる

企業が解決すべき課題は、常に変化していくものです。人材マネジメントを適切に推進するためには、社会環境や社内リソースに合わせて適宜人事制度を変化させていく必要があります。

そのためには、制度の作成と実行で終わりにせず、制度内容の確認と見直し、必要に応じた変更もセットで進めていくことが大切です。

公正な評価を意識する

公正に評価することも、重要なポイントです。例えば、年齢や性別・国籍などによって評価や報酬が左右されていた場合、従業員は不満を抱くでしょう。また、具体的な成果がなくても、高いポテンシャルを持っている従業員がいることもあります。

そのようなケースでは、成果だけを重視した評価は従業員のモチベーションを下げてしまいかねません。多様な人材が活躍でき、さらにポテンシャルも加味できるような公正な評価を意識することが大切です。

現場と協力体制を築く

現場と協力体制を築いておくことも重要です。例えば、現場のマネジメント層に「必要な人材像」を共有することで、人材の採用や教育を円滑に進められるでしょう。

また、現場にも評価基準や報酬制度などの詳細を細かく周知しておけば、従業員らの自発的な行動にもつながります。

人材マネジメントに役立つ手法やツール

人材マネジメントを検討する際は、できる限り効率的に進めたいところです。ここでは、人材マネジメントに役立つ手法やツールをご紹介します。

1.人事管理システム

人材マネジメントには、従業員のスキルや経験、目標や評価などの膨大な情報が必要です。これらの情報を一元的に管理できる「人事管理システム」を導入することで、データの可視化・人事業務の効率化が期待できます。

2.インテグリティ教育

リーダーとしての重要な資質のひとつである「インテグリティ(誠実さ)」の教育も、リーダーと部下との信頼関係が重要となる人材マネジメントには有効です。

知識やスキルだけではなく、誠実さも兼ね備えたリーダーの存在は従業員一人ひとり、ひいては組織全体のモチベーションの向上にもつながります。

3.オンライン面接

Web会議システムやテレビ電話を活用したオンライン面接は、応募者が企業まで出向かなくて良いため、スケジュールを調整しやすく、交通費支給や会場を押さえるなどのコストもかかりません。

手間と経費を抑えて多くの応募者に会うことができるため、自社が求める人材像に見合う人材を採用しやすくなるでしょう。

4.オンライン研修

インターネット上で開催するオンライン研修も、コスト面や効率面で多くのメリットがあります。オンライン研修には、次の2種類があります。

  • 録画型:事前に録画したものを配信する方法
  • ライブ配信型:講師が話している様子をリアルタイムに配信する方法

企業は会議室を準備する必要がなく、参加者も会場へ移動する手間を省けるため、効率性に優れた研修スタイルだと言えるでしょう。

5.e-ラーニング

タブレットやPC上で学習できるシステムが、e-ラーニングです。基本的なビジネスマナーから資格取得に必要な専門知識まで、幅広い内容をオンライン上で学ぶことができます。

一度システムを導入してeラーニングを提供できる環境を整えれば、従業員は場所や時間に捉われることなく繰り返し学べるため、効率的にスキルアップを図ることが可能です。

6.マネジメントの基本に関する書籍

マネジメントの基本を解説した書籍は数多く出版されています。人材マネジメントの理解を深めるために、書籍から知識を取り入れてみるのもおすすめです。

特にマネージャーなどの管理職が人材育成を行う際に、書籍から知識やノウハウを学ぶことは有効です。人や組織の動かし方から、コーチングの方法、テレワーク時代に即したマネジメントスキルなど、基本から実践までさまざまレベルに応じた学習が可能です。

人材マネジメントで成果を出せる組織を構築しよう

人手不足や働き方改革の推進など、企業を取り巻く環境がめまぐるしく変化しています。そのような中で、人材の能力を最大限に活用して業績の最大化を図る「人材マネジメント」は、企業にとってこれまで以上に重要性が増しています。

本記事で取り上げた手法やポイントを参考に人材マネジメントを推進し、成果を出せる組織の構築を目指してみてはいかがでしょうか。

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