議事録は意味ない?作成する目的や必要性・記載すべき項目

会議内容を共有する際に作成される議事録。しかし、内容によっては上手く活用できず、意味のない書類として扱われることがあるようです。当記事では、議事録の必要性や作成する目的などを解説します。議事録を作成する際のポイントなども紹介するので、ぜひ参考にしてください。
目次
議事録を作成する意味がないと感じる理由
議事録の作成業務に重要性を見出せない理由は、完成した議事録を業務で活用する頻度が低いことが挙げられます。せっかく作成した議事録を活用するためにも、議事録の質を上げることが重要です。
必要な情報が得られない状態が続くと、議事録を活用する意欲が低下します。改善されない場合は議事録の作成だけが目的となり、作業の形骸化を招くことにもつながるでしょう。
議事録の完成度が低くなってしまう理由のひとつに、フォーマットが統一されていないことが考えられます。社内で記載項目が統一されていないと、作成者によってバラつきが生じ、重要な情報を正確に共有できません。また、議事録に記載する項目もいちから考えなければならず、作成に多くの時間を要します。
議事録の共有までに時間がかかると情報の鮮度が低下し、活用するシーンが限定されてしまいます。また、結論がわかりづらい文章構成だと、必要な情報にたどり着くまでに多くの時間がかかるでしょう。
その結果、時間の無駄を減らすため、口頭で会議の内容を確認する傾向が強くなります。議事録の作成に目的意識を見出すには、短時間で完成度の高い議事録を作成できる環境の整備が必要です。
議事録を作成する目的・重要性
議事録の質を高めるには、作成する目的や重要性を理解することが重要です。どのような情報を盛り込み、どのような点に注意すべきか、正確に理解しなければなりません。
議事録を作成する目的は、以下の4つが挙げられます。
- 会議の内容を記録・共有するため
- 責任の所在を明確にするため
- 優先する業務の順番を明らかにするため
- 次回の会議で振り返りをするため
それぞれについてみていきましょう。
会議の内容を記録・共有するため
議事録を作成する目的は、会議の内容を正確に記録しておくためです。議事録には、備忘録としての役割が期待されています。そのため、会議から一定の時間が経過した後でも、議論した内容や決定事項を把握できるかが重要です。
議事録を作成する際は情報を整理しつつ、必要な情報だけを正確に盛り込むことを意識しましょう。また、重要事項やナレッジなど、情報の優先順位を明確化しておくと、伝達漏れの発生を防げます。
責任の所在を明確にするため
議事録には、決定事項に関する責任者を明確にする目的もあります。責任の所在が曖昧だとトラブルが発生した際、対応が後手に回る可能性もあるでしょう。素早い対応を実現するためにも、決定事項に関する担当者や対応すべき内容、期限を必ず記載しておくことが必要です。
決定事項に関する詳細を議事録に記載しておけば、タスク漏れや従業員同士のトラブルを未然に防ぐことにもつながります。
優先する業務の順番を明らかにするため
各担当者が優先して取り組むべき業務内容を、可視化するのも目的のひとつです。会議では、今後の方針や取り組むべき業務についても話し合います。そのため、議事録に業務の詳細や優先順位が記載されていないと、読み手は理解できません。
プロジェクトの遅延を防ぐためにも、議事録には業務の詳細や優先順位、期限を記載しておくことが重要です。
次回の会議で振り返りをするため
議事録は会議の内容を振り返り、次回までに検討しておくべき内容を確認する役割があります。次の会議をスムーズに進めるため、会議中に決まらなかった内容も議事録に記載しておきましょう。
保留事項を記載しておけば、課題解決に向けたアイデアや対応策に関して、個々で考える時間を設けられます。次回の会議開催時に活発な議論が飛び交い、コミュニケーションの活性化や課題解決に向けた提案が期待できるでしょう。
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議事録に記載しておくべき項目
議事録を作成する目的は、会議の内容を正確に共有することです。また、決定事項の責任の所在や、業務の優先順位を明確にすることも求められます。
議事録に記載するべき項目は、以下の通りです。
- 表題
- 日時
- 開催場所
- 出席者
- 議題
- 会議の目的と内容
- 決定事項
- 保留事項
- 各担当者が次の会議までに実行すべき内容
- 次回開催日時
とくに重要なのが、決定事項と次の会議までに実行すべき内容です。決定事項に関する責任者や期限が記載されていないと、トラブルを招く可能性が高くなります。具体的に遂行すべき業務や課題を記載しておくと、周囲もサポートがしやすくなるでしょう。
また、各担当者が次の会議までに実行すべき業務内容を、期限付きで簡潔にまとめておくことも重要です。それにより、仮に会議に参加できなかった場合も、対応すべき業務内容を正確に把握できます。
評価される議事録の特徴
議事録は、会議での決定事項や業務の優先順位を明確するために作成します。会議に参加できなかったメンバーが、議論の内容や決定事項を正確に把握できるよう、以下3つの点を意識して作成しましょう。
- 結論が明確に記載されている
- 意思決定までの手順が記載されている
- 誰が見ても理解できる
結論が明確に記載されている
文書は結論から作成する癖を付けましょう。最初に結論を記載しておけば、読み手が短時間で会議の内容や決定事項を把握することが可能です。文章を構成する際は、以下の順番で進めることでわかりやすくなり、認識のズレによるトラブルの発生を避けられます。
- 結論
- 理由
- 具体例
- まとめ
結論を先に伝える技術は、議事録を作成する時だけでなく、メールの作成やプレゼンなど、さまざまな場面で活用できます。
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意思決定までの手順が記載されている
意思決定に至った経緯が簡潔に記載されているかという点も重要なポイントです。議事録には、決定事項に関する責任者や対応すべき内容、期日を明らかにする役割があります。意思決定までの経緯が曖昧だと、担当者や対応期限を明確化できません。
対応漏れや引継ぎでのミスなどのトラブルを招かないためにも、決定事項に関する詳細な内容を記載しましょう。
誰が見ても理解できる
年齢や立場を問わず、すぐに内容を把握できる議事録を作成することが重要です。会議に参加した人しかわからない議事録だと、重要事項があっても情報をスムーズに共有できません。議事録を共有する前に、以下の内容が書かれているかを確認しましょう。
- 会議名および会議の目的
- 日時
- 開催場所
- 参加者
- 議題内容
- 決定事項
- 保留事項
- 各担当者が期限までに対応すべき内容
- 次回会議の開催予定日
記載項目が統一されたフォーマットや、テンプレートを活用することで、ばらつきが発生するのを抑えられます。
意味のある議事録を作成するポイント
わかりやすい議事録を作成できれば、会議に参加できなかった場合も、議論した内容や決定事項を把握できます。完成度の高い議事録を作成するには、4つのポイントを意識することが重要です。
会議前に事前準備を済ませておく
完成度の高い議事録を作成するには、会議前から準備を重ねておくことが重要です。事前準備が不足していると、発言の聞き取りだけに精一杯となり、重要な情報を正確に理解できません。会議の前に準備しておくべき内容は、以下の表にまとめています。
事前に把握すべき内容 | 具体的な確認事項や目的 |
会議の目的を把握 |
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テンプレートを活用 |
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過去の議事録を確認 |
|
会議の目的を把握できると、聞き取るべき内容が明確になり、要点がまとまった議事録を作成しやすくなります。また、議事録のテンプレートを活用すると、次回会議時にも同じフォーマットで作成できるため、完成度を一定に保てるでしょう。
他者の目に触れることを意識する
同僚や先輩、上司など、誰に見せても会議の内容がすぐに把握できるよう、議事録を作成することが重要です。そのため、読みやすさ・わかりやすさを重視した議事録を作成しましょう。
誰でも内容を理解できる議事録にするには、以下3つのポイントを意識して作成するのがおすすめです。
- 5W1Hを意識する
- 箇条書きでまとめる
- 表を活用する
5W1Hを意識すると、無駄な情報を削ぎつつ必要な情報がまとまった議事録を作成できます。また、箇条書きや表を活用することで、すっきりとして読みやすい議事録を作成できるでしょう。
議事録の作成・共有は迅速におこなう
議事録の作成と共有は、スピード感が重要です。時間が経過すると会議での議論や決定事項に関する記憶が薄れ、情報を正確に共有できなくなる可能性が生じます。遅くても会議を実施した日のうちに、議事録を共有しましょう。
議事録作成では、はじめから高い完成度を目指す必要はありません。その日のうちに作成した議事録を上司に添削してもらうことで、少しづつ上達していくでしょう。
参考資料を添付する
会議で使われた参考資料も、添付資料として一緒に共有しましょう。会議に参加できなかった場合も、参考資料を見ながら議論の内容を把握することが可能です。議事録に参考資料のページや行数を記載しておくと、読み手に与えるストレスを最小化できます。
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議事録作成におすすめのツール
完成度の高い議事録を効率的に作成するには、議事録自動作成ツールの活用がおすすめです。ここでは、AIやChatGPTを活用したものなど、5つのツールをピックアップして紹介します。
amptalk
amptalkは、amptalk株式会社が提供する議事録自動作成ツールです。多くの企業から高い評価を受けていて、リピート率は99%となっています。日々の電話や商談内容などを記録・書き起こししてくれるので、担当者がメモを取る必要がありません。また、録画データはシステム内に保存され、いつでも内容の確認が可能です。
AIの自動解析により、商談時の様子や内容を確認できる点も魅力です。これにより、チームの課題の把握やスキルアップにも役立つでしょう。
提供元 | amptalk株式会社 |
初期費用 | 要問い合わせ |
料金プラン | 要問い合わせ |
機能・特徴 |
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URL | 公式サイト |
toruno
torunoは、株式会社リコーが提供する議事録自動作成ツールです。文字起こしや録音、画面キャプチャと3つの方法で会議の内容を記録するため、言葉のニュアンスや共有していた資料も確認できます。また、リアルタイムでのブックマーク機能も搭載していて、会議や商談での重要な発言を正確に把握することが可能です。
会議の記録はボタンを押すだけで始められるため、簡単にはじめられます。また、ZoomやTeams会議、 Google Meetなど、さまざまなツールに対応可能です。文字起こしによって作成した議事録は、URLを送るだけで相手と簡単に共有できます。
提供元 | 株式会社リコー |
初期費用 | 0円 |
料金プラン | ■torunoパーソナル
■ torunoビジネス
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機能・特徴 |
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URL | 公式サイト |
Rimo Voice
Rimo Voiceは、Rimo合同会社が提供する議事録自動作成ツールです。ChatGPTを活用して、手軽に議事録の要約を作成できます。会議に参加できなかったとしても、議事録の要約を確認するだけで、会議の内容を把握できるでしょう。
記録した音声や、動画ファイルのテキストデータへの変換は、AIが自動で行います。そのため、従業員が作業をする必要はありません。また、スライダー機能を活用すると、長時間の録音データからピンポイントで確認したい箇所の音声を聞き取れます。
提供元 | Rimo合同会社 |
初期費用 | 0円 |
料金プラン | ■法人向け(クレジットカード払いのみ)
■ 個人向け(クレジットカード払いのみ)
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導入実績 | 100社以上 |
機能・特徴 |
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URL | 公式サイト |
ACES Meet
ACES Meetは、株式会社ACESが提供する議事録自動作成ツールです。ZoomやGoogle Meetなど、Web会議ツールとの連携によって、会議の内容を自動で記録します。
文字起こしの内容を基にAIが議事録の要約を自動で作成するため、従業員がいちから議事録を作成する必要はありません。AIが作成した内容を編集すれば、短時間で議事録を完成できます。完成した議事録は、外部の取引先とも共有可能です。
議事録のデータを送付する際はパスワードを設定するため、第三者から閲覧や盗聴をされる心配はありません。また、顧客との商談の様子を記録しておけば、表情や話し方、会話の割合など、詳細な対話分析が行えます。
アイスブレイクからクロージングまで、一連の流れを分析する機能も搭載していて、営業担当者のスキルアップにもつながるでしょう。
提供元 | 株式会社ACES |
初期費用 | 要問い合わせ |
料金プラン | 要問い合わせ |
機能・特徴 |
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URL | 公式サイト |
AI GIJIROKU
AI GIJIROKUは、株式会社オルツが提供する議事録自動作成ツールです。Zoomとの連携によって、会議や商談の会話内容をリアルタイムでテキストに変換し、終了後に会話内容を自動で保存します。
金融や法律、医療など、各業種向けの音声認識機能を搭載していて、専門用語が多く飛び交う状況にも対応します。音声認識精度は99.8%を誇り、会議の内容を正確に記録可能です。
30カ国語のリアルタイム翻訳機能により、外国人とのコミュニケーションもスムーズに交わせます。また、保存した会話内容を基に、AIが議事録の要約を自動で作成する点も魅力です。
提供元 | 株式会社オルツ |
初期費用 | 0円 |
料金プラン | ■個人向け
■ 法人向け
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機能・特徴 |
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URL | 公式サイト |
意味ない議事録を作らないために目的などを把握しておこう
議事録作成では、会議の内容を正確に記録し、迅速に共有することが求められます。統一したフォーマットを用意するなど、事前に万全な準備をしておくことで、充実した内容の議事録を作成できるでしょう。
議事録作成を効率化したい方には、AIやChatGPTを活用したツールを利用してみるのもおすすめです。ツールを利用することで高品質な議事録を作成できます。今回紹介したサービスを参考に、自社に合った議事録作成ツールを導入してください。
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