ペーパーレスFAXとは?導入メリット・デメリットや選定ポイントを解説
FAX用紙を必要としないペーパーレスFAXをご存知でしょうか。ペーパーレスFAXを導入すると業務を効率化できる、コスト削減できるなどさまざまなメリットがあります。本記事ではペーパーレスFAXを導入するメリット、デメリット、選定方法などについて紹介していきます。
目次
ペーパーレスFAXとは?
メールやチャット、クラウドサービスの活用が一般的な情報共有手段になりつつある現代において、「FAX」は過去のものかというと、実は、日本国内の約半数の企業が、現在も文書の送受信にFAXを使用しています。
特に、金融・保険、流通、外食・各種小売サービス、官公庁・団体等での利用傾向の高さが目立つFAXですが、業種を問わず、組織のペーパーレス化を推進すべきとする声は、SDGsの観点からも今後ますます大きくなることが予想されるでしょう。
実際に、実質FAX使用廃止を実施している外務省をはじめ、政府機関においても組織のペーパーレス化は促進されています。そんな中、導入する企業が増えているのが、受信したFAXをPDFのデータとして保存・管理するペーパーレスFAXです。
ペーパーレスFAXを導入するメリット
社会全体のペーパーレス化の潮流を認識しつつも、FAXの使用廃止に二の足を踏んでいた企業の多くは、その背景に昔ながらの商習慣と顧客との関係を変えることが難しいといった声が上がっていました。
しかしながら、ペーパーレスFAXの導入は、これらの課題も解決しつつ、組織のペーパーレス化が推進できるシステムです。ここでは、ペーパーレスFAX導入のメリットを5つ確認していきましょう。
1.業務を効率化できる
受信したFAXは、即座にPDF化され、指定フォルダに自動保存されるため、外出先やテレワークなどのオフィス外勤務であっても、場所を問わずFAXデータを確認することができます。
また、ファックスドライバーを使用して、パソコンからデータをFAXで送信することもできるため、FAXでの送受信を希望する顧客とのやり取りに困ることもありません。
さらに、日々の受信件数が多い場合は、送信元の電話番号などにより、受信時に自動で各フォルダへの振り分けをする機能もあるため、コミュニケーションを円滑にするだけでなく、管理・共有の手間を大幅に軽減することが可能です。
2.コスト削減につながる
従来のFAXは、受信したデータはすべて紙で出力されるため、受発注書など、毎日大量の受信が発生する業種においては、紙やトナーといった消耗品の経費も大きく膨らんでしまいます。
その点、ペーパーレスFAXは、印刷コストの大幅な削減が可能です。さらには、紙の文書のファイリング作業や保管スペース確保などの手間やコストも削減されるため、業務に関わるコストを包括的に軽減することができるでしょう。
3.場所を問わず確認できる
コロナ禍を契機に一気に増加したリモートワークやシェアオフィスの活用といったオフィス外勤務は、一時的な感染対策としてだけでなく、今後も「ニューノーマルな働き方」として一定数が定着すると考えられています。
ペーパーレスFAXは、フォルダへの自動保存だけではなく、指定のメールアドレスへの転送も可能なため、場所を問わず受信したデータを閲覧することができます。リアルタイムかつ自動で担当者へと情報がシェアされる点は、ある意味、紙のFAXを使用していたオフィス勤務時よりも優れた「共通性」を持つといえるでしょう。
4.FAX機器が必要ない
ペーパーレスFAXは、インターネット回線と受信用のPCがあれば利用を開始できる点も特徴です。そのため、FAX機やFAX機能を搭載した複合機を用意する必要はありません。導入コストの軽減やオフィスの省スペース化が実現できるうえ、すぐに導入が可能な点もメリットといえます。
5.文書の紛失がなくなる
紙のFAXでは、受信時に自動で出力されるため、大量のFAX文書の中から目当ての書類を探す手間が発生したり、書類の取り違えによる、紛失などトラブルが発生することも珍しくはありません。
ペーパーレスFAXでは、受信したFAXは自動でデータ化・保存されるため、紛失などのリスクは大幅に低減させることができます。また、自動フォルダ振り分け機能などを活用することにより、探す手間も軽減できるでしょう。
6.セキュリティ対策になる
従来のFAXでは、担当者が不在の場合には、長時間受信トレーに放置されることもある環境は、情報セキュリティ上、良好な状態とはいえないでしょう。
一方、ペーパーレスFAXでは、フォルダへのアクセス権限設定により、データを「関係者のみに共有する」体制を構築することができます。例え組織内とはいえ、業務とは関わりのない社員の目には触れない管理体制を徹底できる点は、セキュリティ対策としても有効です。
ペーパーレスFAXのデメリット
数多くのメリットがあるペーパーレスFAXですが、運用上のデメリットもあります。導入を検討される際は、必ず以下のようなデメリットもしっかりと認識しておきましょう。
PDF編集ソフトが必要なケースがある
ペーパーレスFAXで受信したPDFデータにテキスト挿入や文字装飾などの編集作業をする際には、PDF編集ソフトが必要です。無料で使用できるソフトもあるため、導入のハードルはさほど高くはありませんが、別途ソフトが必要となる点は認識しておかなければなりません。
自動保管するときは電源をつけておく必要がある
共有フォルダを使用してFAXデータを保管する場合は、パソコンを常に立ち上げておかなければなりません。業務時間外に電源を落とすようなことがあると、その時間帯に届いた重要なFAXを見落としてしまうこともあります。
ペーパーレスFAX機能がついた複合機の選定ポイント
プリンターやスキャナ、FAXの機能を集約した複合機は、ビジネスパーソンであれば、一度は使ったことがあるでしょう。ここでは、ペーパーレスFAX機能を搭載した複合機を導入する際の選定基準をお伝えします。
1.費用で選ぶ
複合機の導入には、初期費用とランニングコストがかかるため、予算計画は必須です。複合機を購入するのか、リース契約を結ぶのかによっても導入コストは大きく異なるでしょう。
自社の目的や規模に合わせて機能や導入方法を選定し、紙やトナーといった消耗品のコストも加味した上で、費用を試算するようにしてください。
2.機能で選ぶ
複合機には、コピーなどのプリンター、FAX送受信、スキャナ機能などが搭載されています。主な機能のほかにも、それぞれに「省エネ性」や「高画質・高速プリント」「クラウドサービスとの連携」などの特徴を備えているため、自社の目的に照らし合わせた選定が必要となります。
ペーパーレスFAX機能についても、各社仕様が異なる場合があるため、しっかりと詳細を確認しましょう。
ペーパーレスFAXに特化したおすすめメーカー・販売会社3選
実際にペーパーレスFAX機能のついた複合機を導入する際は、いわゆる相見積もりをとることで業者間の価格差が把握できるため、より良い条件で導入を進めることができます。
ここでは、おすすめの販売会社2社と、DX化やリモートワーク支援のコンセプトからペーパーレスFAX機能を搭載した複合機を製造しているメーカーを紹介します。
株式会社アイコム
株式会社アイコムは、神奈川県横浜市を本拠とし、全国に拠点を構えるオフィス用品の販売企業です。各メーカーのペーパーレスFAX機能付き複合機を広く扱っているため、メーカーの垣根を超えた比較・選択ができます。
株式会社サンエイ
株式会社サンエイは、コピー機、デジタル複合機をはじめ、オフィス家具等を扱う広島県福山市のOA機器販売会社です。
販売・リース・メンテナンスから、オフィスレイアウトの提案等も行なっており、富士ゼロックスやコニカミノルタなど国内主要メーカーのコピー機や複合機を幅広く取りそろえています。
富士フイルムビジネスイノベーション株式会社
富士フイルムビジネスイノベーションは、カラー複合機、モノクロ複合機をはじめ各種業務用プリンターを提供するメーカーです。
リモートワークを支える複合機として、複合機内のデータボックスにFAX文書を蓄積し、担当者のパソコンに転送したりメール送信したりするペーパーレスFAX機能を搭載した複合機を展開しています。
ただし、これらの機能を利用する際には、富士フイルムビジネスイノベーションが提供するクラウドサービスを別途契約する必要がある点に注意が必要です。
ペーパーレスFAXを導入して紙の業務を効率化しよう
リモートワークなどのオフィス外勤務が増え、メールやWEB会議システムでのコミュニケーションが一般化される一方、日本の従来の商習慣や紙文化を起因としたFAXの使用もまだまだ「健在」といえる実状があります。
しかし、紙のFAX使用にも、業種や企業規模に関わらず、いずれはペーパーレス化の波が訪れるはずです。そのような時代の変化に慌てることなく対応するためにも、早期にペーパーレスFAXの導入を検討し、ペーパーレス化だけでなく、包括的な業務の効率化を目指してみてはいかがでしょうか。
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