社会保険とは?基本の仕組みや加入条件・制度の種類について解説

記事更新日:2022/05/12

給与計算システム

ビジネスパーソンと社会保険

社会保険は国が運営し、会社は原則として強制加入となります。その社会保険料は会社と従業員で負担し、負担する割合はそれぞれの保険により異なります。ここでは給与計算における社会保険の目的や仕組み、加入条件、そして会社の負担額などをお伝えします。

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給与計算における社会保険とは

社会保険とは法律により定められた国民の生活を保障する制度です。社会保険は、医療保険、年金保険、介護保険、雇用保険、労災保険の5つに分類でき、それらを合わせて広義の社会保険といいます。

ここでは社会保険制度の目的と社会保険の仕組みなどをお伝えします。

社会保険制度の目的

社会保険制度の目的は、医療保険・年金保険・介護保険では病気や怪我、加齢や介護など、雇用保険・労災保険では失業や労働災害などの保障を実施することです。

もし国民が健康面や労働面などのリスクにさらされた場合、社会保険により金銭や現物の支給を受けることができます。なお、社会保険は国民を対象としており、原則として強制加入となります。

社会保険の仕組み

社会保険は、相互扶助の理念にもとづき、国が運営しています。民間と異なり、国が運営し会社と費用負担することが特徴です。また、社会保険料は会社と従業員で負担し、保険により負担割合が異なることが特徴です。

なお、狭義の意味で、医療保険と年金保険、介護保険を合わせて社会保険といい、雇用保険と労災保険を合わせて労働保険などといいます。

さらに、会社員の加入する医療保険を社会保険、年金保険を厚生年金といい、保険窓口は協会けんぽや年金事務所です。自営業者の加入する医療保険を国民健康保険、年金保険を国民年金といい、窓口は市町村役場、区役所などとなります。

また、労働保険の窓口は労働基準局やハローワークなどとなり、各保険により窓口が異なるのが特徴です。

社会保険への加入条件

会社は、健康保険、厚生年金保険、介護保険、雇用保険、労災保険などの国が運営する保険に加入しています。法人は必ず社会保険に加入しなければなりません。ここでいう法人には、合同会社や株式会社などがあり、法人の意志に関係なく社会保険の加入義務があります。

ここでは、社会保険(健康保険、年金保険、介護保険など狭義の社会保険)の強制適用事業所と任意適用事業所、そして雇用保険と労災保険の加入条件をお伝えします。

社会保険(健康保険・年金保険・介護保険)の加入条件

社会保険のうち、健康保険や年金保険、介護保険などに加入する際、事業所には強制適用事業所と任意適用事業所があります。

  • 強制適用事業所は、法人の事業所や従業員が5名以上いる個人の事業所(農林漁業やサービス業を除く)などがあります。
  • 任意適用事業所は、強制適用事業所とならない事業所で、厚生労働大臣の認可を受け社会保険適用となった事業所をいいます。

雇用保険の加入条件

雇用保険は、雇用の安定を目的とした保険で、失業給付や教育訓練給付などを行います。この保険は、労働者を一人でも雇っていれば適用となるため、適用となる事業所は雇用保険の加入手続きが必要となります。

なお、雇用保険の被保険者の条件は、31日以上継続して雇用が見込まれること、または、1週当たりの労働時間が20時間あることなどがあります。雇用保険の加入条件にあてはまる従業員がいる場合、被保険者となった日の属する月の翌月10日までに資格取得の手続きをしなければなりません。

労災保険の加入条件

労災保険は、業務上の怪我や疾病に対し国が保証する制度です。この保険の加入条件は雇用保険と同じく、労働者を一人でも雇っていれば適用となります。

社会保険料の会社負担額

社会保険料は会社が負担するもの、会社と従業員で負担するものなどがあり、その負担率は保険ごとに法律に定めがあります。

会社で負担する社会保険料の総額は、従業員に支払う給料の約16%です。毎月の会社負担額は、従業員の給料を合計し16%を乗じると計算できます。

ここでは、社会保険料の内訳として、健康保険料と厚生年金保険料、雇用保険料、労災保険料、社会保険料(子ども・子育て拠出金)などに分類し、それぞれの会社負担額をお伝えします。

健康保険料と厚生年金保険料

健康保険料と厚生年金保険料は、会社と従業員で半分ずつ負担します。また、介護保険料は40歳以上65歳未満の従業員が加入対象ですが、この保険料も会社と従業員で半分ずつ負担します。なお、令和3年3月分(4月納付分)の東京都の健康保険料率は4.92%、介護保険料率は0.9%、厚生年金保険料率は9.15%です。保険料率は都道府県で異なる場合があるので注意が必要です。

雇用保険料

雇用保険料は従業員の給与から計算します。給与には本俸のほか職務手当、家族手当や通勤手当なども含まれます。また、労働の対価として住居や食事などが支給された場合、給与としてみなされ雇用保険の対象です。

また、雇用保険は賞与にもかかります。令和4年度の雇用保険料率は、一般の事業の場合0.65%、農林水産・清酒製造の事業は0.75%、建設の事業は0.85%です。令和4年度の雇用保険料率は10月以降に変更しますので確認が必要です。

労災保険料

労災保険料は会社が保険料を負担し、従業員が負担する必要はありません。労災保険には、メリット制という労災発生率により保険料率が増減する制度があります。労災の発生率が少ないと保険料の率が下がるので、労災対策を進める会社は保険料の負担が軽くなります。

平成30年の労災保険料率は、林業6.0%、建築事業0.95%、食品製造業0.6%、その他の各種事業0.3%となり、会社の業種により異なっています。

社会保険料(子ども・子育て拠出金)

事業主は、児童手当の支給に要する費用等の一部として、子ども・子育て拠出金を負担しますが、被保険者の負担はありません。この拠出金の額は、被保険者個々の厚生年金保険の標準報酬月額および標準賞与額に、拠出金率の0.36%を乗じて得た額の総額です。

給与計算における社会保険への加入は絶対

法人であれば必ず社会保険の強制適用事業所となるので、必ず社会保険に加入します。ここでいう法人には、株式会社や合同会社など、全ての法人を含むのが特徴です。つまり、社会保険は法人の意思とは関係なしに加入することが求められており、法律により義務付けられていることに注意が必要です。

社会保険未加入の場合は罰則も

社会保険に未加入であることが厚生労働省の調査で発覚した場合には罰則が適用されます。未加入となった従業員の給料について、消滅時効により2年間さかのぼり追徴されます。

この場合、過去2年分の社会保険料を翌月中に支払いをしなければならず、会社の資金繰りにも影響します。そのため、会社では社会保険未加入となっている従業員がいないか、常に確認が必要になり、給与計算で社会保険料の控除に漏れがないかもチェックしなければなりません。

社会保険の給与計算・会社負担で押さえておきたいポイント

給与では標準月額報酬により社会保険料を計算しますが、その計算方法はそれぞれの保険で異なっているため注意しなければなりません

また、会社の事業内容によっても社会保険の料率は変わるため、給与計算における社会保険の金額の算出には正確な計算が必要です。

ここでは、給与計算で押さえておきたいポイントをお伝えします。

給与計算では賞与に注意

社会保険では、毎月の給料で従業員から保険料を控除し、それと同額を会社が経費として負担します。両者の金額を合計し翌月末までに国の機関に納付します。給与計算では、賞与を支給した際にも社会保険料を納付する必要があります。

各保険により負担割合が異なりますが、賞与を支給した際に控除に漏れがないか、また納付の漏れもないか確認することがポイントです。

端数処理には規定がある

社会保険料を折半した額に端数が生じた場合については規定があります。

  • 事業主が、給与から被保険者負担分を控除する場合、被保険者負担分の端数が50銭以下の場合は切り捨て、50銭を超える場合は切り上げて1円とし計算します。
  • 被保険者が、被保険者負担分を事業主へ現金で支払う場合、被保険者負担分の端数が50銭未満の場合は切り捨て、50銭以上の場合は切り上げて1円とし計算します。

また、事業主と被保険者間で特約がある場合には、特約に基づき端数処理をします。

休職期間の給与計算

従業員が会社を休職しても、社会保険料は原則として変更しません。そのため、会社は毎月の社会保険料を納付する必要があり、従業員の給料が無給であった場合は会社が従業員の社会保険料を立替えます。毎月の社会保険料は所轄の機関より通知がきますので、合計額を確認し納付します。

従業員の負担する社会保険料を会社が立替えた場合は、従業員が復職し給与が発生してから徴収することがポイントです。ただし、育児休暇や介護休暇による休職の場合、法律の規定により従業員と会社の社会保険は免除されます。

従業員が二カ所以上の会社に勤務

従業員が副業のため二カ所以上の会社に勤務している場合、本業を管轄する年金事務所にて必要な手続きをしなければなりません。

この手続きには「健康保険・厚生年金保険 被保険者所属選択・二以上事業所勤務届」の提出が必要で、その届出をもとに、それぞれの会社が社会保険料を控除し会社の負担額と合わせて納付します。

雇用形態は関係しない

社会保険は、正社員やパート社員、アルバイトなどの雇用形態とは関係なく計算されます。社会保険の加入条件さえ満たせば、雇用形態に関係なく給与計算における社会保険の金額は変わらないことがポイントです。

社会保険料が控除されない社員

社会保険は従業員の年齢や勤務状況により保険料を控除するのか異なります。先にお伝えしたとおり、育児期間中や産前産後に休業した場合は、法律に基づき会社と従業員の保険料はどちらも免除されます。

また、75歳以上の従業員は、後期高齢者医療制度に移行するため健康保険料は給与からは徴収する必要はなく、40歳以上65歳未満の従業員は介護保険料の対象となるため給与からその保険料を徴収します。

まとめ

社会保険は原則として強制加入となり、その保険料は会社と従業員で負担割合が決まっています。また、社会保険の種類や制度により、社会保険料を控除されない従業員もいます。

このように給与計算においては、従業員の状況により社会保険料の率が異なることもあります。さらに社会保険の率は毎年変更される可能性があり、その都度給与計算の率を変更しなければなりません。このように社会保険には複雑な制度があるため、給与計算には十分な注意が必要です。

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