クラウド型人事管理システム13選!選定のポイントやメリット・デメリット
人事評価に関する業務を自動化する「人事評価システム」。評価シートの作成や管理、集計などをシステムで一元管理できるため、業務負担の軽減や効率化が実現できます。本記事では、クラウド型人事管理システム13選を紹介し、それぞれのメリット・デメリットを解説します。
目次
人事評価システムとは?
人事評価システムは、従業員ごとの目標設定や自己評価、上司・同僚からの評価・フィードバックなど、人事評価プロセスで発生するデータを一元管理するシステムです。
人事評価システムを活用することで、企業は人事に関する業務フローを効率化しつつ、従業員1人ひとりの能力や貢献度を公正に評価し、報酬の適正化やキャリア開発などにも役立てることができます。
人事評価システムの機能
人事評価システムには、人事評価のプロセスをデジタル化することに加え、評価データの活用にも焦点をあてた機能があります。
機能名 | 詳細 |
人材データベース | 従業員の氏名、所属部署、職位、職歴、スキル、評価などを管理する機能 |
評価シート | 評価制度に応じたテンプレートの編集・配布・回収を行う機能 |
評価ワークフロー | 評価シートの入力・進捗を確認し、必要に応じてアラートを出す機能 |
人材配置シミュレーション | 人件費やスキル値を考慮しながら、異動パターンを作成する機能 |
スキル管理 | スキルセットや保有資格などの登録・確認、スキルマップ・星取表を作成する機能 |
データ分析 | 部署や評価者ごとに評価傾向を可視化し、甘辛調整(従業員の業績や能力を客観的に評価した後に、必要に応じて調整すること)に役立てる機能 |
人事評価システムの選定ポイント
ここでは、人事評価システムを選定する際のポイントを紹介していきます。
自社の評価制度や体制に合ったシステムを選ぶ
人事評価システムの導入形態には、クラウド型・オンプレミス型・パッケージ型の3種類があるため、自社に最適なシステムを賢く選択しましょう。
ただし、導入すべきシステムは、自社の規模や業種によって大きく変わります。また、それぞれの導入形態の中でも、自社の評価制度や体制に応じて選ぶべきシステムはさらに細分化されることもポイントです。つまり、人事評価システムを導入するメリットを最大限に引き出すためには、システムごとの特徴をよく理解することが必要不可欠と言えます。
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操作性・既存システムとの連携のしやすさで選ぶ
可能な限り、UI/UXの操作性が優れた人事評価システムを選択しましょう。システムの扱いやすさは、日々の運用コストを大きく削減してくれるためです。
また、既存システムとの連携ができるかどうかも重要です。給与計算システムや労務管理システム、採用管理システムなど、人事部が既に活用しているシステムとデータ連携ができると、よりスムーズな導入が可能になるでしょう。
必要とする機能が搭載されているかで選ぶ
人事評価システムを上手に活用するためには、自社の課題を解決するための機能を深く理解することが重要です。
しかし、一般的に搭載機能が増えるほどコストが高くなるため、多機能なものを導入すればいいというワケにはいきません。必要な機能を厳選したうえで、条件に合致した人事評価システムを選ぶことが求められます。もし、導入時点で求める機能がわからない場合には、その旨をベンダーに相談しておくのもよいでしょう。
サポート体制の充実度で選ぶ
システム導入後のトラブル時や、疑問が生じた際に迅速かつ的確なサポートを受けられるかどうかは、重要な選定ポイントの1つです。
トラブルシューティングの方法や対応時間はベンダーによって異なるため、導入前にサポート内容を忘れずに確認しておきましょう。仮にシステムが停止した場合には、どういった対応が求められるのかを想定し、対策を準備しておくことも大切です。
企業規模と予算に合ったシステムを選ぶ
人事評価システムは、組織の従業員数に応じて価格が変動する傾向にあります。特に大組織では、費用対効果の高いシステムを賢く選びましょう。
なお、かつては買い切りのパッケージ型がオンプレミス型よりも費用対効果があるとして、大手企業などに好まれる傾向がありました。しかし、月額課金制で常に最新機能が使えるクラウド型サービスの台頭以降はクラウド型を選ぶ企業が増えています。企業規模と予算のバランスを考える際には、このようなランニングコストも含めて検討すると良いでしょう。
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クラウド型人事評価システム13選
近年は手軽さやコスト観点から、パッケージ型がオンプレミス型よりも、クラウド型人事評価システムを導入する企業が増えています。
ここでは、数あるクラウド型人事評価システムのなかでも、厳選した13種類のシステムを紹介します。
MINAGINE 人事評価システム
MINAGINE 人事評価システムは、従業員100名以下の中小企業向けに開発された人事評価システムです。人事評価に特化することで高いコストパフォーマンスを実現しており、シンプルな操作性も相まって多くの中小企業から評価を得ています。
提供元 | 株式会社ミナジン |
初期費用 | 20万円〜 ※人数などにより変動 |
料金プラン | 基本料金 1〜30名:10,000円/月 人数課金 31名〜:1名あたり300円/月 ※年額分の一括支払い |
機能・特長 | 目標設定から評価プロセスをクラウド上で一元管理可能、カスタマイズ可能、クラウドで一元ストック、進捗管理の可視化など |
URL | 公式サイト |
HRBrain 人事評価
HRBrain 人事評価は、評価シートの配布から集計までをワンストップで支援する人事評価システムです。OKR・MBOなどの人事評価、1on1などの面談シートに豊富なテンプレートをもち、ワークフローを含めたカスタマイズ性の高さが特長です。
また、初期設定から運用支援までの手厚いサポート体制が充実しており、各種代行サービスや評価社育成研修などを追加することもできます。
提供元 | 株式会社HRBrain |
初期費用 | 要問い合わせ |
料金プラン | 要問い合わせ |
導入実績 | 累計導入社数2,500社以上(※2023年9月時点) |
機能・特長 | HRBrainシリーズとの併用でシナジー効果を発揮可能、評価ダッシュボード、シートカスタマイズ、1on1/キャリア面談記録など |
URL | 公式サイト |
カオナビ
カオナビは、「従業員の顔と名前を一致させる」というコンセプトを掲げるタレントマネジメントシステムです。エニアグラムという性格類型論を活用した従業員の性格タイプの把握や、4象限マトリクスでの直感的な人材配置などの機能を有しています。
カオナビキャンパスというユーザーコミュニティがあり、オンライン・オフラインを問わず他社との交流の機会が得られるのも魅力です。
提供元 | 株式会社カオナビ |
初期費用 | 要問い合わせ |
料金プラン | 要問い合わせ |
導入実績 | 利用企業数3,300社超(※2023年9月末時点) |
機能・特長 | 収集したデータをもとに人事評価やオンボーディング、健康経営や働き方改革、人的資本の情報開示にも活用可能、人事労務の業務効率化(DX)など |
URL | 公式サイト |
ヒトマワリ
ヒトマワリは、人事業務を戦略的に遂行するために開発された人事管理システムです。
従業員の適性検査結果をもとにクラスター分析を行い、似ている従業員を分類・分析し、採用や定着に役立てる機能があります。また、営業・カスタマーサクセスが1名ずつ専属でアサインされ、導入サポートを無料で受けられるのも魅力でしょう。従業員規模数に関係なく、大手から中小・ベンチャーまで幅広い企業に利用されています。
提供元 | 株式会社Touch&Links |
初期費用 | 無料 |
料金プラン | 22,000円(税込)〜/月~(税込) |
機能・特長 | データの収集・蓄積・分析により、採用・育成・配置・評価・報酬・代謝の意思決定をサポート、ワークフローでの評価管理、データ保全など |
URL | 公式サイト |
人事評価ナビゲーター
人事評価ナビゲーターは、評価制度構築30年以上の実績と、業界トップクラスの低価格を強みとする人事評価システムです。
2,500件以上のコンサル実績をもとに機能を厳選することで、極めて高いコストパフォーマンスを確立しています。現場を経験したコンサル会社ならではのサポートも充実しており、システムの設定・運用レクチャー、電話・オンラインサポート、評価制度の診断などを無料で受けることができます。
提供元 | 株式会社日本経営 |
初期費用 | 11万円(税込)~ |
料金プラン |
※オプション:2,250円(税込)/月〜 |
導入実績 | 導入実績300件 |
機能・特長 | 経営コンサルティングファームならではのサポート体制が強み、一次評価を一括コピー、経営者向けの報告書を自動生成、評価のばらつきをデータで可視化など |
URL | 公式サイト |
SmartHR
SmartHRは、人事業務と労務業務の両方を効率化できる人事労務ソフトです。評価計算機能を活用した評語の算出や、評価対象者同士の比較による甘辛調整などの機能を備えています。
人事評価機能の他に組織の課題を発見する従業員サーベイや分析レポート、文書配付や年末調整などの労務関連機能も搭載しており、汎用性の高さに強みがあります。
提供元 | 株式会社SmartHR |
初期費用 | 無料 |
料金プラン |
|
導入実績 | 登録社数60,000社以上 |
機能・特長 | 柔軟なカスタマイズで既存の評価シートを再現し、回収・集計をスムーズに実行可能、充実したサポートコンテンツ、豊富な外部サービス連携など |
URL | 公式サイト |
サイレコ
サイレコは、データの一元管理と定型業務の自動化に強みをもつクラウド型人事管理システムです。
紙媒体やExcelで作成した評価シートを素早く再現でき、目標設定から評価調整までの業務を効率化できるワークフロー機能が強みです。人事領域に特化した IPaaS として開発されたシステムで、採用管理・労務管理・給与計算などのシステムと連携し、タレントマネジメントの自動化を実現しています。
提供元 | 株式会社アクティブ アンド カンパニー |
初期費用 | 要問い合わせ |
料金プラン | 1名あたり220円/月〜 ※従業員規模100名程度〜 |
機能・特長 | データを自在に抽出し幅広い業務シーンへの活用が可能、組織図の活用で人材の配置転換・異動や出向を簡単把握、評価点調整機能により人事評価の調整を効率化など |
URL | 公式サイト |
ヒョーカクラウド
ヒョーカクラウドは、人事評価の集計管理に特化した中小企業向けの人事評価システムです。
Excelや紙で行っていた人事評価をクラウド化することで、情報の分析・集計をスムーズに簡素化してくれます。また、業界最安水準のツールでありながら、人事評価に必要な機能が充実しており、シンプルで誰でも簡単に使える画面設計であることも特徴です。
提供元 | 株式会社シーグリーン |
初期費用 | 要問い合わせ |
料金プラン | 30,000円/月〜 |
導入実績 | 約300社・500事業所で導入 |
機能・特長 | 同社が提供する評価ポイントとの連携で高度な人事評価が実現可能、スキルマップ機能、エクセル出力、360度評価、1on1ミーティングなど |
URL | 公式サイト |
WiMS/SaaS人事考課システム
WiMS/SaaS人事考課システムは、エンタープライズ企業の利用を想定して開発された人事評価システムです。
大規模組織ならではの複雑な人事評価プロセスに対応するため、目標設定、自己申告、評価、評定値算出、面談までの一連のフローを効率化。 また、ジョブ型雇用の人事評価や、コンピテンシー評価、 MBO評価など、それぞれの評価制度に合わせ、個社要件に柔軟に対応できることも強みです。
提供元 | 株式会社 ソリューション・アンド・テクノロジー |
初期費用 | 要問い合わせ |
料金プラン | 要問い合わせ |
機能・特長 | 豊富なマネジメント機能と評価シートの自動生成機能が強み、ペーパーレス化、メールアラート等の進捗管理による業務効率化、評価分布、傾向分析、ハイパフォーマー分析など |
URL | 公式サイト |
あしたのクラウドHR
あしたのクラウドHRは、他社にはない技術で人事評価における課題解決を実現し、顧客へ「おせっかい」なほどの人事評価構築・運用支援を提供してくれるサービスです。
洗練された「給与シミュレーション機能」では評価と給与の適切な調整が行えるほか、 長年で蓄積されたビックデータを応用し実現したAI による「目標添削機能」・「評価者モニタリング機能」など、 さまざま切り口で人事評価における課題解決をサポートしてくれます。
提供元 | 株式会社あしたのチーム |
初期費用 | 要問い合わせ |
料金プラン | 要問い合わせ |
導入実績 | サービス導入企業4,000社 |
機能・特長 | 人事制度の構築・改善からシステムの導入・運用までをワンストップで提供可能、従業員情報管理、次期の目標設定と組織作り、360評価、1on1など |
URL | 公式サイト |
評価三昧クラウド
評価三味クラウドは、人事評価に特化した業務機能をフルパッケージしつつ、高度に洗練されたクラウドサービスです。
1アカウントあたり月額100円の基本料から利用できるほか、基本料を支払っている期間であれば、2月だけ能力評価オプションを、12月だけ自己申告オプションを使うといった、ピンポイントの調整も可能です。「人事評価をやってみたいけれど、費用が思いの外かかるからできない」という企業にとっても、最大限に利用しやすい価格になっていることが特徴です。
提供元 | 株式会社K2インフィニティーズ |
初期費用 | 3万円 |
料金プラン |
|
機能・特長 | 月単位で必要な機能だけを厳選して契約できる、テンプレートで簡単スタート、厚労省「職業能力評価基準」採用、進捗管理、シート閲覧など |
URL | 公式サイト |
GooooN
GooooNは、大企業向けの人事システムで得たノウハウをもとに、中堅・中小企業向けにカスタマイズされた人事評価システムです。
対話を重視した目標管理・人事評価、自身の希望を人事部に直接伝えられる人事部直通便、ロールモデルを探せる人財プロフィール紹介など、被評価者のニーズを想定した機能を取り揃えています。
また、部門内での甘辛調整や全社での相対調整など、評価バランスを取るための支援機能も搭載されているのが特長です。
提供元 | 株式会社ビジネスネットコーポレーション |
初期費用 | 要問い合わせ |
料金プラン | 15,000円/月~ ※詳細プランは要問い合わせ |
機能・特長 | 従業員の成長・育成に焦点を当てた機能を豊富に搭載、目標管理・人事評価、自己申告・キャリアプラン、人財プロフィール照会など |
URL | 公式サイト |
JOB Scope
JOB Scopeは、日本版ジョブ型人事制度に特化したタレントマネジメントシステムです。
欧米流のジョブ型人事制度を日本企業の文化にフィットさせるために、スキルマッチ度・スキルセット分析や評価と賃金の連動などを通じて、人事制度改革を支援します。
また、事業の再定義や組織づくりをコンサルティングサービスとしても提供しており、人事コンサルタントや社会保険労務士による支援を受けることも可能です。
提供元 | デフィデ株式会社 |
初期費用 | 要問い合わせ |
料金プラン | 要問い合わせ |
機能・特長 | グローバル・スタンダードに適応するためのジョブ型人事制度への切り替え、採用管理機能、人事制度設計、従業員情報、職務定義情報、タレントマネジメントなど |
URL | 公式サイト |
選ぶならクラウド|クラウド型人事評価システムのメリット
クラウド型・オンプレミス型・パッケージ型という3つの導入形態のうち、近年の人事評価システムではクラウド型が最も注目されています。
ここでは、クラウド型の人事評価システムを導入するメリットを5つ解説します。
インターネット環境があれば利用できる
クラウド型人事評価システムは、インターネット経由で端末や場所を選ばずにアクセス可能です。
さらに、近年はスマホアプリ版を備えたクラウド型人事評価システムも増えています。こうした特性は、働き方が多様化している現代において、柔軟な働き方を損なうことなく、人事評価システムを導入することに役立つでしょう。
導入費用を抑えられる
従来のオンプレミス型は、サーバー構築や保守に多額の投資が必要でしたが、クラウド型サービスなら定額料金のみで利用できます。
また、導入したサービスに不満があった場合でも、追加コスト無しにいつでも乗り換えが可能です。市場の変化や成長速度の速いスタートアップ企業などには、極めて大きなメリットと言えるでしょう。
短期間で導入できる
サーバーやソフトウェアの調達・設置・設定などで数カ月の準備期間を要するオンプレミス型と異なり、クラウド型の人事評価システムは数日・数週間での導入が可能です。
アカウント発行やデータ移行にかかる時間はサービスごとに差がありますが、自社の課題を解消するために素早くアクションを起こせるという点において、クラウド型には大きなメリットがあります。
システムの運用管理の手間を省ける
クラウド型人事評価システムは、セキュリティ対策やアップデート対応などを、全てベンダーに任せることができます。
そのため、自社の従業員がシステムの運用管理に追われることがなくなり、人的リソースを他の重要業務に集中できる点は、経営資源の限られた中小企業においては、特に大きなメリットになるはずです。
データを安全に保管できる
クラウド型人事評価システムには、データの安全性を高めるための高度な対策が施されています。
データ暗号化などの基礎対策はもちろんのこと、専門のデータセンターにサーバーが配置されているため、総合的なBCP対策としても極めて有効です。
クラウド型人事評価システムのデメリット
クラウド型人事評価システムは利便性が高い反面、幅広いユーザーに対してサービスを提供する性質上、いくつかのデメリットが存在します。
カスタマイズ性が低い
クラウド型人事評価システムでは、機能の網羅性や汎用性が重視されるため、企業固有の評価基準やプロセスに合わせてカスタマイズすることが難しくなります。
そのため、自社のニーズを満たせるかどうか、無料トライアルなどを通じて事前によく確認しておくことが大切です。自社が求める機能を事前に洗い出し、同業他社への導入事例などもよくチェックしておくと万全です。
セキュリティ面はベンダーに依存している
セキュリティ対策の有無はサービスの信頼性に直結するため、一般的にクラウドベンダーはセキュリティ対策を施しています。しかし、セキュリティ対策のレベル感はクラウドベンダーごとに異なり、強固なセキュリティ対策を実施しているサービスほどコストは増大します。
したがって、必要なセキュリティレベルを定義し、条件に合致した人事評価システムを選ぶことを心がけましょう。
クラウド型人事評価システムで人事評価を効率化しよう
クラウド型人事評価システムは、ペーパーレス化やデータの有効活用を推進し、業務の効率化や組織改善に寄与します。
ただし、市場には数多くのクラウド型人事評価システムが登場しているため、必要な機能やセキュリティ要件と予算のバランスを考慮し、最適なシステムを選定することが大切です。クラウド型人事評価システムの特徴をよく理解して、人事評価業務の改善に役立ててください。
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