エクセルのガントチャートでプロジェクト管理をするコツ|作り方やテンプレートも紹介

最終更新日時:2023/04/12

プロジェクト管理ツール

ガントチャートでプロジェク管理をする方法

プロジェクト管理において重要な役割を果たすガントチャート。ガントチャートを作成することで、プロジェクト全体のタスクや現状を簡単に共有可能です。本記事では、そんなガントチャートのエクセルでの作り方について、メリットや必要な準備など詳しく解説していきます。

エクセルでガントチャートを作成するメリット

エクセルでガントチャートを作成するメリットにはどのようなものがあるのか、4つに分けて解説します。

リスクや負荷を把握できる

エクセルでガントチャートを作成すると、スケジュールの全体像を俯瞰的に確認できるため、作業が集中する工程が明確になり、リスクや負荷を把握できます。

グラフが重複している部分は、タスクが集中しており、調節が必要になります。また、タスク同士の依存関係も把握できるので、作業を後回しにする場合に発生する問題を特定し、トラブルを事前に防ぐことも可能です。

スケジュールを簡単に共有できる

エクセルのガントチャートを使えば、メンバーにスケジュールを簡単に共有できます。プロジェクトの全体像について認識を揃えられるとともに、タスクごとの期限も伝えられるでしょう。さらに、後続のタスクについて意識しながら個々のタスクを進められるため、全体の効率もあげられます。

また、新規タスクや作業の遅れなどによるスケジュールの変更があった場合も、簡単に共有が可能であり、効率的にスケジュール管理をおこなえるので、スムーズな進行につながるでしょう。

スケジュールの妥当性を検証できる

エクセルのガントチャートを使用することで、スケジュールに無理がないか、妥当性を検証できるのもメリットです。作業工程の順番や量、担当者の数、スケジュールなどを細かい部分まで明確にできるので、適切なスケジュールを組めているか全体を俯瞰しながら確認できます。

計画段階でスケジュールの検証をおこなうことで、トラブルを事前に防ぎ、プロジェクトをスムーズに進められるようになるでしょう。

進捗状況を見える化できる

プロジェクト開始後も、エクセルのガントチャートで進行状況を可視化できます。現在、どの工程が完了していて、どの工程が進行中なのかをひと目で把握できるため、計画とのズレの早期発見も可能です。

また、正確な現状把握をすることで、プロジェクトの進捗管理を適切におこなえるため、スケジュールの見直しが必要になった場合にも素早く対応できるようになるでしょう。

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エクセルでガントチャートを作る際に必要な準備

エクセルでガントチャートを作る際に必要な準備について解説します。エクセルのガントチャートは、いきなり作成しても上手くいきません。そのため、事前の準備をしっかりおこなうことが重要です。

明確な目標の設定

まず、プロジェクトにおける明確な目標を設定しましょう。目標が不明瞭だと適切なスケジュールを組めず、本来であれば不要なタスクが発生し、時間をロスしてしまう可能性があります。

目標は、QCD(Quality:品質、Cost:コスト、Delivery:納期)の観点から定めるのが基本です。品質・コスト・納期は密接に関係しているので、網羅的に捉える必要があります。それぞれをわけて具体的な目標を設定することで、ゴールまでの明確な道筋を把握しやすくなるでしょう。

必要なタスクの洗い出し

次に、目標達成のために必要なタスクを洗い出しましょう。エクセルのガントチャートには、プロジェクトに必要なタスクを網羅的に記載する必要があるため、細かい工程も省略しないことが大切です。

タスクを洗い出す際は、大まかなタスクの洗い出しからはじめます。次に、ここで洗い出したタスクを「親タスク」とし、親タスクを細かく分類して「子タスク」を明確にしましょう。このように、必要なタスクをすべて洗い出すことで、不要なタスクや重複しているタスクが分かるので、作業工程の効率化も可能です。

WBSの実施

WBSとは、プロジェクト全体を構造的に捉えるために、必要な工程を段階的に分解して洗い出し、構成図に起こしたものです。WBSを作成することでタスク同士の相関関係が明確になります。

タスク分解が甘いと正確な工数見積もりができず、適切なスケジュールが組めません。そのため、工程ごとに必要なタスクを洗い出し、どれくらいの工数が必要かを明確にしたうえで、WBSを作成しましょう。

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メンバーとの内容チェック

WBSが完成したら、メンバーと内容をチェックします。この工程では、必要なタスクに抜け漏れがないかしっかりとチェックすることが大切です。

基本的に、エクセルのガントチャートは、多くの人が関わる大きなプロジェクトに使用されるため、担当セクションの人にしか分からないタスクが見つかることもあるでしょう。後から修正が発生すると、全体のスケジュールを調整しなければならなくなってしまい、無駄な時間がかかってしまいます。

したがって、ガントチャートを作成する前には、メンバー間で内容を確認しておくことが大切です。

ガントチャートの作成

メンバーとの内容チェックが終わり、準備が完了したらエクセルでガントチャートの作成に移ります。ガントチャートに落とし込む段階で新たに修正箇所が見つかったら、適宜修正を加えつつ精度を高めていきましょう。

エクセルのガントチャートを作成する際には、タスクごとに担当者・予定している作業開始日と終了日・所用日数などを記載します。また、タスクどうしの依存関係も加味することが重要です。

ガントチャートとは何?意味やプロジェクト管理におけるメリット・デメリット

エクセルでのガントチャートの作り方・5つの作成方法

エクセルでのガントチャートの作り方を5つの作成方法にわけて解説します。それぞれにメリットとデメリットがあるため、自社の目的と照らし合わせながら確認していきましょう。

1.条件付き書式

条件付き書式を活用した作り方は、最初にテンプレートを作成することで、それ以降は日付を入力するだけでガントチャートのバーが描けます。修正が発生した場合も、日付を入力し直すだけで反映可能です。

ただし、条件付き書式を使いこなすには、エクセルの知識が必要となります。さらに、色分けなど複雑な表現を入れたい場合はマクロも複雑になり、計算式の作成に手間がかかるでしょう。

2.数式・関数

エクセルの数式・関数を使用したガントチャート作り方は、数一度計算式さえ入力してしまえば、バーを描くことができます。また、日付を入力し直すだけで変更が反映されるので、修正が発生した場合も処理が簡単です。

一方でこの作り方は、あらかじめ数式を入力する必要があるため、エクセルの知識が必要になります。くわえて、条件付き書式よりもカスタマイズが難しく、見た目が少々分かりづらくなってしまうのがデメリットです。

3.グラフ

グラフを使用した作り方は、エクセルで表を作成したのち、グラフ作成機能を使ってガントチャートを作成します。色の塗り分けが簡単にでき、見た目が良いのが特徴です。さらに、マクロを組まずに作成できるため、ファイルサイズが軽いのもメリットといえるでしょう。

ただし、グラフ機能を使いこなすのにもエクセルの知識が必要です。タスクの追加などによってスケジュールに修正が発生した場合も、手間がかかります。また、作成した表を元にグラフ化するため、複数の情報を統合した複雑なガントチャートの作成には向いていません。

4.手書きによるセル塗潰し

エクセルのガントチャートを手書きによるセル塗潰しでおこなう作り方は、タスクごとに必要な期間を手書きで塗り潰して作成します。この作り方は、エクセルの知識があまりなくても、ガントチャートを作成できるのがメリットです。また、色の塗り分けなど複雑な表現をしたい場合や、修正する必要が出た場合でも対応しやすいでしょう。

デメリットは、すべての作業を手作業でおこなうため、ガントチャートの作成や修正に時間がかかることです。そのため、より作業を効率化したい場合は、エクセルの操作方法を覚える必要があるでしょう。

5.手書きによる図形描画

手書きによる図形描画の作り方は、エクセルの図形テンプレートに入っている矢印などでバーを表現します。エクセル初心者でも、図形を伸縮させるだけで作成でき、修正も簡単なことがメリットです。また、色の塗り分けなど複雑な表現をしたい場合にも対応できます。

一方で、すべて手作業でおこなうため、ガントチャートの作成に時間がかかるのがデメリットです。さらに、図形を使って1つずつバーを表現するので、見た目を整えるのにも手間がかかります。

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エクセルでガントチャートを作る際のコツ

エクセルでガントチャートを作る際のコツについて解説します。エクセルでガントチャートを作成する際にはどのようなポイントに注意すれば良いかを、しっかりと確認していきましょう。

定期的なチェックを行う

エクセルのガントチャートを作成する際は、最後まで作りきる前に、定期的にチェックすることが大切です。特に、条件付き書式や計算式を使っている場合、細かいミスには気付きにくいでしょう。

また、ガントチャートを作成する段階で修正すべきポイントが浮き彫りになることもあります。よって、定期的にチェックすることで正確なガントチャートを作成でき、現場の状況に合った運用ができるようになるのです。

バックアップは取っておく

条件付き書式や計算式、グラフ機能を使って作成されたガントチャートは、情報を少し書き換えるだけで、全体に変更が反映されてしまいます。その結果、小さな誤操作でも表示がおかしくなってしまう可能性があるでしょう。

このような事態を防ぐために、ガントチャートのエクセルは一部の管理者のみが編集できるようにするといった対策が必要です。さらに、バックアップをとり、万が一ファイルが破損しても対応できるようにしておくといいでしょう。

更新回数をなるべく減らす

エクセルのガントチャートの作成には時間がかかります。修正が発生すると、全体のスケジュールを調整しなければならなくなるため、更新回数をなるべく減らすことが重要です。

更新を減らすためには、計画段階でのタスクの洗い出しや順序決めといった準備段階で、詳細まで念入りに検討する必要があります。

プロジェクト管理に必要なスキルとは?PMが身につけるべき能力と向上の秘訣

エクセルでガントチャートを作る際におすすめのテンプレート

エクセルでガントチャートを作る際におすすめのテンプレートを紹介します。エクセルにはガントチャートの作成に役立つテンプレートが豊富に展開されています。テンプレートを活用することで、ガントチャートの作成にかかる手間を大幅に削減できるでしょう。具体的には、以下のようなテンプレートが用意されています。

シンプルガントチャート

無料で使用できるガントチャートのテンプレートです。プロジェクトをフェーズとタスクごとに分類し、タスクの開始日・終了日、担当者を入力するだけでガントチャートを作成できます。また、進捗率の記録もできるので、現状をリアルタイムで把握することも可能です。

[出典:日本マイクロソフト株式会社「シンプル ガント チャート」]

ガントプロジェクト計画シート

こちらのテンプレートも無料でダウンロードできます。短期・小規模のプロジェクトから長期・大規模のプロジェクトまで幅広く対応できるガントチャートです。各タスクの開始日・作業期間・現在の進捗を入力するだけで、簡単に図式化できるといった特徴があり、シンプルかつひと目で現在の状態が分かるので、メンバー間での共有も簡単です。

[出典:日本マイクロソフト株式会社「ガント プロジェクト計画シート」]

エクセルでガントチャートを作成してプロジェクト管理を効率化しよう

エクセルでガントチャートを活用することで、視覚的にプロジェクトを管理できます。正確に進捗管理やメンバー間での進捗共有もおこなえるため、効率的なプロジェクト管理が可能です。

ガントチャートを作成する際には、エクセルを活用するといいでしょう。無料で使えるテンプレートも豊富に展開されているので、ガントチャートを活用して効率的にプロジェクトの進捗管理をおこないましょう。

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