プロジェクトマネジメントにおすすめの資格一覧|難易度や取得するメリットについて
プロジェクト管理の分野において、自身の能力を客観的に証明するには資格が有効です。就職や転職を目的として取得する場合、どのような資格が役立つのでしょうか。プロジェクトマネジメントと関連性の高い資格に焦点を当てて、各資格の難易度や取得メリットについて解説します。
目次
プロジェクトマネジメントに関するおすすめの資格と難易度
プロジェクトマネージャーは、特定の資格が必須となる役職ではありません。しかし、プロジェクトマネジメントに関する資格を取得しておくことでスキルを客観的に証明でき、キャリアアップにもつながる可能性があります。
ここからは、プロジェクトマネジメントに関するおすすめの資格7つと難易度を紹介します。
PMP
PMP(Project Management Professional)は、米国のProject Management Institute(PMI)が認定する国際的なプロジェクトマネジメント資格です。プロジェクトマネジメントの実務経験と知識を有する専門家を認定するものとして、世界中で高い評価を受けています。
PMPを取得するには、一定の実務経験と教育時間を経てから試験の受験が必要です。合格率は非公開のため難易度は把握できませんが、一定の実務経験が必要なことから専門性が求められることがわかります。
合格率 | 非公表 |
受験対象者 |
上記に加え、申込時に正式なプロジェクトマネジメント教育のコンタクト・アワーが35時間以上であることを証明する必要があります。 |
受験費用 | PMI会員:$405(再試験:$275) 一般会員:$555(再試験:$375) |
資格分類 | 国際資格 |
推定勉強時間 | 100時間程度 |
URL | 公式サイト |
P2M
P2M(Project & Program Management)は、日本プロジェクトマネジメント協会(PMAJ)の資格制度です。
P2M取得のために知識を学び活用することで、多様なプロジェクト環境下でも適切なマネジメントが可能です。特に変化の激しいビジネス環境や複雑なプロジェクトにおいて、効果的なプロジェクト遂行が期待されるため、国内の多くの企業や組織で導入・利用されています。
合格率は低すぎることはなく、しっかりと学習して臨めば難易度は高くないでしょう。
合格率 |
※すべて累計の合格率です |
受験対象者 |
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受験費用 |
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資格分類 | 民間資格 |
推定勉強時間 | 数十時間~数ヶ月 |
URL | 公式サイト |
プロジェクトマネージャ試験
プロジェクトマネージャ試験は、独立行政法人情報処理推進機構(IPA)が実施している資格試験の一つです。プロジェクトマネジメントの基本的な知識や技能を有する者を認定するものとして位置づけられています。
受験資格に定めはありませんが、合格率は令和4年秋期で14.1%と低めです。そのため、事前準備が必須といえるでしょう。
合格すると、プロジェクトマネージャとしての専門性と能力を持っていることが公式に認められ、ビジネスシーンでのキャリアアップや信頼の獲得につながります。国内外の多くの組織や企業で、資格の価値が高く評価されています。
合格率 | 令和4年秋期:14.1% |
受験対象者 | 学歴、実務経験、年齢を問わない |
受験費用 | 7,500円(税込) |
資格分類 | 国家試験 |
推定勉強時間 | 約150~300時間 |
URL | 公式サイト |
PMOスペシャリスト認定資格
PMOスペシャリスト認定資格は、プロジェクトマネジメントオフィス(PMO)の専門家としての能力を認定する資格です。合格率はPMO-S(★)は非公開、PMO-S(★★)は44%で、PMO未経験者には少し難易度が高いといえるでしょう。
試験に合格することで、PMOのエキスパートとしての資質が正式に認められ、企業や組織での役割や責任を拡大することが期待されます。専門的なPMOの知識を持つことで、プロジェクトの成功率を高める重要な役割を果たせます。
合格率 | PMOスペシャリスト(★)™:非公表 PMOスペシャリスト(★★)™:44% |
受験対象者 | PMOスペシャリスト(★)™
PMOスペシャリスト(★★)™
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受験費用 | PMOスペシャリスト(★)™
PMOスペシャリスト(★★)™
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資格分類 | 民間資格 |
推定勉強時間 | 30〜50時間 |
URL | 公式サイト |
基本・応用情報技術者試験
基本情報技術者試験および応用情報技術者試験は、日本の情報技術者試験として独立行政法人情報処理推進機構(IPA)が主催する国家試験です。
基本情報技術者試験は、ITの基本的な知識を持つ者を認定するもので、応用情報技術者試験はより専門的なITスキルや知識を持つ者を対象としています。受験者は幅広い分野の問題に解答し、合格するとその専門性が公式に認められます。合格率はあまり高いとは言えません。
2つの資格は、IT業界でのキャリアを追求する者にとって、技術力や知識の証明として非常に価値があります。
合格率 | 基本情報技術者試験:51.7%(令和5年度4~9月平均) 応用情報技術者試験:27.2%(令和5年度春期) |
受験対象者 | 基本情報技術者試験:学歴、実務経験、年齢を問わない 応用情報技術者試験:学歴、実務経験、年齢を問わない |
受験費用 | 基本情報技術者試験:7,500円(税込) 応用情報技術者試験:7,500円(税込) |
資格分類 | 国家資格 |
推定勉強時間 | 基本情報技術者試験:50~200時間 応用情報技術者試験:200~500時間 |
URL | 公式サイト |
ITストラテジスト試験
ITストラテジスト試験は、独立行政法人情報処理推進機構(IPA)が実施する国家資格試験の一つです。ITを活用した経営戦略の策定や実行を担う専門家を対象としています。
ITストラテジストの役割は、ビジネスニーズとITの可能性をつなぐブリッジとして、経営戦略とIT戦略の一体化を図るものです。試験では専門知識やスキルが評価されます。合格率は令和5年度春期で15.5%と、難易度が高いといえるでしょう。
多くの企業や組織でITストラテジストの役割が重要視されており、この資格を有することは大きなアドバンテージとなります。
合格率 | 15.5%(令和5年度春期) |
受験対象者 | 学歴、実務経験、年齢を問わない |
受験費用 | 7,500円(税込) |
資格分類 | 国家資格 |
推定勉強時間 | 150~200時間 |
URL | 公式サイト |
ITコーディネータ試験
ITコーディネータ試験は、特定非営利活動法人ITコーディネータ協会が主催する資格試験です。ITコーディネータは、ユーザの要求やビジネスニーズを正確に理解し、適切なITソリューションを提案・実施する役割を果たします。
試験では、深い知識とコミュニケーション能力が求められます。ITコーディネータとしての認定を受けることで、企業内外でのプロジェクトの円滑な進行や成功率を向上させることが期待され、多くの組織でその能力が高く評価を受けています。
合格率 | 65.7%(第44回試験) |
受験対象者 | 学歴、実務経験、年齢を問わない |
受験費用 | 19,800円(税込) |
資格分類 | 民間資格 |
推定勉強時間 | 50時間以上 |
URL | 公式サイト |
プロジェクトマネジメントに関する資格を取得するメリット
ここからは、プロジェクトマネジメントに関する資格を取得するメリットを3つ紹介します。
知識を身に付けられる
プロジェクトマネジメントの資格を取得する過程では、多岐にわたる専門的な知識を学びます。この過程で、プロジェクトの立ち上げから完了までの各段階での計画、実行、監視、最終的な終結を効果的に遂行するための知識を身に付けることが可能です。
結果として、業務の質や効率を向上させるための確固たる基盤を築くことができるのです。
▷プロジェクト管理とは?目的ややり方・メリットやフローを紹介
能力を客観的に証明できる
資格を取得することで一定の水準以上の専門的な知識を有していることを示すことができ、実務経験や実績だけでは伝えきれない能力を資格という形で第三者に示せます。
特に職務経歴書や面接の際に、資格を持っていることは大きなアドバンテージとなります。多くの企業や人事担当者は、資格取得者は必要な知識やスキルを確実に持っていると判断します。
その結果、キャリアの拡大や昇進、または新しいポジションへの適応が容易となり、プロフェッショナルとしての価値を高めることが可能です。
就職や転職に役立つ
プロジェクトマネジメントの資格は、就職や転職の際に非常に有利です。特に競争が激しい求人において、資格は明確な差別化要素として機能します。
多くの企業は、プロジェクトの遂行や管理に関する専門的な能力を持つ人材を求めており、資格はその能力を客観的に証明する手段として認識されているのです。また、転職市場においても、資格を持つことで求人の選択肢が広がるだけでなく、より高い給与や待遇を求める交渉の材料としても利用できます。
総じて、資格はビジネスパーソンの市場価値を向上させる大きな要因となり得ます。
▷プロジェクトライフサイクルとは?意味や種類・導入までのステップについて解説
プロジェクトマネジメントに関する資格取得で生じるデメリット
プロジェクトマネジメントに関する資格取得で生じるデメリットを4つ紹介します。
時間や費用がかかる
受験するには、試験の準備や学習に多くの時間が必要です。専門的な書籍の購入や講座の受講、模擬試験の受験などの資金が必要になり、資格取得のための試験料も発生します。
そのため、資格取得を検討する際には、試験への投資と将来のベネフィットを慎重に比較・検討し、無駄な出費や時間の浪費を避けるための計画を立てましょう。
すぐに実務に活かせるとは限らない
資格取得は知識の習得を示すものであり、必ずしも実務の経験や実績につながるわけではありません。
実務経験は、人間関係やコミュニケーション、現場のリアルな状況への対応能力を養う上で非常に重要です。資格だけで実務のすべてをカバーするものではないことを理解し、経験を重ねることの大切さを忘れてはなりません。
資格取得に固執してしまう
資格はたしかにキャリアの一つの指標となりますが、過度に資格取得を追求し固執することはリスクともなり得ます。資格のみに価値を置くことで、実務経験や実際のスキル向上が疎かになる恐れがあるのです。
実際のビジネスの場では、資格よりも経験や実績、コミュニケーション能力が重視される場面が多いため、資格取得を目的とするのではなく手段として総合的なキャリアアップを目指す姿勢が大切です。
▷成功の道標!プロジェクト計画とは?目的や必要性・作成フローを解説
プロジェクトマネジメントの資格を取得する方法
プロジェクトマネジメントの資格はキャリア向上の一つの手段です。適切な学習方法や資格取得へのステップを理解することで、効率的な取得が可能となります。
ここからは、プロジェクトマネジメントの資格を取得する方法を紹介します。
実務を通して経験を積む
実務経験はプロジェクトマネジメントの資格取得への鍵となります。
実務上でのトラブルへの対処やチームとのコミュニケーションは、試験対策では得られない実践的なスキルを習得する機会となります。資格は能力の証明になりますが、それを裏打ちする実務経験がキャリアの質を向上させます。
書籍や過去問で独学する
書籍や過去問を利用することで、試験の傾向を把握し、必要な知識を効率的に身に付けることが可能です。過去問を解くことで実際の試験対策を行い、弱点を洗い出せます。
専門の書籍も、理論や基本的な概念を深く学ぶ上での資料として活かせます。独学を進める際は、計画的な学習スケジュールの設定と、定期的な振り返りを行いましょう。
講座や予備校に参加する
講座や予備校は専門家による指導を受けられるため、短期間での合格が見込めることが多いです。また、疑問点を即座に質問できる環境は、独学と比較して大きな利点といえます。
また、最新の試験情報や変更内容も随時提供してくれるため、情報収集の手間が省けます。受験者同士の情報交換の場としても役立ち、モチベーションの維持にも寄与するでしょう。
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▷プロジェクト管理の基本的な手法を解説!種類や初心者で運用するコツ
資格を取得してプロジェクトマネージャーのスキルを磨こう
プロジェクトマネジメントの資格は、ビジネスパーソンにとって知識の体系化やスキルの向上、キャリアアップへのステップとして大変有効です。資格取得の過程では、現場での実務経験だけでは得られない幅広い知識が身に付きます。
さらに、資格は自らの能力を客観的に証明する手段となり、就職や転職活動においても強力な武器となるでしょう。
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