進捗管理とは?どうやるべき?プロジェクト管理のコツと失敗例

最終更新日時:2023/02/13

プロジェクト管理ツール

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プロジェクト達成に欠かせない進捗管理。昨今の働き方の多様化から重要性が高まり、取り組んでいる企業も増加していますが、そもそも進捗管理とは何か、疑問に感じている人も多いのではないでしょうか。本記事では、進捗管理について、必要な理由や管理成功のコツ、失敗例などを詳しく解説します。

進捗管理とは?

進捗管理とは、プロジェクトを行ううえで作業計画と実際の状況に相違がないかどうか把握して管理することです。

進捗管理がきちんとできていないと、スケジュールの遅れが発生したり、人件費などのコストがかさんだりしてしまいます。また、納期が遅れることで、取引先からの信用を失う可能性もあるでしょう。

進捗管理は、プロジェクトを計画通りに進めるための指針であり、必要不可欠な作業なのです。

進捗管理が必要な理由

プロジェクトを円滑に計画通り進めるために進捗管理は欠かせない作業です。

ここでは、なぜ進捗管理が必要なのか、その理由について解説していきます。

プロジェクトの遅延防止

進捗管理を行うことで、プロジェクトの遅延が防げます。

進捗状況を共有すると、プロジェクトにかかわる全員が全体の進み具合を確認できるようになり、それによってスケジュール厳守への意識も高まります。納期の遅れはコストの増加に直結するだけでなく、取引先からの信頼低下の原因ともなります。

業務進捗の定期的な把握

進捗管理により、業務の進捗状況が定期的に把握できます。

プロジェクトに携わる各チームの作業の進み具合や完成度を見える化することで、業務の漏れや遅れなどの問題を早期発見でき、適切な対処が行えます。

緊急時への対策

プロジェクトを進めるなかで緊急事態が発生した場合も、進捗管理を行っておけばリカバリー対策が立てやすくなります。

進捗状況を把握できていれば、トラブルによって全体のスケジュールなどの見直しが必要となったときにも、スムーズに対処できます。

業務の均一化

進捗管理は、業務を均一化するのにも役立ちます。

プロジェクトの進捗がわからないと、誰がどのくらいのペースでどんな作業をしているのかが把握できません。作業の負荷や能力が平準化されないことで、作業の割り振りなどが非効率になってしまいます。

進捗管理を行うことにより、管理担当者はチームの状況を俯瞰で見ることができ、それぞれの作業内容と能力が見合っているかを見極められます。メンバーのスキルに合わせたタスクの配分が可能となり、リソースの偏りを解消できるのです。

ノウハウの蓄積・共有

進捗管理によって、今後のプロジェクトに役立つノウハウを共有したり蓄積したりすることも可能になります。

プロジェクトの進捗状況から失敗や成功の要因を分析することで、改善点などが見えてきます。また、その分析データはノウハウとして社内で蓄積・共有され、会社が前進するための財産ともなるでしょう。

チームのモチベーション向上

進捗管理は、チームのモチベーションを向上させるきっかけにもなります。

進捗状況を報告しチーム内で共有することで、自分の役割に対する責任感が生まれ、高い目標達成意識を維持しながらタスクに取り組むことができます。

また、タスクに関する情報共有や確認などのコミュニケーションが増加し、作業の遅れやトラブルが発生したときも自然とフォローしあえる関係が構築できます。作業しやすい環境となることで、チーム全体のモチベーション向上にもつながっていくのです。

業務効率・生産性の向上

進捗管理を行うことで、業務の効率化や生産性の向上が期待できます。

プロジェクトの現状を常に把握できると、どの過程でどのチームにどれだけの人員や作業量が必要なのかといったことがわかってきます。それによって、ピンポイントで必要な対策がとれるようになり、業務を効率化できます。

業務が効率化されれば、作業にかかる時間のスピードアップやスリム化がはかれるため、生産性向上にもつながっていくでしょう。

プロジェクト管理ツールの基本的な機能一覧!機能を理解し業務効率化!

進捗管理に失敗してしまう主な例

進捗管理は、進め方によっては失敗することもあります。

ここでは、進捗管理の失敗例をいくつかご紹介します。

進捗管理に対する理解不足

進捗管理への理解が不足しているために、進捗率や進捗段階などの要件がきちんと定義されていないと、進捗管理そのものが形骸化し効果が薄れてしまいます。

メンバーによって進捗に対する認識が異なっていると、プロジェクトの進捗状況や目標達成状況を正しく把握できず、納期遅延や目標未達などの事態に陥りかねません。

業務内容が不確定

業務の優先順位や業務量が不確定だと進捗管理に支障をきたす可能性があります。

業務の優先順位が不確定で曖昧だと、進捗管理を行ううえで作業完了までのスケジュールなどが効果的に立てられなくなります。また、何かトラブルが発生したときにも、効率的な対応策をとることが難しくなるでしょう。

また業務量が不確定だと、スケジュールが立てづらいだけでなく、チームや個人の業務量の平準化もはかれません。そのため、効率的に作業を遂行するための取り組みも非現実的なものになってしまいます。

プロジェクトの目的が不明確

進捗管理において重要なのは、プロジェクトの目的を明確にしメンバーで共有することです。

プロジェクトの目的が不明確だと、必要な要件などの認識がメンバーで一致しないなかで業務を進めてしまうことになりかねません。そのため、非効率的な業務が増え、作業の進み具合や納期にも影響が出てしまいます。

進捗状況の把握・分析が不十分

作業工程ごとの課題や問題点を把握・分析せずに、進捗率などの数字のみに目を向けているのは、進捗管理を上手に活用しているとはいえません。

進捗管理の目的は、進捗状況の把握や分析を行うことで、作業の効率化をはかり、チーム全体の作業などのバランスをとりながらプロジェクト遂行の道筋をつけていくことにあります。

進捗管理がうまくいっていないと感じたら、状況分析や現状の把握に問題がないか確認してみましょう。

信頼関係の構築不足

プロジェクトを進めるにあたって、チームの信頼関係が築けていないと、進捗管理を正しく行うことが難しくなります。チームの信頼関係の構築が不足していると、情報共有が円滑にされないなどの弊害が起こります。また、タスクの漏れや遅れなどの問題が起きても報告しない人も出てくるでしょう。

状況報告が曖昧になってくると、たとえ進捗管理を行っていても、スケジュールの遅れなどのトラブルに対処することができなくなってしまいます。

進捗管理を成功させるポイント

プロジェクトを進めるうえで発生するさまざまなトラブルに対応するために、進捗管理は必要不可欠です。

ここでは、進捗管理を成功させるためのポイントを紹介していきます。

プロジェクト責任者の決定

進捗管理を効果的に行うには、プロジェクトの責任者を立てる必要があります。

プロジェクトの納期や目的などをメンバーに共有させ、現状を把握しながらスケジュールを立てるのは、責任者の仕事です。また、トラブルが発生したときも、責任者が中心となって対応策を打ち立てます。そのため責任者がいないと、進捗管理だけではなく、プロジェクト自体の遂行にも支障をきたします。

プロジェクトの目的設定

プロジェクトの目的を設定しメンバーで共有することも、進捗管理を成功させるポイントとなります。プロジェクトの目的が明確になっていれば、メンバー間で業務の要件や優先ポイントなどが共有でき、業務の効率化につながっていきます。

プロジェクト管理ルールの策定

管理ルールを策定することも、進捗管理を成功させるポイントといえます。

進捗率や進捗段階などの要件定義を行い、進捗の報告や共有方法などの管理ルールを策定しておくことで、チーム内の認識が統一され、進捗管理が行いやすくなります。

業務の分類・割り振り

プロジェクトをスムーズに進めるためには、業務の分類や割り振りを最適化することが求められます。チーム、または個人の能力と課されるタスクの配分を調整することは、納期までに業務遂行するためには欠かせない要件なのです。

現状を把握し業務を細分化することで作業工程を洗い出し、より最適な作業分類と割り振りが行えれば、効果的に進捗管理が行えます。

進捗状況の定期報告

進捗管理を成功させるには、リアルタイムでの正確な状況把握が必要になります。状況把握をこまめに行うためにも、担当者からの新着状況の定期報告をルール化しておくのも良い方法です。

コミュニケーションの円滑化

進捗管理を成功させるためには、正確な状況把握が欠かせません。

メンバー同士のコミュニケーションが円滑な現場では、状況の報告や問題の報告をスムーズに行うことができます。そのためには、現場で作業するスタッフが、こまめに作業状況を報告できる環境を作ることも重要なポイントとなります。

進捗管理におすすめの方法

進捗管理にはさまざまな方法がありますが、プロジェクトの内容や規模によって適しているものは異なります。効果的に進捗管理を行うためには、チームで情報を共有しやすく、一目で進捗状況が把握できる方法がよいでしょう。

ここでは、進捗管理に利用したいおすすめの方法をご紹介します。

業務日報

業務日報の活用は、進捗管理を行ううえで効果的です。毎日の作業状況が把握できるだけでなく、進捗状況を日々確認することを習慣づけるきっかけにもなります。

図・表

図や表を用いて進捗管理を行うと、現状が一目でわかりやすくなります。方法としては、エクセルでタスクの一覧を記載した進捗管理表を作成するのがもっともシンプルでしょう。それぞれのタスクの期限や優先度、担当者を設定し、プロジェクト開始後はステータスを都度更新して進捗を管理していきます。

エクセルで進捗管理を行う際は、WBS(作業分解構成図)を作成しておくと、タスクの抜け漏れやリソースの偏りを防ぐことができ、プロジェクト計画の精度がアップします。

ガントチャート

ガントチャートは、作業計画と進行状況を一目で把握できるよう、わかりやすく図表化したものです。メリットとしては、プロジェクトにかかわるメンバー全員が、すべてのタスクの進捗状況や期限を把握できる点があげられます。

ガントチャートは、縦軸と横軸の2つのブロックで構成されます。縦軸にはプロジェクトの各タスクや担当者、開始日・完了日などの情報を記載します。横軸には日付や時間を記載し、各タスクの作業時期や進捗状況などを棒グラフで示します。

棒グラフで視覚的にスケジュールを把握でき、進捗状況に応じて計画を調整しやすい点がガントチャートの特徴です。また、縦軸にタスクや担当者を記載するため、タスクの遂行や担当者の割り振りに漏れがないかもチェックできます。

ガントチャートとは何?意味やプロジェクト管理におけるメリット・デメリット

カンバン方式

カンバン方式とは、カードなどを使って行う進捗管理の手法です。ボードにカードや付箋を貼っていくように、ステータス別に必要なタスクを並べて分類していきます。

たとえば、新規のタスクは未着手リスト、作業途中のタスクは進行中リストへ、完了タスクは完了リストへカードや付箋を移動させるようなイメージです。この分類によって、全体の動きが見やすくなります。

カンバン方式のメリットとして、フォーマットが統一されているため、管理者にとって管理しやすい点があげられるでしょう。チーム内の進捗を把握できることで、情報共有のためにメンバーと話し合ったり、作業が遅れているメンバーを自然とフォローしたりなど、コミュニケーションが増えるといった効果もあります。

カンバン方式は日本独特の方式で、トヨタ自動車が行っていた生産管理方法が始まりといわれています。

進捗管理ツール

プロジェクト管理ツールなどの進捗管理ツールを利用するのもおすすめです。

進捗管理ツールは、複数のタスクの進捗を管理でき、各メンバーの作業量や状況を把握できます。リアルタイムでの情報共有や入力フォーマットの統一ができるため、効率的に進捗管理を行えます。

主な機能としては、ガントチャート機能やWBS機能、カンバン機能、進捗管理機能などのタスクを管理する機能に加え、ファイル共有機能やコメント機能などを備えています。

進捗管理ツールは国内外問わず多くの商品が販売されており、ツールによって機能や適した分野は異なります。進捗管理ツールを導入する際は、プロジェクトの目的や利用人数、セキュリティ対策などを比較し、自社に合ったものを選定しましょう。

おすすめのプロジェクト管理ツール20選を比較!目的や料金に合わせた選び方

進捗管理をどうやるべきか検討し組織力を最大化しよう

この記事では、進捗管理について解説してきました。

進捗管理は、プロジェクトを計画通りに進めるための指針であり、必要不可欠な作業です。進捗管理がきちんとできていないと、納期が遅れるだけでなく、トラブルが起きたときにとっさにリカバリーができないなどのデメリットが生じます。

しかしながら進捗管理は、正しい方法で行われないと効果を発揮しません。進捗管理の目的や必要性をチームで共有したうえで、効果的な進捗管理の方法を検討し、組織力の最大化につなげていきましょう。

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