RPA導入で士業の業務を効率化!適した業務や活用事例
士業でも導入が進められているRPA。自動化によりさまざまな業務を効率化できるRPAですが、果たして士業ではどのような業務に導入できるのでしょうか。本記事では、そんな士業でのRPAの活用方法について、適した業務や活用事例などを詳しく解説します。
目次
士業の業務を効率化できるRPAとは?
RPA(Robotics Process Automation)とは、人間が行っているデータ入力などの単純作業をロボットに代行させる仕組みです。あらかじめ人間が設定した手順にそってロボットが作業を行ってくれるため、時間がかかるデータ入力などの単純作業を効率化し、人件費の削減や業務効率に貢献します。
さまざまな業界のバックオフィス業務に導入されているRPAですが、士業も例外ではありません。人が行なっていたい業務をRPAに任せることで、売上に直結する士業のコア業務に注力できる点はメリットといえます。
RPAに適した士業の業務例
専門性の高い士業においてもRPAの導入は可能ですが、具体的にどのような業務領域で効果を発揮するのでしょうか。ここでは、RPAがマッチする士業の業務例を3つ紹介します。
データ入力の業務
データ入力はRPAが導入される定番の業務例で、士業のデータ入力業務でも活用できます。たとえば、顧客から届いた業務データを異なるシートに転記するなど、決まった手順に沿って転記入力を行う業務であればRPAでの代行が可能です。
時間がかかる入力業務をRPAで自動化することで別業務にリソースが使える点は、忙しい士業にとって大きなメリットになるでしょう。
▷RPAを活用してデータ入力を効率化!方法や他サービスとの連携
各種資料作成業務
申告書作成などの資料作成は、士業の業務でも頻繁に発生する領域です。ある程度決まった形の資料へ落とし込む場合には、RPAでの業務代行が可能です。
また、資料作成に必要な集計などの周辺業務もRPAで自動化できる場合があるため、資料作成を全て代行するのではなく、一部業務のみをRPAで効率化するなどの方法もあります。
行政データの取得作業
データ収集機能などを備えた一部のRPAであれば、行政データの取得をRPAで自動化できます。たとえば、行政書士が最新の地域情報を自治体ホームページなどから取得する場合、RPAにデータ収集を代行させることが可能です。
データ収集の業務は種類や量が多くなる場合があるため、時間をとられることもあるでしょう。もっと効率的にデータ取得をしたい場合は、RPAの導入を検討することをおすすめします。
▷RPA導入で業務効率改善!単純作業を自動化するポイントと事例の紹介
士業の業務にRPAを導入するメリット
専門性の高い士業の業務に、RPAを導入するメリットはあるのでしょうか。ここでは、士業の業務にRPAを導入する3つのメリットを紹介します。
事務的な入力作業を自動化できる
事務作業の一部を自動化し、効率化できる点は大きな導入メリットといえます。特に士業は資格を持った人しかできない業務が多い業種です。単純な事務作業をRPAに代行させ専門的な分野を受け持つことができれば、業務の質を大幅に向上させることにも繋がります。
人手不足の解消が見込める
専門性のある業務で慢性的な人手不足が問題の場合、RPAの導入が人手不足の解消に役立ちます。
人手不足の中で自分が行っていた単純作業をRPAが代行すれば、人を雇わずに人手不足を解消できる可能性があります。また事務員などを雇っている場合は、RPAの導入で人件費の削減も見込めるでしょう。
ヒューマンエラーの防止につながる
設定された内容を反復して作業できるRPAは、人の手を使わないためヒューマンエラーの防止につながります。特にデータを転記し入力する作業などは、作業量が膨大で作業が単純なためミスの起きやすい業務です。
RPAによってミスのない作業が可能になれば、見直しや修正の時間が短縮できミスの防止になる点はメリットといえます。
▷RPAの導入後・運用での課題点|原因や課題を解決する秘訣
士業の業務にRPAを導入するデメリット
多くのメリットがあるRPAですが、導入にはいくつかのデメリットもあります。ここでは、士業にRPAを導入するデメリットを2つ紹介します。
導入までに時間がかかる
士業にRPAを導入すると単純作業や定型業務を効率化できますが、既存の業務体制をRPA導入後の仕様に変えていく必要があります。そのため、RPAを導入する際には現在の業務フローを見直すようにしましょう。
業務を見直さずにRPAを導入してしまうと、業務効率化ができなかったりどの程度の業務効率化が実現できたのか検証ができません。RPAを導入する前に、業務フローの見直しや変更に時間がかかることは理解しておきましょう。
システム停止のリスクがある
設定された業務を自動で行うRPAですが、不具合でシステムが停止してしまうリスクがあります。システムアップデートや入力データのエラーなどで、誤作動や停止するリスクは事前に確認しておきましょう。
導入後もサポート体制の整ったRPAを検討したり使えない時の代替業務フローを用意したりして、緊急時に備えておいてください。
▷RPAで起こりうる属人化のリスク!解消する方法や要因
士業の業務にRPAを活用するまでの流れ
実際に士業でRPAを活用することを決めたら、どのような流れで導入から運用につなげていくのでしょうか。ここでは、士業にRPAを導入・運用するまでの流れを4つのステップで解説します。RPAを使うことは決めたものの、活用までの流れがまだ明確になっていない場合には、ぜひ参考にしてください。
対象となる業務の明確化
まずはRPAをどの業務に導入し、運用するかを明確にしましょう。
士業は特に専門性が高く、自動化できる領域とそうでない領域があります。そのため、現在の業務フローを全て洗い出し、どの部分にRPAを導入可能でどこまで自動化すれば効果的かを導入前の段階で確認してください。
全部の業務を事前に確認しておかないと導入後の運用で混乱が生じ、業務の効率化が実現できない可能性があります。最大限RPAを活用するためにも、事前に対象となる業務を明確にします。
RPAツールの選定
RPAで自動化する対象の業務が決まったら、導入するRPAツールを選定します。基本的にRPAは定型業務の自動化が目的ですが、自社で使用しているシステムとの相性や得意な業務領域はツールによって異なります。
自社で使っているツールとの連携や自動化する業務領域からを決めてRPAツールを選定することがおすすです。また、導入コストが決まっている場合は、コスト面からツール選定をしていくのも重要です。自社がPRAツールを導入する上で何を優先にしているかを考えて選定をしましょう。
▷【2023年最新】おすすめのRPAツール比較20選|機能や失敗しない選び方
試験導入
導入するツールが決まったら、実際に導入し設定から試験的な運用を開始します。ツールによっては設定に時間がかかる可能性があるため、事前のイメージと実運用の差がどの程度あるのかを検証しましょう。
自社での運用が難しいや簡単に使えるなど、運用開始後の状況に合わせて業務フローの見直しを行いつつ、選定したツールにマッチした体制づくりをしていくことが重要です。
本格運用・保守
試験運用で運用フローや対象業務が固まったら、本格運用・保守に移りましょう。RPAによってはロボット作成に一定の期間が必要な場合もあるため、優先的に導入したい業務領域から順に運用をしていくことが重要です。
また、本格運用後も業務フローの見直しや新たな導入領域の検討を行なってください。システムの保守は行いつつ、常に改善できるように社内での意見交換や運用方法の見直しも重要です。
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士業におけるRPAの実際の活用事例
士業でRPAを活用する場合、どのような活用事例があるのでしょうか。ここでは、士業でのRPA活用事例を2つ紹介します。
行政データの取得自動化の事例
社労士や行政書士など士業の場合、行政データのダウンロードなどは頻繁に発生する業務です。しかし行政のホームページにアクセスし、複数のデータを取得する業務は量も多く時間がかかる作業です。
ここにRPAを導入すれば、日々のデータ取得業務にかかる時間を大幅に短縮できるため、士業のコア業務に集中できます。
各種手続きの集計自動化の事例
士業では不動産登記を始め、業種に応じてさまざまな手続きや集計業務が発生します。これらを手作業で行うと時間がかかってしまい、ヒューマンエラーによるミスも発生しやすいのが難点です。
手続きに必要な集計業務をRPAで自動化すれば、作業時間や負担も大幅に軽減できるだけでなく、ミスの予防につながる点は大きなメリットといえるでしょう。
士業でもRPAを活用して業務を効率化していこう
本記事では、士業の業務効率化に便利なRPAについてマッチする業務や活用事例を紹介しました。専門性が高いためRPAツールの導入に迷っている士業の方も多いかもしれません。しかし、RPAを導入することで本来やるべきコア業務に集中できるなど、多くのメリットがあります。士業へのRPA導入に興味のある方は、ぜひ内容を参考に検討してください。
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