RPA促進のための業務フローとは?目的や手順を詳しく解説!

最終更新日時:2023/05/22

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RPA促進のための業務フロー

RPAの導入を促進し、成功させるために必要な業務フロー。しかし、何のために作成するのか、どのように作成するのかがわからないという方も多いのではないでしょうか。そこで本記事では、RPA導入のために業務フローを作成する目的や手順について、解説します。

RPAの導入促進に必要な業務フローとは?

業務フローとは、業務プロセスを可視化したものです。RPA導入を成功させるためには必要不可欠で、一般的にはフローチャートで作成します。

RPAは、定型的な単純作業、集計作業、反復作業などに向いているシステムですが、業務プロセスが可視化されていないと、どこにどう使えるかが曖昧になってしまいます。しかし業務フローがあれば、全体の流れを見ながら、どの作業にRPAを導入できるか、導入したら効率的になるかの検討が可能です。

また、RPAの設計担当者など部署外の関係者と打ち合わせをする場合も、業務内容を共有できれば意志の疎通がはかりやすくなります。これが、RPA導入の際に業務フローを作成する目的のひとつです。

もうひとつの目的は、RPA導入後もどこが自動化されているのか業務全体を見渡せるようにしておくことです。自動化により、該当作業がブラックボックス化してしまうことの防止にもつながります。

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業務フローとRPAの関係

RPA導入にあたって、業務フローが重要な理由をもう少し掘り下げてみましょう。

自動化すべき業務を発見するため

RPA導入の失敗理由でよく聞かれるのが、RPAを導入すること自体が目的になってしまい、「どの業務を自動化するかが曖昧だった」ということです。

RPAは定型作業の自動化に適していますが、だからこそ現在の業務プロセスを可視化することが欠かせません。業務フローがあれば、自動化できる作業、効率化したい作業を発見しやすくなり、ピントのずれたところに導入して「効果がなかった」と嘆く状況を回避できます。

RPAの設計や開発のため

RPAを導入する部署とRPAの設計や開発を担当する部署が違うというケースは、往々にしてあります。設計や開発担当者に、該当業務の詳細はわかりません。しかし業務フローがあれば、共有しやすくなります。

口頭や文書の説明では、理解に齟齬が生じたり、伝え忘れたりといったことも起こりますが、そういった事態も回避できるでしょう。

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RPA導入促進のための業務フロー作成手順

RPA導入促進のために業務フローの作成は必須と理解できたら、作成手順について把握しておきましょう。

  • 導入目的の明確化
  • 自動化する業務の一覧化
  • RPA導入後の業務フロー作成
  • 運用に関する基準設定
  • 運用と効果検証

各工程について、説明します。

導入目的の明確化

定型業務を自動化できるRPAには、「大量のデータをスピーディーに処理できる」「24時間、稼働できる」「社内リソースをコア業務に充てられる」など、さまざまなメリットがあります。

しかし、何を目的としてどのメリットを享受したいかは、企業や部署によりけりです。アンケート集計にかかるリソースの負担を減らしたいというケースもあれば、在庫管理のミスをゼロにしたいというケースもあるでしょう。

まずは現在の業務フローを作成し、何を目的としてどの作業にRPAを導入するかを明確にするのが大切です。

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自動化する業務の一覧化

目的とRPAを導入する作業が明確化できたら、その業務の現担当者、作業内容、作業手順、作業に要する時間、現状の課題など必要なことを一覧化します。

現状の課題に関しては「1日当たり10人の人手がさかれている」など、具体的な数値も記載しておくとよいでしょう。

この一覧をもとに、再度、RPA導入の妥当性、得られる効果について検討します。目的を明確化する段階では「導入による効果がある」と判断した作業でも、「今すぐ導入する必要はない」「費用対効果が低い」といった判断に変わることもあるからです。RPAの導入促進だけに目を奪われず、冷静に判断する姿勢で臨んでください。

RPA導入後の業務フロー作成

RPAを導入する作業が確定したら、新たな業務フローを作成します。

RPAに作業させる準備など、人にこれまでになかった業務が発生することもあるずです。どのようにRPAを稼働させるのか、情報はどこからどう受け渡すのか、最終的な成果物は何かなど、必要な項目を精査しながら作成してみてください。他部署と関わる場合は、連携状況も示しておきましょう。

この段階でしっかりとした業務フローを構築することは、その後、ロボット設計をするうえでも重要です。

運用基準の設定

RPA導入後の業務フローができたら、すぐに本格稼働するのではなく、テストで運用するのが大切です。その際の基準を設定しておきましょう。

RPAを導入した部分の責任者は誰か、エラーが出た場合にはどう対応するかといったことをフローに示すことが、ひとつです。可能ならマニュアル化しておくとよいでしょう。

もうひとつは「RPAで3人分の作業を自動化」のように、効果測定できる数値を設定することです。これにより、テスト運用の検証が容易になります。

テストがうまくいかなかった場合はフローに戻り、必要に応じて再検討、修正をしましょう。

運用と効果検証

本格的な運用に向けては、効果検証も考慮した業務フローにしておきましょう。

例えば、導入効果を検証できるのは他部署の実績ということもあるはずです。その場合、該当部署を業務フローに入れておけば、誰が見てもわかりやすく、流れもスムーズになります。

効果の検証がしやすい業務フローにしておくと、次に自動化すべき作業、改善できる作業にも気づきやすくなるでしょう。結果的に、RPAの導入促進につながる作業といえます。

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RPAの導入促進に向けた業務フロー作成の注意点

誰が見ても理解でき、役立つ業務フローにするために、気をつけたいことがあります。業務フローを作成したら、ぜひ次の観点で見直してみてください。

  • インプットとアウトプットが明確になっているか
  • 登場人物は明確になっているか
  • エラー時の対応は考えられているか

インプットとアウトプットが明確になっているか

インプットは業務に必要な情報や資料、ツールなど、アウトプットは、業務終了後に得られる報告書、出力データなどです。

例えば給与明細を作成する作業では、社員の勤怠情報がインプット、各人の給与明細がアウトプットに該当し、その間に計算というプロセスが入ります。

これはわかりやすい例ですが、業務によってはインプットがひとつとは限らず、インプットとアウトプットが絡み合い、プロセスが複雑になることもあるでしょう。そういったときに、アウトプット形態が明確になっていなかったり、アウトプットそのものが抜けていたりということが起こりがちです。

業務フローが完成したら、インプットからの流れを追い、確実にアウトプットされているか、アウトプットの形態が明確になっているかを確認してみてください。

担当者が明確になっているか

例えばRPAを導入するのは経理部であっても、業務プロセスに総務部や営業部など、他部署、あるいは外部スタッフが関わることもあるでしょう。RPAを設計するシステム担当者との連携も必要です。

業務の流れはフローに示されているものの担当部署が明確になっていないとなると、誰が見ても理解できる業務フローとはいえません。担当者のフローに明示しておくことが、RPAの導入では重要です。

関係部署、関係者をレーン(枠)で設定してフローにすると、登場人物が明確になり、業務プロセスも把握しやすくなります。

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エラー時の対応は考えられているか

RPAは、指示された業務を正確にスピーディーに実行しますが、エラーを出さないというわけではありません。

顧客情報を都道府県別に分類するという例でいえば、各人のデータに都道府県情報が明示されていれば、処理上の問題はありません。しかし、情報のない顧客がいた場合、人間なら、市区町村名で調べたり電話をかけたりして対処できますが、RPAにはそのような作業はできず、業務がストップしてしまいます。

RPAを導入する際は、想定されるエラーを可能な限り洗い出し対処法も決めておくことが、業務効率化のためにも欠かせません。業務フロー作成時に検討している場合でも見直しをかけ、精度を上げていきましょう。

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RPA導入促進のために業務フローを作成していこう

RPAを導入するにあたっては、業務プロセスを可視化し、関係者と共有することが必要不可欠です。その可視化に役立つのが、業務フローです。

RPAの導入を検討する場合は、まずその業務に関連するフローを作成してみましょう。可視化すると、RPAで自動化できる業務が見えてきます。

RPAの導入が決まったら、RPAを組み込んだ業務フローの作成も必要です。新たなシステムが加わることで登場人物が増えることもあるでしょうし、インプット・アウトプットの流れが変わることもあるはずです。また、エラー時の対応も流れに入れておかなければなりません。

業務フロー作成の目的を把握し、手順を踏んで、RPA導入の促進を目指しましょう。

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