福利厚生を充実させるメリット・デメリット|デメリットを解消する秘訣を解説

2024/04/04 2024/04/05

福利厚生サービス

福利厚生を充実させるメリットデメリット

採用活動にも影響する「福利厚生の充実」。昨今は福利厚生を充実させる企業が増えていますが、福利厚生を充実させることでどのようなメリットを得られるのでしょうか。本記事では、福利厚生を充実させるメリット・デメリットを、デメリットを解消する秘訣と併せて詳しく解説します。

福利厚生とは?

福利厚生とは、企業が従業員の生活を支援し、働く環境を充実させるために提供するさまざまな制度やサービスのことです。基本的には、企業に所属する全従業員が福利厚生の恩恵を受けることができます。

なお、福利厚生には法律によって定められた「法定福利厚生」と、企業が独自に設ける「法定外福利厚生」の2種類があります。

法定福利厚生

法定福利厚生とは、企業が従業員に対して必ず提供しなければならないと法律で定められた福利厚生のことを指します。これらは、従業員が健康で安心して働けるようにすること、また生活の安定や福祉を支えることを目的に設けられています。

具体的には、健康保険に厚生年金保険、雇用保険、介護保険、労災保険、子ども・子育て拠出金の6種類です。保険に関しては、全ての企業が従業員に対して加入させなければならないもので、働く人々の生活基盤を守るための重要な柱となっています。また、子ども・子育て拠出金は児童手当などの充てられる税金で、企業の全額負担での納付が必要です。

法定外福利厚生

法定外福利厚生とは、法定福利厚生に加えて自由に設定できる福利厚生のことです。企業が従業員のモチベーション向上や健康増進などを考慮して取り入れる内容を選択します。

法定外福利厚生は従業員にとって魅力的な職場を提供するための手段であり、企業が優秀な人材を確保して競争力を保つためにも非常に重要な役割を担っているといえます。

法定外福利厚生の例としては、社宅や寮の提供、社員旅行、レクリエーション活動の支援、健康診断やインフルエンザ予防接種の費用補助などがあります。また、スポーツジムの利用補助、育児や介護支援制度、資格取得のための学費補助などを実施している企業もあります。

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福利厚生が充実している状態とは?

福利厚生が充実している状態とは、従業員が必要としている法定外福利厚生が提供され、積極的に利用されていることを意味します。反対に、多種多様なサービスや制度が存在していても、必要とされていなければ意味がないといえるでしょう。

具体的には、従業員のライフステージや価値観に合わせた健康支援、育児や介護の支援制度、キャリアアップを目指すための教育支援など、従業員一人ひとりのニーズに応じた福利厚生が整っていることが理想です。これらの制度が活発に利用されれば、従業員は仕事と私生活においてより良いバランスを保つことができ、結果的に長く働き続けられるようになります。

充実した福利厚生は従業員が安心して働ける基盤であり、企業全体の生産性向上にもつながる重要な要素なのです。

福利厚生の利用率が低い原因とは?向上させる秘訣や社員が求めている福利厚生について

福利厚生を充実させるメリット

福利厚生を充実させることは、企業にとってもメリットがあります。ここでは具体的に4つのメリットを見ていきましょう。

社員の仕事に対するモチベーションが向上する

福利厚生が充実していると、社員の仕事に対するモチベーションの向上が見込めます。これは、良い職場環境が整っていることで仕事と私生活のバランスを取りやすくするからです。

たとえば、健康支援や育児支援などの福利厚生があれば、社員は心身ともに健やかな状態を保ちやすくなります。また、資格取得支援などの自己成長を後押しする制度があれば、社員は新しい知識やスキルを身につけ、それを仕事に活かすことができるでしょう。社員のモチベーションが上がれば、業務の生産性向上にもつながります。

社員の企業に対する満足度が向上する

福利厚生を充実させることで、社員の企業に対する満足度が向上します。福利厚生の中には経済的な支援に該当するものもあり、これらは生活の質の向上に直接つながるのです。

たとえば、住宅手当や家族手当といった経済的負担を軽減する福利厚生があれば、社員は経済的な不安を感じずに済み、社員の生活を支える意思のある企業なのだということを実感します。

また、健康管理や育児支援など、社員一人ひとりのニーズに応える福利厚生によって、社員を大切にするという企業の姿勢を見せることも可能です。

福利厚生が充実していることによって、社員は企業に対する信頼感と満足度を高め、長く働き続けようという意欲を高めます。つまり、社員の定着率が向上し、企業は経験豊富で熟練した人材を確保し続けることができるのです。

採用時に人材が集まりやすくなる

福利厚生を充実させることは、採用時に人材が集まりやすくなるというメリットもあります。企業は自社の福利厚生を、優秀な人材を惹きつけるための強力なアピールポイントとして活用することができるのです。

昨今の求職者は単に給与の額面だけでなく、ワークライフバランスや職場環境、健康や家族を支えるための制度にも注目して応募企業を選択します。福利厚生が充実していれば、安心して長く働ける企業というイメージを求職者に与えることができるでしょう。

特に、育児支援や健康管理、自己成長のための学習支援など、ライフステージやキャリアプランに応じた福利厚生を設けている企業は、多様な価値観を持つ人材からの関心を集めることができます。

採用が有利になる福利厚生とは?具体例や求職者が重視している背景を解説

節税につながる

節税につながることも、福利厚生の大きなメリットでしょう。企業が従業員に提供する福利厚生は、一定の条件を満たせば経費として計上できるため、法人税を節税することができます。

福利厚生を充実させるための取り組みは、単に社員のモチベーション向上や企業イメージの向上に寄与するだけでなく、企業の財務面においても効果を発揮するのです。

福利厚生は節税効果を得られる?仕組みや要件・種類について解説

福利厚生を充実させるデメリット

ここまでに紹介したように、福利厚生を充実させることには複数のメリットがある一方、デメリットも存在します。ここからは、具体的なデメリットとその影響について解説していきます。

費用がかかる

福利厚生を導入するにはどうしても費用がかかります。

健康保険や雇用保険のような法定福利厚生は、法律によって定められた負担率に基づくため、企業にとっては避けられないコストです。

一方の法定外福利厚生は、提供するサービスの範囲や質に応じて、企業が負担する費用感が異なります。たとえば、社宅の提供や社員旅行、健康診断の充実、資格取得支援などは、それぞれの実施にかかる費用に隔たりがあるでしょう。高品質なサービスや多様なオプションを提供しようとすると、その分だけコストが増加することになります。

利用状況の管理に手間がかかる

福利厚生の利用状況を適切に管理するためには、多くの手間がかかります。具体的には、従業員がどの福利厚生をどれだけ利用しているかの追跡、提供されるサービスの品質維持や契約更新、利用規定の遵守状況のチェックといった業務を行う必要があるでしょう。

さらに、新たな福利厚生プログラムの導入時には教育や啓蒙活動を行わなければならず、従業員からの問い合わせ対応も欠かせません。こうした業務は、人事部門や担当者にとって相当な労力と時間を要します。

加えて、福利厚生の内容が充実すればするほど管理の複雑さは増し、専用の管理システムの導入や定期的な見直しなど、効率的に運用するためのメンテナンスが必要となる場合もあるでしょう。

全ての従業員ニーズを満たすことはできない

福利厚生をどれだけ充実させても、全ての従業員のニーズを完全に満たすことは難しいでしょう。従業員一人ひとりが抱える生活環境、価値観、興味や関心は異なるため、福利厚生の利用頻度には自然と差が出てきます。

たとえば、子育て支援の福利厚生は子どもがいる従業員には重宝されますが、子どものいない従業員には関係のない制度です。同様に、健康関連の福利厚生も、健康意識が高い従業員は積極的に利用するものの、そうでない人にはあまり魅力的に映らないことがあります。

福利厚生のデメリットを解消する秘訣

ここからは、福利厚生のデメリットを解消する秘訣について紹介していきます。

福利厚生パッケージプランを活用する

管理の手間を大幅に削減するには、福利厚生パッケージプランの活用が有効です。これは複数の福利厚生サービスを1つのパッケージにまとめたもので、従業員一人ひとりがそれぞれのニーズに合ったサービスを選べるのが魅力です。

企業側は提供する福利厚生の選定や管理にかかる手間とコストを削減でき、従業員は福利厚生を利用しやすくなるという、双方にメリットのある解決策なのです。

【中小企業向け】おすすめの福利厚生ランキング|導入手順や事例を解説

利用状況を定期的に確認し福利厚生の見直しをする

福利厚生の利用状況を定期的に確認し、見直すこともデメリット解消につながります。

たとえば、利用頻度の低いサービスに対して年間や月額の利用料を支払い続けなければならないなど、見直しをせずにいると余計な費用がかかってしまいます。また、このような状況では、従業員が求める福利厚生を提供してるとはいえないでしょう。

定期的な見直しは、福利厚生のコストとニーズの最適化のために欠かせないステップなのです。

従業員に人気の福利厚生とは

福利厚生を充実させるうえで重要なのは、従業員がどのような福利厚生を求めているのかという点を明らかにすることです。

株式会社OKANが2020年に調査した結果によると、働く男女が特に求める福利厚生は以下のとおりです。(上位5つのみ抜粋)

  1. 特別休暇
  2. 慶弔休暇
  3. ファミリーサポート
  4. ヘルスケアサポート
  5. 住宅手当・家賃補助

もちろん、年齢や家庭環境によって求める福利厚生は異なるため、ここで紹介した項目は参考として、従業員に対するヒアリングを実施して何を求めているのか明確にしましょう。

[参照元:株式会社OKAN「福利厚生の人気ランキング | コロナ時代で従業員の求めるものに変化が」]

福利厚生が充実している企業事例

ここからは、福利厚生が特に充実している企業事例について紹介していきます。

株式会社ZOZO

株式会社ZOZOは、ファッション関連のECサイト「ZOZOTOWN」を運営する企業です。同社は従業員の働きやすい環境作りに力を入れており、特に福利厚生の充実に注力しています。

たとえば、通勤手当だけでなく、住宅リモート手当を支給。この手当は、リモート勤務やフルフレックスタイム制度を導入する同社と親和性の高い内容だといえます。また、オフィスや物流拠点周辺の飲食店で優待を受けられる制度や部活動支援制度などは、地域や社員同士のつながりを構築することにも一役買っています。

[参照元:株式会社ZOZO「ZOZOWORKSTYLE」]

GMOインターネットグループ株式会社

GMOインターネットグループ株式会社は、インターネットインフラサービスを中心に、オンライン広告・メディア、インターネット金融サービスなど、多岐にわたる分野で事業を展開している企業です。

同社は、従業員の幸せと成長を支援するため、多彩な福利厚生制度を導入しています。たとえば社内のカフェでは昼食のビュッフェや夜のコンビニ自販機が無料になることに加えて、金曜の夜はアルコールも飲み放題としています。託児所があるため子どものいる社員も安心して働くことができるほか、マッサージを受けられるスペースや仮眠スペースもあるため、業務に疲れたらリフレッシュすることができます。

このような手厚い福利厚生を提供することで、従業員が能力を発揮し、優秀な人材が集まることが同社の狙いです。

[参照元:GMOインターネットグループ株式会社「待遇・福利厚生」]

株式会社富士通ゼネラル

株式会社富士通ゼネラルは、空調機器を中心に、情報通信システムの開発や各種電子デバイスの製造を手掛ける企業です。

同社は「セレクティア」という名称で福利厚生を提供しており、年に1回1万ポイントが付与されるカフェテリアプランでは、健康増進や自己啓発のためにポイントを使うことができます。

また、福利厚生パッケージプランにも加入しており、従業員が好みに合わせて利用できるよう制度を整えています。従業員の生活を支え、働きやすい環境を提供するために、様々な福利厚生制度を整えています。

[参照元:株式会社富士通ゼネラル「ワークライフバランス」]

デメリットを解消し福利厚生の効果を高めよう

充実した福利厚生は、従業員の満足度向上や優秀な人材の確保のために重要です。どのようなメリット・デメリットがあるのかを把握したうえで、定期的な見直しや従業員へのヒアリング調査を行いながら運用していくようにしましょう。

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