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退職金の年末調整は必要?確定申告が必要なケースや退職時の手続き

2024/11/28 2024/12/05

年末調整ソフト

退職金と社内規定

勤労に対する報償的な意味を持つ「退職金」。金額は勤務年数などによりさまざまですが、所得に該当する退職金は年末調整の対象になるのでしょうか。本記事では、退職金の年末調整は必要なのか、退職後に確定申告が必要なケースや、退職時に必要な手続きについて詳しく解説します。

年末調整とは?

年末調整とは、1年間の給与所得に対して、過不足なく税金が納められるよう調整を行う手続きです。基本的に会社が従業員に代わって行い、源泉徴収された税額を最終的に調整します。

対象者は、会社や団体に勤めている給与所得者です。毎年1月末を期限に11月頃から準備が始まり、税務署への提出や還付金がある場合の支払いなどが行われます。

年末調整によって、過剰に支払った税金が戻ってきたり、不足分が徴収されたりすることがあります。

年末調整とは?やり方や対象者・必要書類、確定申告との違いをわかりやすく解説

退職金の年末調整は必要?

退職金に関しては、年末調整の必要はありません。退職金は「退職所得」として扱われ、支給される時点ですでに納税額が決定し、源泉徴収によって課税関係が終了しているためです。退職金が支払われる際には、会社が別途「退職所得の源泉徴収票」を作成し、必要な税金を計算・徴収します。

このように退職時に行われる特別な手続きとして扱われるので、年末調整は不要なのです。

退職金は年末調整の対象外

退職金は、年末調整の対象外です。その理由は、退職金が税法上「退職所得」として扱われ、通常の給与とは異なる性質を持つからです。

退職金には特別な税制優遇が設けられており、支給時に会社が「退職所得控除」などを考慮して税額を計算します。このため、年末調整で調整する必要がなく、退職時に完結する仕組みです。

退職金を受け取る際は、必要な書類をきちんと提出し、適切に手続きが進められるようにしましょう。

退職金と退職所得の違い

退職金とは、退職時に支給される手当のことで、長年の勤務に対する労いとして支払われるものです。一方、退職所得とは、この退職金に対して課される税金を計算する際の基準となる所得のことを指します。

退職所得では「退職所得控除」という優遇措置が適用され、勤務年数や金額に応じて課税額が軽減される仕組みがあります。つまり、退職金は実際に受け取るお金で、退職所得は税金計算のために用いる基準、と考えると分かりやすいでしょう。

退職金は確定申告も不要

退職金は、通常確定申告を行う必要がありません。その理由は、退職金の支給時に会社が適切な税額を計算し、源泉徴収を行うためです。ただし、これを成立させるためには「退職所得の受給に関する申告書」を退職前に会社へ提出しなければなりません。

この書類が提出されない場合、本来より高い税率で源泉徴収され、後日確定申告を行って税金を調整しなければならなくなるので注意しましょう。事前に申告書を準備することで、手続きがスムーズになります。

退職金から退職所得を算出する計算方法

退職金から退職所得を算出するには、まず「退職所得控除額」を算出して退職金から差し引き、次にその結果を半分にして「退職所得金額」を算出するという2つのステップが必要です。それぞれについて詳しく解説します。

1.退職所得控除額を計算する

退職所得を計算するには、まず退職所得控除額を算出する必要があります。この控除額は、勤続年数に応じて決まり、長く勤めたほど控除額が増える仕組みです。

退職所得控除額を求める計算方法は以下のとおりです。

勤続年数退職所得控除額の計算方法
勤続20年以下40万円×勤続年数 ※80万円未満となる場合は80万円
勤続20年超800万円+70万円×(勤続年数-20年)

また、障がい者になったことを理由として退職した場合は、一律にさらに100万円が加算されます。

2.退職所得金額を計算する

退職所得金額は、退職金の区分により計算方法が異なります。それぞれの計算式は以下のとおりです。

退職金の区分退職所得金額の計算方法
退職手当(退職金-退職所得控除額)÷2
短期退職手当等退職金-退職所得控除額が300万円以下:(退職金-退職所得控除額)÷2

退職金-退職所得控除額が300万円超:退職金-退職所得控除額

特定役員退職手当等退職金-退職所得控除額

退職所得金額はこの2つのステップで算出できますが、退職所得には所得税や住民税が課税されるため、実際に手元に残る金額は、計算結果より少なくなる点も理解しておきましょう。

受け取る金額を正確に把握するためには、税金を含めた総額で計算することが重要です。計算の際は公式な資料を参考にすることをおすすめします。

退職後に確定申告が必要なケースとは

退職後に確定申告が必要なケースがあります。例えば、多額の退職金を受け取った場合や控除漏れがある場合などです。詳細は以下で解説します。

所得控除を受けたい場合

退職の有無に関わらず、年末調整を受けていない場合でも確定申告をすれば所得控除を受けられます。所得控除には、医療費控除、扶養控除、生命保険料控除、寄附金控除などさまざまな種類があり、これらを申請することで税負担の軽減が可能です。

例えば、多額の医療費を支払った場合やふるさと納税を行った場合も対象です。確定申告を正確に行い、控除漏れがないよう注意しましょう。

1年(1月〜12月)の途中で退職し年末調整をしていない場合

1年(1月〜12月)の途中で退職し年末調整を受けていない場合、税金の精算が未完了となっているため、確定申告が必要です。

年末調整は、会社が1年間の所得と控除をまとめて税金を調整する手続きですが、途中退職の場合はこの調整が行われないため、過剰に税金を支払っている可能性があります。確定申告を行うことで払いすぎた税金を還付してもらえるため、医療費控除や保険料控除がある場合は特に、確定申告を忘れないようにしましょう。

12月に退職した人の年末調整はどうすべき?対象条件や確定申告が必要なケース

「退職所得の受給に関する申告書」を提出していない場合

「退職所得の受給に関する申告書」を提出していない場合、会社が退職金に対して一律で高い税率を適用し源泉徴収するため、本来の税額と異なる可能性があります。実際の退職所得控除を反映した正しい税額を計算し、払いすぎた税金を還付してもらうために確定申告が必要です。

この申告書は、退職金に適用される税制優遇を受けるために欠かせない書類です。提出を忘れた場合は確定申告で調整を行い、正しい金額を取り戻しましょう。

転職先へ前職の源泉徴収票を提出していない場合

転職先に前職の源泉徴収票を提出していない場合、前職の収入や税金情報が引き継がれず、年末調整が正しく行われない可能性があるでしょう。確定申告を行えば、過不足を調整し払いすぎた税金の還付や控除の適用を受けられます。

一方、転職先で前職の源泉徴収票を提出し、正確に年末調整が行われていれば、確定申告は不要です。スムーズに税務処理を行うためにも、提出忘れを防ぎ手間を減らすよう心がけましょう。

事業所得などに赤字が発生した場合

事業所得などで赤字が発生した場合、その赤字を他の所得と相殺する「損益通算」が可能です。確定申告により、退職所得との損益通算を行い税金の負担を軽減できます。

ただし、退職所得と損益通算できるのは、給与所得・配当所得・雑所得と損益通算したうえで相殺しきれなかった赤字がある場合のみです。

「公的年金等にかかる雑所得」以外の所得金額が20万円を超える場合

「公的年金等にかかる雑所得」以外の所得金額が20万円を超える場合、確定申告が必要です。

この「所得」には、給与以外の副業収入、株式の売却益、不動産収入、または一時的な収入などが含まれます。公的年金を受給している場合でも、こうした所得が20万円を超えると税務署への申告が義務となるので注意が必要です。該当する場合は早めの準備を心がけましょう。

「公的年金等」の収入金額が合計400万円を超える場合

公的年金等の収入金額が合計400万円を超える場合、年金収入だけで税額が発生する可能性があるため確定申告が必要です。

公的年金には所得税がかかり、収入が一定額を超える場合は年金支払者が源泉徴収を行いますが、それだけでは税金が正確に計算されない場合があります。特に他の所得がある場合や控除を適用したい場合は、確定申告で税金の調整を正確に行うことが重要です。

退職金を受け取ったら必要に応じて確定申告を行おう

退職金を受け取った際は、適切に手続きが行われているか確認し、必要に応じて確定申告を行いましょう。特に「退職所得の受給に関する申告書」を提出していない場合や、控除の適用を受けたい場合は申告が欠かせません。

確定申告を行うことで、払いすぎた税金を還付してもらったり、控除を活用して税負担を軽減したりできます。退職金は将来の生活を支える大切なお金。正確な手続きを心がけ、余計な負担を防ぎましょう。

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