予算管理はどの部署の仕事?各部門の担当者の予算策定についても解説

最終更新日時:2022/10/24

予算管理システム

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予算管理を行うのは財務や経理と思われがちですが、実は全ての部門が関わっています。適切な予算管理のため、担当部門を認識しておきましょう。この記事では、予算管理を担当する部署はどこなのか、具体的な業務と各部門の予算策定がどのように行われるのかを解説していきます。

予算管理を担当する部署とは?

予算管理を担当するのは、財務部や経理部などをイメージすることが多いと思います。たしかに最終的な数字をまとめる仕事や管理は財務部や経理部が担当しますが、それまでの過程では全ての部署が関わっています。

まずは財務部、経理部、その他各部門がどのように予算管理と関わるのかについて確認していきましょう。

(1)予算管理は財務部

予算管理のとりまとめは財務部が担当します。各部署が作成した予算案をまとめて予算計画を作成します。

事業を進めていく中で、当初の計画通りに行く可能性は少なく会社が設定した目標値と実績に差が生じることがほとんどでしょう。予算管理では、予算と実績の差が発生した原因を調査します。

分析結果をもとに予算にそって事業を進められるように調整するのも、予算管理における重要な目的の一つとなります。

(2)予実管理は経理部

予実管理とは、企業の予算と実績を管理することをいいます。お金の出入りについて管理するのは経理部の仕事のため、予実管理は経理部が担当します。

また、経理部の主な仕事は、実際に発生した売上や費用などを管理し決算書を作成することです。そして、財務部は経理部が作成した決算書をもとに、資金調達を行うのです。

(3)各部門の予算状況は部署ごとに行う

予算管理にかかわるのは財務部や経理部だけではありません。各部門の予算管理は部署ごとで行います。部署の現状を一番知っているのは所属する各社員なので、より現実的な予算を立てることができるでしょう。

具体的には各部署が過去の売上や市場データなどをもとに、それぞれ目標利益や目標売上などの数値を入力します(経理部が一括で入力することもあります)。そうして作成された予算案を財務部などの編成部門で精査して、経営層の承認を得て予算が決定します。

予算管理の具体的な業務とは?

ここでは、予算管理の具体的な業務を部門ごとに紹介していきます。

(1)営業部による売上予測の編成

営業部門は、過去の売上実績や自社の成長率、市場予想などから売上予測を立てます。ここで立てられた売上予測は、今後の企業経営の重要な意思決定の1つに使われます。

ただし、売上予測の最終決定は経営層によって行われることがほとんどです。

(2)経営陣による目標値の設定

目標値の設定には経営陣が主導し予算計画を立て、各部署に予算を分配する「トップダウン方式」と、各部門が予算を立てて、企業全体の予算を決定する「ボトムアップ方式」があります。

トップダウン方式は意思決定のスピードが早いというメリットがありますが、現場の意見が反映されないケースも多いため、従業員のモチベーションの低下につながる恐れがあります。

これに対してボトムアップ方式は、現場が予算を作成するため、より現実的な数値が設定されやすい傾向にあります。従業員からの不平不満が少ない点はメリットとなりますが、予算編成までに時間がかかる点はデメリットでしょう。

基本的には、各数値を見て目標を決める経営陣からのトップダウン方式が採用されるほうが多いかもしれません。

(3)各部署の予測経費を計上

各部署は売上目標を立てると同時に経費の予測計上も行います。ここでも通常は、過去のデータなどを用いることになるでしょう。部署でまとめた数値を経営層や編成部門に上げて、目標値を加味しながら調整を行い、実際の予測経費を確定させます。

(4)人事部門・経理部門による人件費・経費の追加

そして、これらの経費とは別に人事部門・経理部門が人件費・経費を追加して目標値の設定を行います。

(5)財務・経理担当による予実管理

予実管理では、月次で目標と実績を確認していきます。計画した予算は適切であったか、予算に対して不足している項目は何か、予算達成には何をすべきかを分析する必要があります。

予実管理をすると、何かしら改善すべき事項が発生するものです。それをいかに素早く対応するかにより今後の予算管理にも影響が出てきます。課題を迅速に解決するためにも年次という長期スパンで見るのではなく、月次で区切って予実管理をすることが重要になるのです。

各部門の予算策定の概要

ここでは、各部門における予算策定の流れを解説します。基本的に、経営層が決めた大枠の予算案が各部署に下りてきて、その数字をもとに予算を作成し財務部で調整を行い最終的な予算となります。

(1)経営陣を中心とした予算策定部署による方針決定

予算策定は、まず経営陣が各部門に対して目標売上高や目標利益などの数字を示すことからスタートします。

その数字をもとに予算編成部署が素案を作成し、予算会議で承認されて決定されます。 基本的には、全体の方針は経営層と予算編成部署だけでのやりとりになることが多くなるため時間は要しません。

(2)各部門による損益予算を作成

予算方針決定後は、各部門が「損益予算」(売上高予算、製造予算、費用予算を合算したもの)を作成します。なお、売上高予算とは収入の目標値、製造予算は収入をあげる際に要するコスト、費用予算は販管費などを指します。

(3)財務部による財務予算の編成

その後、財務部が売掛金や支払手形などの資金繰りをまとめた「財務予算」を作成し予算編成部署に提出するという流れです。

そこで作成された予算が目標とするもの以上であれば問題はありませんが、目標と乖離がある場合にはその原因を探り、該当部門との調整をして再度予算案を作成する必要があるでしょう。

(4)総合予算の作成・承認

各部門の損益予算と財務予算が上がってきたら、予算編成部署はそれらをまとめて「総合予算」を作成します。各予算を作成するだけでなく、数値の正当性や設定理由などに疑問点がある場合には作成した各部門に確認する必要があります。

場合によっては、予算を再作成する必要性が生じる可能性もあるでしょう。最終的な予算案を経営陣が予算会議で承認すれば、その数字が予算目標になります。

予算管理は全部門が協力して為すべき仕事

予算管理は、財務部や経理部だけが行うのではなく、各部門の協力によって初めて成り立ちます。

安定的な事業運営を行うためには、全部門が予算管理に関わる業務の流れや目的を理解しておく必要があります。適切な予算編成を行うためにも、部門間での連携を深めることが重要になるでしょう。

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ビズクロ編集部
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