予算管理システムの選び方は?必要な機能や選定ポイントを解説
予算管理システムの選び方が分からずに困っている経営者の方もいるでしょう。予算管理システムはたくさんありますが、選び方を間違えると運用自体が困難です。この記事では予算管理システムの選び方や重視すべき機能、導入後のメリットや選ぶ際の注意点をご紹介しています。
目次
予算管理システムの選び方は?必ず意識するポイント
予算管理システムの選び方について解説します。自社に最適なものを選ぶためには必ず意識したいポイントなのでぜひ参考にしてください。
(1)自社の求める機能が備わっているか
自社の求める機能が備わっているかを確認しましょう。
予算管理システムといっても、種類によって備わっている機能は異なります。自社に必要な機能を見極めるためには、まず課題の洗い出しから入ることが大切です。
たとえば、「予算と実績の把握が難しい」という課題を抱えているのであれば、リアルタイムでのモニタリングや、予算の再編成といった機能が充実しているものを選ぶとよいでしょう。
このように、自社の課題を明確にすることで、必然と必要な機能が把握できます。
そして、必要な機能とシステムに備わっている機能を照らし合わせながら自社に最適なものを選びましょう。
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(2)既存システムとの連携ができるか
既存システムとの連携ができるかも重要なポイントです。中には、会計システムや給与計算システムなど、すでに外部システムを利用している企業も少なくないでしょう。
予算管理システムは、外部システムと連携して利用することで、より効果的な予算編成が可能になります。
また、データの自動取得により業務が効率化したりするなど、利便性も高まるでしょう。そのため、すでに導入している外部システムと連携できる予算管理システムを選ぶことが大切です。
(3)導入コンサルタントとの相性・意思疎通はできるか
導入コンサルタントとの相性・意思疎通はできるかをチェックしましょう。
予算管理システムを導入するにあたって、要件定義や管理項目など初期設定を行わなければなりません。そのため、導入時にコンサルタントによるサポートを受けられるものがよいでしょう。
ただ、サポートが付いている場合でもコンサルタントとの相性が悪ければ、自社が望むようなサポートを受けられない可能性があります。
したがって、導入前にコンサルタントによるサポートがどのような方法で行われるのか、どの程度詳細までサポートしてくれるのかなどを確認しておきましょう。
(4)導入後のサポートは手厚いか
導入後のサポートは手厚いかも、しっかりと確認するべきです。
予算管理システムの導入により、業務プロセスは大きく変わることになるため、導入後も不安や疑問、システムの不具合が出る可能性があります。そのため、導入後のサポートが手厚いものを選ぶとよいでしょう。
- 問い合わせ方法(電話・メール・チャットなど)
- 対応方法(来社・ビデオチャット・電話など)
- 対応時間
- 対応スピード
上記のように、導入後のサポート体制を確認することが大切です。
(5)自社の用いている会計基準に適合しているか
自社の用いている会計基準に適合しているかを確認します。
各企業では財務諸表を作成するために、「会計基準」が設けられています。そのため、自社が用いている会計基準に適合している予算管理システムを選びましょう。日本で認められている会計基準は以下の4つです。
- 日本会計基準
- 米国会計基準
- IFRS(国際会計基準)
- J-IFRS
自社で検討している会計基準でもシステムが対応しているのか確認しておくとよいでしょう。
(6)言語や通貨が自社ビジネスと合致するか
言語や通貨が自社ビジネスと合致するかもチェックしましょう。国産のものは使いやすい反面、日本語にしか対応できないというものもあります。
国外にも拠点を持つ企業や海外の取引先がある企業、今後グローバル展開を視野に入れている企業は、多言語・多通貨に対応しているシステムを選びましょう。
英語やドルに限らず、拠点や取引のある国の言語・通貨に対応しなければならないからです。そのため、システム導入前に必ず確認しておきたいポイントになります。
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(7)操作性は良いか
操作性は良いかの確認も重要なポイントです。機能が充実していても、操作性が悪く使いこなせなければ、費用対効果は薄まってしまいます。
そのため、自社に必要な機能が備わっていることを前提として、操作性に優れたものを選びましょう。
また、操作性の悪いものは徐々に活用されなくなり、データの正確性に欠けてしまうリスクもあります。したがって、トライアル期間や無料プランなどを利用して、実際の操作感を試したうえで導入しましょう。
(8)予算管理のシミュレーションは可能か
予算の達成度は、経費・原価・消費動向などさまざまな要因に左右されるため、複数の条件のもとシミュレーションを行うことが大切です。
そのため、複数の条件別でシミュレーションが行えるのか、結果を比較しやすいかなどを確認しましょう。
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予算管理システムで重視すべき機能
予算管理システムで重視すべき機能を紹介します。
(1)予算計画・予算編成機能
1つ目は予算計画・予算編成機能です。過去の実績をもとに予算計画や予算編成のサポートをします。
システムの種類によっては、収集されたデータをもとに最適な予算を提案してくれるものもあります。
案件やプロジェクトごとに、原価・販売高・利益などの入力項目をカスタマイズできるシステムであれば、実効性のある予算を計画・編成できるでしょう。
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(2)予実管理・予算再編成機能
2つ目は予実管理・予算再編成機能です。予算と実績を自動で集計・比較しながら、予算の再編成が必要になった場合でもスムーズに実行できます。
また、予算編成後も実績のデータをリアルタイムで把握できるため、目標数値に達していない原因の特定も素早く行えます。
予算データの再提出から承認までをクラウド上で完結できるので、予実差異に対する予算の再編成も簡単に実行できるでしょう。
(3)予算計画のシミュレーション・予測
3つ目は予算計画のシミュレーション・予測機能です。
立案した予算計画に実効性があるのかをシミュレーションによって予測できます。
また、原価・利益・売上などの条件を任意で設定できるため、さまざまなシナリオでのシミュレーションも可能です。その結果、最も効果的な予算計画を立案することができるでしょう。
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(4)各部門の人件費の把握・一元管理
4つ目は各部門の人件費の把握・一元管理機能です。
企業全体の組織図などをもとに人件費を一目で把握できるため、業務プロセスごとの人件費情報を収集する手間がかかりません。そのため、人件費を含めた高精度な予算編成が可能になります。
(5)予実管理の結果に基づく分析評価
5つ目は予実管理の結果に基づく分析評価です。リアルタイムで予実差異を管理できるだけでなく、結果を分かりやすくレポーティングしてくれます。
目標に達さなかった場合でも、なぜ達成できなかったのかを自動で分析し、原因を特定します。
このように、予実の結果に対する分析・評価を行えるため、ノウハウの蓄積にも役立てられるでしょう。
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予算管理システムを導入することで得られるメリット5選
予算管理システムを導入することで得られるメリットを5つ紹介します。
(1)予算計画や予実管理をスピードアップ
予算管理システムを導入することで、予算計画や予実管理をスピードアップが可能です。
予算編成を行う際、予算編成に必要な情報をいちから収集するには手間や時間がかかります。
しかし、予算管理システムでは、予算編成に必要な情報がクラウド上に一元管理されているため、情報収集にかかる手間と時間を短縮できます。
また、まとまった情報から項目や条件ごとに数値のピックアップも可能なため、予算編成や予実管理の業務効率が向上し、時間をかけずに予算管理業務が行えるでしょう。
(2)各部署の明確な行動目標を提示
各部署の明確な行動目標を提示することができます。予算をグラフなどで表示が可能なので、目標の達成度を視覚的に把握しやすくなるのもポイントの1つです。
明確な目標を共有できていれば、達成するにはどのような行動が必要なのかを検討しやすく、行動の動機付けにもつながるでしょう。
(3)経営判断の効率化
経営判断の効率化ができることもメリットです。Excelでの予算管理は、情報の収集や分析に時間を要していたため、素早く経営判断ができませんでした。
その点、予算管理システムであれば目標達成度をリアルタイムで把握できるため、状況に応じて迅速な経営判断が可能になるでしょう。
また、システム上の情報は常に最新のものであることから、最適な経営判断にもつながります。
(4)数パターンのシミュレーションでの柔軟な予算編成
数パターンのシミュレーションでの柔軟な予算編成も可能です。
シミュレーションを行いながらPDCAを回すことで、予算編成の精度を高め、最適な予算編成につながります。他には、各部署やチームが抱える課題の発見も期待できます。
また、シミュレーションは原価・利益・人件費などの条件を変えながら数パターン行えるため、状況に応じた柔軟な予算編成ができるでしょう。
(5)来期以降の予算編成の簡易化
来期以降の予算編成の簡易化も期待できます。予算管理システムの種類によっては、過去の予算データをもとに、来期以降の予算編成へアドバイスしてくれる機能があります。
そのため、来期以降の予算編成を行う際も、いちから情報を収集・分析することなく実行できるでしょう。
また、予算データが蓄積されるほど精度は高まっていくというメリットもあります。
予算管理システムを選ぶ際に注意するポイント
予算管理システムを選ぶ際に注意したいポイントを3つ紹介します。
(1)コストと見込める利益のバランス
コストと見込める利益のバランスが重要です。
予算管理システムを導入・運用するには、コストがかかります。システムの種類や機能数、利用ユーザー数などの条件によっては、月に数万円かかることも珍しくありません。
ただ、予算管理システムを導入することで人件費を削減できたり、利益を生み出しやすくなるなど、得られる利益もあります。
そのため、導入・運用にかかるコストと、導入によって得られる利益のバランスがよいのかを見極め、費用対効果が高くなるようなシステムの導入を検討しましょう。
(2)Excelデータの取り込み
Excelデータの取り込みが可能かどうかを確認しましょう。
これまでExcelで予算管理をしている場合は、データの取り込みができず、手入力で過去のデータを入力するとなると、時間も手間もかかります。
そのため、導入までに時間がかかったり、システム導入による効果を得られなかったりするかもしれません。
Excelに限らず、すでに導入しているシステムがあれば、既存システムのデータの取り込みや連携が可能なシステムを選ぶことが大切です。
(3)無料で試用できるトライアルの有無
無料で試用できるトライアルの有無があるかどうかをチェックしましょう。予算管理システムの種類によっては、無料トライアルが設けられています。
価格や機能性に加え、操作性の高いものを選ぶことが大切なので、実際の操作感を試すためにも無料トライアルの有無は確認すべきことの1つです。
その結果、導入後の「使いにくい」「使いこなせない」といった状況を回避できるでしょう。
機能で選ぶ予算管理システム5選
機能性に優れた予算管理システム5選を紹介します。
(1)BizForecast BC
BizForecastは、予算管理・管理会計をはじめ、人事評価・連結決算・ワークフローなど、さまざまな業務効率化を支援するITツールを「BizForecastシリーズ」として提供しています。
同シリーズにおける予算管理・管理会計に特化したBCは、Excelの課題をカバーすることで、予算管理業務の効率化を支援します。
そのため、これまでExcelで予算管理を行ってきた企業におすすめのツールです。
提供元 | プライマル株式会社 |
初期費用 | 要問い合わせ |
料金プラン | 【基本料金】 ■Standard
■Enterprise:要問い合わせ 【ユーザー追加料金】 ■Standard
■Enterprise:要問い合わせ |
機能・特徴 | 配賦処理機能、通期見込機能、Webクライアントによる運用、外部システムとのデータ連携、柔軟なレポーティング、容易な画面・レポート設計、任意のテーブル作成による多様なデータの管理・分析、多言語・多通貨対応、アラート機能、BizForecastFCなどへの展開など |
URL | 公式サイト |
(2)iFUSION
iFUSIONは、Excelに関するあらゆる業務を効率化できるツールです。
収集したいExcelフォーマットをデータベースに登録するだけで一元管理できるため、予算の確認や編成といった管理も簡単に行えます。
Excelフォーマットを登録する際は、自動的にエラーチェックが実行されるため、手動で確認する必要もありません。
提供元 | 株式会社インプレス |
初期費用 | 要問い合わせ |
料金プラン | 要問い合わせ |
機能・特徴 | Excelの活用、さまざまなExcel、データベース化、承認機能、組織情報の履歴管理、Webデータ照会、進捗確認、エラーチェック、データの活用、権限設定、操作ログ、セキュリティなど |
URL | 公式サイト |
(3)Workday Adaptive Planning
Workday Adaptive Planningは、予算管理における意思決定をスピーディーに行えるだけでなく、データ分析をもとにより効果的な戦略を提案してくれます。
Excelと同じような操作感覚で利用できるため、予算管理へのツールの導入が初めてでも、担当者は操作に迷いにくいでしょう。
提供元 | ワークデイ株式会社 |
初期費用 | 要問い合わせ |
料金プラン | 要問い合わせ |
機能・特徴 | ローリングフォーキャスト、トップダウン型とボトムアップ型の予算編成、増分およびゼロベースの予算編成、ドライバーベースの費用プランニング、ワークフォースプランニング、セールスプランニング、オペレーションプランニングなど |
URL | 公式サイト |
(4)bixid
bixidは、予算管理の効率化をはじめ、会計データの可視化も実現できるツールです。
毎月の数字が確定したら、同ツールにデータをアップロードするだけで月次レポートを自動生成してくれます。また、「計画自動アシスト機能」によって予算編成も簡単にでき、業務効率化につながるでしょう。
提供元 | 株式会社 YKプランニング |
初期費用 | 無料 初期導入サポート:71,500円(税込)~ |
料金プラン |
|
導入実績 | 導入企業14,000社以上 |
機能・特徴 | 月次経営報告、経営分析、経営管理、コミュニケーション、会計データチェックなど |
URL | 公式サイト |
(5)Board
Boardは中小企業向けに提供されており、書類作成から予算管理まで、バックオフィス業務の効率化を実現する業務管理システムです。
案件単位での損益管理も可能なため、予算管理で設定した目標の達成度も一目で把握できます。売上見込みから経営分析まで、あらゆる業務領域に対応している点も特徴です。
提供元 | ヴェルク株式会社 |
初期費用 | 無料 |
料金プラン |
|
導入実績 | 有料導入数4,300社以上 |
機能・特徴 | 書類作成、営業管理、支払管理、売上見込の把握、キャッシュフロー予測など |
URL | 公式サイト |
予算管理システムの選び方を知り自社にあったツールを導入しましょう!
予算管理システムにはさまざまな種類があり、価格・機能・操作性など特徴が異なります。
価格など一部の条件のみで比較するのではなく、総合的に判断しなければなりません。予算管理システムの選び方を知ったうえで、自社に適したシステムを見極めましょう。
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