予算管理でよくある問題点とは?システム導入で改善できる5つの課題
この記事では、予算管理でよく起きる問題点やシステムの導入によって解決できる5つの課題を紹介していきます。導入メリットやおすすめの予算管理システムも併せて紹介していくので、ぜひ参考にしてみてください。
目次
予算管理でよく発生する問題点
企業の継続的な運営に予算管理は欠かせないものですが、実際に予算管理を試みると様々な問題に直面するケースが見受けられます。まずは、予算管理で発生しやすい問題点を確認していきましょう。
(1)Excel管理で入力作業に手間がかかっている
Excelで予算管理をしている場合、手入力の作業が数多くあることから、工数も増えてしまいがちです。社内で組織体制などに変更があれば、その都度フォーマットや関数の見直しが必要になるため、効率的な作業とはいえません。
複数で予算管理を担当するケースにおいては、修正箇所の指示や確認といった作業だけで多くの時間を割く必要があり、個人で担当するよりさらに時間を要します。
(2)計算ミス・ファイルの紛失などのリスクがある
Excelでは社員が手作業で入力するため、関数設定などを間違ったまま入力すると計算ミスが発生します。また、誤ってファイル削除や保存場所を変更してしまうと、データそのものの紛失リスクも高まるでしょう。
このようなリスクをいかに減らして改善していくのかが、予算管理における課題のひとつです。
(3)集計や見直し作業が煩雑で月次予実管理が遅れている
Excelでの予算管理は非効率な面が多いことから、作業スピードが遅れがちです。そうすると月内に作業が終わらないだけでなく、修正作業に充てる時間も無くなるため、結果的に月次管理が満足に行えない状況に陥ります。
予算管理システムの導入で改善できる5つの課題
煩雑な予算管理においては、予算管理システムの導入がおすすめです。ここからは、予算管理システムを導入することで解決できる課題を見ていきましょう。
(1)全社の予算と部門別の予算の統合性が取れない
部門ごとに異なった予算配分設定をしていると、全社の予算との整合性が取れないという問題が発生します。この場合、各部門が設定した数字を全社の設定に直し、整合性を取る手間が生じるため、迅速な予算管理が図れません。
(2)子会社やグループの情報収集・予算配分に時間がかかる
子会社やグループ会社に予算作成を依頼した場合、情報を集めるだけで時間がかかります。小規模であれば大きな支障はありませんが、多くの子会社を抱える企業にとっては、情報収集がスムーズに運ばないと全体の予算配分に大きな支障をきたします。
また、それぞれの予算が上がってきたあとに情報を統合し、最終的な予算配分を決定していくことになるため、二度手間となってしまう点が課題のひとつです。
(3)事業や部門の拡大の際に予算管理が追いつかなくなる
企業の成長にともない、事業拡大や部門拡大を試みる場合、予算管理に要する工数が増えます。非効率な管理体制を取っているほど、事業拡大時の対応に時間を取られることになり、対応が追いつかなくなる可能性もあるでしょう。
(4)マスター情報の設定と変更業務の負荷が高い
マスター情報を新たに設定する場合や変更する場合も、多くの工程が生じ、労力が必要です。Excelでマスターを作成することも可能ですが、システム作成に高度な知識が必要であり、トラブルが生じた際に対応できる人材が限られてしまう点が懸念されます。
(5)参考データの参照がしづらい
前年同月比のデータ比較が必要となった場合、該当データが別ファイルで保存されていると確認に時間がかかり、非効率です。
また、予算管理の数字として上がってこない非財務指標を確認したい場合、システムで一元管理されていなければ各担当部署に問い合わせる必要があるため、スムーズな確認作業が図れません。
予算管理システムを導入するメリット
多くの課題を解決しうる予算管理システムですが、具体的にどのようなメリットがあるのでしょうか。ここからは、主なメリットを5点紹介していきます。
(1)人為的な入力ミスの減少
Excelなどと比較すると、入力する工数が大きく削減できるため、人為的な入力ミスが減少します。それにともない、入力ミスの箇所を探す時間や修正にかかる時間も削減可能です。
(2)予算編成の効率化
会計ソフトや原価計算ソフトと連携することで、予算編成のために必要な数値をシステムに集約可能です。結果、予算編成時の効率化が可能になり、今まで発生していた作業時間が減少します。
(3)子会社を含めてのデータの可視化・分析
時間がかかっていた子会社のデータ収集も、予算管理システムを活用すれば一元管理が可能です。Excelのフォーマットをシステム上に登録しておけば、あとはそれぞれの子会社が情報を入力・アップロードするだけで情報が集められます。
収集したデータはシステムが自動集計し、スピーディーに可視化を図れます。必要に応じて図や表を作成できるため、分析作業もスムーズに取り組めるでしょう。
(4)データ分析の効率化
予算管理業務においては、分析も重要なタスクのひとつです。予算の進捗状況の確認や前年度との比較を適宜実施していくことで、予算編成のクオリティを高められます。
データは日々蓄積されていくものです。分析に何日も時間をかけてしまうと、その分データの鮮度は落ちてしまい、分析結果の価値も失われてしまいます。予算管理システムを使用すれば、予算の進捗状況を即座にレポート表示できるため、最小限の労力で日々のデータ分析が実現できるでしょう。
(5)部署毎の予算配分・達成率の可視化
レポーティング機能や分析ツールを備えた予算管理システムでは、部署ごとの予算配分や達成率の可視化も容易です。
数値で達成状況や配分状況が確認できるため、どの部署が予算を達成していて、全体の予算達成度がどのようになっているのかが具体的に理解できます。責任の所在が明らかとなるため、予算達成へ向けて各部署のモチベーションも高まることでしょう。
業務効率化に!おすすめ予算管理システム5選
予算管理システムのメリットは理解できたものの、どのような予算管理システムが存在するのかわからない人もいるのではないでしょうか。
ここからは、業務効率化に貢献しうる予算管理システムを5つ紹介していきます。ぜひシステム選びの参考にしてみてください。
(1)BizForecast
BizForecastは、Excelに不足している情報共有や情報管理といった点を補完してくれるシステムです。Excelを操作する感覚でシステムを利用できるため、Excelで予算管理している企業でも抵抗感なく導入が図れるでしょう。
多言語対応のシステムなので、主要画面を英語や中国語で表示することも可能です。海外拠点を持っている企業や、外国人労働者の多い企業にも使い勝手のいいシステムといえます。
提供元 | プライマル株式会社(英文社名 Primal, Inc.) |
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初期費用 | 要問い合わせ |
料金プラン | 要問い合わせ |
機能・特徴 | 収集進捗管理、収集パッケージデザイン機能、Excelインポート・エクスポート機能、仕訳入力・検索機能、精算表機能、ドリルダウン照会機能、ユーザー設計帳票機能、多言語対応、多通貨対応、内部統制・監査対応 |
URL | 公式サイト |
(2)iFUSION
iFUSIONは、企業が利用しているExcelのフォーマットを活用し、業務効率化を図るExcel運用サポートシステムです。
子会社やグループ会社から送られてきたExcelデータをシステムで一元管理し、分析から報告書作成までをワンストップで行える点がiFUSIONの特徴です。
エラーチェック機能を使用すれば、Excelデータの入力漏れや計算間違いが自動修正できるため、データ内容の確認作業が短縮できます。また、ロック機能が搭載されているので、データ更新後の不要なデータ修正や改変を予防できる点が、本システムの強みです。
提供元 | 株式会社インプレス(Impress.Co.,Ltd) |
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初期費用 | 要問い合わせ |
料金プラン | 要問い合わせ |
機能・特徴 | Excelの活用、データベース化、承認機能、組織情報の履歴管理、Webデータ照会、進捗確認、エラーチェック、データの活用、権限設定、操作ログ |
URL | 公式サイト |
(3)Workday Adaptive Planning
Workday Adaptive Planningは、クラウド型の予算管理システムです。直感的に使用できるインターフェースが特徴で、担当者の技術レベルに関係なく運用できるというメリットがあります。
会計システムやERP(企業資源計画)との連携も可能であることから、データを一元化し、現実に即した予算編成を練ることが可能です。また、レポート作成機能が充実しているため、チームや部署間での情報共有もスムーズに進められます。
提供元 | ワークデイ株式会社(Workday Japan KK) |
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初期費用 | 要問い合わせ |
料金プラン | 要問い合わせ |
機能・特徴 | 多言語対応、ERP・会計ソフトとのデータ連携、分析・レポーティング、シナリオプランニング、収益予測 |
URL | 公式サイト |
(4)Loglass
Loglassは、予算を含む経営管理全般をカバーするクラウドサービスです。Excelなどの表計算ソフトからのデータを素早くシステムに読み込み、反映できることから、分析作業に入るまでの流れがスムーズです。
また、組織体制の変更が生じた場合は、シンプルな操作で簡単にマスターデータを変更できます。グループ会社や子会社が複数ある企業にとって、システム内の組織再編が容易なLoglassは、業務効率化を図るうえで有効なサービスといえるでしょう。
提供元 | 株式会社ログラス |
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初期費用 | 要問い合わせ |
料金プラン | 要問い合わせ |
機能・特徴 | タイムマシン機能、実績インポート機能、編成プロジェクト機能、コメント機能、配賦機能、ダッシュボード機能 |
URL | 公式サイト |
(5)Manageboard
財務分析機能が充実している予算管理システムといえば、Manageboardです。PL(損益計算書)・BS(賃借対照表)・CF(キャッシュフロー計算書)を連動させながらシステムを利用できるため、シミュレーションや計画のアップデートも容易です。
分析に使用する項目をタグで設定すれば、部門、商品、取引先、プロジェクトといったように集計軸をカスタマイズして予算分析が図れます。
提供元 | 株式会社ナレッジラボ |
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初期費用 | 要問い合わせ |
料金プラン | 要問い合わせ |
機能・特徴 | 多軸分析、詳細計画、カスタムレポート、ユーザー権限のカスタマイズ、PL/BS/CFとの連動、会計ソフトとの連携 |
URL | 公式サイト |
予算管理の問題点はシステム導入で解決しましょう
予算管理には、多大な時間と労力を要します。特に、Excelなどの表計算ソフトで管理する場合は、入力作業に時間がかかったり、計算ミスにより修正作業が発生したりするため、効率的ではありません。
予算管理システムを導入することで、人為的なミスを減らせるだけでなく、データ分析の効率も高められます。また、部署ごとの予算達成状況を可視化できるため、部署やチーム単位のモチベーションアップも期待できるでしょう。
自社に適した予算管理システムを導入し、スムーズかつスピーディーな予算管理を実現していきましょう。
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