経営者と社長の違いとは?それぞれの役割や必要なスキル

2023/08/22 2023/08/23

経営

経営者と社長の違い

組織や企業のトップとして位置づけられる、「経営者」と「社長」。両者ともに、社員を率いて組織を成長・発展に導かなければなりませんが、具体的に両者にはどのような違いがあるのでしょうか。経営者と社長は違うのか、経営者・社長それぞれの役割や、必要なスキルを詳しく解説します。

経営者と社長の違いとは?

組織や企業のトップを指す「経営者」と「社長」の両者は、兼任しているケースも多いため「経営者=社長」として捉えられがちですが、実は、その意味や定義には、明確な違いがあります。どのように違うのか、「経営者」と「社長」それぞれの定義や役割、必要なスキルについてみていきましょう。

経営者とは?

経営者とは、経営の方針や企画を立案・決定する責任者の総称です。

広義では小規模な個人事業や個人商店などを経営している人も含まれますが、企業経営をしている人を指すのが一般的です。

企業では会長・社長・代表取締役などの役職に就いている場合が多く、法的な代表権を有し、他社との契約など対外的な手続きを行える立場にあります。

経営者の役割

経営者の役割は、企業を継続的に存続・発展させることを目的として、意思決定の最高責任者として経営における全ての責任を負うことです。

具体的には、事業の立ち上げ・成長・維持などすべての場面で方針を決め、場合によっては自身でも業務を行います。加えて、トラブルが発生した場合や会社が倒産した場合も、組織のトップとして責任を取ることが求められます。

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経営者に必要なスキル

次に経営者が企業・組織を運営するうえで備えておくべき必要なスキルについてもみていきましょう

1.企業の目指すべき未来を描き伝える力

経営者は企業の目指すべき未来を自身で描き、周囲の人間や従業員に賛同してもらえるよう、わかりやすく伝える力が不可欠です。

あらゆる場面で方針や目的・目標を決める権限があっても、実際に動いて形にしていくのは組織で働く従業員だからです。

経営者は、掲げた目標を達成するための手段として組織や会社を形成します。一方、従業員は経営者が設定した方針や計画にもとづき、指示を受けて業務を遂行していきます。

目指すべき未来が不明瞭な組織はコンパスを持たない船のようなもので、行き先はおろか何をすれば良いのかすらもわからなくなってしまうでしょう。

経営者は、向かうべきゴールはどこで、そのためには何が必要で、どのように進んでいくのかを明確にし、組織の末端に至るまで浸透させる力が求められます。

2.論理的な思考力

経営者には、一般的なビジネスパーソンよりも高度な論理的思考力が必要です。論理的思考力とは「ロジカルシンキング」とも呼ばれ、物事を体系的に捉え、筋道を立てて結論を導き出す思考法を指します。

ライフスタイルや価値観が多様化した現代社会においては、業界を問わず市場競争が激化し、製品のライフサイクルも短縮化しています。直感や感覚だけに頼った事業成長には限界があり、再現性も低いと言わざるを得ないでしょう。

このような状況下で、企業を持続的に成長させるには、冷静に状況を分析したり情報を集めたりしながら、それらを分析して計画を立てること、最適と思われる答えを導き出すことで事業や施策の成功率をあげていく必要があるのです。

組織が大きくなるほど、ライバルが多くなるほど、論理的思考にもとづいた筋道立った意思決定が重要になるでしょう。

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3.人間関係を築く力

経営者には、人とのつながりを作り信頼関係を勝ち取るための人間関係を築く力も欠かせません。従業員との関係構築はもとより、経営者は取引先や同業他社などの社外の人間とも良好な関係を築き、それを保つ必要があるからです。

具体的には以下のようなスキルが挙げられます。

  • 人間関係構築の基礎となる「コミュニケーション能力」
  • 相手の考えやニーズを察知する「ヒアリング能力」
  • 取引に不可欠な「交渉力」「プレゼンテーション能力」
  • 議論の場で合意形成をアシストする「ファシリテーション能力」
  • 組織を牽引するための「リーダーシップ」
  • 従業員や部下を伸ばす「コーチング力」

経営者は、さまざまな立場の人達と適切な人間関係を築いていくために、このようなスキルを使い分けながら複数の役割を担うことが求められます。

4.広い視野で物事を捉える力

経営者には、管理職や従業員とは全く異なる広い視野で、組織全体の物事・事態を捉える俯瞰力も必要です。

自社だけでなく、企業を維持したり事業を発展させたりするうえでは、競合他社の状況や業界全体のトレンドのほか、世界的な変化を見据えるグローバル視点が必要な場合もあるでしょう。

高い視座で幅広く物事を捉え、それらをふまえて自社をどのような方向性・方法で運営していくかを決める力が求められます。

5.決断する力

決断力は経営者にとって、最も重要ともいえる能力です。

ビジネスシーンにおいては、決断の早さが組織・事業の明暗を分けるシーンが多々あります。また、急成長する企業やヒット商品が生まれる背景には、必ずといって良いほど大胆かつスピーディーな決断が行われています。

自社が発展していくためには、論理的思考力や俯瞰力を駆使しながら、競合に後れを取らない素早く正確な決断が求められるのです。

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社長とは?

社長とは、会社の業務執行を指揮する最高責任者を指す役職名、または社内での呼称です。

「社長」と呼ばれる人であっても法的な代表権を有していない場合がある点、会社のルールによって権限の範囲が変わる点が経営者と異なります。

たとえば、業務上の責任者は社長でも、会長やオーナーが代表権を有している場合などが挙げられるでしょう。一方、自分で起業して呼称を決めれば誰でも社長になれるという側面もあります。

経営者と社長は、本来、明確な定義の違いがありますが、一般的には、代表権を持つ経営者が社長を兼任するケースが多いためか、経営者と社長が同義語として扱われたり、同じ役割であると捉えられたりするケースが見受けられます。

社長の役割

社長の役割はそれぞれの企業におけるルールによって異なりますが、一般的には以下のようなものが挙げられます。

  • 会社の方針を決め、戦略・計画を立案する
  • 会社全体が問題なく機能するよう管理する
  • 業務の仕組みや従業員が働きやすい環境を作る
  • 事業に必要な資金の調達・管理をする
  • 組織の構築や適材適所への人材配置を行う
  • 会社の顔として行事や交流会に参加する

このように社長の役割にはさまざまなものがありますが、どちらかというと事業目標の達成や会社の成長に向けた実務寄りの役割が多い傾向にあります。

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社長に必要なスキル

続いて、社長の役割を実行するうえで、必要とされる5つのスキルについても確認していきましょう。

1.人間力

社長には、社内外の人たちと良好な関係を築くための人間力が求められます。どんなに優れた社長であっても一人でできることには限界があり、多くの人からの協力が必要不可欠だからです。

たとえば、経営方針や指示を伝える場合、従業員になめられたら終わりとばかりに、上位下達、絶対服従といった有無を言わさぬ姿勢で伝えたとしても、従業員の共感はおろか、反発を受けかねません。これは社内に限らず、取引先や同業他社など社外の人であっても同様でしょう。

社内を活性化させつつ協力体制を構築し、社外の人たちからも助力を得られるような関係を構築するには、周囲を巻き込んで味方にする人間力が必要なのです。

2.先を見通す力

社長には、先を見通す力である先見性も求められます。

当然ながら時間の経過とともに社会は変化していき、それにともない世の中が求める価値も刻々と変わっていきます。

企業を存続・発展させていくためには、5年後や10年後など中長期的な目線に立って社会のニーズを先読みし、そのニーズに対応するための行動を起こし続けなければなりません。

世の中はこれからどう変わり、そのとき会社はどのようなポジションを取って、どのようなサービス・製品を展開していくべきか。このような先見性が経営の成否を分けるといっても過言ではないでしょう。

3.数字に関するスキル

社長には、会社の経理や財務などに関する数字のスキルも必要です。

会社の規模にもよりますが、仮に経理や財務の責任者を置いたとしても、担当者たちが正しく業務を遂行しているかを知るには一定の知識が必要です。

また、経理や財務の担当者・責任者を置かない場合は、社長自らお金の流れを把握・管理する必要があります。

人に任せる場合、自分で行う場合にかかわらず、社長は数字から事業や組織の状況を的確に把握するスキルが必要と考えておくべきでしょう。

4.向上する力

社長には向上する力も不可欠です。企業間競争が激しい現代において、同じことの繰り返しによる現状維持を続けていては、相対的な競争力を失う可能性が高くなってしまうでしょう。

企業の持続性を保つには、常に新しいことへの挑戦や工夫、改善が求められるのです。収益の向上や企業の成長を願うのであればなおさらでしょう。

いずれにせよ、企業を存続させ収益を上げ続けるためには、常に今よりもより良くなる方法を考える向上心が必要です。

5.判断する力

判断力や決断力は、経営者のみならず、事業や現場作業における重要な決断を担うことの多い社長にも求められるスキルといえます。

判断力のない社長が率いる組織では、事業は推進力を失い、従業員の士気や生産性も低下していきます。そのため、社長が下す判断の内容とスピードは、事業の成功を左右するだけでなく、企業の存続にも影響するのです。

加えて、判断を下した後は具体的な行動に移す決断も必要です。組織をより良い方向に導くためには、適切で素早い判断力が求められます。

経営者・社長それぞれの違いをよく理解しよう

経営者・社長はどちらも組織のトップを表す呼び名であり、役割が似ていたり兼任したりするケースが多いことから混同されがちです。

それぞれの違いや役割、必要なスキルをよく理解してビジネスシーンに活かしていきましょう。

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