ビジネスフォンのリース契約とは?費用相場やメリット・デメリットを解説
ビジネスフォンの導入は、新品や中古で機器を購入する他にリース契約する方法があります。本記事では、リース契約を検討している人に向けて契約料金の相場やメリット・デメリット、契約するときの注意点、リース料金を抑えるポイントについて解説していきます。
目次
ビジネスフォンのリース契約の仕組み
ビジネスフォンのリースとは、利用したいビジネスフォンをリース会社が代理で購入し、毎月一定の金額をユーザーがリース会社に支払いビジネスフォンを利用する仕組みです。
その際、本体代金だけでなく設置工事費などを含めたすべての費用を、リース期間に設定した月数で割り、毎月一定金額を支払います。
リース契約は、販売店・リース会社・ユーザーの三者が関わって成り立つ契約です。契約の流れや期間について解説します。
リース契約の流れ
リース契約は、次のような流れで行います。
- 利用する機器の決定と申し込み
- リース会社との契約の締結
- 販売店との売買契約の締結
- リース料金の支払い
- 購入代金の支払い
まずは販売店とユーザーが相談し、利用する機器を決めた後に申し込みや納品を経てユーザーとリース会社の間でリース契約を締結します。
リース会社と販売店の間で売買契約を締結し、利用する機器の所有権がリース会社に移行します。
リース会社に対し、ユーザーからリース料金を支払うことで契約完了です。毎月一定の金額を支払うことで、ユーザーが機器を利用できるようになります。販売店に対し、リース会社から購入代金を支払って手続き完了です。
契約期間
リース契約では、リースする機器の法定耐用年数によって適正リース期間が定められています。
法定耐用年数とは、対象の機器を問題なく利用できると法律で定められている期間です。ビジネスフォンの法定耐用年数は6年と定められています。
また、税務上の規定により定められているリース期間の下限は、法定耐用年数の70%なので4〜6年が適正なリース期間です。
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ビジネスフォンをリース契約する5つのメリット
次に、ビジネスフォンをリース契約で導入するメリットを紹介します。
- 導入コストを抑えることができる
- リース契約することで税金対策にな
- メーカーのサポートを受けることができる
- 機器の選べる
- 事務処理が不要
5つのメリットについて解説します。
1.導入コストを抑えることができる
リース契約でビジネスフォンを導入することで、導入にかかる初期費用が抑えられます。
ビジネスフォンは、本体や主装置、ユニットなど複数機器を揃えることが必要ですが、全ての機器をまとめてリースが可能です。台数分の費用のみで導入できるため、初期費用を安く抑えられます。
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2.リース契約することで税金対策になる
リース契約では機器の所有権がリース会社にあるため、固定資産税の支払い義務がありません。また、リース料金は税務上認められた期間であれば全額経費として処理が可能です。
定期的に支払っているリース料金は税法上損金(経費)として会計処理されるため、その分節税ができます。
購入した場合には固定資産税や減価償却費などの会計処理が必要であるため、リース契約で導入することにより費用削減・節税に効果が期待できます。
3.メーカーのサポートを受けることができる
新品の機器は、通常1年間メーカーより保証を受けられる点も大きなメリットです。
リース会社によっては、リース期間中の天災時に保証が付く場合があります。どのような条件でどこまで保証されるのか、リースの契約前に確認しておきましょう。
4.機器を選べる
ビジネスフォンを購入してしまうと、買い換えるまで同じ機器を利用することになります。
しかし、リース契約なら契約ごとに機器を更新できるため、新型のビジネスフォンをコストを抑えて利用可能です。
中古のビジネスフォンは新型に比べ安価に購入できますが、機能面や耐久性などで利便性に欠ける場合が多くなります。そこで、新型のビジネスフォンを導入すれば業務効率の改善にも繋がるでしょう。
リース会社によっては、メーカーや機種を自由に選べる場合もあります。機種にこだわりがあれば、複数社のリースプランを比較するのがおすすめです。
5.事務処理が不要
ビジネスフォンを購入した場合、償却事務や税金の申告・納付、保険の手続きなどの事務処理が発生します。
しかしリース契約でビジネスフォンを導入した場合、リース会社が事務処理を行ってくれるため自社で行う必要がなくなります。リース料金は通信費として会計処理できるため、管理事務処理の効率化が可能です。
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ビジネスフォンをリース契約する3つのデメリット
ビジネスフォンのリース契約には、メリットだけでなくデメリットもあります。
- 購入費用よりも総額が高くなることがある
- リース契約は途中解約できない
- 契約終了後はビジネスフォンを返却しなければならない
それぞれのデメリットについても紹介します。
1.購入費用よりも総額が高くなることがある
リース料金には手数料が含まれてるため、支払い総額が購入費用より高くなってしまう場合があります。
毎月のリース料金は、リース会社が購入した代金に利率をかけることで決定する仕組みです。契約した会社や期間により多少異なるものの、平均的な利率は2%と言われています。
リース契約の場合、支払い総額は増加してしまいますが、故障時の保証や税金、付随する事務処理などを考えると、購入より安く抑えられる可能性もあります。ランニングコストを一定にできる点は、リース契約ならではのポイントです。
導入時には目先の金額だけを考えるのではなく、将来的なコストパフォーマンスや重視する点を考えてリース契約か購入か選ぶと良いでしょう。
2.リース契約は途中解約できない
リース契約では基本的に期間満了前の解約ができません。
やむを得ず解約する際には、リース会社の定める違約金の支払い・残りのリース期間分のリース料金の支払い・機器の返却が必要になります。
統廃合や倒産の場合も同様です。
リース会社によっては、契約内容の変更が可能な場合があるので、契約前に解約や契約変更について確認しておきましょう。
3.契約終了後はビジネスフォンを返却しなければならない
リース期間が終了した際、導入したビジネスフォンは原則として返却しなければいけません。リース契約では契約期間ごとに貸し出される機器が決まっており、所有権はリース会社にあるからです。
使い慣れた機器から切り替えることで、業務上支障が出てしまう可能性があり、利用を続けたい場合、再リース契約を締結または買取が必要です。
一般的にリース会社によって買取に対する対応は異なりますが、買取金額の相場は再リース料金の3〜6倍程度です。
すでに耐用年数に近い期間で利用していた機器は、買い取った後に故障する恐れもあるため、あまりおすすめはできません。
ビジネスフォンのリース料金相場
ここからは、ビジネスフォンをリース契約する際の料金相場について紹介します。
リース料金には電話機本体代・主装置代・工事費・保険料などが含まれており、合計金額に料率をかけた金額が毎月の支払い額になります。
料率はリース期間によって異なり、5年契約で約2%・6年契約で約1.7%・7年契約で約1.5%が平均です。
リース契約の例
主装置+電話機3台セットで350,000円、工事費などが50,000円のビジネスフォンをリース契約するとします。
総額400,000円で5年・6年・7年のリース契約をした場合、月額料金と支払い総額は以下のようになります。
5年 | 6年 | 7年 | |
総額 | 400,000円 | 400,000円 | 400,000円 |
料率 | 2% | 1.7% | 1.5% |
月額料金 | 8,000円 | 6,800円 | 6,000円 |
支払い総額 | 480,000円 | 489,600円 | 504,000円 |
ビジネスフォンのリース料金をできるだけ安く抑えるポイント
ビジネスフォンのリース料金を安く抑えるポイントは、下記の4つです。
- 余計な機器と機能を契約しない
- 他社と相見積もりする
- 電話回線もセットで申し込む
- 導入工事も同時に申し込む
少しでも費用を抑えたいと考えている人は、ぜひ参考にしてください。
1.余計な機器と機能を契約しない
ビジネスフォンをリース契約する前に、導入の理由や目的を明確にしておきましょう。
必要な台数・機能を最低限に絞ることができると、無駄なコストをかける必要がなくなり、安く抑えられます。
リース会社にすすめられる場合もあるため、しっかりと必要な台数・機能を把握しておくことが大切です。
また、リースするビジネスフォンの台数の目安は、社員数までです。使用状況や業務形態によっては、それ以下に減らしても良いでしょう。
2.他社と相見積もりする
リース料金を安く抑えるためには、契約を結ぶ前に複数のリース会社で相見積もりをおこないましょう。
会社により期間や保証内容、取り扱っている機器、金額などはさまざまなので、複数社に見積もりを出してもらうことで、相場の把握・基本的な保証内容・リース期間に対する料金などが把握しやすくなります。
事前に決めていた機能や希望の保証内容、料金などを踏まえて比較して契約先を決定できるため、リース料金を抑えることが可能です。また、相見積もりを行うことで他社との値引き交渉にも利用できます。
3.電話回線もセットで申し込む
電話回線とセットで申し込むことで、ビジネスフォンの導入費用を安く抑えられる場合があります。
リース会社はビジネスフォンと同時に電話回線も取り扱っている場合が多く、指定の電話回線に同時に申し込むことでキャンペーンや割引が適用されることも多いです。
電話回線の契約も考えている場合には、セットで申し込みできるとより費用を抑えられるでしょう。
4.導入工事も同時に申し込む
クラウドPBXの導入を同時に申し込むのも費用を抑えるのに有効です。
クラウドPBXとは、インターネットを利用した電話回線のことで主装置がクラウド化されているので、主装置購入の必要がありません。
インターネット回線を利用して、オフィスや自宅・社用スマホなど、さまざまな場所で会社の番号宛の外線・内線を受けることができます。
ビジネスフォンをリース契約するときの注意点
ビジネスフォンをリース契約する際の注意点としては、下記の4つです。
- 途中解約は違約金と残債の支払いが必要
- リース会社の実績・口コミを確認する
- クーリングオフは適用外
- 運用コストの確認をしておく
それぞれ確認していきます。
1.途中解約は違約金と残債の支払いが必要
ビジネスフォンのリース契約を途中解約する際は、違約金と残債を支払う必要があります。
リース契約は基本的に5〜7年と長期で行う企業が多いため、契約期間内での解約は珍しいケースではありません。
会社の規模を縮小したり、移転したりする場合、契約期間内であっても解約をする場合もあるでしょう。
ビジネスフォンをリース契約で使用する際は、計画性を持ち、中古のビジネスフォンを購入したり、クラウドPBXを導入したりする方法も検討してみてください。
2.リース会社の実績・口コミを確認する
ビジネスフォンのリース契約を行う際は、リース会社の実績や口コミを確認し、安心して利用できるか判断しましょう。
多くの利用者がいるリース会社は、経験が豊富で信頼できる会社である可能性が高いです。
自社と同じ業種や業界の導入実績があるリース会社だと、より安心してビジネスフォンをリース契約できるでしょう。
多くのリース会社のホームページでは、会社の所在地や代表者名、創業日、電話番号などが公表してあります。
会社の概要を公表していないリース会社は、違法業者の可能性も十分に高いため注意してください。
3.クーリングオフは適用外
ビジネスフォンのリース契約はファイナンス契約のため、クーリングオフが適用されません。
通常、商品やサービスを購入してから8日〜20日以内であれば、クーリングオフが適用され、代金の返金を請求できます。
しかし、ビジネスフォンをリース契約してもクーリングオフはできないため、仮に契約後に途中解約すると違約金や残債を支払わなければなりません。
そのため、ビジネスフォンをリース契約する際は、自社の用途に合っているか、信頼できる会社かの見極めが大切です。
4.運用コストの確認をしておく
ビジネスフォンをリース契約する際は、提示された料金にメンテナンスなどの運用コストが含まれているかを確認しておきましょう。
リース会社によっては、契約時に提示する料金は初期費用のみで、運用コストが別途かかるケースがあります。
料金が安いリース会社では、メンテナンス費や修理費などの運用コストは自己負担になる場合があります。
最初は安く感じた料金でも、ほかの会社より高くなる可能性があるため、料金の内訳は事前に確認しましょう。
ビジネスフォンのリースは適切な内容で契約しよう
本記事では、ビジネスフォンをリース契約で導入するメリット・デメリットや、安く抑えるポイントなどを紹介しました。
ビジネスフォンのリースには、途中契約できない・返却義務があるなどのデメリットはありますが、導入コストの削減・節税・保証があるなどメリットも多くあります。
ビジネスフォンを導入する際は、必要最低限の機能で複数社で見積もりをしセットで契約できるものは同時に契約するなど、コストを抑える工夫も大切です。
本記事を参考に、ビジネスフォンを導入する際にはリース契約も考えてみましょう。
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