ダイバーシティはSDGs実現の鍵になる?関係性や多様性の重要性について

記事更新日:2022/11/07

ダイバーシティ

ダイバーシティのイメージイラスト

最近になって、ダイバーシティやSDGsといった言葉を耳にする機会が増えました。なぜ注目されているか知らない方も多いのではないでしょうか。当記事では、ダイバーシティがSDGs実現にとってなぜ必要な要素であるのかを、関係性や多様性の重要性をまじえて解説します。

ダイバーシティについて

まずは、ダイバーシティの意味や特徴を詳しくみていきましょう。

ダイバーシティの概要

ダイバーシティは「多様性」や「相違点」という意味を持ち、以下のようにさまざまな違いを持った人々が集まった状態のことです。

  • 人種や国籍
  • 性別
  • 年齢
  • 宗教
  • 性的傾向
  • 障がいの有無
  • 学歴や経歴
  • スキル
  • 価値観

ビジネスシーンにおけるダイバーシティは、上記のような違いを「個性」として尊重し、幅広い人材を受け入れている状態を意味します。また、多様な人材を活用する経営手法を「ダイバーシティ経営」と呼ぶことがあります。

ダイバーシティの属性

ダイバーシティは、「表層的ダイバーシティ」と「深層的ダイバーシティ」の2種類に分けることが可能です。

表層的ダイバーシティとは、外見から見分けられる属性のことです。自分の意思では変えられない、または変えることが困難という側面を持っています。

一方、深層的ダイバーシティとは、外見ではわからない内面的な要素を示す属性です。他人の目には見えないことから、すぐには気づかれにくい側面があります。

深層的ダイバーシティは他人から気づかれにくいため、えてしてコミュニケーションミスを引き起こす要因となってしまいます。そのため、表層的ダイバーシティに加え、個々の深層的ダイバーシティを深く理解することが大切です。

それぞれの属性をまとめたものが、以下の表です。

表層的ダイバーシティ 人種や国籍、性別、年齢、性的傾向、障がいの有無
深層的ダイバーシティ 宗教、学歴、経歴、スキル、価値観

SDGsについて

続いてSDGsについて詳しくみていきましょう。

SDGsの概要

SDGsとは「持続可能な開発目標」のことで、2015年9月の国連サミットにて採択されました。「誰一人取り残さない」をテーマとし、持続可能性を保ちながら、すべての人にとってよりよい世界を目指すものです。

SDGsでは、17のゴールと169のターゲットが存在します。環境・社会・経済などの分野における世界的な問題に対して、国や企業、非営利組織などが解決に取り組んでいます。2030年という期限を目前に、日本でもさまざまな取り組みが進められている状況です。

SDGsの達成状況

2022年6月に発表された「持続可能な開発レポート2022(Sustainable Development Report 2022)」によると、日本のSDGs達成度ランキングは19位でした。前年の18位という結果からランクダウンする形となり、SDGsの達成度を可視化するスコアも、79.8から79.6と0.2減少しています。

17ある目標のうち、日本では以下の3つの目標を達成したと評価されています。

  • 目標4:質の高い教育をみんなに
  • 目標9:産業と技術革新の基盤をつくろう
  • 目標16:平和と公正をすべての人に

一方、以下の6つの課題については達成度が低く、深刻な課題とみなされている状況です。

  • 目標5:ジェンダー平等を実現しよう
  • 目標12:つくる責任 つかう責任
  • 目標13:気候変動に具体的な対策を
  • 目標14:海の豊かさを守ろう
  • 目標15:陸の豊かさも守ろう
  • 目標17:パートナーシップで目標を達成しよう

「目標5:ジェンダー平等を実現しよう」で具体的に挙げられた課題は、国会における女性議員の少なさです。また、令和2年時点での非正規雇用者に関しても、男性が22.2%であるのに対し、女性は54.4%という結果でした。

[出典:Sustainable Development Solutions Network「SUSTAINABLE DEVELOPMENT REPORT 2022」]

[出典:男女共同参画局「第1節 就業をめぐる状況」]

ダイバーシティとSDGsの関係性

ダイバーシティとSDGsはどのような関係性があるのでしょうか。ここからは、ダイバーシティとSDGsの関係性について詳しくみていきましょう。

ダイバーシティとSDGsの目標

ダイバーシティと深い関わりを持つSDGsの目標は、以下の2つです。

  • 目標5:ジェンダー平等を実現しよう
  • 目標8:働きがいも経済成長も

性別や性的傾向を個性としてとらえるダイバーシティの考え方は、ジェンダー平等の実現に関連が深いものです。

また、ダイバーシティでは多様な人材の活用を目指します。さまざまな特徴を持った人材が集まれば、新たなアイデアが生まれる可能性が高まり、従業員の働きがいや企業の成長につながることでしょう。そうした理由から「目標8:働きがいも経済成長も」の実現には、ダイバーシティへの取り組みが求められているのです。

ダイバーシティとSDGs169のターゲット

SDGsにおける17のゴールを達成するために、必要な取り組みや目標を具体的に示しているのが169のターゲットです。169のターゲットでは、ダイバーシティと大きく関連している内容が数多く存在します。

たとえば「目標8:働きがいも経済成長も」のターゲットには、「2030年までに、若者や障害者を含むすべての男性及び女性の、完全かつ生産的な雇用及び働きがいのある人間らしい仕事、ならびに同一労働同一賃金を達成する」というものがあります。

これは、年齢や障がいの有無にかかわらず雇用の機会が与えられ、賃金格差を無くそうという内容です。年齢や障がいの有無を個性として捉えるダイバーシティと関係しています。このように、169のターゲットにある各目標を達成するためにも、ダイバーシティの実現が必要です。

[参照:外務省「8: 働きがいも経済成長も」]

多様性が重要視される理由

ここからは、多様性が重視されている理由について、社会と企業の2つの視点から解説していきます。

生活しやすい社会を実現するため

多様性とは、人間同士がお互いを差別せず、認め合うことで実現されるものです。多様性に乏しい社会では、一部の人が犠牲になったり、選択肢を狭められている可能性があります。

たとえば、トイレが「男性」と「女性」という2つの区別だと、男性と女性以外の性的傾向がある人には選択肢がありません。そのため、現代では「多機能トイレ」や「男女共用トイレ」などが普及しつつあります。

ほかにも、外国人であることを理由に雇用されなかったり、賃貸契約を結んでもらえなかったりする社会は、多様性に乏しい不平等な世界といえるでしょう。

すべての人々が自分の個性や価値観によって苦しんだり、不利益をこうむったりしない社会をつくるためには、多様性への取り組みが欠かせません。

企業を成長させるため

多様性を認めることは、企業の成長にもつながります。企業が多様性を認めることで、以下のようなメリットを得ることが可能です。

  • 幅広い人材の確保・活用
  • あらゆるニーズの把握
  • 企業イメージの向上
  • 新たなアイデアやビジネスチャンスの創出
  • ハラスメントの発生防止

多様性を受け入れている企業には、多様な人材が集まります。さまざまな視点からの意見を取り入れられるため、事業活動だけでなく、よりよい社内環境の構築にも役立つでしょう。このように、企業を成長させるひとつの手段が、多様性の推進といえます。

ダイバーシティの取り組み事例

現代では、ダイバーシティ推進に取り組む企業も増えています。ここでは、ダイバーシティに取り組む企業事例を5つチェックしていきましょう。

資生堂の取り組み

資生堂は、グループの83%を女性社員が占めており、女性活躍に積極的な企業のひとつです。「女性リーダー育成塾」や「キャリアに対するメンタルプログラム」などの多岐にわたる取り組みを実施しています。2020年には内閣府の「女性が輝く先進企業表彰」で「内閣総理大臣表彰」を受賞しました。

また、すべての従業員が仕事とプライベートを両立できるように、フレックス制度やテレワークを導入している点も特徴です。

ユニリーバの取り組み

ユニリーバは、ビジネス戦略のひとつとしてダイバーシティを掲げています。2019年には女性管理職の割合を50%にまで引き上げました。ジェンダーや障がいの有無にかかわらず、雇用や労働の機会が平等であることを重視しています。

また、採用活動では、2020年度から履歴書の顔写真や性別の記入を不要としました。この取り組みは、就職希望者の個性や能力のみに注目した採用を可能にしています。

BIPROGYの取り組み

BIPROGYでは、育児・介護と仕事の両立を支援する取り組みをおこなっています。具体的には、育児や介護で休職中の従業員に向けた通信教育の実施などが挙げられます。育児休職からの復帰率が95%以上という高水準を10年以上継続してきた実績は、注目すべきポイントです。

同社では、ダイバーシティの社内浸透にも注力しています。グループ社員を対象としたe-ラーニング研修や、年に1回開催される全社セミナーで、社長自らがダイバーシティの重要性を発信するなど、社員一丸となってダイバーシティを推進する体制を構築しています。

カンロの取り組み

カンロ株式会社では、従業員全員にとって働きやすい職場環境を目指しています。女性に限らず育児休業を取得できたり、個々の事情に合わせて働きやすいフレックス制度を導入したりしています。

また、従業員それぞれが個性を認め合えるよう、服装も自由にしました。ほかにも、2020年からは、多様な人材を活用するために、マイノリティな人材に向けた研修の実施や、相談窓口の設置もしています。このように、従業員をさまざまな形で支援する仕組みを設けているのが同社の特徴です。

エーザイの取り組み

エーザイ株式会社では、「無意識の偏見」に対する研修が実施されています。

無意識の偏見は、深層的ダイバーシティを見落とすことで発生してしまうものです。無意識の偏見を持っていることに人は気づきにくいため、いつの間にか相手を傷つけたり、ストレスを与えていたりします。

こうした課題を解決するための研修を実施し、すべての従業員にとって働きやすい職場環境づくりを意識しているのが同社の特徴です。また、育児休暇を取得しやすくするため、「育児支援に関する制度」を導入するほか、育児に理解のある上司を育成する研修などを実施しています。

SDGs実現のためにダイバーシティは必要な概念

SDGsの目標を達成するためには、ダイバーシティの実現が必要です。ダイバーシティは社会環境づくりだけでなく、企業においても重要な役割があります。

まずはダイバーシティの概念や、SDGsの目標について理解するところから始めてみるとよいでしょう。

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