電子契約システムの平均費用は?導入コストや費用対効果について解説

2022/3/25 2022/03/26

電子契約システム

契約を結ぶビジネスマン

電子契約は業務の効率化やコスト削減に効果的です。しかし、導入にはどの程度の費用が必要か気になる方も多いのではないでしょうか。本記事では、電子契約にかかる費用の相場や費用対効果について解説します。電子契約における料金プランや内容を理解し、費用対効果が高いサービスを選びましょう。

電子契約システム導入にかかる平均費用

現在、テレワークの普及といった働き方の変化や、企業におけるコストおよび業務の見直しを背景に、電子契約システムが徐々に普及しつつあります。

この電子契約では、当事者が契約内容に合意したことの証明として、自署や押印の代わりに、電子署名を使用します。したがって、電子署名をデータ化された契約書に付与するためには、電子契約システムを導入しなければなりません。

システム導入と運用にかかる費用は、使用するサービスによって違いがあるものの、導入時の初期費用のほか、平均1~4万円程度の月額利用料と、契約1件につき50~300円の料金が必要です。

(1)電子契約サービスの基本料金

電子契約システムの基本料金は、主に「月額利用料」と「契約件数ごとに発生する従量課金」の2つの料金によって構成されています。

このうちの月額利用料に関しては、定額利用料内で標準装備されている機能が多い電子契約システムほど高い傾向にあります。

一方の契約件数ごとに発生する従量課金には、主に契約書の作成、送信など、契約締結の一連の工程にかかる諸費用が含まれます。電子契約システムの多くは、この従量課金を用いていますが、なかには、定額料金にて「月10件までの契約は無料」といった料金プランを用意しているサービスもあるため、自社の契約数に合わせてプランを選ぶことができます。

当然ですが、従量課金は契約数が多いほど費用も高くなります。電子契約システムのトータルの運用コストは、ひと月に約50件の契約数の場合であれば、年額25~50万円程度のコストが必要になると考えておくと良いでしょう。

(2)電子証明書の発行費用

電子証明書とは、主に電子署名の本人性を担保するための書類です。紙の契約書と電子契約を比較して例えると、電子署名が紙の契約書の押印にあたり、電子証明書が印鑑登録書の役割を果たすことになります。

さらに、電子契約には、「当事者型」と「立会人型」の2つの契約方法があり、電子証明書は、主に当事者型の電子契約において必要となります。

一般的に企業間の契約において使用される証明書は、国から認定を受けた認証局に身元情報を提出し、本人であることを確認した後に発行されるものを利用しますが、発行の際には、数千円程度の発行手数料がかかります。この手数料は証明期間によって異なるので、その点に注意しなければなりません。

(3)オプション費用

利用できるオプションの内容は、サービス提供会社によってさまざまです。あらかじめオプション料金の詳細が提示されているケースもありますが、見積もりを依頼しないと総額がわからないケースも少なくありません。

オプション機能の種類は、電子契約サービス提供会社によって異なるため、契約する前にどのようなオプションがあるのかチェックし、自社の目的に合ったシステムを選びましょう。一般的に各社がオプションとしてる機能は、以下の通りです。

  • 電子契約システム上でのデータの保管を
  • クラウドストレージのエリア拡張(保存容量のアップ)
  • 条件で契約書を検索できる検索機能
  • テンプレートを用いた契約書の作成機能
  • 暗号化、データバックアップ、IDやパスワードによる認証
  • アカウント保護などの各種セキュリティ機能
  • SFA(営業支援システム)やCRM(顧客関係管理)ツールなどと連携する外部システム連携機能

前述のとおり、機能はシステムによってさまざまですので、これらが一律に追加費用が必要なオプションとなるわけではありません。定額料金内で利用できる標準機能として含まれている場合もあるため、コストを比較する際は、「何に追加費用がかかるのか」に気をつけるようにしましょう。

電子契約のメリット・デメリットとは?導入前に知っておくべき注意点も解説

【相場をチェック】電子契約サービス15社の費用を比較

電子契約システム業者は多数あり、基本的なサービス内容が同じ場合でも費用やプラン、取り扱いのオプション機能は異なります。

サービス名 運営会社 導入費用 料金プラン 契約1件ごとにかかる料金 特徴
マネーフォワードクラウド契約 株式会社マネーフォワード 初期費用0円 ●30名以下でご利用の法人
【スモールビジネス】
月額プラン4,378円/月(税込)
【ビジネス】
月額プラン6,578円/月(税込)
●31名以上でご利用の法人
お問い合わせ
不明 書類の一元管理・システム連携に対応。
【スモールビジネスプラン】
部門管理が不要な企業や、請求業務の少ない小規模事業者向け。
【ビジネスプラン】
バックオフィス業務全般を効率化したい中小企業向け。
AcrobatSign アドビ株式会社 初期費用不明 【Acrobat Standard DCグループ版】
1,848 円/月/ライセンス 税込
※年間契約が必要。Windows版のみ
【Acrobat Pro DCグループ版】
2,068 円/月/ライセンス 税込※年間契約が必要。WindowsおよびmacOS
【Acrobat Sign Solutions】
お問い合わせ
0円 【Acrobat Standard DCグループ版】
電子サインと基本的なPDFツールでシンプルな文書管理を実現。【Acrobat Pro DCグループ版】
電子サインと、より強力なPDFツールを使用して文書を簡単にレビュー、編集、準備することが可能。【Acrobat Sign Solutions】
アプリケーション連携やAPI、SSOなどを利用してビジネスの拡大を目指すチームに最適なプラン。
BtoBプラットフォーム契約書 株式会社インフォマート (Infomart Corporation) 初期費用不明 【フリープラン】
0円/月
【シルバープラン】
11,000円~/月(税込)
【ゴールドプラン】
33,000円~/月(税込)
50円 【フリープラン】
お試しプラン。【シルバープラン】
電子契約機能のみでスタートできるプラン。【ゴールドプラン】
電子契約+自社保管機能を利用できるプラン。
ContractS CLM ContractS株式会社
ContractS Inc.)
初期費用不明 【Standard】
【Professional】
【Enterprise】
※プラン料金はすべて要お問い合わせ
不明 【Standard】
契約書一括作成や締結、法務相談管理などの機能が利用可能。【Professional】
Standardの機能に加え、SAMLシングルサインオンやContractS APIなどの機能が利用可能。
【Enterprise】
お問い合わせ
FASTSIGN 株式会社 マルジュ 初期費用0円 ●無料プラン
0円
●有料月額プラン
【ライトプラン】
11,000円/月(税込)
【ベーシックプラン】
22,000円/月(税込)
【プレミアムプラン】
応相談
不明 ●無料プラン
発行数:10通/月 | 担当者アカウント:1つ | 書類テンプレート:1つ
※無料プランは締結ではなく発行数
●有料月額プラン
【ライトプラン】
締結可能件数:100通 | 担当者アカウント:無制限
【ベーシックプラン】
締結可能件数:500通 | 担当者アカウント:無制限
【プレミアムプラン】
締結可能件数:応相談 | 担当者アカウント:無制限
freeeサイン(旧 NINJA SIGN) 株式会社サイトビジット 初期費用不明 【無料プラン】0円
【スタータープラン】1,078円/月(税込)【Lightプラン】5,478円/月(税込)
【Light Plusプラン】21,780円/月(税込)
【Pro/Pro Plusプラン】55,000円~/月(税込)
0円 【無料プラン】
お試しプラン。
【スタータープラン】
個人事業主限定
【Lightプラン】
登録ユーザーは1人のみ。送信数が月50通までの方におすすめ。
【Light Plusプラン】
文書の一括作成・送信ができ、送信数に上限がない。
【Pro/Pro Plusプラン】
ワークフローで内部統制もしっかり。
Paparlogic電子契約 ペーパーロジック株式会社 初期費用0円 【月25契約まで】
20,000円/月
【月50契約まで】
35,000円/月
【月75契約まで】
50,000円/月
不明 【月25契約まで】
最低利用期間は3ヶ月。
・電子書庫容量50GB付き。
・5ユーザーまで登録可能。【月50契約まで】
最低利用期間は3ヶ月。
・電子書庫容量100GB付き。
・10ユーザーまで登録可能。【月75契約まで】
最低利用期間は3ヶ月。
・電子書庫容量150GB付き。
・15ユーザーまで登録可能。
ジンジャーサイン jinjer株式会社 【ライトプラン】
50,000円【ベーシックプラン】
100,000円【アドバンスプラン】
300,000円
【無料トライアル】0円
【ライトプラン】9,570円(税込)
【ベーシックプラン】33,000円(税込)
【アドバンスプラン】55,000円(税込)~
200円 【ライトプラン】
従業員管理や書類管理、二段階認証機能などがあり、導入セミナーやメールサポートも受けられる。
【ベーシックプラン】
ライトプランの機能に加え、フォルダー公開設定や社内ワークフロー機能も利用可能。導入サポートとして、初回はWEBでMTGができる。
【アドバンスプラン】
ベーシックプランの機能に加え、別途見積もりではあるがSSO・SAML認証やAPI連携機能が利用可能。
電話サポートや従業員向け説明会、導入コンサルによるフォローといったサポートが受けられる。
WAN-Sign 株式会社ワンビシアーカイブズ 初期費用不明 【無料プラン】0円
【有料プラン】
●電子データ管理料
10,000円/月(5,000件ごと)
PDFデータが添付された明細件数のみ課金対象※件数が多いお客様向けに、件数プランから容量プランへの変更も可能
(200GBまで¥30,000/月、以降100GB ごとに¥10,000/月)
【無料プラン】0円
【有料プラン】110円
電子契約締結機能やユーザー管理機能、契約管理機能といった標準機能に加え、オプションサービスとして書類電子化代行サービスやシステム連携がある。
かんたん電子契約forクラウド セイコーソリューションズ株式会社 初期費用不明 【無料お試し版】
0円/月
※1か月間利用可能
【ビジネス版Ⅱ】
11,000円/月(税込)
110円 【無料お試し版】
1ユーザーにつき10ファイルまで保管可能。
【ビジネス版Ⅱ】
SMS送信が可能。
オプションとして、電子契約導入サポートや当事者型署名が利用可能。
クラウドサイン 弁護士ドットコム株式会社 初期費用不明 【Free Plan】0円/月
【Light】11,000円/月(税込)
【Corporate】30,800円/月(税込)
【Enterprise】お問い合わせ
【Light】
【Corporate】
220円
【Enterprise】
お問い合わせ
【Free Plan】
契約締結業務に特化したプラン。
ユーザー数は1名のみ、送信件数は月5件まで。
【Light】
必要最低限の機能を備えたプラン。
ユーザー数と送信件数は無制限。
【Corporate】
書類管理・システム連携の機能を備えた標準プラン。
ユーザー数と送信件数は無制限。
監査ログ機能、Web API、紙の書類インポート機能がある。
【Enterprise】
複数の部署での利用にも適した高度な内部統制機能を備えたプラン。
ユーザー数と送信件数は無制限。
Corporate Planの機能に加え、IdP連携機能やIPアドレス制限、承認権限設定機能がある。
みんなの電子署名 株式会社ベクター 初期費用不明 0円/月
※署名した文書を1年以上サーバーに保管する場合は、保管料金が発生。
料金は保管チケットでの支払いとなり、10枚5,500円で販売。
0円 ・取り扱い文書はPDF形式のみ。
・ユーザー数も送信件数も無制限。
・機能制限なし。
・1年以上文書を保管する場合のみ有償。
リーテックスデジタル契約 リーテックス株式会社 初期費用0円 【エントリー】0円/月
【スタンダード】11,000円/月(税込)
【スタンダードPlus】33,000円/月(税込)
【プレミアム】110,000円/月(税込)
不明 【エントリー】
契約文書の送信は5回まで。
【スタンダード】
契約文書の送信は無制限。
【スタンダードPlus】
契約文書の送信は無制限。
ワークフロー機能つき。
【プレミアム】
契約書の送信は無制限。
ワークフロー、IPアドレス制限機能つき。※契約受信は全てのプランで無制限。
契約大臣 株式会社TeraDox 初期費用不明 【フリープラン】0円
【スタータープラン】
(年払い月額)2,020円〜/月(税込)
【ベーシックプラン】
6,050円〜/月(税込)
【プレミアムプラン】
9,075円〜/月(税込)
【プレミアムプラン以上】
11名以上での利用はお問い合わせ
0円 【フリープラン】
お試しプラン。送信は月1件のみで、ユーザー数も1名のみ。
【スタータープラン】
送信件数は月10件までで、ユーザー数は1名のみ。
【ベーシックプラン】
送信件数は月50件までで、ユーザー数は3名まで。
【プレミアプラン】
送信件数は無制限で、ユーザー数は10名まで。
電子印鑑GMOサイン GMOグローバルサイン・ホールディングス株式会社 初期費用不明 【お試しフリープラン】
0円/月
【契約印&実印プラン】
9,680円/月(税込)
契約印タイプ
110円(税込)
実印タイプ
330円(税込)
【お試しフリープラン】
署名数は月に5件まで。登録は1ユーザーのみ。
【契約印&実印プラン】
法的効力の高い実印タイプでの署名が可能。
部署ごとのフォルダ管理やワークフロー設定も可能。
登録ユーザー数も署名数も無制限。

比較してみると、システム使用料の月額基本料は1万円前後の業者が多いですが、オプション機能の有無や選ぶオプションによって費用の差が出てきます。特に、AI契約書レビュー支援サービスの連携は、選ぶ業者によって対応していないこともあるのでご注意ください。

電子契約システム業者を選ぶ際には費用だけではなく、付属の機能やオプション機能内容を確認して選びましょう。

中小企業におすすめの電子契約サービス14選!導入の必要性から手順まで

電子契約の費用対効果

電子契約システムを導入にかかる費用の相場がわかったところで、実際、システム化によって、どれぐらいのコスト削減が実現できるのかについて、気になる方も多いのではないでしょうか。ここでは、電子契約と紙の契約書のコストを比較しつつ、詳しくご紹介します。

◇紙の契約書

紙の契約書の場合、最も費用がかかるのは印紙代です。200~300万円の請負契約を毎月100件契約を締結していると想定した場合、以下のような諸費用が発生します。

  • 印紙代 月約12万円
  • 印刷にかかる用紙代やインク代 月約2万円(契約書1セットにつき約200円で換算)
  • 契約書の郵便費 月約52,000円(レターパックプラスを利用した場合)
  • 人件費 月約75,000円(時給1,500円、1件にかかる事務作業時間を30分で換算)

上記のコストを合計すると、月間約27万円、年間だと320万円以上のコストが、契約業務にかかっていることになります。

◇電子契約

一方、同じ条件で、基本料金が月額1万円の電子契約サービスを利用した場合のコストは、以下のとおりとなります。

  • 基本料金 月額1万円
  • 契約件数ごとの課金 月額2万円(1件200円で換算)
  • 人件費 37,500円(時給1500円、1件にかかる事務作業時間を15分で換算)

※契約書は、印刷、製本、郵送の手間がなくなるため、人件費は、1件にかかる作業時間を15分で換算。

上記を合計すると、月間約7万円強となり、紙の場合と比べて費用が約1/3以下で済む計算になります。

上記のほか、電子証明書を利用する契約の場合は、1件につき数千円の手数料が発生しますが、それらを考慮しても、特に「印紙代」が不要な点は、コスト面で大きなメリットとなっています。

また、電子契約書はクラウド上で保存されるため、保管場所も必要ありません。総合的に考えると、電子契約は費用対効果に優れていることがわかります。

電子契約の仕組みと導入方法とは?サービスを選ぶポイントも簡単に解説

電子契約の導入による取引先への負担は?

次に気になるのが、電子契約を導入することによる取引先への負担です。どのような契約方法を選ぶのかによっても、相手方の負担の度合いは異なってくるため、次に詳しく説明していきます。

(1)費用面の負担

双方が「当事者型」の電子契約をする場合は、取引先においても、同様の電子契約サービスの利用と電子証明書の発行が必須となり、契約における費用面の負担は大きくなってしまいます。

一方、同じ電子契約でも「立会人型」の契約方法であれば、メールアドレスさえあれば、相手が電子契約サービスを利用していなくても、電子契約の締結が可能です。

ただし、法的な効力や証拠力においては、「当事者型」の方が高いとされているため、そのようなデメリットも踏まえつつ、判断することが大切となります。

(2)手続き面の負担

電子契約システムの導入にあたっては、自社が業務フローを変更するのと同様に、取引先も社内規定や業務フローの変更が必要になる場合もあるでしょう。

さらに、電子証明書を使用する契約方法であれば、認証局への身元情報の提出から電子証明書の発行といった工程が、契約前に発生します。

取引先が、すでに電子契約システムを導入していれば、これらの準備や説明に大きな時間を要することはありませんが、導入していない場合は、余裕を持った準備期間を設ける必要があります。

電子契約ができないケースとは?対応不可な書類や相手に拒否された時の対処法

費用以外も大切!電子契約サービスを比較するポイント

電子契約の普及に伴い、電子契約サービスを提供する業者も増えてきました。それぞれに特徴があり、機能によって費用も異なるため、どの業者を選べばよいのか悩むケースも多いのではないでしょうか。

費用の安さはたしかに魅力ですが、費用だけで選ぶと「機能が十分ではない」「使い勝手が悪い」などといった問題が発生してしまいかねません。ここでは、電子契約システム業者を比較するポイントをご紹介しますので、電子契約サービスを選ぶ際に、ぜひお役立てください。

(1)契約数に合ったプランはあるか

電子契約システムでの利用料金は、定額の基本利用料金、もしくは、ユーザー数によって月額料金が変化するプランのいずれかに加えて、契約ごとに1件50~300円の利用料金が加算される従量課金がプラスされていくのが一般的です。

また、上記以外でも、契約10件までは、基本料金に含むといった料金プランを用意しているシステムもあります。

月額料金が低く、従量課金の単価が高いプランや、あるいは、その逆のプランなど、どの料金体系が一番コストを抑えた運用ができるのかについては、月の契約数によって変わります。

まずは、電子契約が月にどれくらい発生するのかを明確にし、シミュレーションをした上で、コストパフォーマンスの良いサービスを選ぶようにしましょう。

(2)契約書の証拠力は十分か

民法522条2項では、「どのような形式の契約であっても、法的には有効である」と定められているため、電子契約も、法的に有効な契約形態として認められています

ただし、取引先との契約トラブルで裁判になった場合に、電子契約が証拠として認められるかどうかは別の論点となります。

電子契約の普及を受け、民事訴訟においても紙の契約書と証拠の有効性に差はないと考えられるようになっていますが、それには、契約書に付与された電子署名が契約者本人のものであることが前提となります。

本人確認をメール認証で行う「立会人型」に比べて、認証局によって、より厳格に本人確認を行う「当事者型」が、法的効力や証拠力が高いとされる理由も、本人性の確かさの違いに起因しているのです。

電子契約には当事者型と立会人型がある

先に何度かお伝えした、電子契約における「当事者型」と「立会人型」の2つの契約方法について、改めて詳しくご説明します。

◇当事者型

当事者型では、認証局より発行される電子証明書を以て、当事者が契約内容に電子署名を付与する契約方法です。電子証明書の発行にあたっては、事前に身元情報を認証局に提出し審査を待つ必要があり、その期間は概ね1週間〜1ヶ月程度とされています。

厳正な本人確認が行われる当事者型の契約においては、なりすましといったリスクは減りますが、上記のような手間と時間、および費用がかかるのがデメリットです。また、当事者型の場合、相手も同様の電子契約システムを利用していなければならない点にも注意が必要です。

◇立会人型

立会人型では、契約当事者の指示により、電子契約サービス会社が、メール認証によって契約当事者の本人確認を行った上で契約を締結します。この場合、契約書に電子署名を付与するのは、「立会人」である電子契約サービス会社となります。

立会人型はの法的効力は「当事者型」より、やや劣るとされているものの、法的効力がないわけではありません。

そのため、実際に、取引が頻繁に発生し、すでに信頼関係が構築されている相手や、労使間の契約など、すでに本人確認が済んでいるケースなどには、この立会人型を利用している企業も多く見受けられます。

また、利便性においても、当事者型と違って、相手が電子契約システムを利用していなくても契約が可能な点は大きなメリットとなるでしょう。

電子契約における立会人型と当事者型の違いは?各メリットや選ぶ基準を解説

(3)機能が充実しているか

電子契約システムを選ぶ際に大切なのは、自社のニーズに合った機能が搭載されているかどうかです。基本利用料金が高い電子契約システムは機能が充実しているものが多く、反対に基本利用料金が安い場合は最低限の機能しか付加されていないことがあるので、ご注意ください。

基本的な機能としては、オリジナルの契約書を作成する手間を省くためのテンプレート機能、電子証明書の発行、電子署名やタイムスタンプの付与などの機能のほか、社内稟議の進捗を可視化するワークフロー機能などが一般的です。

その他、リマインドメールの自動作成や元本保管機能、タスク管理機能、各種セキュリティの強化機能など自社の用途に合わせたオプションと組み合わせることもできます。

また、海外企業と取引する可能性がある場合には、多言語に対応しているかも確認しておくと安心でしょう。

(4)使い勝手は良いか

自社の目的やニーズに合わせた機能が付いている電子契約システムを選んでいても、操作が複雑で、正しい運用ができないようでは扱う従業員の負担になってしまいかねません。

このため、導入前に電子契約のシステム業者から利用に関するデモやレクチャーを受けておくことが大切です。電話・メール・チャットなど、導入後の問い合わせにはどのような対応をしてもらえるのか、十分なサポートが受けられるのかについても選ぶ際のポイントにしましょう。

(5)セキュリティは万全か

インターネットを介した電子取引は、情報やデータがいつでもどこでも送受信できるようになるため非常に便利ですが、その反面、サイバー攻撃やウイルス感染などによるインターネット特有のリスクが潜んでいることも事実です。

このようなトラブルに備えるためには、セキュリティの強化が必須となります。電子契約システムでは基本料金内に、ファイルの暗号化や認証リクエストが付加されていることが一般的ですが、さらにセキュリティを強化するなら、アカウント登録制限、SSO(シングルサインオン)、EV SSL証明書、ブロックチェーンなどの高度なセキュリティ対策を導入するとよいでしょう。

電子契約における本人確認の重要性となりすまし防止への対策について

自社にとって費用対効果の高い電子契約システムの導入を

電子契約システムを導入するメリットは、コストカットや、契約にかかる事務作業の軽減を図れる点にあります。また、契約内容の確認から契約の締結までを、すべてオンライン上で完結できるため、契約締結にかかる期間を一気に短縮することも可能です。

契約業務は、システム化することで得られるメリットの多い事務業務のひとつです。そのため、ここでご紹介した内容を参考にしていただき、ぜひ自社に合った費用対効果の高いシステムの導入をご検討されてはいかがでしょうか。

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