経費精算の不正防止に効果的な5つの対策とは?よくある原因と事例も解説

2022/2/26 2022/02/26

経費精算システム

金銭の不正取引

経理担当者の7割は経費精算の不正を発見した経験があるそうです。しかし、経費精算の不正防止の対策をどうしたら良いかお困りの担当者の方も多いはずです。本記事では、経費精算の不正事例や、その原因・不正防止に有効な解決策、さらに発見した時の対処法と放置した際の企業の抱えるリスクを解説します。

経費精算の不正とは?具体的な事例も合わせて解説

経費精算の不正とは、会社の従業員が経費を請求する際に、使っていない経費を申請したり、実際よりも多い金額を意図的に申請したりすることです。

多くの企業の経理担当者が頭を悩ませる経費精算の不正をなくすためにも、まずはどのような場面で起こりやすいのかを確認していきましょう。気を付けるべき場面を、具体例を挙げて解説していきます。

(1)経費の水増し

経費の水増しとは、実際にかかった金額より多い金額を経費として請求する不正行為です。特に、交通費の水増しによる不正が多い傾向にあります。

【事例】

  • 最短距離で通勤しているのにもかかわらず、通勤ルートを遠回りで申請する。
  • 営業先まで在来線で向かったのにもかかわらず、特急料金で経費申請する。

出張時を除いて、バスや電車などの公共交通機関を使用しても、領収書の提出を義務付けていない会社も多くあります。これを悪用して、水増し申請をするケースが少なくありません。

(2)領収書の金額を改ざんする

領収書の金額を書き換えて経費を申請する不正行為です。

【事例】

  • 取引先の接待で飲食店から7,000円の領収書を受け取り、数字を書き足し17,000円で申請する。
  • 取引先から金額と日付を記入していない領収書をもらい、実際より多い金額を自分で記入して申請する。

上記のように手書きの領収書で不正が起こりやすい傾向にあります。領収書は店名や会社名が記載された正式なものなので、不正を見極めるのが難しいのです。

(3)領収書の重複請求を行う

あらかじめ領収書のコピーを作り、日付を改ざんして同じ領収書で何度も申請する不正行為です。

【事例】

  • 接待の際に飲食店から受け取った領収書を提出前にコピーしておき、接待していないにもかかわらずコピーの日付だけを変更して再度申請する

金額の改ざんと同様に、手書きの領収書で起こりやすい傾向にあります。

(4)架空の出張代を請求する

出張していないのにもかかわらず、交通費や宿泊費などを申請する不正行為です。「カラ出張」とも呼ばれています。

【事例】

  • 出張費として支給された新幹線や飛行機のチケットを払い戻したり、金券ショップで換金したりする。

出張による不正は、普段から出張の機会が多い営業部などで起こることが多いです。

(5)会社から支給された携帯を私的に使う

会社から支給された携帯電話やスマートフォンの私的利用も、経費精算の不正行為につながります。

【事例】

  • 会社から支給されたスマートフォンで動画サイトを閲覧する
  • 会社支給の携帯電話で家族や友人と長時間通話する

携帯電話やスマートフォンは、業務で利用するために支給されるものです。これを、私的な通話やインターネット閲覧などに使った場合、通話料や通信費を会社に負担させることになり、不正に当たります。

経費精算で不正行為が起こる原因

次に、経費精算で不正が起こる主な原因3つを解説します。

(1)経理チェックが追いついていない

経費精算の不正を防ぐには、経理担当者のチェックが不可欠です。しかし、経理の人員が不足している企業も多くあります。人員が不足していると、一人に対する負担が大きくなり、チェックが追いつきません。その結果、経費の不正申請を見落としてしまうのです。

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(2)社員が故意に”得をしよう”としてしまう

経費のチェック機能や承認体制に不備があると、「不正をしてもバレない」と考えて故意に得をしようとする社員が出てきてしまうことがあります。

経費の申請は会社によってルールを定めてはいるものの、最終的には個人の良心にゆだねられている側面も強いです。そのため、つい魔が差してしまうというケースも少なくありません。

(3)ミスが結果的に不正になってしまう

社員が経費の申請をするとき、単純に数字を書き間違えたり、経費の範囲を勘違いしていたりすることもあります。ミスが修正されないまま申請が承認されてしまい、結果的に不正になるケースも少なくありません。社内の承認フローやチェック体制に問題があると起こる可能性が高くなります。

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経費精算の不正防止に効果的な5つの対策

経費精算で不正が起こる原因を確認してきました。では、経費精算の不正はどのように防止すれば良いのでしょうか。ここでは、効果的な5つの対策を紹介します。

(1)経費精算システムを導入する

経費精算システムは、経費精算に必要な申請や承認、チェックなどがシステムによって効率化できるものです。スマートフォンで領収書を撮影するとシステムに自動入力される機能や、交通系ICカードとの連携で交通費が自動で記録される機能があります。

入力が自動化されるため、経理担当者の負担軽減はもちろん、入力ミスや虚偽申請の防止も可能です。業務効率化と不正防止のために、経費精算システムを導入する企業は増えています。

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(2)接待交際費を事前申請にする

取引先との予定が決まった段階で、接待交際費を事前に申請させる方法です。前もって「いつ・どこで・誰と・何の目的で」会うのかを申請させることで、個人的に使用した領収書を紛れ込ませることを防ぎます

また、接待に使うお店を事前に報告させ、おおよその料金を把握したり、会社から直接支払ったりするのも効果的です。

(3)経費精算についてのルールを従業員と共有する

経費精算の不正を防ぐためには、まず従業員全員でルールを共有し、徹底する必要があります。申請時にレシートや領収書を必ず添付させる、経費の範囲を正確に認識してもらうなどが効果的です。

定期的に経費精算のルールを確認する機会を設ければ、従業員のミスによる不正の防止につながります。また、経費精算に対する意識が高くなれば、不正がしづらい環境が自然にできるはずです。

(4)交通費はICカードで履歴を提出させる

交通系ICカードの履歴の提出は、交通費の水増しやカラ出張の防止に効果的です。交通系ICカードには、利用した日時、区間などがすべて記録されています。

そのため、申請されたルートで通勤しているか、本当に出張をしているかの確認が可能です。また、経費精算システムとの連携で、交通費と履歴を自動記録するのも不正防止につながります。

(5)承認者を入れて確認フローを徹底する

経費精算は件数が多いこともあり、経理担当者が承認からチェックまで行うと大きな負担になります。これが不正を見逃す原因にもなっているのです。

これを防ぐため、各部署に承認者を立て、経理の前に確認するというフローを作るようにしましょう。経理への申請前に現場で確認ができれば、不正が起こるリスクは大幅に減少できます。経理担当者も負担が減るため、細かなチェックが可能になるのです。

経費精算の不正を放置するとどうなるか?

経費精算の不正は、会社にさまざまな悪影響を及ぼします。不正に気づかずに放置してしまうと、どんな問題が起こってしまうのかを認識しておきましょう。

(1)正しい利益を出せなくなる

経費精算の不正を放置してしまうと、会社の正しい利益が把握できなくなります。不正に申請された経費を支払うことは、会社の利益を減らすことと同じ行為です。

一度の不正による金額は小さくとも、人数や回数が増えれば大きな金額になってしまいます。そのため、会社の正しい利益が出せなくなってしまうのです。さらに、会社の決算内容や事業計画にも影響が及ぶ可能性があるので、正しい経費の金額を把握することは非常に重要です

(2)脱税と見做される可能性がある

会社が納める法人税は、売上から経費を差し引いた金額に対して課せられます。そのため、経費の不正によって課税対象となる金額が減ってしまうと、法人税を下げるために故意に虚偽の報告をしていると見做される可能性があるのです。

たとえ従業員の不正が原因であったとしても、税務署が脱税と判断した場合は、会社が罰則の対象になります。

(3)企業のブランディングの低下リスクがある

有名企業での不正発覚や、中小企業でも不正額が大きい場合は、メディアで報道されることがあります。これにより、企業のブランディングや社会的信頼性が大きく低下するリスクがあります。

ブランディングの低下は、取引先との関係悪化や顧客離れにつながります。また、社員同士の信頼関係が悪化し、社内の雰囲気が悪くなる恐れもあるので絶対に避けなければなりません。

経費精算の不正を発見したときの対処法

最後に経費精算の不正を発見したときの対処法についてお伝えします。適切な手順で対応しなければ、取り逃がしや不正の再発につながるため、十分に理解を深めておきましょう。

(1)まずは事実を調査する

不正の疑いを発見したら、まずは事実をしっかりと調査することが大切です。不正が確定していない段階で、社員を問いただすのは避けてください。 万が一冤罪であれば逆に会社側が訴えられてしまう可能性もあります。焦らずに、再度計算をし直し、提出書類が正しいかを確認しましょう。

(2)不当請求の証拠を確保する

不正であることを確信したら、不当請求の証拠をしっかりと確保してください。証拠もなく問い詰めてもシラを切られる可能性も高く、証拠を処分される可能性もあります。本人に確認を取る前に、不正の事実を明確に示せる客観的な証拠を確保しておくことが大切です。

(3)本人への事実確認・懲戒等を行う

不正の証拠が確保できた段階で、本人へ事実確認をしましょう。不正を認めたら、その内容を書面にまとめ、本人に事実として認めるという署名をさせます。その後、会社内で減給や解雇など懲戒処分を決定します。

また、不正内容が悪質な場合や不正額が高額な場合などは、法的措置を取ることも検討してください。「業務上横領罪」の罪に問うことや、損害賠償請求を行えるケースもあります。

不正のない健全な経費管理をしましょう

経費精算の不正リスクは、どんな会社でも起こりえることです。経費精算の不正は、利益の減少や企業ブランディングの低下など、さまざまな悪影響があります。そのため、不正を防止する効果的な対策をしなくてはなりません。

経費精算の不正を防止するには、社内でのルール作りやチェック体制の整備が必要です。また、経理担当者の負担や申請ミスの軽減には、経費精算システムの導入が効果的でしょう。社内の問題点を解決できる対策方法を選択し、不正のない健全な経費管理を行ってください。

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