Suica・PASMO(交通系ICカード)の交通費精算方法!システム連携で効率化!

最終更新日時:2023/01/23

経費精算システム

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交通費精算をSuicaやPASMOなどの交通系ICカードで行う場合は、システム連携による効率化がおすすめです。この記事では、交通系ICカードを利用した交通費精算の課題と解決策、おすすめの経費精算システムを紹介しますのでぜひ参考にしてください。

従来の交通系ICカードで交通費精算する流れ

従業員の交通費は、社内規定にそって精算される場合が一般的なため、その方法については企業ごとに違いがあります。毎月定額の交通費を支給している企業もあれば、発生時に都度実費での精算をしているケースもあるでしょう。

発生した交通費を都度精算している企業の場合、それらの業務に対する経理担当者の負担は少なくありません。まずは、SuicaやPASMOなどの交通系ICカードによる交通費精算がどのように行われているのか、その流れを解説します。

(1)履歴を印字する

交通系ICカードによる交通費精算を行うには、まず使用したICカードの履歴を印字する必要があります。SuicaおよびPASMOは、駅の自動券売機や多機能券売機などで履歴を印字することが可能です。

ただし、印字可能な履歴は、Suicaが26週間以内かつ最新100件までの履歴、PASMOは最新20件の履歴(一部の駅では、26週間以内100件まで印字可能)となっているなど、制限がある点に注意しなければなりません。

そのため、交通機関の利用回数が多いのであれば、小まめに印字する必要があります。ちなみに、印字できる項目はSuica・PASMO共に「利用日」「利用駅」「種別(乗車もしくは降車)」「残高」の4項目となっています。

(2)交通費精算書類を作成する

ICカードの利用履歴を印字したら、社内規定の交通費清算書類を作成し、履歴を添付して会社に提出するのが一般的です。交通費清算書類のフォーマットは企業ごとに違いがありますが、主な項目としては以下のものが挙げられます。

  • 申請者名
  • 申請を行う日時
  • 利用日時
  • 乗降場所(駅名や停留所名)
  • 移動目的および訪問先
  • 金額

また、会社の規定によっては、印字履歴の他に領収書の提出が指示されていることもあるでしょう。その場合、申請者は領収書も保管しておく必要があります。

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(3)上長チェックおよび承認を得る

交通費精算の際は、経理部門で精算される前に上長の承認を得るフローを定めている企業も多いかと思います。この場合、申請内容に不備がないこと、金額や使用目的などに誤りや不正がないことを上長が確認し、上長の承認を得て、精算書類が経理へと渡されます。

(4)経理のチェックを受ける

経理では各部署の上長から回ってきた交通費精算書類に目を通し、その内容に誤りや不正がないことを再度確認します。この段階で、書類の内容や添付書類の不備が確認された場合は、申請者に差し戻されることになります。

この「差し戻し」は、書類作成から上長承認のフローを再度行うことになるため、交通費精算に非効率な状況を生じさせる課題のひとつと言われています。

(5)交通費を受け取る

申請内容に問題がないことを確認できたら経理担当者は精算を行い、申請者へ交通費を支給します。支給は低額であれば小口現金を使用して手渡しされることもありますが、高額な場合は給与と共に振り込まれるのが一般的です。

一方、交通費は従業員が立て替えるのではなく、事前の申請内容にもとづいて仮払いが行われ、後日、仮払いの精算を行うケースもあります。よって、交通費精算の方法は企業ごとに違いがあるということも覚えておくことが大切です。

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交通系ICカードの履歴確認・領収書発行方法

交通系ICカード一覧

業務上で必要な移動で従来の交通系ICカードを利用した場合において、印字履歴や領収書の提出を会社が求めるのであれば、当然、そのルールに従わなければなりません。

ここでは、特に利用者数の多い交通系ICカードとしてSuicaとPASMOを例に、各々の履歴確認・領収書発行の方法を詳しくご紹介します。

(1)Suica

Suicaを利用している場合、履歴の印字と領収書は駅の券売機などで発行可能ですが、利用頻度が高いのであればモバイルSuicaの使用が便利です。

事前にモバイルSuicaに登録しておけば、スマートフォンやパソコンで同サービスのトップページを表示し、メニューから利用履歴表示を選択するだけで最大100件の履歴を確認することが可能です。

また、領収書もトップページのメニューから選択することで発行できます。ここではクレジットカードを利用した入金や定期券などの購入が対象となり、印刷する場合にはパソコンでアクセスした方が使い勝手が良いでしょう。

(2)PASMO

PASMOの場合も、券売機などで履歴の印字や領収書の発行が可能ですが、やはりSuica同様、利用頻度によってはモバイルPASMOに登録することをおすすめします。

履歴はトップページのメニューから「残額履歴」を選択すると確認することができ、最大表示件数は、100件となっています。ただし、26週間経過した履歴は100件に満たなくても表示されないため注意しましょう。

領収書発行に関しては会員メニューサイトで行うことができ、クレジットカードを利用した入金や定期券などの購入が対象となります。また、こちらに関しても印刷する場合はパソコンからアクセスするのが良いでしょう。

従来の交通費精算の問題点について

ここまでお伝えした従来の交通費精算の方法は、申請者や承認者、経理担当者に負担がかかりやすいという難点がありました。このことから、交通費精算の効率化は、多くの企業で解決すべき課題のひとつとなっています。

企業活動をする上で、必ずといっていいほど発生する交通費精算の業務において生じやすい問題点には、以下のようなものが挙げられます。

(1)履歴印字が面倒である

交通費精算の際に印字履歴の提出を必要としているケースでは、各従業員において、適宜履歴を印字して保管しておかなくてはなりません。

この場合、管理がある意味「従業員任せ」になってしまい、うっかり印字件数の上限を超えてしまっていた、あるいは、紛失してしまったということも起こり得ます。

また、交通機関の利用頻度が多い従業員であれば、小まめな履歴の印字を面倒に感じても無理はありません。

さらに、履歴を確認する上長や経理担当者にとっても、確認作業に相応の時間を取られることになり、それぞれのフローで多くの負担がかかってしまうのです。

(2)印字上限が20件のため何度も発行しなければならない

券売機で印字を行う場合、印字上限があることもデメリットとなりがちです。特に、PASMOの印字上限は20件のみとなっているため、営業などの移動の多い職種では、数日おきに印字の履歴が必要になります。

その都度、券売機で操作をするとなれば、明らかに業務の生産性に影響するであろうことが想像できるでしょう。

(3)交通費計算のミスが差し戻しの要因に

交通費をまとめて精算する場合、件数が多ければ申請時の書類作成にも手間がかかることになります。

実際には、各経路の金額を確認し、申請書類に転記して精算すべき交通費の総額を計算することになるでしょう。外回りなどの業務が多く発生する従業員においては、これらの計算が複雑になることも多く、計算ミスや漏れが、差し戻しの大きな要因となっていることも少なくありません。

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(4)毎月の件数が多く経理処理が煩雑

ひと口に「交通費」といっても、経費精算の際には、以下の3つに分けて処理されることが多いかと思います。

通勤交通費会社に通勤するために発生する交通費(車通勤のガソリン代も含む)
出張旅費遠方へ移動する際に発生した交通費
旅費交通費主に近場の移動にて発生した交通費

上記のうち「通勤交通費」と「出張旅費」は一般的な呼び名に過ぎず、会計処理上の勘定項目は、「旅費交通費」のみとなります。また、どのような交通費が「出張旅費」の対象となるのか判断は、社内規定にて「100km以上の移動は出張とする」といった距離による規定があることが一般的です。

そのため、経理担当者は、各経路と訪問先や移動距離などの詳細を必要に応じて1件1件照らし合わせて確認することになり、人的なミスが発生しやすい点も大きな課題となっています。

経費精算のその費用はどの勘定科目に該当する?科目ごとに具体例で解説

Suica・PASMO(交通系ICカード)連携システムのメリット

従業員がSuica・PASMOを使用することを前提とした交通費精算では、その負担を解消し、いかにして効率化するかが課題となります。

ただし、これらの課題の多くは、交通系ICカードと精算システムの連携により解決できることがほとんどです。そこで、交通系ICカード連携システムを導入することで得られるメリットをご説明します。

(1)システムに交通履歴を自動で読み込める

上述したように、交通費精算においては、履歴の印字による負担が各従業員に発生します。しかし、交通系ICカードの履歴は交通費精算を行う上で確認しなければならない項目であることから、確認作業自体を省略することはできません。

システムと連携させることにより、カードの履歴を自動で読み込むことができるようになるため、券売機で印字をする手間が省略できます。すべての従業員に生じるこの手間を省略できる点は、システムを連携させる最大のメリットだといえるでしょう。

(2)入力ミスや運賃計算ミスが発生しない

従来の方法による交通費精算では、入力ミスや計算ミスによる申請の差し戻しが発生しやすく、業務フロー全体の「非効率」につながっていました。

しかし、連携システムの導入により、入力ミスの発生を予防できるだけでなく、運賃に関しては、システム上での自動計算が可能なため、申請者が自身で計算する必要もなくなります

これらのことから、精算処理そのものを円滑に進められる点でも連携システムの導入には大きなメリットがあります。

(3)仕訳やチェックも自動で経理処理が効率化

前述の通り、経理担当者にとって交通費精算では、仕訳作業や申請内容のチェックも大きな負担となります。連携システムには申請内容のチェックと仕訳を自動で行うことのできるものも多く、チェックと仕訳をする手間を省略することも可能です。

そのため、経理における処理全般の大幅な効率化が可能になる点もまた、経費精算システムとの連携のメリットとして挙げられます。

(4)場所や時間にとらわれず申請・承認が可能

従来の方法による交通費精算には、申請者、承認者、経理担当者の全員が、オフィス内でしか、それぞれの業務が行えないという問題点もありました。

経費精算システムでは、これらのすべての工程が、オンライン上で完結できるようになるため、場所や時間にとらわれずに申請や承認を行えるというメリットもあります。

したがって、ICカードとシステムの連携により、業務フロー全体の効率化が実現するといえるのです。

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交通系ICカード対応のおすすめ経費精算システム5選

交通費精算の効率を上げ、従業員の負担を軽減するためには交通系ICカード対応の経費精算システムを導入するのが効果的です。ここでは、交通費精算での利用にも適したおすすめの経費精算システム5選をご紹介します。

(1)ジンジャー経費

「ジンジャー経費」は、交通費清算をはじめとした経理業務全般の効率化・ペーパーレス化を行うことができます。特に充実したサポート体制に関しては定評があり、はじめて経理精算システムを導入する企業にもおすすめです。

提供元jinjer株式会社
初期費用初回契約時、324,000円(税込)
料金プラン1ユーザー当たり月額540円(税込)~

※サポートプランとオプションの月額が計上

導入企業数1万5,000社以上(シリーズ累計)
機能・特長シンプルな操作画面と充実したサポート体制

資料請求はこちら

(2)eKeihi

「eKeihi」は交通系ICカードだけでなく、クレジットカードやプリペイドカードとの連携も可能な経理精算システムです。使いやすさに定評があり、他の会計システムの連携も行えることから2,600以上もの企業で導入実績があります。

経理作業全般における効率化を目的とした開発がされており、交通費精算以外の目的でも活用することができます。

提供元イージーソフト株式会社
初期費用クラウド型 0円、オンプレミス型 65万円~
料金プランクラウド型 月額31,320円(税込)~、オンプレミス型 年額7万2,000円~
導入企業数2,600社以上
機能・特長優れた操作性と、60以上の会計システムとの連携が可能
URL公式サイト

(3)ジョブカン経費精算

「ジョブカン経費精算」もまた、交通系ICカードとの連携が可能な経理精算システムです。利用コストの安さは特に大きな特徴のひとつで、導入実績も非常に多くなっています。

仕訳データやFBデータの作成もスムーズに行えることから、経理作業全般の効率化も可能です。

提供元株式会社 DONUTS
初期費用0円
料金プラン1ユーザー当たり月額432円(税込)~
導入企業数12万社以上(シリーズ累計)
機能・特長シンプルさを重視した設計とコストの安さ
URL公式サイト

(4)Concur Expense

「Concur Expense」は大手企業における導入実績が豊富な経理精算システムです。一方で中小企業向けサービスもあることから、幅広い規模の企業で活用することができます。

また、海外でも多くの企業で導入されている点も大きな特徴です。

提供元株式会社コンカー
初期費用0円
料金プラン月額31,320円(税込)~
導入企業数1,400社以上(Concurシリーズ全体)
機能・特長大手企業での導入事例の多さ
URL公式サイト

(5)楽楽精算

「楽楽精算」は知名度が非常に高く、導入実績数も豊富な経理精算システムです。クラウド型であることから運用コストが抑えやすく、コストパフォーマンスを重視したいという場合にもおすすめです。

また、サポート体制が充実している点も大きな魅力です。

提供元株式会社ラクス
初期費用108,000円~(税込)
料金プラン32,400円~(税込)
導入企業数9,000社以上
機能・特長知名度が高く、導入実績が豊富
URL公式サイト

モバイルSuicaが使えるスマートフォン

近年販売されているスマートフォンであれば基本的にはモバイルSuicaに対応しているので利用が可能です。

iPhoneであれば7・7プラス以降の端末であれば利用でき、Apple Watch Series2以降が対応しています。

Andoroid端末の場合、au・docomo・Softbankの各種キャリアによって異なるので、検討している端末をチェックしてみてください。

交通系ICカードとの連携で経費精算作業を効率化しよう

交通費の精算において、従業員が一旦立て替え、後に実費を精算する方法が採用されている企業では、特に経理担当者への負担が甚大です。

その負担を軽減するという意味においても、経費精算作業の効率化は多くの企業にとって重要な課題のひとつだといえるでしょう。

交通系ICカードとの連携が可能な経理精算システムを導入すれば、交通費の申請や精算作業の大幅な効率化が可能です。

交通費精算の作業時間を削減し、生産性の向上につながるコア業務に注力したいとお考えなのであれば、一度、経理精算システムの導入を検討されることをおすすめします。

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