社内FAQとは?導入するメリットや作り方・種類、おすすめのツールを紹介
社内規定やシステムの操作方法、各種申請方法など、社内から寄せられる質問の回答をあらかじめ用意しておく「社内FAQ」。主に問い合わせ対応の効率化を目的に導入される社内FAQについて、その概要や種類、導入するメリットをおすすめツールとあわせて紹介します。
目次
社内FAQとは?
そもそもFAQとは、「Frequently Asked Questions」の略で、日本語では、「よくある質問」と「よくある問い合わせ」などを意味します。
FAQには、製品の使い方やサービスの詳細、トラブルシューティングなど、一般的な疑問や問題に対する解決策などがまとめられており、顧客の自己解決の支援や問い合わせの手間の軽減につながります。また、企業側にとっても同じ質問に対応する手間を省く目的などで記載されるものです。
このFAQの仕組みを、社内の手続きや制度、利用ソフトウェアの操作方法など、社員に向けたよくある質問の説明などに活用したのが社内FAQです。
社内FAQを整備することで、新入社員のオンボーディングを効率的に行ったり、日常の業務の効率化やミスの削減に寄与したりするとともに、一貫した情報提供が可能です。
特に大規模な組織や多岐にわたる業務を有する企業では、社内FAQ設置により、社内の問い合わせ対応の負担を大幅に削減し、業務効率化を図ることも可能になるでしょう。
▷無料のFAQシステム6選|メリットや選び方・導入する際のポイントを解説
FAQの種類
企業が設置するFAQは、主に社内向けと社外向けの2種類に大別することができます。それぞれの特徴をみていきましょう。
社内問い合わせ向けFAQ
社内問い合わせ向けFAQの主な記載事項は、主に組織内の手続き・ルール・業務・ツールの使い方などに関する説明などです。
具体的には、社内システムの使い方・トラブルシューティング、経費の精算方法といった社内手続きのフロー、休暇取得や福利厚生など制度に関する情報・利用方法などがまとめられています。そのため、社内手続きの際の不備やミスの低減、関連部署の問い合わせ対応の負担軽減などにつながります。
社外問い合わせ向けFAQ
社外問い合わせ向けFAQは、ウェブサイトや商品の説明書などによく見られます。
主に、製品の使い方やサービスの詳細、トラブルシューティングなど、一般的な疑問や問題に対する解決策が記載されているため、顧客やクライアントは「よくある質問」に関して、自分で回答を得ることができるようになります。
顧客側の問い合わせる手間を削減できるうえ、企業側もカスタマーサポートなどで同様の質問に繰り返し対応する必要がなくなり、オペレーターによる対応が必要な顧客のサポートに集中することができるのです。
社内FAQを導入するメリットとは?
ここからは、社内FAQを導入するメリットを4つ解説します。
問い合わせ対応の負担軽減につながる
社内FAQを設置することで、問い合わせ対応の負担を大幅に削減することができます。
例えば、経費精算や福利厚生制度の利用方法などは、多くの社員から個別に同様の質問が寄せられることが多々あります。しかし、問い合わせに対応する側の社員は限られているため、問い合わせが集中することで、本来の業務が遂行できなくなることもあるでしょう。
しかし、社内FAQの導入によって、社員が必要な情報を自主的に検索し、解決できるようになることで問い合わせ自体が大幅に減少するのです。
バックオフィス業務時間外でも対応できる
社内の質問や問い合わせは、担当者が勤務中でなければ回答を得ることはできません。
しかし、社内FAQが整備されていれば、担当者の勤務状況にかかわらず、問題や疑問を解決することが可能です。緊急時にも必要な情報にすぐにアクセスできる点は、業務の遅延を防ぎ、スムーズな業務進行を実現するツールとして大いに役立つでしょう。
問い合わせ対応に関するノウハウを蓄積できる
社内FAQは、社員から寄せられた質問や問い合わせによって、随時、記載事項がアップデートされていきます。そのため、利用を継続することでさらに内容が充実し、対応ノウハウも蓄積されていくでしょう。
社内FAQの充実は、新入社員や異動した社員の適応期間を短縮し、受け入れる側の社員のオンボーディングや育成の負担軽減を実現します。結果として、組織全体の生産性向上にもつながるのです。
スピーディに疑問を解決できる
関連部門や担当者に問い合わせすることなく、自分のタイミングでスピーディに問題が解決できるのも、社内FAQを設置する大きなメリットです。
スピーディな情報アクセスは、業務の進行速度や生産性を大幅に向上させる要因となります。特に、日々の業務の中で発生する小さな疑問や不明点が積み重なることで生じる業務停滞を防ぐために、迅速な情報提供は非常に有効です。疑問が速やかに解消される環境は、組織のモチベーションや働きやすさも向上させるでしょう。
社内FAQの作り方とは?
ここからは、効果的な社内FAQを構築するための方法と注意点を、導入する際のポイントを交えながら詳しく紹介します。
よくある質問をリストアップする
社内FAQを構築する第一歩は、頻度の高い質問をリストアップすることです。過去の問い合わせ履歴などから日常的に寄せられる質問を集約しましょう。
このプロセスでは、複数の関係者や部門との連携が必要となる場合もあります。すべての質問が整理されたら、質問をカテゴリーごとに分類します。カテゴリー分けは、欲しい情報に迅速にアクセスするための利便性に関わる重要なポイントのため慎重に行いましょう。
質問の回答を作成する
回答を作成する際は、簡潔かつ正確な情報を提供するよう心がけることが重要です。
回答作成時には、関連する部門や専門家の意見を取り入れ、最新の情報に基づいて回答を整理しましょう。
特にシステムの利用方法などは、利用方法や内容を「知っている人」が作成すると、「知らない人」がつまずきがちな説明が省かれてしまうことが多々あります。作成する際は、初めての人でもFAQによる説明で、簡単かつ間違いなく利用できるかを検証するようにしてください。
社内FAQの運用体制を構築する
社内FAQは、一度作成して終わりではなく、随時アップデートしていくことで、その効果やメリットもより大きくなっていくものです。
そのため、新しい質問や変更が必要な内容を定期的にチェックし、最適化を図る管理を担当するチームや担当者を設定するなど、運用体制も構築しておきましょう。
また、社内からのフィードバックや提案を収集するシステムの設置は、FAQの品質向上や運用の効率化に有効です。このような運用体制を確立することで、社内FAQは組織の情報資源として常に最適化され、より効果的に利用されるようになります。
▷FAQの作り方とは?作る際のポイントやメリット・運用方法についても解説
社内FAQに適したツール
社内FAQを効率的に運用するには、ツールの利用がおすすめです。ここからは、社内FAQの構築に活用できるツールをいくつか紹介します。
FAQ作成ツール
FAQ作成ツールは、疑問や問い合わせの内容を整理し、容易に公開・共有するためのFAQ作成に特化したソフトウェアやサービスです。テンプレートやカテゴリ分け、検索機能などを備えており、情報の入力や編集が非常にスムーズに行えます。
また、多くのツールはクラウドベースで提供されており、場所やデバイスを問わずアクセスして情報の更新や参照が可能です。
▷【2023年最新】FAQシステムおすすめ10選比較|導入するメリットや選び方
エクセル
エクセルも社内FAQの作成や管理に利用可能です。
エクセルのセルやテーブル機能を活用することで、質問とその回答を整理し、視覚的にもわかりやすくまとめることができます。また、閲覧する際は、フィルタリングやソート機能は、特定のキーワードやカテゴリに基づく情報の絞り込みに活用できるでしょう。
しかし、エクセルは同時編集の制約やバージョン管理の課題が生じる可能性があるため、大規模な組織や頻繁な更新が求められる環境下では、専用のFAQツールの導入をおすすめします。
▷Excelを活用した社内FAQの作り方|メリット・デメリットを解説
チャットボット
チャットボットは、AI技術を活用した自動応答ツールです。近年は、製品・サービスの社外向けの問い合わせ窓口として活用する企業も増えているため、ユーザーとして利用したことがある方も多いのではないでしょうか。
テキストや音声で質問を入力すると、データベースをもとに適切な回答を自動的に返信してくれるため、迅速に正確な回答を提供することが可能です。問い合わせの履歴はログとして記録されるため、ログをFAQ最適化の情報源とすることもできます。
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社内FAQ作成におすすめのテンプレートサイト
社内FAQを作成する方法はいくつかありますが、コストをかけずに効果を検証したいのであれば、まずはエクセルで作成してみるのも良いでしょう。
ここからは、エクセルを活用して社内FAQを作成する際のおすすめテンプレートサイトをいくつか紹介します。
bizroute
bizrouteは、ビジネスに特化したテンプレートやリソースを提供するオンラインプラットフォームです。社内FAQの作成や管理に適したQ&Aシートも提供されており、簡単にFAQの情報を整理・共有できます。
また、bizrouteサイト内には、FAQの効果的な運用や最適化のためのヒントやノウハウなどの情報も提供されており、FAQに関連した知識を高める目的なども含め幅広く利用されています。
テンプレートはこちら
Excelフリーソフト館
Excelフリーソフト館は、エクセルを利用したビジネステンプレートやツールを提供するサイトです。FAQの作成や管理に特化したテンプレートが掲載されており、ダウンロードしてすぐに利用可能です。
テンプレートは、カスタマイズも自在に行えるため、組織のニーズや特性に合わせたFAQが作成できます。また、Excelフリーソフト館はその他のビジネス関連のテンプレートも豊富なため、日常業務の効率化や資料作成のサポートにも役立つでしょう。
テンプレートはこちら
Digipot
Digipotは、デジタルリソースやテンプレートを集めたオンラインプラットフォームの一つです。社内FAQの作成をサポートするテンプレートが提供されています。
FAQテンプレートはユーザビリティやデザイン性に優れており、初めてFAQを作成する組織やデザイン、構造を一新したい企業も利用しやすいでしょう。1ページ内に複数の質疑応答を掲載でき、テンプレートのデザインは14パターンあります。
複数のページにわたって作成すれば、1冊のFAQ集も作成可能です。
テンプレートはこちら
社内FAQにおすすめのツール
より便利な機能で社内FAQの効果を高めたい企業においては、FAQツールの導入を検討するのも良いでしょう。社内FAQにおすすめのツールを3つ紹介します。
Note PM
Note PMは、社内Wikiを構築できるナレッジ共有ツールです。業務ノウハウやマニュアル、議事録など幅広いナレッジを一元管理し、欲しい情報をすぐに見つけられる環境が整います。
マニュアルやノウハウもウェブ上で簡単に作成可能で、共有も簡単に行えます。情報を探したい場合はファイルの中身まで全文検索できるため、迅速な問題解決が可能。データの暗号化や2要素認証などを導入し、セキュリティ体制も強化されています。
提供元 | 株式会社プロジェクト・モード |
初期費用 | 無料 |
料金プラン |
※見るだけのユーザーは無料(ユーザー数の3倍まで) |
導入実績 | 7,000社以上 |
機能・特徴 | - マニュアル作成機能 - 編集履歴自動登録機能 - レポート機能ほか |
URL | 公式サイト |
Zendesk
Zendeskは、カスタマーサポートやカスタマー向けのFAQの管理に特化したクラウドベースのプラットフォームですが、社内FAQも作成できます。
Zendeskは、企業や組織のニーズに合わせたデザインや機能の追加ができ、レポート・分析機能により、FAQの利用状況やユーザーの行動をリアルタイムで追跡・評価することも可能です。
提供元 | 株式会社Zendesk |
初期費用 | 要問い合わせ |
料金プラン | ■Basicプラン ・月払い
・年払い
■Zendesk Suiteプラン ・月払い
・年払い
|
導入実績 | 世界10万社以上 |
機能・特徴 | - サポートチケット管理 - ヘルプセンター機能 - レポートと分析機能ほか |
URL | 公式サイト |
sAI Search
sAI Searchは、AI技術を活用した先進的なFAQシステムです。独自で開発した技術を用いてユーザーの質問や疑問を正確に解釈し、関連するFAQの回答を瞬時に提供。4つの自然言語処理技術を駆使することで、類似のキーワードやフレーズにも適切に反応し、より精緻な検索結果をユーザーに提示します。
また、FAQの内容の更新や追加にも容易に対応でき、組織の変化や新たな情報の追加に柔軟
に適応します。
提供元 | 株式会社サイシード |
初期費用 | 要問い合わせ |
料金プラン |
|
機能・特徴 | - 絞り込み検索機能 - 回答候補のサジェスト表示機能 - カテゴリの一覧表示ほか |
URL | 公式サイト |
社内FAQを導入し業務を効率化しよう
社内FAQは、日常業務における疑問や問題点をすぐさま解決できるツールとして、すでに多くの企業において導入が進んでいます。
特に、システムの利用方法や各種社内手続きに関する質問は、同様の問い合わせが繰り返される傾向にあるため、社内FAQを整備することで、担当者の負担は大幅に軽減されるでしょう。さらに、適切なツールやテンプレートを利用することで、FAQ自体の管理や更新も簡単に行えるようになります。
社内FAQの活用によって、ビジネス環境の変化に柔軟に対応し、組織全体の知識と経験を最大限に活かす環境を整えましょう。
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