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ストレスチェックの対象者の範囲とは?役員やパート・派遣など状況別に解説

2023/10/17 2023/10/17

健康管理システム

ストレスチェック対象者の範囲

労働安全衛生法により義務化されたストレスチェック。しかし、ストレスチェックの対象者の範囲がどこまでなのか、わからず悩んでいる方も多いのではないでしょうか。そこで本記事では、ストレスチェックの対象者の範囲について、パートなど状況別に徹底解説していきます。

ストレスチェックとは?

ストレスチェックとは、労働者のストレス状況を把握するために行われる検査のことです。経営者であれば、ストレスチェックの法的ルールや目的について知っておかなくてはなりません。各詳細についてみていきましょう。

ストレスチェックとは?義務化された背景や目的・実施方法を簡単に解説

ストレスチェックの義務

ストレスチェックの実施義務は、労働安全衛生法第66条の10で定められており、労働者を常時50人以上使用する事業場では、年に1度ストレスチェックを行わなければなりません。複数の拠点がある企業の場合、全体数ではなく1つの事業場で人数をカウントします。

50人未満の職場に対しては努力義務であるのが現状です。仕事が引き金で精神に不調をきたす従業員も珍しくないことから、人数に関係なくなんらかのケアを行うことが理想といえるでしょう。

ストレスチェックでは、ストレスに関する質問項目への回答から労働者の状況を検査します。決められた評価基準に応じてストレス状況を数値化し、高ストレス者と判断された場合は医師による面談を進めます。

ストレスチェック制度の目的

ストレスチェックは、労働者のメンタルヘルスの不調を未然に防ぐことが目的です。労働者自身も気づいていないストレス状況を可視化し、予防策を講じる目安にできます。ストレスを溜めないように気をつけたり、適度に休息を取ったりできるようになるでしょう。

さらに、集計したデータは企業が行う労働環境の改善にも役立てられます。労働者がストレスを感じずに働ける環境を整えることで、精神的にも健康な状態で業務に取り組めるでしょう。

ストレスチェックのメリット・デメリット!失敗しないためのコツも紹介

ストレスチェックの対象者の範囲

厚生労働省は、ストレスチェックの対象者の条件を以下のように定めています。

事業者がストレスチェックを行うべき「常時使用する労働者」とは、次の①及び②のいずれの要件をも満たす者であること。

① 期間の定めのない労働契約により使用される者(期間の定めのある労働契約により使用される者であって、当該契約の契約期間が1年以上である者並びに契約更新により1年以使用されることが予定されている者及び1年以上引き続き使用されている者を含む。)であること。

② その者の1週間の労働時間数が当該事業場において同種の業務に従事する通常の労働者の1週間の所定労働時間数の4分の3以上であること。なお、1週間の労働時間数が当該事業場において同種の業務に従事する通常の労働者の1週間の所定労働時間数の4分の3未満である短時間労働者であっても、上記の①の要件に該当し、1週間の労働時間数が、当該事業場において同種の業務に従事する通常の労働者の1週間の所定労働時間数の概ね2分の1以上である者に対しては、ストレスチェックを実施することが望ましいこと。

[引用:厚生労働省「労働安全衛生法の一部を改正する法律の施行に伴う厚生労働省関係省令の整備に関する省令等の施行について(心理的な負担の程度を把握するための検査等関係)(平成27年5月1日付け基発0501第3号)」]

正社員や1年以上の契約社員などが対象者となりますが、具体的に紐解くとより多くの従業員が含まれます。ストレスチェックの対象者の範囲について、さらに詳しく解説します。

ストレスチェックは50人未満であれば対象外?実施するメリットを紹介

パート・アルバイト

パート・アルバイトでも、条件に合致する場合はストレスチェックの対象です。常時50人以上が在籍する事業場のパート・アルバイトにおいては「1週間の労働時間が通常の労働者の4分の3以上」かつ「契約期間が1年以上(見込みも含む)」であれば該当します。「1週間の労働時間が通常の労働者の約2分の1以上」の場合でも、契約期間の条件を満たしていれば実施が推奨されます。

パート・アルバイトが「常時50人以上使用する事業場の労働者」としてカウントされるか否かは、継続的かつ常態雇用をしているかで判断しましょう。例えば、週に1日働くアルバイトであっても、継続して常態的に使用する事業所においては50人の1人にカウントします。カウントすべき人数が50人を超えれば、ストレスチェックの義務が発生するのです。

ストレスチェックが義務付けられる事業場でも、所定の契約期間・労働時間に満たないパート・アルバイトは「ストレスチェックを行うべき労働者」の要件に当てはまりません。

派遣労働者

派遣労働者へのストレスチェックは、派遣元事業者が実施するように定められています。派遣先の事業者は派遣元事業者と連携し、対象者がストレスチェックを受けられるように支援することが大切です。

ストレスチェックには、事業場単位で実施すべき集団分析があります。正確な結果を出すには派遣労働者も含めた検査が必要であるため、派遣先にて実施するのが理想です。あらかじめ派遣元と協力体制を取っておくなどし、スムーズにストレスチェックを行いましょう。

ストレスチェックは派遣社員も対象?派遣元・派遣先で実施すべき対応

休職・育休中の労働者

ストレスチェックの実施時期に休職していた、あるいは育休中の労働者に対しては、検査を行わなくても問題ありません。

海外の長期勤務者

海外に長期勤務している労働者の場合、雇用元のある国によってストレスチェックの義務の有無が異なります。

雇用元が日本企業であれば、日本の法律に基づいてストレスチェックが必要です。一方、海外の現地法人に雇用されている労働者は日本の法律が適用されないため、ストレスチェックの実施義務はありません。

在籍出向者

在籍出向者のストレスチェックは、労働関係の実態に応じて出向元事業者が行うか、出向先事業者が行うかが決まります。判断基準としては、指揮命令権の状況や賃金の支払いなどが挙げられます。

ただし、集団分析の場合は出向先事業者での実施が適当です。事業場ごとのまとまったデータが取れるため、スムーズに結果の分析ができるでしょう。

長期出張者

長期出張者にもストレスチェックは行わなければなりません。業務上の理由により、通常の実施時期にストレスチェックを受けられなかった場合、改めて検査の機会を設ける必要があります。

退職予定の労働者

ストレスチェックの実施時期に在籍している場合、要件を満たしていれば退職予定の労働者も対象者に含まれます。すでに退職が決まっていても、除外しないように気をつけましょう。

精神疾患を抱えている労働者

精神疾患を抱えている労働者もストレスチェックの対象です。ただし、ストレスチェックを受検するかどうかは労働者自身が選択できます。

ストレスチェック自体が精神的負担となることも考えられるため、受検を強制しないようにしましょう。

入社直後の労働者

入社直後の労働者に関しては、雇用形態や契約期間などによって対象者かどうか決まります。厚生労働省の定める基準に該当する場合は、入社直後の労働者もストレスチェックの対象です。

ただし、入社直後はストレス値が高く出やすいため、通常時の結果とは異なる可能性がある点に注意しましょう。他の労働者と別日程で実施するなど、必要に応じて配慮すると新入労働者の負担を減らせます。

役員

役員は労働者ではなく「使用者」に該当します。厚生労働省の定める基準には当てはまらず、ストレスチェックの実施義務はありません。

しかし、役員も含めてストレスチェックを行うことで企業全体の分析が可能になり、より働きやすい環境づくりができるでしょう。その際は、労働基準監督署に提出する報告書の「在籍労働者数」や「検査を受けた労働者数」に役員をカウントせず作成します。

ストレスチェックで高ストレスだった社員の放置はNG!アプローチ方法を解説

ストレスチェックの対象となる企業

ストレスチェックを実施しなければならないのはどのような企業でしょうか。ここでは、ストレスチェックの対象となる企業について解説します。

対象となる企業の条件

ストレスチェックの対象となるのは、労働者を「常時50人以上使用する事業場」です。パート・アルバイトも常時使用する労働者の数に含まれます。

また、企業単位ではなく、事業場単位でカウントしているのもポイントです。事業場とは、同一の場所で継続的に経営活動を行う施設を指します。具体的には、工場・事務所・店舗などが該当します。

同じ企業でも、異なる場所で活動している場合はそれぞれ別の事業所として扱い、労働者数の要件を満たせばストレスチェックが義務付けられるのです。

事業場が50人未満の場合は努力義務

常時使用する労働者が50人未満の場合、ストレスチェックの実施は努力義務となります。ストレスチェックを実施しなくても特に問題はありません。

ただし、業務内容や労働環境が原因となる従業員の不調については、十分に配慮すべきです。職場に起因するストレス問題が裁判にまで発展すると、企業の安全配慮義務を果たしていたかどうかが争点となる可能性があります。ストレスチェックは労働環境の整備にも繋がるため、努力義務を怠っていた場合は裁判で不利になることも考えられるでしょう。

ストレスチェックの対象者に関する注意点

事業場への実施義務を判断する「労働者」と、実際にストレスチェックの対象となる「労働者」の意味は異なります。それぞれの内容を正しく理解し、適切にストレスチェックを実施することが大切です。

事業場の実施義務を決める「労働者」には、正社員・派遣社員・パート・アルバイトなどの雇用形態を問わず、常時使用する労働者すべてが含まれます。派遣社員は派遣先事業場・派遣元事業場の双方でカウントされるのです。いずれもカウントすべき人数が50人を超えれば、実施義務のある事業規模だと判断できます。

ストレスチェックの対象となる「労働者」は、「契約期間が1年以上(見込みも含む)」かつ「1週間の労働時間が通常の労働者の4分の3以上」である従業員です。「契約期間が1年以上(見込みも含む)」で、「1週間の労働時間が通常の労働者の約2分の1以上」の場合は、ストレスチェックを実施することが望ましいとされます。派遣社員も同様の基準に則りますが、派遣会社でのストレスチェックの対象者となります。

ストレスチェックの集団分析結果の活用方法|見方や改善事例を紹介

ストレスチェックの対象者の範囲をしっかり押さえておこう

ストレスチェックは労働者のストレス値を可視化し、メンタルヘルスの不調の予防に貢献します。実施が義務付けられる事業場は規模ごとに異なるほか、受検対象となる従業員の違いにも注意が必要です。

ストレスチェックで得られたデータは労働者の働きやすい環境づくりにも役立つでしょう。対象者の範囲を正しく認識し、適切なストレスチェックの実施を心がけてください。

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