フリーランスマネジメントシステムおすすめ7選|選び方や導入の注意点

外部パートナーとのやり取りを効率化できるフリーランスマネジメントシステム。しかし、どのサービスを選べば良いのかわからないという方も多いでしょう。そこで本記事では、そんなフリーランスマネジメントシステムについて、導入メリットからおすすめまで徹底解説していきます。
目次
フリーランスマネジメントシステムとは?
フリーランスマネジメントシステムとは、フリーランスなどの外部パートナーに業務を委託する際に活用されるシステムです。業務委託における発注から納品・請求まで、一連のプロセスを効率化することが目的となっています。
近年は、業務量に応じた流動的な人材配置やコスト効率を重視する企業が増え、業務委託先としてのフリーランスの必要性が高まっています。一方で、外部パートナーの増加によって外注管理が複雑化し、社内外のコミュニケーションに課題を抱えている企業も少なくありません。
この課題を解消するため、外部パートナーとの取引を一元管理し、各プロセスで発生するコミュニケーションの効率化に必要な機能をパッケージ化したのが、フリーランスマネジメントシステムです。
フリーランスマネジメントシステムの導入メリット
各種書類のフォーマット化やワークフローの電子化など、バックオフィス業務のメリットが注目されがちですが、フリーランスマネジメントシステムは、現場にとっても大きなメリットがあります。
ここでは、実際に業務を発注する現場の目線からフリーランスマネジメントシステムのメリットについてご紹介します。
フリーランスの稼働状況を可視化できる
フリーランスマネジメントシステムでは、フリーランスごとの稼働状況を可視化できるといったメリットがあります。複数のフリーランスと取引をおこなう場合、現場の担当者は誰がどのくらい案件を抱えているのか、プロジェクトの進行度はどの段階まで進んでいるのかを把握したうえで、適切な指示を出す必要があります。
そのため、フリーランスごとの稼働状況を可視化することによって、発注可能なフリーランスの特定や依頼中のタスク進捗の把握がスムーズに進められるのがメリットのひとつです。
稼働状況が一目で分かるようになれば、コミュニケーションコストの削減やリスクの早期発見が期待できるでしょう。
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フリーランスの評価を適切に行える
フリーランスの評価を適切に行える点も、フリーランスマネジメントシステムのメリットといえるでしょう。フリーランスマネジメントシステムでは、案件単位で成果物やコミュニケーションの評価を記載することが可能です。これまで属人化していた評価も、システムによって評価指標がフォーマット化されることで、公平性を担保できるでしょう。
また、フリーランスマネジメントシステムを通じてフリーランスの評価が蓄積されていけば、他の発注者が過去にどのような評価をおこなったのかを事前にチェックできます。
これにより、発注前にフリーランスと業務の相性が判別しやすくなるため、成果物の品質向上がメリットとして期待できるでしょう。
フリーランスマネジメントシステムの導入時の注意点
フリーランスマネジメントシステムの導入時の注意点として、2つのポイントをご紹介します。フリーランスマネジメントシステムは、複数名のフリーランスとの取引を効率的に管理できる一方で、いくつかの注意点があります。
個人情報の取り扱いに注意が必要になる
フリーランスマネジメントシステムの導入時の注意点には、個人情報の取り扱いに注意が必要になる点が挙げられます。フリーランスと契約する際は、氏名や連絡先、銀行口座などの個人情報が必要となり、このような個人情報を取り扱う際には、個人情報保護法などの法的規制に従わなければなりません。
特に2020年の個人情報保護法の改正により、事業者責任のあり方が厳格化され、罰則規定も強化されました。サードパーティデータの活用など、個人情報の利活用シーンが多様化する現代において、個人情報を取得する事業者には適切な管理が求められています。
個人情報が漏えいした場合、フリーランスとの契約維持が難しくなるだけでなく、社会的にも信用を失いかねません。だからこそ、個人情報の取り扱いには十分な注意が必要です。
複雑な契約形態に対応できない場合がある
フリーランスマネジメントシステムの導入時の注意点として、複雑な契約形態に対応できない場合があることも忘れてはいけません。システムによる効率化は、業務プロセスの再編によって実現します。しかし、契約形態が複雑になると、フォーマットやワークフローが分岐し、システムとのミスマッチにつながる確率が高まってしまうのです。
フリーランスとの取引は、業務委託(委任・準委任・請負)契約が一般的です。とはいえ、契約の種類を細かくみていくと、履行割合型や成果完成型など、報酬の支払いタイミングが異なるケースもあります。
さらに、報酬の考え方に案件単位制でなく、時給制を希望する企業も少なくありません。これらの条件からどの要素を選ぶかによっては、システムが推奨するフォーマットやワークフローで対応できない可能性も出てくるでしょう。
そのため、フリーランスマネジメントシステムを導入する際は、自社が希望する契約形態とシステムの相性を事前に確認することが重要です。
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フリーランスマネジメントシステムの選び方
フリーランスマネジメントシステムの選び方を4つご紹介します。フリーランスマネジメントシステムは、どの課題解決にフォーカスしているかによって特徴が異なり、機能も変わってきます。だからこそ、外注管理にフリーランスマネジメントシステムを導入しようと考えた場合、自社で抱えている課題の整理が欠かせません。
課題が整理できたあとは、その解決策に必要なポイントに沿ってシステムを比べてみましょう。
フォーマットの柔軟性
フリーランスマネジメントシステムの選び方として、書類作成やワークフローの工数を削減したい場合、注目すべき点はフォーマットの柔軟性です。複数名のフリーランスと取引すると、案件に応じて契約書の内容が異なるケースも出てくるでしょう。
この契約書の作成をどこまで簡略化できるかは、フォーマットの柔軟性によって判断可能です。具体的には以下の書類において、フォーマットがどこまで用意されているのかを確認しましょう。
- 業務委託契約書(委任・準委任・請負)
- 発注書
- 納品書
- 検収書
- 請求書
納品書や検収書は、ステータス管理のみで電子書類を発行しないシステムもあるため、社内の承認プロセスとの兼ね合いを考慮することが重要です。
また、書類の自動生成や数値の自動計算などの機能が備わっていると、より業務の工数削減が期待できるでしょう。
料金体系・料金プラン
フリーランスマネジメントシステムの選び方に関して、コストパフォーマンスを重視する場合、注目すべき点は料金体系・料金プランです。フリーランスマネジメントシステムの料金体系・料金プランは、以下の項目で変動する傾向にあります。
- 搭載機能
- 利用期間
- 契約パートナー数
- サポート体制
- セキュリティ品質
特に、変動しやすい契約パートナー数を軸に料金プランが変わる場合は、注意が必要です。企業にとって、外部委託はリソース不足を補う目的で利用されるため、発注頻度に波があることも珍しくありません。
契約パートナー数に応じて料金が上昇するシステムを選んでしまうと、常に最大稼働数を想定して契約する必要があります。この場合、繁閑の差があるほど、コストパフォーマンスが落ちてしまうのです。
一方で、少人数との契約を前提としている場合は、契約パートナー数で料金プランが変動するほうが、コストを抑えやすいでしょう。
したがって、料金体系・料金プランでシステムを比較する際は、システム要件の優先順位や変動しやすい項目と突き合わせて、金額を確認してください。
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最新の法令への対応状況
リスクマネジメントを重視する場合、フリーランスマネジメントシステムの選び方で注目すべき点は、最新の法令への対応状況です。フリーランスと取引する場合、主に以下の法令への対応が必要となります。
- 個人情報保護法
- 所得税法
- 下請法(下請代金支払遅延等防止法)
- 電子帳簿保存法
- 適格請求書等保存方式(インボイス制度)
上記をはじめとする最新の法令にシステムが対応している場合、法令に準拠した書類の作成を簡略化でき、法令違反のリスク回避が可能になります。
とはいえ、法令は社会構造などの変化によって改正されるため、法改正の動きに伴うシステムアップデート時期にも注目しましょう。法改正のタイミングで改正後の仕様に対応できるシステムのほうが、リスクマネジメントに優れているといえます。
外部への公募機能の有無
フリーランスの採用に困っている場合、フリーランスマネジメントシステムの選び方の際に注目すべき点は、外部への公募機能の有無です。
フリーランスとは社員の交流関係からつながることが多いため、閉鎖的なネットワークになりやすく、スキルマッチングの精度に課題が生まれやすいといわれています。
だからこそ、フリーランスマネジメントシステムに公募機能が搭載されていれば、企業はより多くのフリーランスとの接点を獲得でき、案件に最適な人材を選びやすくなるのです。
また、スキルマッチングの精度が向上すると、進捗管理や成果物のクオリティに安定感が生まれやすく、結果としてコミュニケーションコストの削減も期待できるでしょう。
フリーランスマネジメントシステムのおすすめ7選比較
フリーランスマネジメントシステムのおすすめ7選をご紹介します。フリーランスマネジメントシステムの選び方を理解しても、まだ比較・検討に不安が残る方も多いのではないのでしょうか。ここでは、数あるフリーランスマネジメントシステムのなかから、おすすめのシステムを7つご紹介するので、ぜひ参考にしてみてください。
1.PROBASE
PROBASEは、株式会社サーキュレーションが提供するSaaS型の外部人材管理サービスです。毎月の業務検収・請求処理を一元管理してステータスを可視化してくれるので、業務の効率的な管理が可能になる点がメリットです。
また、稼働契約枠で料金プランが変動する仕組みを採用しており、3契約までの管理であればフリープランですべての機能を活用できます。
提供元 | 株式会社サーキュレーション |
初期費用 | 無料 |
料金プラン |
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導入実績 | 1,286社以上(※2022年6月末時点) |
機能・特徴 | 準委任契約を対象としたサービス、エージェントを経由した契約締結も可能、ユーザーや副業/フリーランス登録数は無制限、納期や契約更新などのタイミングに応じてアラート表示可能 |
URL | 公式サイト |
2.Meeepa
Meeepaは、TDCソフト株式会社が提供するクラウド型のEDI(電子データ交換)サービスです。
機能によって料金プランが変動する仕組みを採用しており、プレミアム会員では標準機能の他に受発注・検収・請求・精算機能が開放されます。
さらに、31日間の無料トライアルも設けられているので、本格的な導入前にしっかりと操作性を確かめることもできます。無料トライアルが終了したあとも、手頃な月額料金で利用できるため、コスト面を重視したい方には大きなメリットとなるでしょう。
提供元 | TDCソフト株式会社 |
初期費用 | 無料 |
料金プラン |
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導入実績 | サービス累計3,500社以上(※2019年時点) |
機能・特徴 | 見積依頼から精算までの一連のプロセスを電子化、コピー機能や稼働時間登録機能による業務効率化、下請法・派遣法・電子帳簿保存法への対応、タイムスタンプ機能によるデータの証拠能力を担保、フレンド機能で新たなビジネスパートナーの開拓が可能 |
URL | 公式サイト |
3.Lansmart
Lansmartは、株式会社CloudBrainsが提供する副業・フリーランス管理クラウドです。すべての書類管理などをクラウド上で一元化するため、契約期間の漏れや終了前の通知漏れなどを防げるといったメリットがあります。
また、料金面に関しては、稼働を伴うパートナーの契約人数に応じて料金が上昇する仕組みを採用しており、請求書の発行に応じて人数カウントが実行されます。
提供元 | 株式会社CloudBrains |
初期費用 | 16万5000円(税込) |
料金プラン | 43,780円(税込)〜/月 |
機能・特徴 | 発注書・業務報告書、請求書の自動作成、ワークフロー機能 、契約期限の自動アラート、企業ユーザーごとの権限設定、外部サービス連携、チャットサポート、下請法、改正電子帳簿保存法、インボイス制度に対応 |
URL | 公式サイト |
4.エクスチーム
エクスチームは、パーソルキャリア株式会社が提供するフリーランス・副業管理システムです。業務委託契約に必要な発注や納品、請求までをすべてオンラインで対応することが可能であり、委託先のフリーランスなどを可視化して一元管理できる点もメリットになります。
契約内容に応じて料金が変動する仕組みを採用しておりますが、詳細は公開されていません。料金体系が気になる方は資料請求等をご検討ください。
提供元 | パーソルキャリア株式会社 |
初期費用 | 無料 |
料金プラン | 33,000円(税込)〜/月 |
機能・特徴 | 社内ユーザー数無制限、人材管理機能、オンライン発注、請求管理、フリーランス評価管理、タスクリマインド機能、オンライン納品/検品、全銀データでの支払データ管理、導入前の課題整理、解決策の提示、運用フローの設計支援、個社毎のカスタマイズオプション有り |
URL | 公式サイト |
5.pasture
pastureは、エン・ジャパン株式会社が提供するクラウド型のフリーランスマネジメントシステムです。
契約パートナーの人数に応じて料金が変わる仕組みを採用しており、1年の契約期間が設定されています。これは効果を実感しやすい期間として、同社が設定したものです。
機能の40%を要望から改善するサイクルを取り入れ、ユーザーサポートにも注力していることから、サービス継続率は99%を記録しています。
提供元 | エン・ジャパン株式会社 |
初期費用 | 要問い合わせ |
料金プラン | 25,300円(税込)〜/月 |
機能・特徴 | 繰り返し設定による発注の自動化、公募機能、源泉徴収の自動計算、請求書の電子承認、メッセンジャーツール連携(Slack、Chatwork、LINE)、パートナーの評価や実績の管理、下請法・電子帳簿保存法・インボイス制度への対応 |
URL | 公式サイト |
6.FreelanceForce
FreelanceForceは、株式会社シューマツワーカーが提供する社外パートナーの情報を一元管理するシステムです。
2023年3月時点ではベータ版の提供がおこなわれており、副業・フリーランス人材の管理・交渉の効率化に向け、今後のアップデートが期待されています。
提供元 | 株式会社シューマツワーカー |
初期費用 | 要問い合わせ |
料金プラン | 要問い合わせ |
機能・特徴 | 契約情報の一元管理と自動更新、法令に基づくマイナンバー情報の収集・管理、契約情報のベースにした注文書の作成・送付、社外パートナーの稼働状況の可視化、Slackへの通知機能 |
URL | 公式サイト |
7.WorkMarket
WorkMarketは、ニューヨークに本拠を置く、同名の企業が提供するフリーランス管理システムです。
海外の決済基準への対応をはじめ、グローバルな人材とのやり取りにおいて優位性を持っています。このため、海外のフリーランスとの取引を拡大したい事業者におすすめです。
提供元 | WorkMarket, Inc. |
初期費用 | 要問い合わせ |
料金プラン | 要問い合わせ |
機能・特徴 | ルール設定による検証プロセスの合理化、AIによるジョブ管理やパフォーマンス追跡、APIによるアプリケーション連携、複数の支払いオプション(電子小切手決済、PayPal、Hyperwallet、Wise) |
URL | 公式サイト |
フリーランスマネジメントシステムの導入を検討していこう
本記事では、フリーランスマネジメントシステムの概要やメリット、具体的な選び方やおすすめのシステムについて解説しました。
変化の激しい現代において、企業は変化に対応するためのリソースを確保しなければなりません。そのうえでフリーランスの活用は、必要なタイミングに応じて人材を補充できる有効な手段といえます。
一方で、フリーランスは雇用契約や派遣契約と異なり、対応の複雑化を招くリスクがあります。だからこそ、本記事をもとにフリーランスマネジメントシステムへの理解を深め、効率化に必要なポイントを把握していきましょう。
社内の体制や処理プロセスなどとのマッチしたシステムを選定し、工数やコスト削減につなげてください。
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