労務コンサルタントの仕事内容とは?重要性や依頼するメリット・デメリット

最終更新日時:2023/11/27

労務管理システム

労務コンサルタントとは

企業の競争力を高める人材活用や労働法規の複雑化などの背景から、需要が高まりつつある労務コンサルタント。本記事では、人事労務管理の課題解決を労務コンサルタントに依頼するメリットなどを徹底解説していきます。

この記事の要約

・労務コンサルタントとは企業内の人事労務に関連する問題をサポートする専門家のこと
・人事コンサルティング、法改正、労働環境の整備などが主な仕事内容
・社労士と労務コンサルタントでは、対応できる業務範囲に違いがある

労務コンサルタントとは?

労務コンサルタントとは、企業の人事労務に関する問題解決をサポートする専門家のことです。

具体的には、労働関連法令や雇用契約に関する労働条件の改善や勤怠、給与、職場の安全確保といった労働環境の改善、労務トラブルの解決など、労働管理に関わるさまざまな支援を行います。

近年、働き方の変化や法制度の複雑化に伴って、業界を問わず注目されるようになった労務コンサルタントですが、特に、中小企業では人事労務の専門家を社内に持つことが難しいため、外部の専門家に依頼するケースが増えています。

労務コンサルタントの重要性

企業の経営環境が複雑化する中、労務コンサルタントの役割はますます重要となっています。専門家ならではの知見が求められるようになった、代表的な2つの理由を詳しく解説します。

適切な労務管理を行うことができる

労務コンサルタントは、専門的な知識と経験を活かして、企業が労務管理を最適化するためのアドバイスや支援を提供します。労務管理とは従業員の勤怠や給与、福利厚生など、従業員の「働く条件・環境」に関する管理業務です。そのため、適切な労務管理は、従業員のモチベーションを高め、組織全体の生産性の向上にもつながるでしょう。

また、プロフェッショナルな知見は、労働関連の法改正や就労環境の変化への迅速かつ適切な対応にも生かされます。

例えば、法改正に合わせて労働時間の管理体制を再構築したり、テレワーク時の安全配慮のルールを設けたりと、働きやすい環境を整備することで、労働者とのトラブルを未然に防ぎ、法的リスクも低減できるでしょう。

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戦略的な人事マネジメントを行える

人事マネジメントとは、経営戦略の実現に向けて人材を有効活用する仕組みのことです。単に人材を採用、育成するのではなく、企業のビジョンや目標を設定した上で、目標を実現するための最適な人材配置や育成、評価、報酬制度の設計などを総合的に行います。

労務コンサルタントは、このような人材活用に関しても、専門的なアドバイスを提供します。必要な人材像を設定して採用・育成計画を提案、人材定着を目的とした制度や労働環境を構築するなど、さまざまな人材戦略のサポートが可能です。

特に、変化の激しい現代のビジネス環境において、人材を中心とした戦略は企業の成功を左右する重要な要素と言えます。企業は迅速かつ的確に戦略的人事マネジメントを実施し、ビジネスの成果を最大化することが重要です。

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労務コンサルタントの仕事内容

労務コンサルタントは、人事労務の専門家として、多岐にわたる仕事を担当します。ここからは、最も重要とされる主な4つの業務とその詳細をみていきましょう。

多様化する働き方への対応

現代は、テレワーク、フレックスタイム、副業OKなどワークスタイルは多様化しています。

しかし、テレワークをするにしても、労働時間の管理や安全配慮、セキュリティ対策、備品の提供・貸与など、労務担当者が確認することは多くあるでしょう。

このような、新たな課題に合わせて法令や他社の事例を考慮しながら、企業に適切なアドバイスを行うのが労務コンサルタントの業務です。具体的には、労働時間を管理するマニュアル構築や業務の効率化、適切な雇用契約の確立、そして従業員のモチベーション向上を目指す制度設計などのアドバイスを行います。

労務コンサルタントは、法令を遵守した制度になっているか、組織の成長につながるかなど、さまざまな視点で戦略的なアプローチをサポートするパートナーとなるのです。

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人材に関するコンサルティング

人材は、企業の最も重要な資源の一つで、その管理や活用方法によって組織の競争力が大きく左右されると言っても過言ではありません。

労務コンサルタントの中には、人材に関する戦略的なアドバイスやソリューションを提供する専門家も多く存在します。人材採用の戦略や育成プログラムの設計、キャリアパスの構築、報酬制度の最適化など、人材マネジメントの領域で多岐にわたる支援が可能です。

近年は、従業員の満足度やエンゲージメントの向上とビジネスの成功を結びつけた人材戦略を展開する企業が増えています。労務コンサルタントの現状と目標を理解した専門的なコンサルティングにより、企業は持続的な成長とイノベーションを実現するための人材基盤を築けるのです。

労働環境の整備に関するサポート

労働環境の質は、従業員のモチベーションや生産性、定着率に大きく影響します。そのため、労務コンサルタントは、適切な労働環境の構築、職場の安全性確保や健康経営の推進、ハラスメント防止策などの実践的なソリューション提供により、エンゲージメントの向上や継続的な就労を支援します。

具体的には、休暇制度や福利厚生の最適化、オフィス環境の改善・提案のほか、時には、労働環境を向上させるための業務改善に関する相談も可能です。より良い労働環境の整備は従業員のモチベーション向上だけでなく、企業のブランド価値や社会的信頼の向上にもつながるでしょう。

法改正への対応

労務業務には、遵守しなければならない関連法が多くあります。さらに法改正が実行されるたびに、企業はその対応に迅速に取り組まなければなりません。

労務コンサルタントは、法的変更に関する最新情報をタイムリーにキャッチし、企業に正確な情報提供と対応策の提案と実行までを担うことができます。法改正への不適切な対応や知識不足は、企業にとって大きなリスクとなり得るため、労務コンサルタントの専門的なサポートは、コンプライアンスを強化するうえで極めて重要といえるでしょう。

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労務コンサルタントと社労士の違い

労務コンサルタントと社労士は、ともに企業の人事労務を支援する専門家ですが、対応できる業務範囲は異なります。

労務コンサルタントは特別な資格を必要としないため、その知識や経験によって、人事労務戦略の策定や労務管理の最適化、組織風土の改善といった価値を提供します。

一方、社労士は国家資格の「社会保険労務士資格」を保有しているため、労働・社会保険に関する申請書作成などの手続き代行、就業規則の作成といった独占業務を含めて担当できます。労務コンサルタントの業務を併せて提供していることも多く、労務管理のアドバイスから、労働・社会保険の手続き代行、帳簿作成といった社労士の独占業務まで、まとめてサポートしてもらえるのが魅力です。労務コンサルタントに依頼する際は、改善を図りたい領域を考慮し、社労士資格を持った方にお願いするのもいいでしょう。

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労務コンサルティングを社労士に依頼するメリット

社労士資格を持つ労務コンサルタントへの依頼は、資格を持たないコンサルタントへの依頼よりも、コンサルティング料が高い傾向にあります。ここでは、社労士に依頼するメリットを解説します。

労務担当者の負担を軽減できる

企業の労務担当者は日々、従業員の勤怠管理や給与計算、福利厚生、労務トラブルの解決など、多岐にわたる業務に追われる傾向にあります。

こういった業務は、ルーティンワークとして進められがちなため、業務改善をしたくても内部の人間では、その無理や無駄に気付けないことも多いものです。そこで、他社の事例などにも精通した社労士に「客観的な立場」で業務を見直してもらうことで、大幅な業務改革が実現することがあるのです。

社労士は、法的な専門知識や手続きにも精通していることから、重要な作業が漏れることなく、安全に業務の効率化が図れるでしょう。

法令違反のリスクを減らせる

労働関連の法令は複雑であり、絶えず変動するため、労務担当者が常に最新の法律を把握し、適切に対応するのは困難です。

しかし、法令に違反してしまうと、刑事的な責任を追及される可能性があるだけでなく、社会的な信用を失う事態にもなりかねないでしょう。「悪質な企業」として、社会に認識されてしまうリスクが発生するのです。

社労士は、人事労務管理の専門家として、常に最新の法令・労務情報に精通しています。そのため、既存の労務管理体制や制度が法令に違反していないかはもちろん、法改正が施行されるたびに、違反のリスクが潜む制度や体制になっていないかをチェックしてもらえるのです。

また、法改正の内容によっては就業規則を変更しなければならないこともあるでしょう。就業規則の作成は、社労士の独占業務の一つとなっているため、そのような場合も安心してサポートをお願いすることができます。

労務コンサルティングを社労士に依頼するデメリット

社労士に労務コンサルティングを依頼することには多くの利点がありますが、一方で考慮すべきデメリットも存在します。3つのデメリットについても把握したうえで検討しましょう。

期待する結果が得られない可能性がある

社労士の専門的な知識や経験は、多くの企業にとって有益ですが、全てのケースにおいて期待通りの結果が得られるとは限りません。特定の問題やニーズに応じて、社労士の提案する方針が企業の文化や状況に合致しない場合や、一時的な解決策となってしまうケースも考えられます。

また、社労士と企業とのコミュニケーションが不十分であれば、実際の課題点や要望が正確に伝わらず、適切な助言が得られないこともあるでしょう。労務コンサルティングの成功は、企業の状況や要望を正確かつ詳細に把握したうえでのアドバイスやサポートが得られるかにかかっています。

できれば、自社と同程度の会社規模や同じ業界での実績を持つコンサルタントに依頼しましょう。

従業員の個人情報が流出するリスクがある

労務コンサルティングの過程では、従業員の個人情報など、機密性の高い情報の共有が必要となることがあります。

この際、適切なルールのもと情報管理が行われていないと、機密情報が流出したり、不正に利用されたりするトラブルが発生する可能性も考えられます。社労士に労務コンサルティングを依頼する際は、事前に情報管理に関する取り決めや契約を締結することが推奨されます。

また、社労士が情報セキュリティに関する知識や経験があるか、情報管理の体制がしっかりと整っているかを確認することも重要です。情報の取り扱いに関しては、最大限の注意と配慮が必要であり、信頼性の高い社労士を選定することで、このようなリスクを最小限に抑えることができます。

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労務コンサルタントの重要性やメリットを押さえておこう

労務コンサルタントは、現代の複雑化する労務環境において、従業員の働きやすさと企業の持続的な成長を実現するための重要な役割を担います。

労務コンサルタントの専門的な知識と経験を活用することで、適切な労務管理、戦略的な人事マネジメント、法令を遵守するための対応など、労務に関する幅広い課題が解決できるでしょう。

労務コンサルタントの利用を検討する際は、ここでご紹介したメリットとデメリットを理解し、ぜひ適切な選択と効果的な活用を心がけてください。

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