労務管理システムを導入するメリット・デメリット|特徴や機能も合わせて解説

最終更新日時:2023/10/05

労務管理システム

労務管理システムのメリット・デメリット

社会保険の手続きや福利厚生の管理など、労務関連業務の負担が軽減できる労務管理システム。しかし、労務管理システムの導入メリットがわからず、導入に踏み切れない担当部署も多いのではないでしょうか。そこで本記事では、そんな労務管理システムについて、メリットやデメリットを徹底解説します。

労務管理システムとは?

労務管理は、勤怠管理や給与計算、入退社時の各種保険の手続きをはじめとした福利厚生の管理など、従業員が安全で適切に働ける環境を整えるための管理が主な業務として挙げられます。

これらの業務は、毎月決まった時期に業務が集中する、あるいは、即座に手続きを行う必要があるといった業務が多く含まれており、担当する社員の残業や長時間労働が常態化しがちです。

しかし、その一方でこれらの業務には定型的な作業も多く、例えば、労務管理システムを導入して勤務時間の計算を自動化するなど、業務の大幅な効率化を実現している企業が増えているのです。

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労務管理システムの基本的な機能

労務管理システムの基本的な機能は以下の通りです。

入社・退社の手続き

入社・退社時に必要な社会保険や雇用保険の資格取得・喪失届、扶養控除等申告書の作成から関係機関への提出までをシステム上で行えます。

従業員情報の管理

マイナンバー・住所・連絡先・扶養家族など、従業員の基本情報の管理が可能です。また、結婚や引っ越しに伴う基本情報の変更手続きもシステム上で対応できます。

雇用契約書などの各種文書の作成・締結

雇用契約書・労働条件通知書・秘密保持契約書などの作成・締結が可能です。電子サイン機能が搭載されているシステムであれば、契約締結を含む一連の手続きを全てオンライン上で完結することができます。

勤怠管理・給与計算

出退勤時間の打刻や有給休暇の管理など、勤怠情報の記録は労務の中でも非常に負担の大きい業務の一つです。労務管理システムでは、勤怠記録の自動集計だけでなく給与計算まで一貫して行えるものもあります。

また、給与明細をPCやスマートフォンで閲覧できるようにするWeb給与明細の発行も可能です。

年末調整

年末調整に必要な書類の作成・提出をシステム上で完結できます。従業員が入力したデータを元に自動で書類を作成し、そのまま電子申告もできるため、ペーパーレス化にもつながるでしょう。また、従業員の入力状況が把握できるため、進捗管理もしやすくな離ます。

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労務管理システムの導入メリット・効果

ここからは、労務管理システムの各機能によって労務業務がどのように効率化されるのか、そのメリットや効果を具体的に解説します。

集計作業を効率化できる

出退勤の打刻や有給休暇の管理など、勤怠管理機能を備えたシステムでは、労働時間の自動集計が可能です。毎月の作業負担が軽減されるだけでなく、手入力・手計算の作業を削除できることから、ヒューマンエラーによる単純なミスを防止することにもつながるでしょう。

給与計算の効率化につながる

給与計算機能を搭載したシステムであれば、自動集計された勤怠情報による給与計算の自動化もできます。残業代・社会保険料・源泉所得税などの複雑な計算もミスなく行えるため、給与計算を効率化できるだけでなく、正確性の担保にもつながります。

不正の防止につながる

労務管理システムで勤怠管理を行えば、出勤・退勤時刻に関する不正の防止が可能です。不正行為としては、遅刻のごまかし・退勤時刻のごまかし・本人以外の代理打刻などが挙げられます。

マルチデバイス対応でオフィス外でも利用可能

パソコンだけではなく、スマートフォンやタブレット端末での利用も可能なシステムであれば、テレワーク中の勤怠管理はもちろん、外出先でも出退勤の打刻ができることから、より正確な勤怠管理が可能となります。

また、各種契約書や年末調整なども、場所を問わずに必要な作業がオンラインで完結できるため、文書をやり取りするリードタイムの短縮など、大幅な効率化が見込めるでしょう。

法改正時の負担軽減につながる

給与に係る所得税をはじめとした各種税法や、勤怠管理に影響する労働関連法など、労務業務に関連した法律は多々あります。そのため、これら法律が改正された場合には、業務の変更や見直しを求められることもあるでしょう。

改正法を正しく理解した上で、必要に応じて使用するファイルや書類を変更し、運用方法を再検討することになるため、担当者の負担が大きくなります。

しかし、主にクラウド型労務管理システムでは、法改正に合わせた必要なアップデートが即座に自動実行されるため、業務の負担増を回避することができます。

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労務管理システムの導入デメリット・問題点

労務管理システムの導入にはメリットが多い一方で、デメリットもあります。ここでは、労務管理システムの導入におけるリスクや、その対策について解説します。

セキュリティ面でのリスクを払拭できない

クラウド型の労務管理システムは、インターネットにアクセスして利用します。したがって、外部からの不正アクセスなどにより機密情報が流出してしまう可能性もゼロではありません。

二段階認証によるログインや、ウイルス、マルウェアへの感染対策など、強固なセキュリティ環境が構築されているシステムがほとんどのため、リスクは限りなく低いものの、完全に払拭するのは難しいことを認識しておきましょう。

導入時の運用ルールづくりが必要となる

情報漏えいによるインシデントの多くは、内部不正や人的ミスによって起こると言われています。そのため、多くの個人情報を管理する労務管理システムでは、システムの画面を開いたまま離席しない、ログイン情報の管理を徹底する、といった厳密な運用ルールの策定と周知徹底が求められます。

また、クラウド型のシステムを導入する際には、オフィス外での使用を想定し、フリーWi-Fiには接続しない、不特定多数の人の往来がある場所では閲覧しないといったルールも必要になるでしょう。

サポート内容により業務に支障をきたすこともある

ベンダーのサポート体制や内容は、製品によって様々です。

専任の担当者によって、導入時の初期設定から運用まで手厚いサポートが受けられるケースもあれば、問い合わせはメール・チャットなどのオンラインのみで受付としているケースもあるでしょう。特に後者の場合、システムに関連したトラブルが発生した際には、迅速な対応が受けられず業務支障を生じさせてしまうことも考えられます。

初めてシステムを導入する場合などは、サポート内容や対応スピードなども確認してから選ばなければなりません。

導入時にまとまったコストが発生する

システム導入時には、当然ながらコストが発生します。ゼロからオーダーメイドで開発するとなれば、数百万円の予算を必要としますが、現在は、自社サーバーにインストールして使用するパッケージ型(オンプレミス型)や、比較的、初期費用が抑えられるクラウド型のシステムも多数提供されています。

勤怠管理のみ、給与計算のみなど、労務管理のうち、どの業務をシステム化するのかによって導入コストは大きく異なり、パッケージ型では数万円から数十万円の初期費用が一般的な相場と言えるでしょう。

一方、クラウド型は、多くがサブスクリプション方式の料金体系となっています。こちらも月額費用には幅があり、勤怠システムのみであれば数百円〜使えるものもあります。さらに初期費用が0円のシステムもあるなど、初期投資は抑えられますが、利用中はコストがかかり続ける点を考慮する必要があります。

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労務管理システムの具体的な導入手順

労務管理システムの導入にはどのようなステップを踏めばいいのでしょうか。ここでは、労務管理システムの具体的な導入手順について解説します。

課題の洗い出し

まず、自社の労務管理における課題を明確にすることが大切です。例えば、正確な勤怠管理ができていない、労務上必要な書類の管理ができていない、担当者の残業時間が多くなっているといったことが挙げられるでしょう。

課題の洗い出しには、現場へのヒアリングも有効です。ヒアリングで実態を正確に把握することで課題を明確にでき、自社に合ったシステムを選べるようになります。

導入目的の明確化

課題を洗い出したら、導入目的を明確にします。

業務改善や残業時間の削減が目的であれば、担当者のリソースを多く割いている業務のうち、まずはシステム化が可能な業務を洗い出してみましょう。その後、例えば毎月10時間を要していた勤怠記録の集計業務を1時間に短縮するといった具体的な目的を掲げることで、その後のツール選びもしやすくなります。

システムの比較

次に、業務の改善や目的の達成に必要な機能を備えたシステムを選定します。

選定する際には、予算と機能のバランス、サポート体制のほか、労務関連業務に既存のシステムがある場合は、連携の可否などの項目を検討し、比較するようにしましょう。また、操作性も重要なポイントです。デモ画面などの用意があるシステムであれば、現場の担当者にて、操作感を確認しておくと安心です。

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費用対効果の確認

パッケージ型かクラウド型かによらず、多くの場合、多機能なシステムは、コストも高額になる傾向があります。

とりわけクラウド型では初期投資が抑えられることから、安易に多機能なシステムを導入した結果、後々ランニングコストの負担が大きくなってしまうといったケースは珍しくありません。そのため、自社が抱える課題と課題解消に必要な機能、導入後の効果の確認、検証は、丁寧に行う必要があります。

勤怠記録の集計や入退社時の手続きなどが効率化されることで工程や作業時間など、どのぐらいの業務改善が期待できるのかを踏まえ、初期費用・ランニングコストに見合うシステムを検証しましょう。

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労務管理システムを導入する際の選び方・比較ポイント

労務管理システムは様々な製品が展開されており、特徴が異なります。しっかり比較・検討し、自社に合ったものを導入することが大切です。

ここでは、労務管理システムを導入する際の選び方や比較ポイントについて解説します。

自社の就業ルールとマッチするか

勤怠管理システムの場合、就業ルールに対応できるシステムを選びましょう。勤務形態は固定時間制・フレックスタイムなどの変形労働時間制・裁量労働制など、業種や企業によって様々です。

自社の就業ルールと合わないシステムを選んでしまうと、適切な勤怠管理や給与計算ができません。システムを選ぶ際は、必ず自社の就業ルールに対応できるか確認しましょう。

既存システムとの連携ができるか

勤怠記録は、給与計算の基礎となるデータであり、給与は勤怠情報の他にも、雇用契約書や保険を含む、各種福利厚生などの情報をもとに計算されています。そのため、労務管理ですでに使用しているシステムがあるのであれば、システム間の連携が可能かどうかも重要なポイントです。

連携できないとシステム間でのデータ調整などで余分な手間が発生してしまい、むしろ非効率になる可能性もあります。

セキュリティ対策は万全か

災害発生時の管理体制や対応、また、クラウド型であれば、ベンダーのデータセンターの状況や自動バックアップを含むセキュリティ対策のほか、ネットワークやアプリケーションのセキュリティ対策も確認しましょう。

具体的には、通信の暗号化や2段階認証による不正アクセス防止などが挙げられます。導入を決める前に、検討中のシステムがどのようなセキュリティ対策を行っているか確認することが大切です。

従業員が使いやすい操作性か

労務管理システムでは、従業員情報や年末調整など、従業員一人一人に入力を依頼することがあります。操作性が悪いと従業員が使用方法を覚えるのに時間がかかり、システムの運用が定着しません。

また、労務管理業務を行う担当者にとっても使いやすいシステムであることが重要です。無料トライアル期間などを利用して、使用感を確かめてから本格導入するようにしましょう。

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労務管理システムを活用する際のコツ

労務管理システムを使用する際はどのようなポイントに気をつければいいのでしょうか。ここでは、労務管理システムを活用する際のコツについて解説します。

マニュアルを読み込み、機能を理解する

せっかく高機能なシステムを導入しても、使いこなせなければ意味がありません。システムを利用する前に、マニュアルに目を通し、各機能の特徴をつかんでおくことが大切です。

そうすることで、労務管理システムに備わっている機能を様々な方面に活用し、運用可能な業務範囲を広げることができます。

使いやすいようにカスタマイズする

自社の業態や社風に合わせて、システムをカスタマイズすることも大切です。

特に、勤怠管理や給与計算など、自社のルールがベースとなる業務については、自社に合ったカスタマイズを行うことで、業務のさらなる効率化が可能です。

労務管理システムを導入するメリット・デメリットを押さえておこう

労務管理システムの導入は、労務管理業務の精度と効率を両立する上で多くのメリットがあります。とりわけ、手入力や手計算によるヒューマンエラーが起きやすい勤怠管理や給与計算では、システムによって自動化されることで、大幅な効率化と正確性の確保が期待できるはずです。

一方、システムの導入は、必ずしも業務改善につながるとは限りません。自社業務に適性のないシステムを選んでしまった場合は、コストだけがかさんでしまう懸念もあります。

機能やセキュリティ対策、サポート体制などはシステムによって異なることを理解し、しっかり比較・検討した上で導入しましょう。

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