扶養とは?扶養親族の数え方や控除対象・給与計算の流れを解説

記事更新日:2022/06/23

給与計算システム

給与と扶養控除

給与計算において扶養控除の対象と人数をおさえておくことは大切です。所得税は扶養控除の対象と人数によって決まるためです。ここでは、そもそも扶養控除の対象にはどういった方が該当するのか、その確認方法と給与計算の流れなどを解説します。

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扶養とは

従業員に扶養親族がいると、扶養控除による税金が安くなります。さらに、同額の社会保険料で、扶養親族の保険証を作ることができ、扶養親族は年金保険料を支払う必要がありません。いずれも、扶養親族となるには一定の条件を満たさなければなりませんが、扶養親族がいると所得税をおさえることができます。

扶養親族には、所得税や社会保険の制度ごとに対象者が異なるときがあります。ここでは、給与計算に必要な基礎知識として、所得税と社会保険などの扶養控除と扶養親族の数え方を解説します。

扶養控除を受けられる控除対象とは

まず、扶養親族とは、従業員により金銭的な援助を受け生活している、親族や同等の者をいいます。従業員から扶養を外れると、従業員は税金が増え扶養者は社会保険料を自分で支払わなければなりません。

扶養控除を受けるには一定の条件を満たし、控除対象となる必要があります。扶養親族には、所得税法によるものと社会保険によるものがあり、順にご説明します。

所得税の扶養親族

所得税法の扶養親族とは、その年の12月31日(納税者が年の中途で死亡しまたは出国するときは、その死亡または出国の時)の現況で、次の4つの要件のすべてに当てはまる人です。

  • 配偶者以外の親族(6親等内の血族及び3親等内の姻族)又は都道府県知事から養育を委託された児童(いわゆる里子)や市町村長から養護を委託された老人であること。
  • 納税者と生計を一にしていること。
  • 年間の合計所得金額が38万円以下であること(給与のみのときは給与収入が103万円以下)。
  • 青色申告者の事業専従者としてその年を通じて一度も給与の支払を受けていないこと又は白色申告者の事業専従者でないこと。

なお、扶養親族のうち、その年12月31日現在の年齢が16歳以上の人を、控除対象扶養親族といいます。給与計算では控除対象親族の情報が必要です。

社会保険の扶養親族

社会保険での扶養親族とは、被保険者の直系尊属や配偶者(事実上婚姻関係と同様の人を含む)、子、孫、兄弟姉妹で、主に被保険者に生計を維持されている人をいいます。

これらの方は、必ずしも同居している必要はなく、被保険者と同一の世帯で、次の人をいいます。

  • ①被保険者の三親等以内の親族。
  • ②被保険者の配偶者で、戸籍上婚姻の届出はしていないが事実上婚姻関係と同様の人の父母および子。
  • ③、②の配偶者が亡くなった後における父母および子。※ただし、後期高齢者医療制度の被保険者等である人は除く。

また、収入がある人を扶養にするには、被保険者の収入により生計を維持されていることと、さらに次の認定基準があります。

  • 認定対象者が被保険者と同一世帯に属しているとき
    認定対象者の年間収入が130万円未満(認定対象者が60歳以上または障害厚生年金を受けられる程度の障害者のときは180万円未満)であり、被保険者の年間収入の2分の1未満であるときは被扶養者になります。

なお、上記に該当しなくても、認定対象者の年間収入が130万円未満(認定対象者が60歳以上、または障害厚生年金を受けられる程度の障害者のときは180万円未満)で、被保険者の年間収入を上回らず、その世帯の生計を果たしていると認められると、被扶養者になることがあります。

  • 認定対象者が被保険者と同一世帯に属していないとき
    認定対象者の年間収入が130万円未満(認定対象者が60歳以上、またはおおむね障害厚生年金を受けられる程度の障害者のときは180万円未満)であり、被保険者の援助による収入額より少ないときは、被扶養者となります。

扶養親族の数え方

給与計算で源泉徴収税額を計算する際は、扶養親族が何人いるか数える必要があります。扶養親族の数は、次に該当する人数の合計です。

  • 配偶者の控除対象(源泉控除対象待遇者)にあてはまるとき。なお、配偶者とは婚姻届けを受理された民法上の配偶者をいい、従業員と生計が同じでなければなりません。
  • 控除対象扶養親族に該当するとき。
  • 所得者本人が、障害者(特別障害者を含む)、寡夫又は寡婦(特別の寡婦を含む)、または勤労学生などのとき。
  • 所得者本人の同一生計配偶者又は扶養親族のうち、障害者(特別障害者を含む)、または同居特別障害者などのとき。

配偶者の控除については、配偶者控除と配偶者特別控除の2つがあり、その違いに注意が必要です。

まず、配偶者控除とは、年間の所得合計が48万円以下の配偶者が対象です。次に、配偶者特別控除とは、年間の所得合計が48万円を超えた配偶者が対象です。

配偶者特別控除は、配偶者控除の所得制限を超えた配偶者の救済措置ともいえ、控除額は段階的に下がり、0となります。

扶養人数が違うと手取りが変わる!?

給与計算において、所得税では扶養人数により控除額が変わります。そのため、扶養人数が変わると、所得税を控除した手取り金額も変わります。

ここでは、具体的に扶養人数が変わると所得税がいくら変わるかを解説します。なお、社会保険料は扶養人数と関係しません。

扶養人数が変わったときの具体例

ここでは、給与額が20万円であった場合、扶養人数による所得税額は次のとおりです。

  • 扶養0人のとき、毎月の所得税は4,770円、1年間では57,240円。
  • 扶養1人のとき、毎月の所得税は3,140円、1年間では37,680円。
  • 扶養2人のとき、毎月の所得税は1,530円、1年間では18,360円。
  • 扶養3人のとき、所得税は非課税となります。

このように、扶養0人のとき、1年間での所得税の差額は、扶養1人で19,560円、扶養2人で38,980円、扶養3人で57,240円となります。

給与計算の前に扶養人数を確認する

給与計算をするときは、事前に扶養人数を確認する必要があります。扶養人数の確認は「給与所得者の扶養控除等(異動)申告書」により行います。

この書類は、1年のうち最初に給与を支給する際にかならず従業員から提出してもらいます。また、1年の途中に扶養親族に変動があったときは修正を入れ、給与の前に正しい内容にしておきます。

この書類には4つの確認事項があり、順に記載されていますので、ここで解説します。

控除対象配偶者の有無

「給与所得者の扶養控除等(異動)申告書」の扶養欄には、最初に控除対象者の有無が記載されます。従業員の給与が900万円以下で、配偶者の当該年度の所得見込が95万円以下の場合、配偶者控除をうけることができます。

配偶者控除には、配偶者の所得により配偶者控除と配偶者特別控除があり、段階的に控除額がかわることを先に解説しました。まず、控除対象配偶者の有無を確認しましょう。

なお、配偶者手当を支給する会社では、控除対象配偶者の所得制限があることも多く、そのときは配偶者の所得証明を徴収します。

控除対象扶養親族の有無

「給与所得者の扶養控除等(異動)申告書」の扶養欄には、控除対象配偶者につづき、年齢16歳以上の扶養親族を記載します。所得税の扶養親族については、先に説明しているので、該当する控除対象扶養親族の有無を確認しましょう。

本人・控除対象配偶者・控除対象扶養親族についての障害者・特別障害者の有無

「給与所得者の扶養控除等(異動)申告書」では、控除対象扶養親族につづき、障害者の記載欄があります。ここには、本人・控除対象配偶者・控除対象扶養親族についての障害者・特別障害者の有無が記載されています。

また、本人、配偶者、扶養親族などが、一般の障害者、特別障害者、同居特別障害者になるかなど、ここで確認できます。

その他本人の特例事項の有無

「給与所得者の扶養控除等(異動)申告書」では、障害者の欄につづき、本人の特例事項の記載があります。ここには、本人が、寡婦、ひとり親、勤労学生であるかが記載されています。

寡婦、ひとり親控除をうけるには、現に婚姻関係のない状態であることが必要です。寡婦控除の条件は、女性であること、扶養家族がいること、合計所得金額が500万円以下であることなどがあります。

また、ひとり親控除の条件は、男女を問わず合計所得金額が48万円以下の生計を一にする子がいること、合計所得金額が500万円以下であること、などがあります。

扶養を含めた給与計算の流れ

扶養人数により給与の手取り額がかわることを先に解説しました。実際の給与計算では、次の内容を順に確認することで支給額のミスを防げます。確認する内容はルーティン化できますので、チェックリストをつくり効率よく給与計算をしましょう。

扶養控除人数の確認

扶養には、配偶者とその他親族に大きくわけることができ、「給与所得者の扶養控除等(異動)申告書」の記載内容を、上から順にチェックします。まず、給与計算の前に扶養控除人数を確認し、不明な点は従業員に聞き取るようにしましょう。

所得税の対応

毎月給与から控除する所得税額は概算のため、毎年12月の給与計算時に年末調整をおこない、1年間の所得税を確定します。所得税を確定する際は、課税所得金額の計算をしますが、そのとき扶養対象者と扶養人数などが必要になります。

特に年末調整をする12月支給給与では、扶養人数に間違いは認められません。先に解説した「給与所得者の扶養控除等(異動)申告書」に記載もれや誤りがないか確認しましょう。

社会保険の対応

社会保険には、健康保険、厚生年金保険、介護保険、雇用保険、労災保険などがあります。社会保険は労災保険をのぞき、従業員と会社で保険料を一定の割合で負担します。

従業員ごとに加入状況が異なるので、その従業員が対象かどうかを給与計算の際は確認します。なお、社会保険料に扶養人数は関係しませんが、健康保険や厚生年金などで扶養の変動があったときは、所得税も変動する可能性があります。そのときは所得税での確認もあわせて確認します。

まとめ

扶養人数は給与計算において、所得税をきめる要因の1つです。ここでは、扶養控除の対象やその人数の数え方、そして給与計算の注意事項などを解説しました。

給与計算では、対象配偶者、扶養親族、本人および扶養者が障害者に該当しないか、また、ひとり親か寡婦でないかも確認しなければなりません。なお、扶養を含めた給与計算の流れはルーティン化できるので、チェックリストを作成し正確な給与計算に取り組んでください。

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